今回は、PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー(以下、PwC)のコンサルタント職のインターン選考のポイントをお伝えします。エントリーシート(ES)、Webテスト、グループディスカッション(GD)、面接それぞれのポイントを解説します。選考前の確認にご一読ください。
PwCの社風:戦略・IT・会計・業務改善など広範囲なサービスを世界中で提供
PwC(プライスウォーターハウスクーパース)は世界157カ国約28万人のスタッフ(※1)を擁する世界的に知名度の高いコンサルティングファームです。
他の総合コンサルティングファームと同様、戦略・IT・会計・業務改善など広範囲なサービスを展開しています。事業の特徴として事業再生や経営改革に力を入れていることが挙げられるでしょう(※2)。
また、多様な人材の育成の一環として、グローバル人材の育成にも力を入れており、ある内定者の話では、「社内案件の約7割がグローバル案件。若手のうちから数カ月海外支社に駐在して海外スタッフとチームを組んで案件を扱うという挑戦機会もある。」とのことです(選考対策ページより)。
(※1)参考:PwC Japan「採用情報」
(※2)参考:PwC Japan「事業再生/事業再編」
ホワイトな労働環境と高い給与水準
働き方改革という世の中のトレンドと、近年の業績の良さから、PwCにはホワイトな労働環境と高い給与水準があります。
実際にある内定者が座談会時に聞いたスタッフの情報によると、「定時は9時~17時、昼休憩別の7時間。コンサルでは朝までオフィスにいることも少なくないみたいだが、自分含めこの会社では0時過ぎてもオフィスにいる人を見たことも聞いたこともない。海外案件で遅くにテレカンをする場合は自宅で行う」とのことです。
コンサル企業は一般的にブラックなイメージがありますが、自分次第で働き方をコントロールすることができ、給与も高いことは大きな魅力となるでしょう。
産休・育休後に復帰する女性が多いとスタッフが話していたことからも、男女ともに働きやすい企業といえます(選考対策ページより)。
他総合系コンサルとの違い
以下に、複数総合系コンサルの内定者の声をまとめた社風の比較を掲載しますので参考にしてください。
<社風の違い>
・PwC:協調的で華やか、オン/オフの切り替えがはっきりしている、上下関係なく仲が良い、スタッフ数は普通
・デロイトトーマツコンサルティング:おとなしい、学者肌の人が多い、大人っぽい雰囲気がある、スタッフ数は普通
・KPMGコンサルティング:競争的な環境、華やか、少数精鋭
・EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング:穏やかで物静か、少数精鋭
・アクセンチュア:競争的な環境、ストイックな人が多い、スタッフ数が多い
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PwCのインターン選考のポイント:「主体性に加えて協調性のある人材」に一致させよう
GDやワークはしゃべった者勝ちではない。主体的かつ協調的な議論ができるか?
PwCのスタッフは説明会時に繰り返し「コンサルはサービス業である。喜ばせることが使命であり、お客さんが言語化できていない自社の課題を代わりに言語化・翻訳してあげることがわれわれの仕事。利害当事者だからこそ分からないことを、客観的に考えるパートナーシップを結ぶ仕事である」と明言しています。
このことからPwCは、多くのコンサルで求められる主体性に加えて協調性のある人材を求めていると考えられます。
特に「パートナーシップ」というキーワードには重点を置いているようで、実際にある内定者は「しっかりと業務を遂行する主体性と、相手の意見も尊重する協調性のバランスが非常によく、パートナーシップを結ぶ能力がある点を高く評価した」と伝えられたそうです。
「目指すコンサルタント像」と「PwCの求めるコンサルタント像」を一致させられるか
最終面接のパートナー面接では、すべての学生が「あなたにとって良いコンサルタントとは?」という問いを投げかけられたと言います。
これは、「PwCの求めるコンサルタントとあまりにもかけ離れている回答をして落とされている人もいた」という内定者情報があることからも、上述と同様の「パートナーシップ」を結ぶ能力があるかどうかを確かめるための質問だと思われます。
そのため、「PwCの求めるコンサルタント像」と「自身の経験や生い立ち」を絡めて問いへの答えを用意しましょう。
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PwCのインターン選考フロー
PwCの選考フローは大きく分けて2つあります。
<選考フロー>
(1)本選考:「PwC Career Festa」最短2日の超短期型選考
