こんにちは、トイアンナです。
2020年卒はそろそろ外資系企業のインターン選考も本番。もとい、外資系投資銀行が本命だった方はすでに「試合終了」の笛が鳴っている頃でしょうか。周囲が早々に内定している状況で選考がうまく進まないと、まるで自分だけが劣っているかのような焦りを抱きますよね……。
しかし、ここで冷静になってみましょう。99%の就活生にとって、まだ戦いは始まってすらいません。これからいくらでも【外資を含めた】トップ企業へ逆転内定はできるのです。今回は、実際に「外資全落ち」から行動を起こして変わった先輩方の事例をもとに、逆転術をご案内します。
リーダーシップとロジカルシンキングが絶対条件じゃない。自己分析で企業との相性を探ろう
優秀な人材であっても陥りがちな失敗は、落ちた原因を自分の能力へ求めることです。「自分はリーダーシップが劣っているから落ちたんだ」「ロジックを組み立てるスキルがないから」と自分を責めてしまうと、永遠に改善点を出せません。リーダーシップはいきなり生まれませんし、30分でロジカル人間に生まれ変わるのは不可能です。
しかしリーダーシップがないということは、協調性が高いことを意味します。ロジカルでないということは、あなたは情で人を動かせる方です。そして大多数の企業では、新卒社員に協調性と情を求めます。リーダーシップ、ロジカルシンキングを求めているのはごく限られた企業だけであり、これまでの選考が特殊だったのです。
もしあなたが協調性と情のある方なら、エントリーシートの内容もそのことを前面に押し出した自己PRへ変えましょう。
協調性や情を重視する企業は、日系だけではありません。現役社員や採用担当者からのヒアリングでは、BASF、日本イーライリリー、LVMHグループ(ルイ・ヴィトン モエヘネシーグループ)、デロイト トーマツ コーポレート ソリューションなどは、ゴリゴリのロジカルさよりも気配りで人を動かせる学生を求める傾向にあるようです。
外資全落ち……とヘコんでいるあなたは、これまでリーダーシップとロジカルさ重視の企業ばかりを選んできたのではないでしょうか? だとすれば、あなたは能力ではなく相性で落ちてきたのです。受ける企業を変えるだけで、内定率がぐっと上がります。実際に筆者の知る学生は、マッキンゼー・アンド・カンパニー、P&G Japan、アクセンチュアと、リーダーシップを重視するといわれる外資に全落ちした一方で、協調性を重視する傾向にあるLVMHグループ(ルイ・ヴィトン モエヘネシーグループ)へは即内定していました。
早期内定を狙うなら、日系の夏インターンも準備しよう
そして、外資系企業だけがキャリアの正解ではありません。日系企業も就活解禁前にこっそり内々定を出していることは、いまや暗黙の了解となっています。今のうちから行動を起こし、春までに内々定を取り付けましょう。具体的には日系企業の夏インターンへ参加する準備をしましょう。
日系企業の夏インターンは(1)内定直結型、(2)参加回数が選考で考慮される、(3)企業理解のためだけに開催する、の3つに分かれます。
特に学生の競争率の高い、いわゆるトップ企業ほど早期選考を開始する傾向があり、学生からも
「就活解禁前に最終面接の手前まで面接が進んでいた(2019年卒)」
「早期インターンに参加した学生限定で面接を何段階か飛ばしてもらえた(2018年卒)」
などの報告が挙がっています。
ここからは外資選考の経験者向けに、日系企業対策をリストアップします。
日系企業でどこを受けるか目星がついていないなら
ゼミやサークルの先輩が去年参加していた合同説明会へ行ってみたり、直接話を聞いてみたりしましょう。同じコミュニティの先輩はあなたと似た強みを持っている可能性が高く、あなたも内定しやすい企業を受けているからです。
また、就活で多くの企業を受けた先輩や大人へ相談してみてください。多くの企業を受けた方は、多数の企業からあなたを「リクルートっぽい」「旭化成っぽい」などと診断してくれるはずです。自分でどこに向いているか考えるよりも、先輩の印象を聞いたほうが正確なことがままあります。決してこの段階で「自分は絶対にマスメディア」などと受ける企業を絞りすぎないでください。
エントリーシート対策:心の動きを盛り込もう
もし外資系企業でエントリーシート落ちしていたのならば、エントリーシートを書き直すところから始めます。
特に日系企業では外資と比べ志望動機が重要視されます。志望動機は話の筋が通っているだけでなく、あなたが志望するに至った「心の動き」を細かく説明せねばなりません。具体的な例を見てみましょう。
悪い例:
