こんにちは。ワンキャリ編集部です。
就活生から圧倒的な人気を誇る戦略コンサルティング業界。グローバルに活躍できる職場環境や社会的インパクトの大きい職務内容、そして圧倒的な成長機会やそれに見合う給与形態など、トップ就活生を引きつけてやまない要素は多くあります。
今回は「戦略コンサル」と「総合コンサル」の違いを明らかにした上で、戦略コンサルの不動のトップ3として知られるマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー、BCG、ベイン)の強さの秘訣(ひけつ)に迫ります。
<目次>
●そもそもコンサルとは? 大企業の経営課題を解決する精鋭部隊
●BIG3共通の特徴
●まとめ
そもそもコンサルとは? 大企業の経営課題を解決する精鋭部隊
コンサルティング企業とは、まさに企業の経営課題を解決する精鋭部隊です。主な業務は高い専門性を生かしてクライアントの経営課題を解決することで、担当する領域に合わせて戦略系コンサル・IT系コンサルなどに区別されます。
長い勤務時間や求められる頭の良さ、能力の高さに応じて基本的に給料水準は高く、コンサルティング業務で身につけた専門性を生かして転職や独立する人が多い傾向があります。就活生に人気のコンサルは「戦略」と「総合」の2つに分けることができ、以下のような特徴があります。
戦略コンサル:大企業の経営戦略を考案
戦略コンサルは大企業の経営戦略を考案する、まさに「コンサルらしいコンサル」です。経営戦略や成長戦略の立案など、企業の根幹に関わる業務に対するコンサルティングを行います。
1つの案件の依頼料が1,000〜2,000万円と高額で、クライアントも政府や大企業に限定され若くから大企業の経営者と対等に仕事ができるというチャレンジングな環境で働けます。今回の記事ではその代表格である「マッキンゼー、BCG、ベイン」に注目して、その共通点や違いに迫ります。
総合コンサル:戦略から実行まで「総合的に」企業を支える
総合コンサルは戦略から実行まで企業の経営課題を解決できるファームです。提供するサービスも幅広く、戦略立案・組織改編、オペレーション改善など、さまざまな案件に対してコンサルティングを行います。クライアントの悩みに対し、川上から川下までサポートできることが総合コンサルの魅力です。
ゆえに、組織の規模が非常に大きく、その部分が戦略コンサルとの大きな違いです。どの企業も大規模な人員や拠点数を抱えており、最大級の総合コンサルティングファームであるアクセンチュアの従業員数は全世界で約50.9万人、拠点の数は52カ国・200都市にものぼります(※1)。また、ビッグ4と呼ばれるアメリカの会計事務所(※2)に所属するコンサルティングファームは、いずれもグループ内に会計事務所、監査法人、法務、ファイナンシャルアドバイザリーなどの企業を抱えており、連携してグローバルサービスを提供しています。
(※1)参考:アクセンチュア「アクセンチュア(グローバル・グループ)会社概要」
(※2)……デロイト、PwC、KPMG、EY
他にもITコンサル、業種特化型のコンサルがありますが、詳細は以下の記事をご覧ください。
・「外資系コンサル=ケース対策」なんてもう古い!受かるためのポイント総まとめ【外資就活総まとめvol.2】
・コンサル業界マップ「ニッチな人気」「実は体育会系」。みんなが気になる12ファームを元外資系コンサル社員が斬る!
BIG3共通の特徴
戦略コンサルティングファームの中でも、不動の3強として知られているのがマッキンゼー、BCG、ベインです。BIG3と呼ばれるこの3つのファームは求人サイトVaultが発表した「世界で最も権威あるコンサルティング企業」の1〜3位を占め(※3)、トップ就活生の中でも圧倒的な人気を誇っています(※4)。
それぞれ特徴や強みの異なるBIG3ですが、それらを比較する前にトップだからこそ共通する部分を、企業風土・人材育成制度・人材の輩出・ボランティア活動の4つに分けて紹介します。
(※3)参考:vault「2021 Vault Consulting 50」
(※4)参考:ONE CAREER「【6月速報:東大京大23卒就活人気ランキング】今、問い直す「真の人気企業」。「コンサル人気」だけでは片付けられない東大・京大生の本音」
【企業風土】世界的なプレゼンスと優秀な人材
世界的なコンサルティングファームには一流のクライアントが殺到するため、そこで働く人材は非常に大きなスケールの案件に関わることができます。
例えば、マッキンゼーは世界に130以上のオフィスを構えています(※5)。国内でもトップ30社の8割をサポート(※6)しています。そんな刺激的な環境を求めて、世界中から極めて優秀な人材が集まることが、BIG3の大きな特徴です。実際に、とある現役社員はこう語っています。
外資系コンサルで働く人材は本当に多種に渡る。新卒者、日系大手企業やプライベートエクイティ業界からの転職、MBA取得後に就職した者、医者や研究者からの転職者など人材の多様性が高い。この点、日系企業や外資金融と比較すると非常にダイバーシティに富んでいる。しかも、彼らは前職でエース社員だったことが多い。世界中から集まった英知と切磋琢磨(せっさたくま)できる環境は他では得られない大きな魅力。
※引用:ONE CAREER「スタンフォードを出た彼女が、日本のマッキンゼー、ボストン コンサルティング グループを選んだ3つの理由」
このように世界中から英知が集まり、個性がぶつかり合う「知の異種格闘技戦」は、ここだけしか味わえない魅力と言えるでしょう。
(※5)参考:McKinsey & Company「Locations」
(※6)参考:McKinsey & Company「ホーム」
【人材育成制度】「Out」をしないよう充実のサポート
2つ目のBIG3共通の魅力は、圧倒的に成長できる環境です。
外資系コンサルティングファームというと、「Up or Out」(昇進するか、辞めるか?)の厳しい職場で、それゆえ「短期雇用ゆえに採用するのは即戦力のみ」こうしたイメージを持つ学生も多いのではないでしょうか?
