こんにちは、ワンキャリ編集部です。
「事業活動を通じて社会的課題の解決に貢献し、持続可能な社会を実現させること」を目指し、多角的に事業領域を広げるオリックス(※1)。幅広い選択肢から挑戦の機会を得られることは、学生にとっても大きな魅力の1つです。
この記事では、オリックスの「総合職」に絞って具体的な選考対策をお伝えします。選考前の最終確認のためにご一読ください。
(※1)参考:オリックス「事業活動を通じた社会課題への貢献」
<目次>
●オリックスの特徴 ●オリックスの本選考のポイント ●オリックスの本選考のフロー ・1. エントリーシート(ES) ・2. Webテスト ・3. Webテスト ・4. 1次面接 ・5. 2次面接 ・6. 3次面接 ・7. 最終面接 ●おわりに
オリックスの特徴:「リース」を起点とし、多角的に事業を展開する独自のビジネスモデル
オリックスは1964年に「オリエント・リース株式会社」として誕生。新しい金融手法である「リース」を普及させるために、3商社と5銀行により設立されました(※2)。
「リース」とは、顧客が必要とする設備を代わりに購入し、貸し出すビジネスモデルです。オフィスのパソコンやコピー機、スーパーやコンビニエンスストアの冷蔵ケースなど、貸し出す設備は多岐にわたります。
高度経済成長期の当時は産業設備需要の拡大に伴い、リース業は活気がある状況でした。当時の社長である乾恒雄氏のリーダーシップにより、経営基盤が確立されました(※3)。1970年代はオイルショックで設備投資が減少したものの、国内事業の多角化により成長を続け、海外に進出します(※2)。
1980年代にオリックスの経営戦略の1つでもある「グループ経営」にも磨きがかかり、1989年には社名を「オリックス」に変更(※2)。1990年代には「環境ビジネス」「投資銀行」「不動産開発」「生命保険事業」「銀行業」の5つの事業領域へ参入しました(※2)。以降も「金融+サービス」を軸に国内外で多角的に事業を展開し、業種の枠を超えた独自のビジネスモデルを築いています(※3)。
(※2)参考:オリックス 新卒採用情報「歴史から見る、オリックスの精神」
(※3)参考:オリックス「オリックスの歴史」
収益の「成長」と「安定化」の両方を実現
オリックスは収益の「成長」と「安定化」の両方を実現していることが大きな強みです(※4)。実際に多様なビジネスを展開しながらも、バランスの良い事業ポートフォリオにより、黒字計上を続けています(※5)。
「成長」は、常に新領域を開拓してきたオリックスならではの特徴。最近でもヘルスケアや酪農など、環境・社会課題の解決に資する企業への投資やコンセッション事業など、創業時の専門分野以外の領域にも進出しています(※6)。採用メッセージにも「すべての『出る杭(くい)』に、挑戦する勇気を。」と掲げており、新しい人材にも挑戦心を求めています(※7)。
「安定化」が実現できている1つの要因は「ファイナンス×事業投資×事業運営」の3本柱で新たなビジネスを創り出していること(※6)。
現在では「法人向け金融事業」「不動産関連事業」「環境エネルギー事業」「事業投資・コンセッション事業」「輸送機器・海外事業」「コーポレート部門」の6つを主な事業領域として展開しています(※6)。さまざまな事業で多様な収益源を確保してきたからこそ、バランスの良いポートフォリオが実現できている企業といえるでしょう。
(※4)参考:オリックス「オリックスグループの強みと今後の成長戦略 P.24」
(※5)参考:オリックス「オリックスグループの強みと今後の成長戦略 P.23」
(※6)参考:オリックス 新卒採用情報「ビジネスモデルと事業」
(※7)参考:オリックス キャリア採用情報「メッセージ」
オリックスの本選考のポイント:「コミュニケーション能力の高さ」を示し、営業適性をアピールしよう
オリックスの選考では「コミュニケーション能力の高さ」が重要。新卒社員の半数が営業に配属されるといわれている同社では、社内外問わずどのような相手でも円滑にコミュニケーションをとる力が求められます。
実際に1次面接では志望動機よりも自己PRを中心に問われ、3次面接以降も雑談ベースで会話を重視した内容になっていました。社内外で通用するコミュニケーション能力の高さを示し、面接官に好印象を与えるために下記の2点を意識して臨みましょう(選考対策ページより)。
