多くの企業が「インターンシップ制度」を導入し学生を迎えている今、「そもそもインターンシップとは何か、今さら聞けない」「何のためにするの?」「参加するメリットを知りたい」などと考える学生の方もいるでしょう。
そこで今回は、インターンシップの概要・目的・主な内容・メリットと必要性について紹介します。
インターンシップとは? 何を意味する?
インターンシップとは「社会に出る前の職場体験」です。企業で仕事をしている人の話を大学生が直接聞いたり、実際の仕事を体験したりすることで、業種・業界・職種の違い、社員の雰囲気、企業風土などを知ることができます。主に長期インターンシップと短期インターンシップがあり、期間で分かれています。
インターンシップは新卒採用への就職活動を意識した大学3年生が応募することが多いですが、3年生以外の学生も対象となるものもあります。
インターンシップはアルバイトと似ているといわれますが、異なる点がいくつかあります。まず、アルバイトでは、募集された職種に経験が限定されます。インターンシップでは、アルバイトでは経験できない、また学生生活でも接する機会のない幅広い職種に携わることができます。企業理念や実際の仕事内容を通して、ビジネスマナーややりがいを持って働くという経験につながるようなプログラムが、インターンシップでは体験できます。
実際に職業体験・就業体験することで就活の準備にもなりますし、職業選択における理想と現実の溝を埋める役割もあるでしょう。
インターンシップを行う目的
インターンシップは、職業選択に主体性を持ち、高い職業意識の育成につながることから、企業・学生の両者にとって有益な取り組みといえます。ここでは、インターンシップを行う目的について、企業側・学生側それぞれの視点で説明します。
企業の目的
インターンシップを行う企業の目的を一言でいえば「高校生や大学生に自社のことを知ってもらうこと」です。自社の仕事を実際に経験せずに就職してしまうと、学生の想像と実際の仕事の内容がかけ離れてしまい、早期離職をされてしまう懸念があります。
そこで、インターンシップを通して入社前の学生に自社を知ってもらうことで、採用選考の段階でミスマッチを防ぐのが狙いです。また、優秀な人材を採用したいと考えている企業であれば、早い段階から学生に接触するチャンスにもなります。選考を進める際に、インターンに参加した学生には加点を与える場合もあります。
学生の目的
インターンシップに参加する学生の目的は、就職を希望する企業への志望度を高めたり、実際に内定を獲得する確率を高めたりすることにあります。インターンシップは学生にとって、会社説明会などの就職活動よりも早くから企業へのアピールができる機会です。また、面接に進んだ場合、面接官にインターンシップに参加した経験から学んだこと・得られたことを伝えられれば、志望度が高いと認識されるでしょう。
社会人生活では、学生時代には想像もできなかったシーンに直面して、挫折を感じることもあるでしょう。学生がインターンシップに参加することで、今の自分が、どれだけ志望する企業で通用するのかを確かめることもできます。またインターンシップを通じて自分に足りないスキルを感じることがあれば、早期から力を付けることも可能です。
企業によっては、インターンシップへの参加を経て、一般選考よりも早い、早期選考へと進める可能性があります。
インターンシップの主な内容
インターンシップでは、実際にどのようなことが行われるのでしょうか。企業によって異なりますが、グループワークや業務体験などがあります。ここでは、インターンシップの主な内容を紹介します。
グループワーク
インターンシップは、多数の学生と一緒に体験する内容が多いです。そのため、グループワークも活発に行われます。グループワークでは、インターンシップに参加している学生をランダムに分け、1つの課題に取り組みます。具体的には、学生同士でディスカッションをしたり、先輩社員のアドバイスを聞いたりしながら課題を完成させる取り組みです。また、インターンシップの最終日には、体験したことや成果をまとめて発表する時間が設けられることもあります。
会社説明
インターンシップの最初に、まずは会社説明が行われます。会社説明では、「事業内容」「実際に行っている取り組み」「自社が力を入れていること」などを聞くことができます。説明を聞いたあとは、実際の現場を見たり、社員から直接話を聞く時間が設けられたりします。
座談会
