世界を股にかけながら、顧客のニーズをつなぎ合わせ、商売をオーガナイズする仕事として、就活生の間でも人気の高い「商社」。
実は同じ「商社」でも扱う商材によって関われる地域や商流に大きな違いがあることはご存じでしょうか。
「グローバルに活躍したい」と思っていても扱う商材によってはそれが叶わないこともありうるかも……?
今回は鉄鋼を扱う専門商社である住友商事グローバルメタルズの藤嶋雄太さん、井上大輔さん、岩本燈さんに、「鉄鋼」という商材の魅力や専門商社ならではの魅力についてお話を伺いました。
「漠然と商社に興味はあるけど企業選びの軸が分からない」。そんな悩みを解消します。
<目次>
●「商社ビジネスの始まりから終わりまで 幅広く携わるなら「専門商社」
●「鉄鋼」という商材だからこそ関われる地域がある
●「鉄鋼商社」という歴史ある業界で新しいチャレンジができる
●良い意味で入社前後のギャップがない、人の魅力にあふれる会社
商社ビジネスの始まりから終わりまで 幅広く携わるなら「専門商社」
──専門商社は鉄鋼や食品、繊維など特定の分野に商材を定めている、というのが一般的な認識だと思います。よかったら住友商事グローバルメタルズで実際にトレードに携わっている営業職のお二人から、専門商社ならではの特徴をお聞かせください。
藤嶋:私は新卒で損害保険会社に入社し、地方支社と東京エリアで5年ほど営業職として働いた後、20代後半で当社に入りました。前職も今も営業職ですが、専門商社には大きな違いを感じますね。
藤嶋 雄太:薄板アジア第三部 アセアン第三チーム
前職は損害保険会社の営業で、世界規模で仕事をしたい思いからキャリア採用として2016年にSCGMへ入社。入社後は中東など遠隔地向けのトレードビジネスを担当し、その後韓国向けの薄板トレードを担当。現在は薄板アジア第三部 アセアン第三チームにて東南アジア向けのビジネスに関わる。
藤嶋:損害保険業界の営業職は、自社の商品を法人顧客へ、もしくは代理店を介して販売します。自分が関わる範囲としては、自社からお客様へサービスを提供するという一方向のみでした。また、商品企画や事故が起きた際の調査は別部門が担当しており、役割ごとに部署が細かく分かれている体制でした。
対して、専門商社の場合は仕入れ先である鉄鋼メーカーにも営業し、売り先である顧客にも営業をしてトレードを成立させます。私自身は商流の間に立ち、双方向に関わることになるのです。当社に入社した直後は、仕事の範囲が2倍になったように感じられましたが、メーカー・商社・顧客の交渉がまとまったときの喜びもそれだけ大きなものがありますね。
──一人の社員が関われる範囲が広いのが、特徴なんですね。
藤嶋:そうですね。ビジネスの上流から下流まで幅広く関わるダイナミックさがあり、自由度をもって動ける。これは、前職では味わえなかった経験です。
岩本:私も、特定の商材を通して幅広い領域に携わることが専門商社ならではの特徴だと感じます。
岩本 燈:薄板アジア第三部 アセアン第三チーム
2023年に新卒入社。大学時代はダンスサークルに所属し、商社をはじめグローバルに活躍できる会社を中心に就活していた。他商材の商社と検討の末に住友商事グローバルメタルズ(SCGM)へ入社し、現在は主にマレーシア向けのトレードビジネスを担当している。
岩本:今年新卒入社したのですが、就職活動をする中で専門商社へ感じた魅力は、トレードも事業投資も一貫して同じ部署で関われる点でした。
トレードをやっているからこそ、日々の業務から将来の投資や事業開発の種を見つけられるのでしょうし、仕事の全体像が見えることで、自分で仕事を回している感覚もきちんと得られそうだな、と考えまして。私自身、幅広いフィールドで自らがハンドリングして仕事を進められる社会人になりたかったので、入社を決めました。
入社後は海外向けのトレード、具体的にはマレーシアに鉄鋼を輸出する業務を担当しているのですが、就活中にイメージとして抱いていた専門商社の魅力を現場で体感しているところです。
──井上さんは1社目で高速道路業界の人事職、2社目で人材業界での営業職を経験された後、いま専門商社の人事部にいらっしゃいます。さまざまな人事職、そして人材業界にいたご経験から、専門商社の特徴をどう感じられますか?