【面接で意識すべき振る舞い】
・面接では明るく笑顔で受け答える
・一方的なスピーチにならないよう、面接官との「会話」を心がける
・面接官の話はうなずきながら聞く
・面接官の考えを直接聞いてみる
【面接で意識すべき話し方】
・相手が聞き取りやすいように、大きな声で聞き取りやすいスピードで話す
・考える時間を減らし、素早く反応する
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
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オリックスの本選考のフロー
オリックスの本選考のフローは以下の通りです。
・1. エントリーシート(ES) ・2. Webテスト ・3. Webテスト ・4. 1次面接 ・5. 2次面接 ・6. 3次面接 ・7. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. エントリーシート(ES):社員のリアルな情報をもとにオリックスに適性があることを示そう
オリックスのESでは、過去に以下のような設問が出題されました。
(1)オリックスに興味を持った理由(300文字以内)
(2)チャレンジしたい部署とその理由、どのように自分の強みを生かしていきたいか(300文字以内)
(3)自身の特徴がよく表れているエピソード(300文字以内)
(4)これまで注力して取り組んできたこと(20文字以内)
※出典:オリックス|総合職2023年卒本選考のES
オリックスではESとWebテストの総合評価で、次の選考へ進めるかどうかが決まるようです。23卒の内定者や人事社員の発言から、この段階の通過率はかなり低いと考えられます。以下のポイントを参考にしつつ、万全の準備をしましょう。
(1)(2):説明会参加、OB・OG訪問で得たリアルな情報をもとに回答しよう
設問(1)(2)はオリックスに興味を持った理由やチャレンジしたい部署について問われます。
説明会やOB・OG訪問でリアルな情報を収集し、説得力のある回答を心がけましょう。部署ごとの実務を正しく理解したうえで、具体的なキャリアプランまで落とし込んだ回答をするのが理想です。以下、2023年卒の内定者の回答例を紹介します。
(1)「挑戦を続け人々の暮らしをより豊かにしたい」という私の軸に貴社が非常にマッチしていたからだ。私は大学で◯◯を専攻し、社会の固定観念にとらわれず新たな可能性を見つけ出す大切さを学んだ。貴社は常に新しいビジネスを創り出すことで社会に独自の価値を提供し続けており、貴社でなら私の思いが実現できると考えた。またインターンシップやOB・OG訪問などでお会いした社員の方々が非常に魅力的で、私もそのように高い専門性を身につけながら第一線で仕事を楽しめる人間になりたいと考えている。貴社だからこその協業による価値創出を通じ、挑戦し続けることで豊かな社会を実現したい。 (2)◯◯コースを希望する理由としては、自身の興味が◯◯分野にあることに加え、キャリアの最初に◯◯を通じ、各部署を俯瞰(ふかん)できる広い視野を持ちたいからだ。私は幅広い人間になりたいという思いがあり、◯◯部では組織を下支えすることで間接的にさまざまな部門と関わり、幅広い知識を身につけることができる。◯◯部に配属されたら「目標に対し徹底的に努力ができる」という強みを生かし、知識不足の状況に直面しても愚直に学び続け、幅広い知識と専門性を兼ね備えた人間になりたい。貴社の◯◯部で専門性を身につけながらそれを社会にも還元し、仕事を楽しみながら成果を出し続けていきたいと考えている。 ※出典:オリックス|総合職2023年卒本選考のES ※ONE CAREERに投稿されたESの内容から、一部表記を変更しています
(3)「オリックスが求める人材」をイメージして回答しよう
設問(3)は自身の特徴がよく表れているエピソードについて問われます。回答のポイントは「オリックスが求める人材をイメージする」こと。オリックスのホームページでは「求める人材」について、以下の3点を記載しています(※8)。
