就活中で、いくつかの企業から内定をもらった場合、就職する企業以外には誠意のある対応で辞退を伝えなければなりません。今回は、新卒向けのマナーと内定辞退の伝え方について、電話やメールの例文を紹介します。
<目次>
●内定辞退を伝えるときの流れ
●内定辞退の連絡をする前に
・誰に伝える?
・内定辞退はいつまでにすべき? 内定保留は可能?
・新卒の場合、内定承諾後でも辞退できる?
・連絡方法は電話? メール?
・メールで送る場合のメリット
・内定辞退の理由はどう伝えれば良い?
●内定辞退を伝えるときのマナーや注意点
・決断したら早めに連絡する
・誠実な対応を心掛ける
・お礼の一言を忘れない
●内定辞退の電話をするときのポイントと例文
・電話で連絡するときは時間に気をつけよう
・電話で連絡するときの例文
●内定辞退のメールを作るときのポイントとテンプレート
・内定辞退のメールを作るときのポイント
・内定辞退のメールを作るときの例文・テンプレート
●内定辞退後の返事にどう対応する?
・了承の返信が来た場合
・理由の詳細を聞かれた場合
・電話が来た場合
・メールの返信がないときは?
・呼び出されたらどうすれば良い?
●内定辞退を迷っている方は企業の選考体験談を見て参考にしよう
●おわりに
内定辞退を伝えるときの流れ
内定辞退をする際の全体の流れを把握しておきましょう。全体像がわかっていると内定の返事をする前に落ち着いて対応できます。
内定辞退の連絡をする前に
複数の企業を志望したとしても、就職する企業は1つしか選べないので、内定辞退は避けては通れません。しかし、内定辞退の連絡をするときは、さまざまな不安や悩みがでてきます。
・誰に伝える?
・内定辞退はいつまでにすべき? 内定保留は可能?
・新卒の場合、内定承諾後でも辞退できる?
・連絡方法は電話? メール?
・メールで送る場合のメリット
・内定辞退の理由はどう伝えれば良い?
このような悩みに1つずつ回答していきます。
誰に伝える?
内定辞退をするときには、電話で採用担当者に伝えるのが基本です。
就活サイトを活用して自分で応募したのであれば、自分で連絡します。人材紹介会社から応募した場合は、紹介会社を経由し、内定の通知やメッセージでやりとりをします。
応募した方法に応じて、必ず企業の採用担当者に連絡しましょう。
内定辞退はいつまでにすべき? 内定保留は可能?
内定を辞退する時期は、応募企業や志望者の状況によって変わるため、一概にいつまでとはいえません。例えば、第1志望の面接の結果待ちで第2志望の内定のほうが早く出た場合は、返事を待ってから入社の返答をしたいと思う人もいます。その場合、採用担当者に事情を伝えれば、ほとんどの企業は保留を承諾してくれます。内定を保留したい場合は、内定を受けた企業の採用担当者に連絡しましょう。
新卒の場合、内定承諾後でも辞退できる?
内定を得たあとは、企業に内定承諾書を提出するのが一般的です。内定承諾書とは、内定を得た学生が内定を承諾し、その企業に「入社する」と、誓約する書類のことをいいます。
「内定承諾書を送った後だけど、もう手遅れ?」と焦ってしまう人もいるでしょう。しかし、内定承諾書には法的な拘束力がないため、入社日の2週間前までであれば辞退は可能です。
ただし、内定承諾書を提出した後の辞退は、企業にとって大きな負担です。企業は、あなたの入社の準備を進め、ほかの人の採用を止めていたかもしれません。辞退すれば、その分の人材確保に時間も労力も費やすことになるため、迷惑をかけてしまうということは肝に銘じておきましょう。
連絡方法は電話? メール?
