導入
お邪魔します。(邪魔するなら帰ってなー)(はーい)
はじめまして、田舎人です。
2020年卒向けの企業ページが増えてきた。外資系企業? サマーインターン? 「意識を高く」して記事を読んだり、面接に臨んだり。そんな情報を見て、ついため息が出てしまう学生がいる。
地方学生。
地元の地方大学に進んだ人、都会から地方大学に通い始めた人、とにかく地方の学生はたくさんいる。都会のバリキャリ志望よりも多いはずだ。
「東京と大阪で合同説明会やります!」という就活メディアの告知を見て「行けへんやんけ……」って思うわけだ。
この記事は「そんな地方学生が、どうやって就活の情報戦を走り抜けるか?」を考察した記事だ。高校生の頃から遊び場が表参道だった人たち向けではないのを承知の上で読んでくれたらうれしい。筆者の通学路は蛇がヘビーローテーションしていた。
ライター紹介:田舎人
19卒のワンキャリアインターン生。3時間に1回しか電車が通らない関西の限界集落出身。離島暮らし経験あり。大阪のベッドタウン(梅田まで1時間半)に住んだ後上京し、現在東京のベッドタウン(新宿まで1時間)に在住。
本題の前に:エリア別・地方就活生の悩みあるある
さて、田舎にもレベルがある。
「都会学生に言わせてみればこれらは全部『田舎』なんだろうが、ドのつく田舎と田舎の違いがあるんじゃ。」と言いたくもなる。まずはエリア別に、地方就活生が抱える悩みをまとめてみた。
都会ベッドタウン
東京・大阪にアクセスはしにくいが頑張ればいける。往復3〜4時間くらいで合同説明会に参加できる。
・合説や企業説明会・面接の交通費で破産しそう。
・頑張れば都会に出られるが、朝の選考は眠いし、通勤ラッシュにつかまる。そして電車が遅れる。ヒールだと脚がつらいし、暑いし、髪形も化粧も崩れるし、会場に着くころにはボロ雑巾みたいな顔してることがある。
・昼時に電車に乗っていたりするので、ご飯を食べられない時がある。
地方都市の中心部
福岡市や広島市・仙台市などの地方主要都市の中心部に住む学生。地方の合同説明会や面接にはわりと楽に参加できる。地方国公立など。
・近くで行われる合説だと、地銀のブースが多い。いわゆる「大手」が少ない。
・正直、3年生の夏からインターンをはじめている企業が周りに少ない。インターンをしている学生も少ない。
・OB・OG訪問がしにくい/できる距離にOB・OGがいない。
・都心への遠征費で破産する。大荷物なのでコインロッカーがなくてさまよう。
地方のベッドタウン、またはそれ以上のレベル
地方主要都市のベッドタウン。地方主要都市の中心部に行くのに数時間を要するところ。またはそれ以上。最大レベルは限界集落。
・そもそも就活をする人が都会に比べて少ない。黄金ルートは看護師や公務員だし、そう思っている人が多い。
・テストセンターを受けるのすら遠い。「47都道府県に設置されている会場でも1県につき1会場じゃ遠い地方があるんです」と声を大にして言いたい。
・新幹線の駅同士の移動時間より、自宅から最寄り駅、最寄り駅から新幹線の駅までの方が時間が長いこともある。
さて。これらに当てはまる地方学生はなにかとつらい。何をするにも物理的な距離が問題になることが多い。
周りも田舎人なので情報が得られない。正直、ワンキャリアの存在が地方まで十分に行き渡っていないのは歯がゆい現状である。
ここからはそんな地方学生に向けて、「キラキラな企業ばかり紹介しているんじゃないの?」と思われがちなワンキャリアが地方就活を少しでも楽にできる方法を紹介する。
本題:地方学生が就活の「情報戦」を走り抜けるには? テクノロジーを使おう
インターネットは世界を近づけた。偉い人はよく言うようだけど、地方学生はそれを就活でも感じることができる。
インターネットがなかった時代の就活は、六法全書のような就活用情報誌を片手に電話をかけ、手書きのエントリーシート(ES)を大量に書いてポストへ投函。LINEもTwitterもないからリアルタイムで情報を知る術がなかった。
その時代から比べると相当世界は変わった。企業の情報をスマートフォン片手で調べることができるし、手書きのESも随分減った。字が汚くて泣きながらESを書く人も随分と少なくなっただろう。
就活は情報戦。時代が変わり「戦」は形状を変え、さらに加速していく。
情報が少ない地方就活生だから就活に失敗する? そんなことあっていいわけないじゃないか。
地方学生は、ネットを活用しまくって情報を手に入れるべきなのだ。
活用法1:オンライン説明会に参加しよう
日本生命やオリエンタルランドなど幅広い大手企業で、Web説明会の実施が増えてきている。