井上:専門商社は扱う商材が絞られており、かつ当社のように社員数が数百名の規模だと、組織もそこまで細かく分かれておらず、一人が幅広い業務を担当することになります。岩本さんのように扱いたい商材が決まっている人にとっては、配属先の影響を受けずに必ずその仕事に関われる専門商社が適しているのではないでしょうか。
井上 大輔:人材グループ採用・人材育成チーム
大学卒業後は大手高速道路会社へ入社し、その後人材業界(転職エージェント)へ転職。2023年にキャリア採用でSCGMへ入社し、現在まで人材グループ採用・人材育成チームにてキャリア採用と研修を担当している。
井上:自分が直接関わる仕事の範囲が広く、その結果も間近で見られる喜びややりがいがあるわけですが、この点については職種が違うものの、私も同じ思いを抱いています。
メインの職種である営業職が収益を生み出すことに、人事という立場から密接に伴走できるのは実に魅力的なんです。これも扱う商材が絞られ、社員一人一人の顔が見える専門商社の規模感ならではでないでしょうか。
もちろん、多様な職種の社員が働く大企業における人事のやりがいもあると思います。ただ、当社の組織規模だと私が採用に関わった社員が入社後にどう活躍しているのかを肌で感じられることに、私自身はやりがいを感じているんです。
「鉄鋼」という商材だからこそ関われる地域がある
──鉄鋼を扱う仕事ならではの面白さや特徴についても、教えてください。
藤嶋:鉄という商材は世界中で需要があり、建物や自動車、家電などあらゆるものに使われます。そして、「鉄は国家なり」という言葉があるように、国が発展するためには鉄が必要です。これから成長するマーケットに深く関われる面白さもあると思います。
井上:グローバルに仕事をしたいという希望をもって商社を志望する人は多いと思いますが、トレードや事業投資で関わっていく地域や商流は商材によって異なります。さらにいうと、地域には、商材を仕入れる地域と販売する地域という二つの観点があります。
鉄鋼であれば日本国内で製鉄し、これから産業が成長するフェーズにある東南アジア地域などに輸出する仕事が多くなります。経済が伸びると耐久消費財の需要が増えるので、鉄の需要が一気に増えるからです。発展著しいエリアに価値を提供する仕事がメインですね。
逆に食品であれば日本は輸入する立場にあるので、トレードする地域も変わってきますよね。商材によって日本は仕入れる側なのか販売する側なのか、商流と関わる地域を見極めていくのも商社選びのポイントかもしれません。
「鉄鋼商社」という歴史ある業界で新しいチャレンジができる
──岩本さんは、2023年に新卒で入社されたばかりです。どのような思いをもって、住友商事グローバルメタルズへ入社したのでしょうか。
岩本:就職活動の際に考えていたのは、幅広く社会の「縁の下の力持ち」として働きたいということでした。そして、この思いを実現するなら、仕事のフィールドを国内だけに絞る必要はないと思い、グローバルな仕事をしたいと考えていました。
また、幼少期から続けているスポーツで世界大会に出た経験があり、仕事でも世界を舞台に活躍したいという思いもあったんです。
岩本:こうした考えから、就職活動では海運や石油元売り、プラントエンジニアリングなどのインフラ業界から企業を探し始めました。すると、こうした社会インフラを支える業界には必ず商社が関わっていることが分かってきたんです。商流の旗振り役として全体をコーディネートする商社の仕事に夢を感じ、最終的には商社を中心に採用試験を受けました。
商社の中でも、人が豊かになるために必要な鉄鋼などの素材に関わりたい思いがあり、どの企業の面接でもこの希望を伝えていました。
──藤嶋さんは前職も営業でしたが、なぜ損害保険会社から鉄鋼の専門商社へキャリアチェンジしたのでしょうか。
藤嶋:鉄鋼商社を選んだ理由は、違う世界を見てみたいという冒険心が湧いたからです。前職では日本の都市部と地方の両方でビジネスを経験したので、次はグローバルに行きたいな、と。新しい地域で仕事をするにあたっては、これまでの営業職の経験も生かせると考えて商社に入社しました。
