※こちらは2017年9月に公開された記事の再掲載です。
こんにちは、トイアンナです。
毎年この時期になると「まだ無い内定でヤバいんです」というご相談を来年卒の学生さんからいただきます。大手のエントリーがほぼ終わってしまったこの時期、焦る気持ちやいかばかりか……とのんきに構えている学部3年・院1年のみなさん、明日は我が身です。
数百名からご相談を頂く中で、無い内定に陥りやすい方が受ける業界に偏りがあることがわかってきました。そこで今回は代表的な「無い内定になりやすい業界」と、悲劇を回避するたった1つの方法をご案内します。
無い内定を取りやすい1位はずばり「出版業界」志望者
これまでのご相談実績からずばり申し上げますが、出版業界を受ける方は無い内定リスクが人一倍高いです。そもそも無い内定に陥りやすい条件とは、以下3点。
1. この業界しか行きたくない! と、同じ業界で10社以下しか受けない
2. 志望業界の採用人数が少ない
3. 志望者が多く、内定へ至るまでの倍率が高い
就活は一部確率ゲームですから、採用人数が多い業界なら内定しやすく、若干名しか採らないところは高倍率となります。そして出版業界は採用人数も少ない上に応募者は多いという、難関要素を揃えた業界です。
ところで、データは相反した答えも見せてくれます。就活生の内定倍率が最も高いのは明治でなんと2,750倍(※)。それ以下も森永や味の素など有名食品系メーカーが並びます。
しかしこれら食品メーカーは「有名だから受けた」「とりあえず受けた」といった層も多く、本気受験の数は少なくもなります。
一方で出版社を受ける方は「俺はこの道でしか生きていきたくない」「出版以外は目に入らない」と業界を絞る率が異様に高いのです。
(※)参考:東洋経済ONLINE「内定競争倍率「高い50社、低い50社」はどこか」
同様に絞りすぎて自爆しやすい例としては、商社や広告代理店が挙げられます。100倍を超える倍率の、それもトップ学生が殺到する企業を5社だけ受けるなど無謀な選択を取った結果、本人の能力にかかわらず無い内定へ突っ込んでしまうのです。
「まあ通るだろう」で爆死しやすい外資と一般職
次に、「まあ通るだろう」と甘い見込みを立てた結果、全社で落ちてしまい自信喪失、そのまま復活できず就職留年となりやすいのが外資系企業と商社などの一般職です。
外資系企業は一見難関企業に見えますが、帰国子女や体育会系など就活で有利とされるスペックを持っている人間なら「1社くらい内定しないと」と期待してしまう分野でもあります。特に近年は外資系コンサルティングファームが採用人数を大幅に増やしたこともあり、「外資で内定してから日系企業へ挑戦だ」と意気込む方も少なくありません。
その意気込みや素晴らしいのですが、外資系企業が難関であることは、昔も今も変わりません。「東大で留学経験もあるし」「学生団体をやってたし」と安易に挑んでは、外資系投資銀行の面接で「君ってTOBも説明できないの? よくその知識量でウチ受けたね」と精神をボコボコにされて敗退します。
同じく「何とかなるだろう」と思われて爆死しがちなのが一般職で、特に女子大の学生に多い落とし穴です。総合商社では一般職の倍率が総合職を上回ることもあり、かつ高学歴化も進んでいます。旧帝大に早慶がずらりと受ける一般職で、女子大出身者は不利な戦いをせざるをえません。その現実を踏まえず「とりあえず5大商社の一般職だけ受けたわ」などという暴挙に出れば、翌年の無い内定が待っています。
・【一般職って、こんなにスゴイ】キャリアに悩む女子が知っておくべき一般職の3つの新常識
いずれも共通点は「まあ通るだろう」という甘い見通しです。落ちても仕方ないと覚悟を決めて挑んでいれば、例え落ちても第二志望群、第三志望群の企業を受け内定を獲得できます。しかし、もともと「これくらい通るでしょう」と楽観的に挑んで落ちてしまうと、滑り止めをそもそも受けていなかったり、受けていてもメンタルを復活させられずに面接でパフォーマンスを発揮できなかったりして無い内定へ進んでしまうのです。
無い内定を回避するポジティブな第二志望群を作ろう
これら無い内定を防ぐ方法はただひとつ、受ける企業を増やすことです。大手企業の採用倍率が100倍ともいわれる昨今、単純計算で100社受けても1社内定するかどうかです。であればエントリー社数が多ければ多いほど有利といえるでしょう。
とはいえ、そもそも志望業界が偏っているからこその無い内定ですから、志望業界を闇雲に増やしても志望動機が書けない、面接でやる気を見せられないなどモチベーション面での課題で落ちてしまう可能性があります。そこで類似した業界や、志望企業の取引先を第二志望群とすることをオススメします。
例えば出版業界に類似しているのがWEBメディア。1,000万PV以上を稼ぐサイトは山ほどあり、そこには優秀な編集がついています。中途で出版社へ転職し、斜陽とされる出版業界をデジタル面から支えられるという可能性も開けるWEBへも目を向けてみませんか? また、Kindle、楽天koboなど電子書籍を支援する就職を検討するのもよいでしょう。関連業界であれば志望動機も書きやすく、ポジティブな第二志望群といえそうです。
商社には多くの子会社があり、どの企業も大きな役割を担っています。広告代理店にはクライアント企業のほか、実際の広告制作を担う子会社もあります。広告づくりの現場を学ぶため、現場で鍛え上げるのもアリでしょう。
この無い内定に該当する方は、多くて15社ほどしかエントリーしていないことがほとんど。こんな無い内定に陥る可能性がありそうだと思われる方は、まずはエントリーするだけで構いませんので、該当する業界で30社ほど増やしてみましょう。志望動機がない? それはエントリーしてから考えていくものです。よろしければ下記記事もあわせてご覧ください。さあ、ここから一緒に内定を獲得しましょう!
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