こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を上げてお届けする【業界研究:第1弾】。今回は、東大、京大を始めとする多くの優秀な学生から根強い人気を誇るリクルートグループについてお届けします。
起業志向の高い社風を持つリクルート。最近発表された「東大生・京大生が働きたい企業ランキング」では、リクルートホールディングスが第3位にランクインしています。
しかし、「リクルート」という会社は厳密にはもう存在しないことをご存知でしたか?
今回は、人気企業ながら意外と知られていないリクルートの各カンパニーについて比較してみましょう。
リクルートグループの全体構造
現在のリクルートグループ全体の事業は「販促メディア事業」「人材メディア事業」「人材派遣事業」「その他事業」に大別されます。それぞれの売上と成長率は以下の通りです。
・販促メディア:3,334億円(前年度比+3.4%)
・人材メディア:3,027億円(前年度比+13.4%)
・人材派遣:6,752億円(前年度比+10.2%)
・その他:20億円(前年度比-29%)
※出典:リクルート「決算短信」(平成25年4月1日ー平成26年3月31日)
各カンパニー比較
早速本題の各カンパニー比較に入りましょう。特に人気が高い8社を、事業内容・社員の雰囲気の順に解説します。
ただ、社員の雰囲気の違いについては、リクルートグループの社員の多くが「人はそこまで変わらない」と言っています。選考で「なぜこの会社なの?」と、各カンパニーの違いを細かく聞かれることもありません。2012年に分社化してから3年、社風は今まさに形成しているところといえるでしょう。今後を予測しながら読んでいただけたらと思います。
リクルートホールディングス:Web専門家、起業家
持ち株会社(※1)であり、グループ全体の成長戦略を担っています。成長戦略は「グローバル化」と「IT化」の2つに大分されます。「グローバル化」としては積極的な海外企業の買収を主に、「IT化」としてはWeb人材の育成を主に行っています。新卒で入社した学生をWeb人材として育成し、一定期間の研修を経ると各カンパニーに出向させ、各メディアの開発部門の責任者として活躍を期待します。一般的には3年が経過すると正式に出向したカンパニーの社員となります。ホールディングス経由で入社した社員はあくまで「Webの専門家」であり、各カンパニーから直接採用された社員とは棲み分けが成されています。
上記のような特性からか、ホールディングスの社員はWebの知識が豊富にある社員が多いです。新卒採用においても「エンジニア職」はもちろん、「Web総合職」の学生の半分はコードが書けるといわれています。選考で「君はどの言語が書けるの?」と聞かれることもあるのだそう。Webの知識がないから入れないということはありませんが、Webの知識なく入社するには覚悟が必要でしょう。また優秀な学生が多く、学生時代に起業し、自分の会社を持ったまま入社する学生も少なくありません。
(※1)持ち株会社:投資ではなく事業の支配を目的とし、他の会社の株式を持つ会社のこと。この場合は「純粋持ち株会社」で、グループの他の企業の支配を主な業務とする。
リクルートキャリア:頭の切れるパッション系
「リクナビ」「リクナビNext」などを運営する人材メディア事業のカンパニーです。学生インターンが中心となって運営する「キャリフル」など、新規事業も積極的に行っています。
人材紹介業の営業は、取引先企業の採用責任者など位の高い人物と向き合います。そのため上下関係に慣れている人が適しており、キャリアの社員はグループの中では体育会系の割合が多いといわれます。また、人材のなかでも正社員を扱うことから、自分の未来に対してもビジョンを持つ社員が多く、「自分のなりたい将来像」を熱く語る人が多いです。飲み会の席でも「君のWillはなんなの?」という声が飛び、カンパニー横断の飲み会で最も荒れるのがリクルートキャリアの社員なのだとか。
リクルートジョブズ:イケると思ったらまず行動
「タウンワーク」「フロムエー」など、人材メディア事業のなかでもアルバイト、非正規雇用領域で事業を行っています。最近では、育児を行う主婦に就業機会を与えるプロジェクト「イクション」など、新しい基幹事業をつくる取り組みも積極的に行っています。
同じ人材メディア事業を行うリクルートキャリアと比較すると、キャリアのクライアントが大手企業なのに対し、ジョブズのクライアントは中小企業であり、クライアントの数はジョブズが圧倒的に多いです。そのため一つ一つについてゆっくり考える時間はなく、「イケると思ったらまず行動」という傾向が強くなっているようです。
リクルート住まいカンパニー:アットホーム
緑のキャラクターで有名な「スーモ」を持つ、販促メディア業務のカンパニー。「スーモ」一本というイメージが強いですが、最近は「住まいから暮らしへ」というコンセプトを掲げ、関連領域で新規事業が立ち上がっています。