内定辞退の連絡方法は基本的に電話で行いましょう。その場で会話した方が確実に辞退を伝えることができますし、誠意がより伝わりやすくなります。
電話がつながらなかった場合はメールで対応することも可能です。その際には「電話で連絡したのですが、お忙しいようでしたのでメールで失礼いたします」といった断りを入れるようにしましょう。
メールで送る場合のメリット
電話で対応するのが基本ですが、メールのみで辞退することは内定者側にも企業側にもメリットがあります。以下の内容を確認して、メールでの対応によりメリットを感じるようでしたらメールで連絡しても良いでしょう。
内定辞退者側のメリット
内定者側のメリットは直接辞退を連絡しなくて済むことです。この企業は自分に向いていない、怖いと感じた場面があった場合、直接辞退の連絡をするのが億劫(おっくう)になってしまうかもしれません。そんな時はメールで連絡するのも手です。
また、メールで連絡する場合、記録として残せたり、事前に内容を確認することができたりするので、トラブルを防ぐこともできます。
企業側のメリット
企業側のメリットは辞退の連絡に時間を割く必要がなくなるということです。少しの時間とはいえ、日々の業務で忙しい中時間を使っているため、内定辞退の連絡の際は社会人としてのマナーを欠かないように気をつけるべきです。
内定辞退の理由はどう伝えれば良い?
内定辞退の理由を伝える場合、他社からの内定を伝えても問題ありませんが、失礼にならないような言葉を選びながら伝えましょう。企業は、辞退理由を聞いて次の採用活動に生かしたいと考えているため、明確な理由を伝えることが大切です。
たとえば、「別の業界に就職する」「自分の適性に合った会社に入社する」などと伝えると、角が立ちません。伝え方に迷った場合は、以下の例文を参考にしてください。
【辞退理由の例:職種】
◯◯社の◯◯職の内定をいただきました。その後、自分の適性を見つめ直した結果、◯◯職の仕事のほうが私が希望する職に近いと感じ、決断に至りました。
【辞退理由の例:適正】
最後まで悩みましたが、他社からいただいた◯◯という仕事が、私の強みをより生かせると考え、このような答えにたどり着きました。
【辞退理由の例:勤務地】
地元の企業から内定をいただきました。地域に根差した仕事で力を発揮したいという思いが捨てきれず、決定いたしました。
▼内定の悩みについて詳しく知りたい方はこちら ・「内定ブルー」に陥った学生はどうなるのか?6つのパターンに分類してみた ・「この会社でいいのかな」と悩むあなたへ。最後の分岐点に立ったときに考えるべき唯一のデメリットとは? ・【恐怖の内定取り消し】賢い就活生が知っている入社までの正解ルート
内定辞退を伝えるときのマナーや注意点
内定辞退では、伝え方やメールの文面1つで印象はよくも悪くもなります。できることなら、良い印象のまま辞退したいものです。内定辞退を伝えるときのマナーと注意点には、以下の3つがあります。
・決断したら早めに連絡する
・誠実な対応を心掛ける
・お礼の一言を忘れない
決断したら早めに連絡する
内定辞退を決めたら、できる限り早く採用担当者に連絡をしましょう。早めに辞退する旨を伝えることで、企業側がほかの内定候補者に連絡をするなどの対応が取れるためです。どの企業に入社するか決断した場合は、すでに内定をもらっているほかの企業に対して迅速に電話やメールで辞退する旨を伝えます。
内定を辞退すると、その企業の採用枠に1つの空席ができてしまうため、採用担当者は、次の候補者に連絡をしてその空席を埋めなければなりません。できるだけ早く次の候補者に連絡をすれば、辞退される可能性も低くなります。内定辞退をする場合には、早めに連絡することが相手への最低限のマナーであることを心得ておきましょう。
誠実な対応を心掛ける
内定の辞退を伝えるときは、誠実な対応を心がけましょう。企業の採用担当者に連絡をする場合は、失礼のない言葉で辞退の理由を伝え、おわびと感謝の気持ちを伝えます。基本的にはビジネス上の連絡であるため、長々と話を続ける必要はありません。内定辞退の連絡をするときは、誠意を持って失礼のない態度で臨むことが大切です。
お礼の一言を忘れない
内定を辞退するときは、お礼の一言を忘れずに伝えましょう。企業側は、内定を出すために「時間」と「労力」だけでなく、多くの場合、経費も費やしています。辞退してしまえば、もうその企業と関わることはないと考えがちですが、いずれ仕事上で接点を持つ可能性もゼロではありません。
例えば、電話などで採用担当者に内定を辞退する旨を伝えたあとは、「お時間を割いていただき、ありがとうございました」など、感謝の言葉を添えましょう。
内定辞退の電話をするときのポイントと例文