藤嶋:入社後は、サウジアラビアなど中近東エリアへの鉄鋼の輸出を担当した後、現在は東アジア・東南アジア地域を担当しています。出張する機会が多いので、世界の地域ごとの商習慣や文化の違いを肌で感じる面白さがありますし、希望通りの仕事ができていると感じます。
井上:私が転職したきっかけは、1社目で人事の仕事をし、2社目では人材業界での営業職として働いた経験や知識を生かしながら新しいチャレンジをしたいと思ったことでした。
井上:その中で当社を選んだのは、歴史のある鉄鋼商社という業界にもかかわらず、自らを変えることをいとわず、「自立自走」というキーワードを掲げて積極的に新たな取り組みをしているからです。
当社は今、住友商事グループの強みを生かしつつも、さらに国内外で存在感の強い鉄鋼商社としての進化を目指して拡大・成長フェーズに入っています。そのためにも次世代を担う中核人材の新卒採用、キャリア採用を強化しており、プロパー社員中心の構成へ大きく変化しているところです。
前職では多くの企業と関わってきましたが、こうしたチャレンジは伝統的な業界ではなかなか見られないことだと思います。確固たるビジネスモデルが既にありながらも挑戦し続ける環境に身を置けたら、やりがいがあるだろうと感じました。
良い意味で入社前後のギャップがない、人の魅力にあふれる会社
──採用試験を受ける中で、住友商事グローバルメタルズに感じた魅力を教えてください。
藤嶋:私は面接でお会いした方々に魅力を感じました。面接官だったチームリーダークラスの方からは、多くの経験をしてきたからこその人間的な魅力を感じ、このような人と一緒に仕事をしたいと思ったことを覚えています。
岩本:私も、藤嶋さんと同じです。就職活動で接した人事部の方は、セミナーでも私たち参加者が納得するまで質問に対応してくれました。また、面接でも学生一人一人にじっくり向き合い、理解してくれようとしていることを感じました。
井上:人事部として、お二人の話を聞いてうれしいですね。私は、当社に入社してから「嘘のない、誠実な会社だ」と感じました。採用面接の段階で、仕事で想定される厳しいこともすべて隠さず伝えてくれたんです。入社した後にミスマッチが起こらないよう、自分のためを思って言ってくれたのだろうと感じます。なので、良い意味で入社前後のギャップはありませんね。
そして、社員一人一人の主体性が高いとも感じています。歴史のある業界で既存のビジネスモデルに沿って仕事をするだけでなく、さらに成長するためには何ができるのかを誰もが意識しているんです。まさに「自立自走」を全員で体現している会社だと思います。
──最後に、これから就職活動をする学生の皆さんへメッセージをお願いいたします。
藤嶋:専門商社は、その名の通り専門性を身につけることができるフィールドです。自分も同僚も、皆が同じ商材のプロとして働いているので、周囲から学ぶことばかりだと感じています。そして扱う商材が決まっているからこそ、日々の仕事は自分の意思で進められる部分が大きく、自分の力が磨かれると思います。
岩本:日々の業務を通してビジネスを理解するだけでなく、商材の知識もついていくので、専門性が磨かれることを実感しています。ただ一方で、鉄といっても、船や自動車など用途によってさまざまな種類があるんです。ひとつの領域における幅広さや、先進国から途上国まで地域の多様性を感じる点では、ひとつの会社にいながら多くの経験ができるとも思います。
井上:多くの職種や商材を経験するよりも、産業を下支えする鉄鋼を通してトレードや事業投資/経営などの商社ビジネスに幅広く関わりたいと考える人には、当社のような専門商社でぜひ活躍していただきたいと思っています。働くことを通して叶えたい思いと、当社の特徴が合うようであれば、ぜひ一緒に働きましょう。
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