もちろん現実で行われる説明会とは幾分違うが、中には出席を取るものがあったり、コメント機能やアンケートなど、就活生の意見が反映されやすくなる機能もある。
交通費がかかることもなく、暑い中長時間リクルートスーツで苦しい思いをすることもない。
日本国内で、動画を見られない程に厳しい電波環境は少なくなっている。活用しない手はないだろう。
(筆者はiPhone 5s時代、3G回線すら入らない所に住んでいたことがある。なぜかトイレや寝室に入ると圏外になるのでLINEもできない夜を過ごすこともあったが、もう改善されていると思いたい)。
また、ワンキャリアでは実際に説明会に参加した過去の先輩が、どのような雰囲気だったか、どのようなことを話していたかなど、詳しく書いている「クチコミ」機能がある。
内容を確認して、遠征費をかけるべき説明会を取捨選択するのも良い。
参考記事:【20卒】知らないと損。クチコミでわかる「先輩オススメの夏インターン5選」
活用法2:自宅受験可のWebテストを活用していこう
テストセンターに行かなくてもWebテストが受験できる企業もある。もちろん自宅とテスト会場では環境が異なるため、特に大手は会場受験のテストを課すところが多い。ワンキャリアの選考ステップを確認すると、自宅受験か、テスト会場受験かを確認できるので、就活の予定を立てる時に活用していただけたらうれしい。
そして、自宅受験のWebテストを受験する際に気をつけるべきことも紹介したい。これは筆者が実際に陥った失敗でもある。
まず余裕を持って受験すること。間違えても締切ギリギリにWebテストをはじめる、なんてことはしてはいけない。「テクノロジーには常にバグが潜んでいるもの」と思って臨むべきだ。システムエラーやらソフトの更新であっという間に時間が過ぎて受験不可……。というのは一番やってはいけない。
自宅以外のパソコンを使って受験するときの注意点もお伝えする。まず、大学のパソコンは自分のものよりも融通が効かない。
DirectXの更新だの、ブラウザはIE10以降じゃないと受験できないだの、MacBookは不可だの、Flashを許可しろだのいろいろと本当にややこしい。しかも管理者権限がないと対応できないこともあるので、本当に余裕を持って、パソコンのことを聞ける施設の管理者が近くにいる環境ですることを激しくオススメする。
また、最近は地方にも増えてきているネットカフェ。そこで受験するときに注意すべきこととしては、地方のネカフェのPCだとあまりにもスペックが低くてフリーズする場合がある。
受付をする際に、あらかじめIEやFlashは動作するか聞いてから受けるのがベターだ。
活用法3:「オンライン選考」なるものが増えてきているぞ
SkypeなどのPC通話ツールが普及したのを背景に、遠方受験者用にビデオ通話で選考を行う企業もある。
ビデオ通話のため、自宅で受けるということ以外は顔も見ることができる・声も聞こえるので普通の選考と変わらない。
オンライン選考で気をつけるべきことはまず第一にSkypeなどのIDを交換するとき、IDやアイコンが選考で悪い印象を与えないかを見直しておく必要がある。
自分の本名と顔が分かるようにしておこう。SkypeアイコンがアニメキャラでIDが「◯◯(キャラ名)_love_forever」となっていたら、面接でマイナスイメージになってしまっても正直仕方がない(決してオタクを差別するのではなく、面接にふさわしいか否かで考えてほしい)。
SNOWなどのアプリでキラッキラにした自撮りなども避けた方がいいだろう。あらかじめ大学のメールアドレスなどで別のアカウントを作成してから臨もう。
また、Webカメラ(ビデオ通話)を求められることが多いので、部屋の中は映るところだけは必ず奇麗にしておくべきだ。見えても問題のない壁や本棚を背景とするのがいいだろう。
そして、実家暮らしの就活生は家族に一声「今から就職活動の面接をする」旨を伝えておこう。
両親がいきなり自室に入ってきて「ご飯よー」と呼ぶ映像が入ったり、両親に「いきなり自分の人生について子どもが虚空に向かって話し出した」と思われるのは就活生としても一人の人としても、何ともつらく恥ずかしい気持ちになる。
終わりに
いかがだっただろうか。
地方就活生は地方に住んでいるだけで、都会の企業を受けるには「ディスアドバンテージ」になっている、と感じるだろうし、実質的な距離は少なくとも不平等である。
インターネットやテクノロジーを使うことはその「距離」を少しでも縮めることができる。どうか、不利だと嘆かずに、自分の就活道を貫いてほしい。