・絶えず新たなビジネスを自ら創り出す人材
・「高い専門性」を身につけ、「チャレンジ」し続けられる人材
・多様な価値観を認め、周囲を巻き込みながら主体的に行動できる人材
上記の特徴と自分の特徴のマッチする点を意識して、過去のエピソードとひも付けながら答えられるように意識しましょう。
(※8)出典:オリックス 採用情報「オリックスが求める人材は?」
2. Webテスト:形式は玉手箱。通過率が低く、しっかりとした対策が必要!
オリックスのWebテストの形式は玉手箱で「言語」「計数(空欄推測)」「性格」の3科目から出題されます(選考対策ページより)。
ESおよびWebテストの通過率は低く、しっかりとした対策が必要です。実際にある内定者も「提出から2日後には結果が来たため、Webテストの点数でふるい落とされている可能性が高い」と話していました。市販の参考書や、他社のテストを受験し、万全な準備をして臨みましょう。
・これが本当のWebテストだ!(1) 2025年度版 【玉手箱・C-GAB編】 (本当の就職テスト)
3. Webテスト:形式は内田クレペリン検査。単純なテスト形式だが通過率は低い
2つ目のWebテストの内容は内田クレペリン検査(選考対策ページより)。隣り合う2つの数字を足していく単純なテストです。
ただし、通過率は決して高くありません。ある内定者が人事社員に聞いた話によると「半分程度の人が落ちている」そうです。受験日のコンディションを整え、集中力を持続できるかが鍵になるでしょう。
4. 1次面接:「積極的にチャレンジする姿勢」でオリックスの社風とのマッチングを示そう
1次面接は社員1名と学生1名で行う個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・学生時代に力を入れたこと
・自己PR
・オリックスを知ったきっかけ
・逆質問(10分程度)
※出典:オリックス|総合職2023年卒本選考の1次面接
1次面接では「何事にも積極的にチャレンジする姿勢」を示すことが重要。多角的に事業を展開してきたオリックスでは、主体的に挑戦できる人材を求めています(※9)。
実際、ある内定者は「大きな決断を下して環境を変えた経験」でチャレンジ精神をアピールし、選考を通過しました。挑戦心の強さを示すために、以下の観点を意識して回答を用意するのがおすすめです。
(1)挑戦した経験の概要
(2)なぜそれに挑戦しようと思ったのか
(3)挑戦する際に直面した困難は何か
(4)その困難をどのように乗り越えたか
(5)その結果何を学んだか(入社後にどう生かすか)
(※9)出典:オリックス 採用情報「オリックスが求める人材は?」
5. 2次面接:最大の鬼門。長期的なキャリアプランまで落とし込み「志望度の高さ」をアピールしよう
2次面接は社員2名と学生1名で行われる個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・学生時代に力を入れたこと
・志望動機
└なぜそれを実現したいのか
・どのようなキャリアを歩みたいか
└海外で働きたいと思うか
・他社の選考状況
・長所、短所
・逆質問(1問)
※出典:オリックス|総合職2023年卒本選考の2次面接
2次面接はオリックスの選考における鬼門。ある内定者は「2次面接が最も倍率が高いと感じた」と話しています。選考を通過するためには「確固たる志望度の高さを示すこと」が大切です。面接でも志望動機やキャリアプランなど、志望度の高さを測る質問が多くされています。
「なぜオリックスなのか」「なぜ金融業界(リース業界)なのか」を明確にしつつ、「どの部署でどんなことを実現したいか」まで落とし込みましょう。その上で、「長期的にどのようなキャリアを歩みたいか」まで語れるのがベストです。
また、過去の選考では「オリックスのCMを見てどう思うか」などの突飛(とっぴ)な質問によって、どの程度オリックスに興味を持っているかを確認される場合もあったようです。説明会やOB・OG訪問はもちろん、CMやWeb上のメディア媒体にあるオリックスの情報もひととおりチェックしておくなど、オリックスに関する下調べを入念にしておくと良いでしょう。
6. 3次面接:逆質問の時間が長い傾向に。社員の年次に合わせた質問を考え、円滑な会話を心がけよう
3次面接は社員2名と学生1名で行われる個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・自分の性格
・周りの人から何と言われるか
・志望動機
・逆質問(15分程度)
※出典:オリックス|総合職2023年卒本選考の3次面接
3次面接は雑談ベースで会話が進み、逆質問の時間が多く取られる傾向があるようです。
ある内定者は「年次の高い社員とどれだけ円滑に会話を進められるかが通過のカギ」と語っています。面接官の年次やポジション、配属部署などの観点から、その面接官だからこそ聞ける質問を心がけてください。
また、調べれば分かることや漠然とした内容の質問は避けましょう。企業理解度や志望度が低いと解釈されてしまう可能性があるので、注意が必要です。以下、面接官の年次や経験した部門に合わせた質問例を紹介します。
【面接官の年次による質問の使い分け】
・面接官が若手社員の場合:「入社直後の営業活動ではつらい経験もすると思うのですが、具体的にはどんな困難がありましたか」
・面接官がベテラン社員の場合:「部下としてさまざまな若手社員を育成されてこられたと思うのですが、オリックスの若手社員として活躍するために必要な素質は何でしょうか」
【面接官の経験した部門による質問の使い分け】
・営業部門での経験が長い社員の場合:「営業活動では困難に直面することも多いと思うのですが、長く続ける秘訣(ひけつ)は何でしょうか」
・さまざまな事業部を経験した社員の場合:「複数の部門を経験された中で、それぞれの部門での経験が相互に活用できたことはありますか」
7. 最終面接:意思確認の場ではない! 最後まで志望度の高さを示すことが重要
最終面接は社員2名と学生1名で行われる個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・オリックスの志望度
・他社の志望度
・就職活動を振り返ってどうだったか
※出典:オリックス|総合職2023年卒本選考の最終面接
最終面接は意思確認ではなく、最後の関門です。実際にある内定者は「周りで落ちている人も一定数いた」と話しています。
選考突破のポイントは「最後まで志望度の高さを示す」こと。志望度を率直に問われるうえに、ある内定者も「オリックスが第1志望かどうかを重点的に見ていたと思う」と語っていました。「なぜオリックスなのか」「なぜ金融業界(リース業界)」なのかをもう一度明確にしつつ、配属希望の部署や入社後のキャリアプランまで整理しておきましょう。
▼オリックスの選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!
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おわりに
ここまで、オリックスの選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
オリックスの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
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(Photo:PopTika/Shutterstock.com)