企業に内定辞退を伝えるときの連絡方法としては、まずは電話を選びましょう。ポイントを押さえながら丁寧に伝えれば、失礼になることはありません。ここでは、電話で連絡するときの時間と例文を解説します。
電話で連絡するときは時間に気をつけよう
内定辞退の電話をするときには、採用担当者の忙しくない時間帯を選ぶのがポイントです。企業の営業時間や定休日にもよりますが、基本的には平日の日中を選んでおけば、問題ありません。昼休みや始業直後、終業前の時間帯は、忙しくしていることが予想できます。立て込んでいそうな時間帯はなるべく避けて、簡潔に内定辞退の意志を伝えましょう。
電話で連絡するときの例文
お世話になっております。先日、内定通知をいただいた◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。このたびは、内定通知の件でご連絡いたしました。大変申し訳ございませんが、御社から頂戴した内定を辞退させていただきたいと思います。
就職活動を進める中で、他社からも内定をいただきました。最後まで悩みましたが、自分の適性を考え、そちらの会社に入社することを決意いたしました。
選考では貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。ご丁寧な対応をしていただきありがとうございました。
内定辞退のメールを作るときのポイントとテンプレート
内定辞退を伝える方法としては、電話以外にもメールがあります。電話をしたものの、不在だった場合などは、メールでもきちんとした文面のビジネスメールを送れば、失礼にあたることはありません。ここでは、内定辞退のメールを作るときのポイントと例文を解説します。
内定辞退のメールを作るときのポイント
メールで内定辞退を伝えるときには、以下の流れで文を構成しましょう。
電話をしたけれど不在でメールをする場合には、その旨も文章に盛り込みます。辞退理由は簡潔に書き、採用担当者に伝わりやすい内容を意識することが大切です。相手に失礼のない言葉を選び、細心の注意を払いましょう。
内定辞退のメールの件名は?
メールの内容がわかりやすいように、「内定辞退のご連絡」と書くのが良いでしょう。より丁寧にするならば、自分の名前も添えるとわかりやすいです。
内定のお礼と辞退する旨を伝える
まず内定通知についてのお礼を伝えましょう。企業側は内定を通知するまで多くの人が関わっており、時間を使っているのでお礼を伝えることは大切です。その後に辞退する旨を伝えましょう。結論から伝えることで相手側が読みやすいメールになります。
内定辞退理由を述べる
内定辞退理由は簡潔に伝えましょう。理由をどうしても言いたくない場合は伝えなくても良いですが、企業側は今後の採用に生かすため、企業内で報告するために理由を知りたいと考えています。そのため、詳細を伝える必要はありませんが理由を伝えると良いでしょう。また、うそをついたり不快にさせる言葉を使ったりするのはNGです。
辞退とメールでの連絡について謝罪する
先述したように企業側は選考に多くの時間と労力を使い、あなたに内定を出しているので、辞退という形になってしまったことについてのお詫び(おわび)を伝えましょう。また、電話がつながらないといった理由でメールでの連絡になってしまった場合は、その件も含めてお詫びをすべきです。
選考のお礼と会社の発展をお祈りする
最後に選考に関わってくださったお礼を伝えて、末尾に会社の発展をお祈りする言葉を入れましょう。
内定辞退のメールを作るときの例文・テンプレート
件名:内定辞退のご連絡/○○
本文:
○○株式会社 人事部
○○様お世話になっております。内定の通知をいただきました、○○です。
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
このような嬉しい結果をいただきながら恐れ入りますが、検討の結果、内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。他社とのご縁をより強く感じたためです。貴重なお時間を割いてくださったにもかかわらず、このようなご連絡になりますことを大変心苦しく感じております。
本来であればお電話にて、直接お詫びをすべきところではございますが、メールでのご連絡となるところを、なにとぞご容赦いただきたくお願い申し上げます。
面接をご担当いただいた○○様をはじめ、採用に関わってくださった皆さまには、大変感謝しております。
最後に、貴社のさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。-----------------------
署名
内定辞退後の返事にどう対応する?
