こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。就活生が一度は憧れる総合商社。今回は、現役社員に聞いてわかった総合商社の内定者に共通するマインドセットをお伝えしてまいります。
<目次>
●OB・OG訪問でモヤっとしませんか?
●総合商社に向いている人材は「王道の人生」を求め、相応の努力をする覚悟がある
●総合商社で発生する「コスト」の具体例
●総合商社という選択のトレードオフにも向き合える人は、ぜひ挑戦を
OB・OG訪問でモヤっとしませんか?
これは実際に総合商社の社員に「商社に内定しやすい人はどんな人?」と質問した答えです。
総合商社A社の社員:「総合商社の内定者に共通すること? 人に好かれることかな」 総合商社B社の社員:「チームが好きで、みんなで目標を達成することにやりがいを感じる人が多いかな」 総合商社C社の社員:「バランスを取るのがうまい秀才タイプ」
商社の方へOB・OG訪問をすると、こういう答えが頻出します。しかし、この回答を聞いた際に「そんな人、どの会社でも内定する人ではないか」とモヤっとすることはないでしょうか。総合商社の社員が語る内定者像には、他社との違いが見られないことが多いですが、これを額面どおりに受け止めてはいけません。
結論から申し上げると、「人に好かれ、チームワークを大事にし、秀才になるためなら、『相応のコスト』を払える人」という受け止め方をすれば、具体的な内定者像が見えてきます。
総合商社に向いている人材は「王道の人生」を求め、相応の努力をする覚悟がある
社員さんや実際に総合商社に内定した学生を見ていると、言葉では出てこない隠れた共通項があります。それは「王道の人生を歩みたい」と強く願う方が多いこと。王道の人生とは、例えば、高収入で、20代からモテて、仕事でやりがいを感じつつ、結婚して家族を持つような人生です。
こんな人生をおくりたい! と、一見誰でも考えるかとは思います。しかし、実際にどれくらいの人が、王道の人生を歩むための具体的な努力をできるでしょうか?
人に好かれるために、自分の欲求を我慢する。チームワークを優先した結果、自分の時間やお金を犠牲にしても後輩の面倒をみて、先輩から教えを請う。秀才タイプになるために、全科目を満遍なく勉強し、スポーツや芸術の教養まで勉強する。
当たり前ですが「王道の人生」というリターンを得るために、相応の努力をコストとして払う必要があるのです。総合商社の社員の方々が話す内定者像を「人に好かれる人」「チームワークが好きな人」「秀才な人」と額面どおりに受け止めてはいけないというのは、要は「当たり前のトレードオフ(※)を、職業選択の前提として考えられているか」という意味なのです。
(※)……一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態・関係のこと。今回の場合、いわゆる「王道の人生」と「定時退社で週休2日、国内勤務」が両立しないような関係のことを指す。
総合商社で発生する「コスト」の具体例
では、実際に商社の方は、王道の人生を進むための努力を人生のどの局面でしていらっしゃるのでしょうか。こちらも質問してみました。
総合商社A社の社員:私の会社はあまり異動がなくて、入社時の部門で基本的には仕事をします。そのため、最初の上司と相性が悪くても、ずっと一緒に昇進していく必要があります。(中略)それでも辞めないのは、総合商社以上の社会的価値がある会社はないと思っているからです。
総合商社B社の社員:転勤は当たり前で、共働きでも妻には仕事を辞めてもらい帯同させるのが普通ですね。妻のキャリアを尊重することは残念ながら考えられない。後進国や女性が外出できないイスラム圏へ行く可能性もあるので、家族には犠牲を強いる面があるかもしれません(中略)それでも若いうちから海外勤務をさせてもらえることは魅力を感じますね。
総合商社C社の社員:平日は夜遅いのと、土日も接待ゴルフなんかがあって家には帰れないですね。ぶっちゃけ、それに耐えられない奥さんに離婚されちゃう同僚もいます。でも、商社の人間と結婚するってことは商社そのものと結婚するようなものだと奥さんにも理解してほしいなぁ、と僕だったら思いますね。忙しいから親の死に目に会えないだろうなあ、と。それでも、親もそれを望んで仕事を応援してくれているから、頑張れる。
グローバルに活躍し、高収入とやりがいの両方を仕事に求めるからには、相応のコストが伴います。それを超えても仕事に邁進(まいしん)したい、王道の人生を歩みたい。そう強く願える人間こそが、大手総合商社向きの人材と言えそうです。
総合商社という選択のトレードオフにも向き合える人は、ぜひ挑戦を
今回は、総合商社に内定する人材の共通項について、ご紹介してまいりました。赤裸々な背景事情に少し怖いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし総合商社に入ることで、他に代えがたい大きなビジネスを回す経験を得られることは間違いありません。
結局、職業選択の上でのトレードオフは、誰もがうらやむ総合商社でも発生します。何かを選択することは、何かを捨てること。このトレードオフを理解した上で、グローバルなプロジェクトに携わりたい、高収入と安定した家庭を手に入れたいという王道の欲求を持てる方は、ぜひ覚悟を決めて総合商社の選考へ挑んでください。
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※こちらは2016年2月に公開された記事の再掲です。