・ES/玉手箱形式のテスト→GD→1次面接(ケース/マネージャー)→最終面接(バートナー面接)→ディナー
(2)インターン特別選考
・ES/玉手箱形式のテスト→GD→1次面接(マネージャー)1dayインターン→最終面接(バートナー面接)
<注意点>
・インターン参加者で、インターン特別選考枠に呼ばれなかった場合でも、本選考により内定を獲得することが可能
・本選考とインターンの「ES/玉手箱形式のテスト」と「面接」はほぼ同じ内容
・PwCの選考フローはまだ安定していないため、あくまでも参考程度にしてください。
・21卒採用から通年採用が始まりました
1. ES
2. Webテスト
3. GD
4. 面接
5. インターン
それでは各選考のポイントについて見ていきましょう。
1. ES:内容について問われることはないが、しっかりと書く必要がある
2020年卒のPwCインターン選考のESは以下の通りです。
<ESの質問内容>(いずれも、文字数自由)
(1)あなたのこれまでの人生の中で、最大のチャレンジについて教えてください。
(2)PwCコンサルティング合同会社/PwCアドバイザリー合同会社を志望する理由を教えてください。
※出典:PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー|コンサルタント職2020年卒のES
インターン直前のマネージャー面接ではケース問題に加えてESに基づいての質問もなされるため、学部3年生または院1年生の6月という早期の提出ではありますが、しっかりとした準備をする必要があります。
以下に具体的なアドバイスを記載しますので参考にしてください。
設問(1):数字や過去の経験を用いて説得力のある内容に
設問(1)で問われる「人生最大のチャレンジ」では、チャレンジしたかどうかが見ている点だと人事が話していたそうです。そのため、企業が好む内容や書くべき系統の話などはありませんが、説得力があるかどうかは重要です。
記入の際には「具体的な数字」や「自分にとってどの程度大きなチャレンジだったかを、過去の経験と比較すること」を意識して説明しましょう。
設問(2):「なぜコンサルか」と「なぜPwCか」の2段階に分けて記載
設問(2)で問われる志望動機については、「なぜコンサルか」と「なぜPwCか」の2段階に分けて記載すると良いでしょう。
「なぜコンサルか」という志望動機では、他コンサル企業でも書いているようなオーソドックスな内容にてコンサルへの興味・関心を示しましょう。
「なぜPwCか」という志望動機については、社風に言及することが無難です。どのような人と働きたいかを明確にしたうえで、そのような人がPwCにたくさんいると示せると良いでしょう。
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2. Webテスト:ボーダーは低いが、慣れておこう!
2020年卒のWebテストは玉手箱で、内容は「言語、計数、パーソナリティ検査」が課されました。所要時間は1時間半程度で、外資系コンサルティングファームと比べるとWebテストのボーダーはそこまで高いものではないようです。
ある内定者が「MARCH以上の学生であれば通ることは容易いのではないか」と話していますが、早慶クラスの学生でもこのステップで落ちている人も多数存在することから、油断は禁物でしょう。
玉手箱の対策本を解いておくなどして形式や問題に慣れておいた方が良いでしょう。
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3. GD:最大の関門、一気に絞り込まれる
2020年卒のPwCのGD選考では、一気に絞り込みが行われるESやWebテストで大幅な絞りこみはされないため、ここが最大の関門となるでしょう。
議論をうまく進める主体性と協調性をアピール
PwCのディスカッション系の選考では「主体的かつ協調的な議論が出来るか」という点が見られています。そのため、グループディスカッションでも自分の意見を押し通しすぎる学生や、反対に意見をほとんど言わない学生は落ちていたようです。
本質的に議論を進めようとする姿勢がある一方で、人との協調をできるだけ取ろうとするバランス感覚のある学生が評価されます。
GDの際は、以下を意識すると良いでしょう。
<GDで意識したい点>
・意見をしっかりと発信し、議論の脱線や停滞を防ぐ
・反対意見など、議論をかき回すような発言は残り時間を見てから発信する
・反対意見を発信する場合は一度相手の意見を受け入れたことを示すため、Yes, but方式で話す
・あまり話せていない人には声をかけ、発言しやすい雰囲気作りを行う
▼GDについてさらに対策したい方はこちらもご覧ください
・グループディスカッション対策完全版!テーマ例と議論の進め方・役割の選び方
4. 面接:さらに絞り込まれる、ケース面接対策は必須!