スケールの大きな仕事をしたいと思い、総合商社を志望しました。私は海外経験が長かったことから「世界における日本」を意識することが多くありました。そして国際的に活躍しつつ日本へ関われる仕事、とりわけ総合商社へ関心を抱きました。総合商社の中でも、貴社は若手が活躍できる環境として知られています。そこから貴社を第一志望とするに至りました。
改善例:
日本を世界一の経済大国にするため、貴社を志望します。私は幼少期から海外と日本を行き来し、10年間で国際的に日本が凋落する姿を目の当たりにしました。例えばアメリカの中学時代、教科書には日本の詳しい特集ページが組まれていました。しかし今の日本は、「アジア諸国」でまとめられるにすぎません。以前ならソニーやトヨタと説明すれば事足りた自国製品を、高校時代に「中国のコピー」と笑われる屈辱を味わいました。私はこの雪辱を晴らし、再び日本を経済大国にしたいと考えます。そのためにも貴社で日本の名だたるメーカーへ優れた資源を提供し、世界最高の製品を作る礎となるため志望します。
前者と比べて後者は「なぜ総合商社を選んだか」という感情の流れがスムーズに書かれています。こういった心の流れは外資系企業の志望動機ではあまり求められないため、新しい課題に取り組むつもりで書き直してみてください。
面接対策:謙虚な「言い換え」がポイント
日系企業の面接では、外資でおなじみのフェルミ推定・ケース面接がほとんど登場しない代わりに、協調性や謙虚さを求められます。これまで「自分の強みを生かして貴社で働きたい」といった志望動機を語ってきたならば、すべて言い換える必要があります。
自分の強みを生かして貴社で働きたいです。
→ 少しでも自分の強みを生かし、貴社へ貢献できればと思います。
私の○○というビジョンを達成するために、貴社を志望します。
→ 貴社で○○を実現するための一助となれれば幸いです。
すべて「言い方」でしかありません。しかしこれができなければ長期間、無い内定に苦しむことになります。今のうちに謙虚な物言いを習得しましょう。慣れないうちはご両親にアドバイスをもらってください。大学の先輩は敬語にカジュアルすぎる傾向があるので、この件に関してはあまり相談しないことをおすすめします。
それでも、あの外資系企業に行きたいなら。狙うはボスキャリ。11月まで死ぬ気で準備しよう
外資に全部落ちたのに、即日内定ゲット? そんな不可能を可能にするイベントがあります。ボストンキャリアフォーラム(通称:ボスキャリ)です。これは毎年アメリカのボストンでおもに留学生向けに実施される就活イベント。特徴は即日内定もありうる驚異の選考スピ―ドです。昨年データでも7割が2次面接へ進み、4割が内定しています。
そして実はこちらのイベント、参加条件に「留学中であること」とは記されていません(※)。留学から帰国後、日本から切符を握り締めて飛び込む学生も多いのです。今年は11月9日~11日の3日間で開催されます。まずはボスキャリへエントリーしてください。当日は近隣ホテルが満室になってしまうため、ホテルと航空券の手配もお早めに。
(※)参加対象者の詳細(公式サイトより)
・日本語力、英語力共に少なくとも初級レベルをお持ちの方で以下のいずれかの条件を満たす方
・日本国外の大学の学士またはそれ以上(修士、博士等)の学位をお持ちの方、または取得予定の方
・1年以上の交換留学経験をお持ちの方で日本の学士またはそれ以上の学位をお持ちの方、または取得予定の方
・留学経験をお持ちの職務経験者や海外での職務経験をお持ちの方
ボスキャリ対策の詳細はこちらも見てみてましょう。
・「即日内定」の噂はホント?ボストンキャリアフォーラムの攻略法を徹底解説!
さて、エントリーするだけで内定はできません。選考で英語力不足を痛感しているなら、今すぐ11月へ向けて英語力を上げてください。TOEICスコアは外資だけでなく日系企業でも重視されます。企業によっては新卒にTOEICスコアでボーダーラインを引いているところすらあります。切符代を無駄にしないためにも「TOEIC最低800点」を目標に掲げ、死ぬ気で励んでください。
夏を有効活用! OBG訪問を始めよう
最後に、OBG訪問を増やしましょう。外資落ちをしたからこそ、夏休みのスケジュールが空いたはずです。OBG訪問は事前の連絡、スケジュール調整、お礼のメールと段取りが多いこともあり、選考の過渡期にはやりにくいもの。今のうちにたっぷりOBG訪問をすることで企業の人となりを分析しておきましょう。
おわりに
ここまで、外資落ちから逆転内定を目指すためのステップをご案内いたしました。今からでも外資を受けることはできます。また、日系トップ企業の夏インターンはもう目の前です。落ち込んでいるヒマもないほど動き回ることで、少しでも心が上を向けますよう応援しています!