「合説も中止になる中で、どうやって企業のことを知ればいいの?」
現在、こんな不安や疑問を抱いている学生もいるのではないだろうか。
3月1日の「就活解禁」で日系大手のエントリーも始まり、本格化した2021年卒の就職活動。だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて大規模合説が中止になり、例年以上に企業の情報が入手しにくくなっている。
そんなときにこそ、活用してほしいのが、Web上で公開されているクチコミだ。
ワンキャリアは、就活生から集めた10万件のクチコミの評価点をランキングにした「ONE CAREER 就活クチコミアワード2020」を発表した。
2日に発表した「東大京大・21卒就活ランキング」は企業の人気度が分かるとしたら、こちらで知ることができるのは、学生の満足度。経験者だからこそ分かる「受けてよかった」と思えるTOP企業の一覧といえるだろう。
ワンキャリアに寄せてくれた先輩たちの本音は、不安を抱える就活生にとって有益な情報となるはずだ。クチコミアワード受賞企業への実際の評価を見ながら、「受けてよかった」と思える企業の特徴を探った。
<目次>
●本選考は優しさ。結果待ちの苦痛が小さいカゴメなどが入賞
●インターンは厳しさ。レベルの高さでJTや日銀が高評価
●説明会は生っぽさ。アトラエ、UBS、日本政府観光局など多彩な顔ぶれ
●クチコミから見える「就活の真実」を届けたい
本選考は優しさ。結果待ちの苦痛が小さいカゴメなどが入賞
クチコミアワードは「本選考」「インターン」「説明会」の3部門に分かれている。今回はGOLD賞を受賞した各部門のTOP10社から、特筆すべきクチコミを紹介したい。
まず、本選考の10社は次の通りだ。
本選考は「内定したかどうか」で企業の印象が変わらざるを得ない部分もある。ただ、結果に関わらず「受けてよかった」と思われる企業は、応募者への配慮が行き届いている。
例えば、カゴメには、選考で落ちた就活生からも、次のようなクチコミがある。
選考結果が分からずに不安な時間を過ごす就活生は多い。そんな中、応募者全員に連絡する手間も惜しまずに結果を通知するのは、誠実さの表れだろう。
就活生が神経質になりやすい時期だからこそ、不安や余計なストレスを与えない。そんな「優しさ」がある企業は評価が高まりやすい。
まず、面接で大事にしたいのは、限りある時間の中で自分を出し切れることだ。実際に、「言いたいことを言えたのか」は企業に対する評価を左右している。ここに気を配っているのが、住友金属鉱山だ。
ただ、面接の内容だけでは評価は決まらない。兼松は、通過者へのフィードバックが好評だ。
兼松からは、面接を「企業が学生を選ぶ場」としない姿勢がみられる。ミスマッチも減るだろうし、回を重ねるごとに、学生の志望度も高まっていくのではないだろうか。
インターンは厳しさ。レベルの高さでJTや日銀が高評価
一方、2022年卒の学生の中にはインターンを意識している人もいるだろう。今年は夏にオリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、例年より前倒しで開催する企業もある。情報収集も早くから動く必要があるだろう。
インターン部門の受賞企業は次の通りだ。
インターンで評価の高い企業の共通点は、自己成長につながる体験があることだ。インターンは業務内容や社風を知る就業体験であると同時に、就活生がビジネスの醍醐味(だいごみ)を知る登竜門でもある。今後の課題や乗り越えるべき壁に気が付ける方がいい。自分の力不足を知るために、ある程度の「厳しさ」が必要ともいえるだろう。
例えば、JT(日本たばこ産業)のクチコミからは、社員の本気度が伝わる。会社が実際に直面している問題を取り上げたものや、過去に経験した課題などをテーマにするインターンはリアリティーがあるだけに、満足度も高まりやすい。
NHK(日本放送協会)も実践的な内容で、現場のリアルが体感できる。説明会だけでは分からない、業務や社員の雰囲気をつかめるというのも、インターンが持つ魅力だろう。
また、参加者のレベルの高さも、インターンの満足度を上げる要素だ。その点がよく分かるのが日本銀行のクチコミだろう。インターンを通じ、志望業界が似ている就活仲間ができるのも大きな価値になる。
説明会は生っぽさ。アトラエ、UBS、日本政府観光局など多彩な顔ぶれ
最後は説明会だ。こちらは、多彩な顔ぶれとなった。
説明会では、Webでは分からない情報が手に入るかが鍵だ。その人ならではの言葉や、現場だから感じられる生っぽさが満足度を高めている。
ベンチャーでは、社長が自らの言葉で語るアトラエの説明会が高評価だ。ビジョンや理念に共感できるかどうかが、マッチングを左右する大きな要素になりやすい以上、トップの生の言葉が他の会社以上に重要だといえる。
外資系企業では、UBSグループが受賞。Webでは感じにくい「気配り」を、コミュニケーションの中で見つけられたようだ。
日本政府観光局(JNTO)で光ったのは、社員の熱意。これもウェブの情報だけでは知ることができないだろう。企業側の社員がいかに「自分の言葉」で語れるか。評価の高い各社に共通するポイントだ。
ただ、新型コロナウイルスの影響で、現在は説明会の中止が相次いでいる。「いい選考会」の特徴を知っても、参加の機会がない人が多いのではないだろうか。
こうした現状に困っている就活生の力になればと、ワンキャリアではYouTubeでの企業説明会「ワンキャリア企業説明会LIVE」を行っている。人気企業の人事を招き、平日毎日18時から生放送する。放送中は学生の皆さんからの質問も可能なので、リアルタイムで視聴いただけると幸いだ。
クチコミから見える「就活の真実」を届けたい
ワンキャリアに集まった膨大なクチコミからは、就活を経験しないと分からない企業の評価を読み取ることができる。クチコミアワードの意義は、知名度は低いものの、学生と真摯(しんし)に向き合っている企業にも光を当てることだ。
一方で、クチコミでは評価が下がっている企業にも特徴がある。ワンキャリアがクチコミを基に作った「就活生新聞」には、評価が下がった企業の情報も含めた「注目銘柄100選」も掲載しているので、ぜひ目を通してほしい。
不安を抱える就活生のためにも、ワンキャリアはこれからも、クチコミから見える「就活の真実」を届けていく。