2020年卒のPwCの面接は社員1人:学生1人の個人面接です。所要時間は30分程度で、フランクな雰囲気で行われました。
質問内容は以下の通りです。
<質問内容>
・自己紹介
・志望動機
・なぜコンサルに興味を持ったのか
・学生時代力を入れたことについて(苦労、努力など)
・他に受けている、興味がある業界
・ケース(5分実施、5分発表)
・逆質問
※出典:PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー|コンサルタント職2020年卒の面接
GDほどではありませんが、ここでも絞り込みが行われます。
具体的な数字は不明ですが、内定者は人事から「多くは通していない」と言われたそうです。
以下の対策を行いましょう。
念入りなケース対策
この面接ではケース問題を解くことになり、面接の半分以上をケース面接に費やすことから、その比重は大きいと思われます。
また、「論理的思考力」などの素養を繰り返し確認されます。以下に一般的にケース面接に臨むにあたって注意すべきポイントを載せておきますので参考にしてください。
・ケース問題の正確な把握:ケース問題で聞かれていることや問題の構造、問題の根源を検討できるか
・問題に対する複数のアプローチを検討:1つの考えだけでなく、複数の考えを短時間で深く考察できるか
・面接官とのコミュニケーション:面接官をディスカッションのパートナーと捉え、より建設的な議論を行えるか
▼おすすめの参考書籍はこちら
・東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」
論理的思考力をアピール
一般的にコンサルティングファームでは必要最低限の素養として論理的思考力の高さが求められます。面接でもロジカルシンキングのレベルが見られているのは間違いないでしょう。対策としては、以下の2点を意識した発言を心がけると良いでしょう。
(1)構造化して話す
具体例:理由は2つあると考えていて、1つ目は◯◯です。2つ目は◯◯です。
(2)端的に結論から話す
具体例:結論から申し上げると◯◯です。というのも、◯◯だからです。
▼おすすめの参考書籍はこちら
・世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
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5. インターン:倍率は4倍程度、特別選考への切符をつかもう
2020年卒のPwCのインターンは、丸の内オフィスで開催される1Dayインターンシップでした。5名グループで課題解決型グループワークに取り組り、ここで評価が高いと本選考が優遇される(特別選考)場合があります。2020年卒の選考では、特別選考へ進めなくとも、本選考で内定を獲得することは可能でした。従って、今後も同様の選考フローが実施される可能性があるため、失敗を恐れずに取り組みましょう。
インターンの内容は以下の通りです。
<タイムテーブル>
10:00〜10:30 オリエンテーション、アイスブレイク(自己紹介と班の名前決め、絵しりとり)
10:30〜11:00 インターンのワーク概要説明
11:00〜12:00 昼食(ワークを行う班もいた、各班メンターが着く)
12:00〜16:30 ワーク(途中でクライアント役の社員にヒアリングを行う)
16:30〜18:00 プレゼン(各班発表15分、社員からの質問も含めて)
18:00〜19:00 メンターからのフィードバック
19:00〜 クロージング、懇親会
<ワークテーマ>
「ある架空の家具店の新規事業戦略のキックオフミーティングに向けた準備をせよ」
※ある程度の資料が支給される※出典:PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー|コンサルタント職2020年卒のインターンシップ
上記のワークでの社員の配置は、若手コンサルタントがメンターとして各班につき、そして、ベテランのシニアマネージャーとパートナーがクライアント企業の社長・副社長役として評価を行います。最後に上位3チームを発表し、豪華景品が贈呈され、優秀と評価された人は次の選考に進めます。
評価のほとんどはメンターがしていると思われるため、適度なアピールが必要だと考えられます。
「特別選考」に進める割合どのくらい?
内定者によると、4〜5人のチームあたり1人程度が呼ばれていたため、特別選考へ呼ばれる倍率は4倍程度と推測できます。
後日のフィードバックでは優勝したかどうかは関係なく、メンターの評価でほとんどが決まっていたことが内定者に知らされていたらしく、最も重要なのは「メンターに優秀と評価されるかどうか」という点のようです。
議論を精力的に進める姿勢や論理的思考力など、総合的な評価がされるため、1秒たりとも気を抜かないようにしましょう。
また、前のGDと面接での選考対策でも取り上げた、「協調性」「論理的思考力」の2点をしっかり意識しつつ取り組みましょう。
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おわりに
いかがでしたか? 今回はPwCのコンサルタント職のインターン選考のポイントをお伝えしました。
さらに詳しい「選考対策ページ」と「クチコミ」はこちらをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
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