しかし、実際はそれとは真逆です。
BIG3の全てが人材育成に力を入れ、「Out」をしないように、社員にさまざまな成長の機会を与えていることが知られています。
例えば、マッキンゼーでは入社前のBerliz英語研修、人数制限のないMBA留学資金提供、任意性の9月入社システムなど、社員のキャリア形成をサポートする制度などが充実しています。BCGでも一人前のコンサルタント徒弟制があり、ベインでも本人が希望する社外の組織に最大6月間派遣されて経験を積めるエクスターンシップ制度があることが知られています。
3社ともクライアント第一主義の成果主義を掲げているため、仕事に一切の妥協は許されません。仕事のクオリティを保つために、それを担保できる人材の育成制度が整っていることがBIG3の共通点です。
【人材の輩出】「卒業生」の華麗なる活躍
また、BIG3はその圧倒的な成長環境から、人材輩出企業としてもその名を高く知られています。戦略コンサルティングファームの実態は「Up or Out」ではなく「Up and Out」(※7)。実際は、自分の夢の実現や新たな可能性を開くために、自らファームを卒業していく人が多いです。
そして退職者をアルムナイ(=卒業生)と呼び、その進路をファームが応援する傾向にあります。例えば、マッキンゼーで理想的なキャリアを積んだアルムナイが、各業界で活躍することにより、マッキンゼーブランドをさらに高めると考えているため、人材の流出を前向きに捉えています。また、BCGも毎年、同窓会を開催するなど、アルムナイの絆(きずな)を重視しています。
そんなアルムナイたちは戦略コンサルタント時代に培ったスキルを存分に生かし、ビジネス界にとどまらず政界や学界、官界で活躍しています。
(※7)参考:ONE CAREER「外資系企業・転職のリアル:OUT(クビ)になって辞める新卒はほとんどいない」
【BIG3の著名なアルムナイ一覧(敬称略)】
マッキンゼー | BCG | ベイン | |
経営者 |
南場 智子(ディー・エヌ・エー(DeNA) 共同創設者) 朝倉 祐介(元ミクシィ 社長) 川鍋 一朗(日本交通 社長) 谷村 格(エムスリー CEO) 安宅 和人(ヤフー(Yahoo! JAPAN) CSO) 近藤 正晃 ジェームス(ツイッター ジャパン 社長) |
岩下 充志(元フェイスブック 社長) 樋口 泰行(パナソニック代表取締役専務) 三枝 匡(ミスミグループ第2期創業者) 斎藤 英明(元アクサダイレクト生命保険 社長) 三谷 宏幸(元ノバルティスファーマ 社長) 横濱 潤(元ファーストリテイリング 上席執行役員) |
相木 孝仁(元楽天 常務執行役員) 前刀 禎明(元Apple Japan 代表) タッド・バッジ(元東京スター銀行 会長) 小松崎 行彦(元ファミリーマート 取締役) |
ファンド・コンサル |
古森 剛(元マーサージャパン 代表) 安達 保(ベネッセホールディングス 社長) 波頭 亮(エクシード 社長) |
堀 紘一(ドリームインキュベータ 会長) 冨山 和彦(経営共創基盤(IGPI) CEO ) 遠藤 功(ローランド・ベルガー 日本代表) |
堀 新太郎(元ベインキャピタル 会長) 塩野 誠(経営共創基盤(IGPI) 取締役) 平井 孝志(元ローランド・ベルガー 取締役) |
政界・学界 |
大前 研一(元日本支社長、起業家) 茂木 敏充(外務大臣) |
長谷川 榮一(内閣総理大臣補佐官) 内田 和成(早大ビジネススクール教授) |
村沢 義久(かながわソーラープロジェクト研究会 会長) 秋山 浩保(千葉県柏市長) |
【ボランティア活動】世界が抱える課題に真剣に取り組む
コンサル各社ではプロボノ活動(※8)を積極的に行っています。世界中に存在する支社ネットワークが一丸となって、教育格差の是正・貧困問題・資源問題といった「世界が抱える課題」を、真に解決し世界中の人々の利益につなげようと取り組んでいます。
(※8)……ラテン語で「公共善のために」を意味し、社会貢献として専門家達が無料でサービスを行うこと
例えば、マッキンゼーは600以上の非営利団体をサポートしています(※9)また、BCGは毎年合計350件以上の社会貢献プロジェクトを実施しています。ベインは「Certified 100% CarbonNeutral Company®」として環境保全への取り組みを実施するなど、全世界での支援を行っています(※10)。
実際に、BIG3の一角に勤める女性コンサルタントは
企業に加え、政府やNGO(非政府組織)、NPO(民間非営利団体)といった機関とともに、社会課題の解決ができるビジネスは世界中を見渡してもグローバルのコンサルティングファームだけではないでしょうか。
※引用:ONE CAREER「スタンフォードを出た彼女が、日本のマッキンゼー、ボストン コンサルティング グループを選んだ3つの理由」
と述べ、世界の社会的課題に知恵で戦っている部分に惹(ひ)かれていると語りました。
社益だけではなく、世界中の人々の利益になるようなプロボノ活動に本気で取り組めるのも、BIG3の大きな魅力の一つです。
(※9)参考;Mckinsey & Company「Social Responsibility」
(※10)参考:BAIN & COMPANY「Social Impact Carbon Neutral」
まとめ
いかがでしたか。
戦略コンサルに興味のある就活生の一助となれば幸いです。
次回はBIG3の特徴や社風の違いを徹底比較します。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
ボストン コンサルティング グループ
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