インターンシップで行われる座談会では、社員とざっくばらんに話ができます。業務体験で疑問に思ったことを深掘りでき、社員と交流を深めるきっかけになるでしょう。就活に入ると人事担当者などから会社の話を聞くことはできますが、現場で働く社員と直接話をする機会は少ないです。座談会では、会社説明会などのかしこまった場所では聞けないようなざっくばらんな質問などもできます。インターンシップに参加すれば、その会社の理解をより深められるでしょう。
現場業務体験
インターンシップの特徴として、実際の仕事をさせてもらえるという点があります。例えば、営業社員に同行し外回りをすることもその1つです。また、会議への同席を許される場合もあります。他にも、若年層をターゲットにした商品を開発する企業であれば、インターンシップ生ならではの、フレッシュな意見が求められることもあります。インターンシップでは、普段の学生生活では経験できないことが多くあります。
業務の資料作り
現場業務体験の1つとして、資料作りがあります。先輩社員から資料の作り方の基本を教わります。簡単なものでは、議事録の作成や業務レポートの作成などを行います。社会人になったらどのような資料を業務で扱うのかを知ることができ、社会人として必要とされることの多いExcelやWord、PowerPointの使い方を学ぶこともできるでしょう。学生生活やアルバイトをしているだけでは身に付けることができない、ビジネスに関わる知識を得たい人や業務資料に触れたい人にとって、資料作りは最適といえるでしょう。
インターンシップに行くメリットや必要性
インターンシップでは、さまざまな体験を通して職業の知識を深められます。また、実際に志望する会社で働く先輩社員と話ができれば「この会社に入りたい!」という気持ちをより高めることにもつながるでしょう。ここでは、インターンシップに行くメリットや必要性を紹介します。
企業を深く知ることができる
1つ目は、企業を深く知ることができることです。インターンシップでは、実際の現場で仕事をします。これまで外側からしか知り得なかった企業を、内側から見ることができるため、企業の実情を知ることができます。また、仕事をすると同時に職場の雰囲気も味わうことができるため、社会人として働くイメージを明確に持つことにもつながります。
その企業を深く知ることができれば、就活で他社と比較する際に役立つでしょう。
社会人とのつながりができる
2つ目は、社会人とのつながりができることです。インターンシップはこれまで接することのなかった大人と触れ合う機会です。学生生活ではつながることができなかった層の人たちと出会うことで、新たな人間関係を構築できます。大学の友人とは異なる価値観の社会人と接することで、残りの学生生活について改めて考えたり、将来の姿を見つめ直したりするきっかけにもなるでしょう。
自分に合う企業が分かる
3つ目は、自分に合う企業が分かることです。憧れの企業を内側から見てみることで、企業研究だけでは分からなかった「肌感覚」をつかむことができます。就活では、事業内容・希望する職種の仕事内容のほかに、社内の雰囲気・人間関係も重視することがおすすめです。インターンシップであらかじめ希望する企業を体験しておけば、自分に合う企業かどうかを判断できます。また、これまで興味のなかった企業であってもインターンシップに行くことで、就職先の候補の1つになることもあります。自分の志向を確認するきっかけにもなるでしょう。
早期選考に進める可能性がある
4つ目は、インターンシップから早期選考に進める可能性があることです。インターンシップの早期選考とは、就職活動を開始する前に企業のインターンシップに参加することで、一般選考よりも早く選考を開始できることを指します。
早期選考に進められれば、一部の面接や書類審査・1次面接など選考ルートの一部が免除されることもあります。
おわりに
今回は、「インターンシップの概要」「目的」「主な内容」「メリットと必要性」について紹介しました。インターンシップでは、普段できないさまざまな経験を積むことができます。そのため、学生生活を振り返ったり、なりたい自分を明確に描けるようになったりするきっかけになるかもしれません。また、志望する企業でインターンシップがあれば、自分が想像している姿と現実を見つめて比べられます。働き始めた後の企業イメージのギャップを少なくするためにも、積極的にインターンシップに応募してみることをおすすめします。