内定辞退をした際に連絡が来た場合どう対応すれば良いのか3つのシーンに分けて解説します。
了承の返信が来た場合
了承の返信が来た場合はさらに返信する必要はありません。返信をすると企業にとっても負担になってしまうので、やり取りを終わらせるようにしましょう。
理由の詳細を聞かれた場合
内定辞退の理由について詳細を求められた場合には正直に答えましょう。企業側には次回の選考に生かしたい、もう少しアプローチしたらあなたの気持ちを帰ることができるのではないかといった2つの理由で聞いている可能性が高いです。どちらにしても、ごまかしたりうそをつくなどしたりせずに正直に話せばトラブルもなくやり取りできます。
電話が来た場合
電話がかかってくる場合も企業側が理由を聞きたい場合です。先述したように正直に答えるようにしましょう。
メールの返信がないときは?
採用担当者の不在などで、内定辞退をメールで連絡することもあるでしょう。内定辞退のメールに返信がない場合は、「再度メールを送る」もしくは「電話で確認する」の2つの対処方法があります。
メールの返信がないときには、採用担当者が確認していない可能性も捨てきれません。数日たっても返信が届かない場合は、再度メールを送るか、電話で内定辞退を伝えましょう。
呼び出されたらどうすれば良い?
あまり多くはない事例ですが、内定辞退を申し出たときに、採用担当者から呼び出しを受けることがあります。たとえば「詳細を確認したいので、一度来社していただけますか?」と、いわれたとしても要求に応じる必要はありません。
企業が呼び出す目的は、辞退を撤回しようと説得するためとも考えられます。内定辞退を取り消すつもりがないのであれば、辞退する意志が固いことを再度伝えて、「大変申し訳ございませんが、気持ちは固まっているため、訪問はいたしかねます」と、断ることもできます。
内定辞退を迷っている方は企業の選考体験談を見て参考にしよう
ワンキャリアでは就活生が内定辞退をした理由を掲載しています。志望企業ごとで確認できるので、内定辞退をする場合は参考にしてみると良いでしょう。
▼内定者の体験談『内定辞退理由』
・他の会社と比べて研修制度に物足りなさを感じたため。
・新規開拓営業が2年間ほど続くのが苦悩になると感じたため。
・地方への配属リスクがあるため
※内定者の体験談をもっと見たい方は体験談をご確認ください。
おわりに
複数の企業の面接を受ける就活において、内定辞退は決して珍しいことではありません。内定辞退を決断したら、なるべく早めに採用担当者に連絡し、感謝やおわびの気持ちを伝え、誠意のある態度で対応することが大切です。
▼このカテゴリーの他記事はこちら
・内定とは?内々定と採用の違いや内定決定後の流れと辞退方法まで解説
・【26卒向け】今から動けば早期内定も夢じゃない?人気業界の内定時期を一挙紹介!
▼就活記事の総集編まとめ
・26卒就活はいつから?スケジュールとインターン準備の有利な進め方
・【ビジネスマナーと言葉遣い一覧】就活のメール・電話における基本
・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説
・【業界研究:34業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較
・就活の軸【例一覧100選】面接/ESでの答え方と業界・職種別の例文
・【代表的な職種一覧】業種との違いや種類ごとの適性・志望動機をご紹介
・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
・【SPI対策】全問題形式を完全網羅!練習問題&解答一覧(言語・非言語・英語・構造的把握力)
・グループディスカッション完全対策!全テーマの進め方/流れやコツを網羅的に解説
・【フェルミ推定】例題・出題例13選!考え方と解答例も紹介
・ケース面接対策&例題|コンサル・日系大手も出題!ゼロからの始め方
・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策
・【ガクチカの書き方】絶対に外せないテンプレ/構成とテーマ別の例文
・自己PRの書き方【例文30選】就活で差をつけるコツとテンプレート
・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例
(Photo:yamasan0708 , rawf8/Shutterstock.com)