とはいえ事業の核は「スーモ」。他のカンパニーと異なり、一つのメディアに強く依存しています。また主要クライアントの数も少なく、「狭く深い」付き合い求められます。社員の多くが同じサービス、同じクライアントに向き合うことから、社内に団結力が生まれ、アットホームな雰囲気が出来上がっているそうです。
リクルートライフスタイル:個性が集まる動物園
「ホットペッパー」「じゃらん」など、販促メディア事業のなかでも日常消費領域でサービスを展開しています。最近は無料POSレジアプリ「Airレジ」が急速に拡大し、新たな基幹事業となりつつあります。
ライフスタイルの担当する日常消費領域は事業サイクルが早いため、新規事業を生み出すスピードも早くなります。提供するサービスも多く26もあります。このような特徴もあり、ベンチャー気質の強い社員が多いといわれています。一方で多様性に富んでいるともいわれ、ある社員は「ライフスタイルは動物園のようだ」と形容していました。
リクルートマーケティングパートナーズ:ロマンとそろばん
販促メディア事業のうち、「結婚」「進学」「車」の3領域で主に事業を行うカンパニーです。業界で圧倒的な地位を誇る「ゼクシィ」を軸に、新たな基幹事業となり得る「スタディサプリ」の拡大に取り組んでいます。
マーケティングパートナーズには「ロマンとそろばん」という言葉があります。ロマンは「情熱」、そろばんは「論理」であり、これらが合わさって初めて良い新記事業が生まれると考えです。以前社長が、ある事業コンテストの公表において「ロマンとそろばんを掛け合わせて考えたか」という趣旨の発言をしており、社内でもこの言葉を耳にすることは少なくないようです。
新卒採用について「ロマンとそろばん、どちらかに秀でている人を取りたい」と社員が語るように、社員は、ロマンを熱く語る人と、論理的思考力に優れた人の2パターンに大きくわけられるようです。
ゼクシィの部署では結婚領域柄女性率が高く、ゼクシィのフロアは非常に華やかな雰囲気になっているそうです。
リクルートスタッフィング:キラキラ系
リクルートグループで最も売上の高い「人材派遣領域」の中心的カンパニーです。クライアント企業に必要な人材像の提案と、自分たちが持っている人材のマッチングを行っています。内定者によると、スタッフィングの社員は女性率が高く半分程度で、キラキラした人が多いそうです。採用HPの社員のインタビューにも「成長し続け、キラキラと働く人になりたい」と語る社員がいます。
また、終身雇用を好み独立志向のある社員は少ないようです。グループの中でも尖っておらず「リクルートに行きたいけど、将来自分で事業をしたいわけでもない…」といった人に向いている企業といえるでしょう。また管理職に占める女性の割合が39.5%(労働力調査2013年より)と高く、女性が活躍しやすい環境も整っています。
リクルートコミュニケーションズ:クリエイティブ、論理的思考力
各カンパニーのメディアのコンテンツ制作を行う機能会社(※2)です。各メディアの、各領域での競合優位性を高めることを主軸としています。
新卒で入社すると高確率で「ディレクター」職につき、各カンパニーに配属されます。どのようなコンテンツを作れば人を動かせるか、クリエイティブに考えることが主な役割です。広告・制作事業であるため、社員には大手広告代理店からの転職者、内定者が多くいます。
グループの「社内コンサル」のような位置付けでもあり、コンサル志望の人も一定数います。他カンパニーと比較すると「論理的思考力」が強いといえるでしょう。また全体を俯瞰する能力も優れており、事業会社の社員とのディスカッションで「そもそも……」という言葉が頻繁に使われるようです。
(※2)機能会社:グループ内部のある業務を専門で受け持つ会社。取引先は主にグループ中の企業。経理や人事、総務などの機能が分社化されて機能会社となるケースが多い。
「作るフェーズ」か「広げるフェーズ」か
各カンパニーの事業内容と社員の雰囲気を見てきましたが、今度は「フェーズ」について見てみましょう。人材メディア、販促メディア事業を行う5カンパニーを比較すると、配属先の傾向が見えてきます。
・企画に配属されやすい:住まい、キャリア、ジョブズ
・営業に配属されやすい:ライフスタイル、マーケティングパートナーズ
なぜでしょうか?その理由は事業フェーズにあります。例えば、マーケティングパートナーズでは、新たな核となる事業(スタディサプリなど)は既に確立していて、今はこれを全国に広げていく段階です。17卒の新卒採用では「エリア総合職」しか募集していないことからもその姿勢が見て取れます。
逆にジョブズは、引き続き新たな基幹事業を創出する段階です。現に2016年度の新卒入社の学生は全員が本社勤務となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。リクルートは分社化して3年が経過しました。カンパニーごとの採用を行っているので、そろそろカラーの違いが出始めているといったところです。これから徐々にカラーが明確化されていくと思われますので、それぞれの違いを理解したうえで、自分に適したカンパニーを見つけてください。
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