こんにちは、ワンキャリ編集部です。日本を代表するIT企業、ソフトバンクへの特別インタビュー企画を2記事に渡ってお届けします。後編は、法人第一営業本部5年目の島田さんへのインタビュー。「ソリューション営業とは?」や「IT業界で働く醍醐味」など、営業職やIT業界へ興味を持つ就活生に参考になる話を語っていただきました。
※ソフトバンクの新事業立ち上げを経験した男性社員が語る前編はこちらから:孫正義からの「ド鋭い」助言。新卒2年目が大型PJに挑む【ソフトバンク特別インタビュー:前編】
電話やネットから、クラウド、ロボットまで。課題に合わせたオーダーメイド型のソリューション営業
ソフトバンク株式会社 法人事業統括 法人第一営業本部 島田さん:
2012年、ソフトバンクテレコム株式会社に入社後、合併によりソフトバンク株式会社に。入社より現在まで、法人営業部にて大手企業に向けたソリューション営業を担当。2015年には全社成績優秀者として社内報奨を受賞。
ーー島田さんは、入社から5年間、法人営業のプロフェッショナルとしてキャリアを進めてこられたと伺っていますが、具体的にはどんなお仕事をされていたんですか?
島田:大手の法人企業様向けのソリューション営業を担当しています。通信は事業を支える重要なインフラであるため、固定電話・モバイル・インターネットクラウドなどの「6本柱」と呼ばれる商材を中心に、法人企業様が事業を効率化できるような提案をしています。日々の業務は、ニーズヒアリングのための顧客訪問・提案書の作成・お客様のアフターフォローなどです。お客様への訪問は多い日で1日に3件程度ですね。
ーーなるほど。「ソリューション営業」について、もう少し学生でもイメージできるように説明していただけますか?
島田:「ソリューション営業」はソフトバンクでいうと、「電話・ネット・クラウド・ロボットなどのサービスを、ニーズに応じて組み合わせてオーダーメイドで提供する」ということです。単純に商品を売るようなメニュー販売ではなく、お客様の課題を解決するために、ソフトバンクが提供できる商材を組み合わせるなどして、お客様へオーダーメイド型の提案を行っています。
ーー1社1社に合わせた提案となるとかなり大変そうですが、島田さんが感じる「ソリューション営業」の醍醐味を教えてください。
島田:面白いなと感じるのは、1つの提案をお客様・社内、必要なら他の企業まであらゆる関係者を巻き込んで作り上げていくという点ですね。
求められるサービスはお客様によって違います。例えばiPadが欲しいお客様の場合、議事録づくりに活用したい、写真を共有するためのツールとして導入したい、などいろんな目的があります。そのような顧客ニーズを的確に理解した上で、社内のサービスをそのまま提供できるのか、SEといった技術者と連携する必要があるのか、ソフトバンク以外の企業とタッグを組んだ方が良いか、など幅広く検討した上で提案をしています。
Watsonを日本IBMと共同展開。裏には「時代に必要なものを提供する」という企業の意志
ーー前回のインタビューで都築さんは、「ソフトバンクは時代に必要なものを提供する会社」と表現されていましたが、島田さんがこのようなソフトバンクの側面を感じる場面はありますか?
島田:ありますね。イメージしやすい例で言うと、日本IBMと共同展開しているWatson*のコールセンターへの導入事例です。学習機能を持つWatsonを導入することで、お客様を待たせることなく、短時間で質の高い回答を提供できるようになり、コールセンター業務の効率化やサービスレベルの向上につながっています。この事例はまさに、最先端のIT技術を企業のニーズに合わせて提供していて、「モノを売るのではなく、時代に必要なサービスを提供する」という、ソフトバンクの意志を表すような好例だと思います。
*Watson(ワトソン):IBMが開発した、質問応答、意思決定支援のためのシステム。自然言語処理と機械学習を使用し、大量の非構造化データを分析することで洞察を導き出す機能を持つ
「ソフトバンク = 携帯電話の会社」はCMで作られたイメージでしかない
ーーソフトバンクは「携帯電話の会社」というイメージが強いので、ソフトバンクの営業ときくと「携帯電話の販売ばかりさせられるのかな……」と不安がる学生の声も聞きます。
島田:私も就活生の時は、「携帯電話の会社」というイメージが強かったです(笑)。 ただ、選考で実際に人に会って話を聞くと、商材は電話だけでなくインターネットなど幅広く扱っていることが分かりました。社員も営業っぽい人だけでなく、本当に様々なタイプの人が働いていてとても魅力的でしたね。
ーー「携帯電話を売るベンチャー」のイメージが強いので、社員の方も営業的な人が多いのかな? という印象でした。すこし意外な感じがしますね。
島田:ソフトバンクは2015年に「ソフトバンクテレコム」「ソフトバンクモバイル」「ソフトバンクBB」「ワイモバイル」という4社が合併してできた会社です。
私が入社したのはソフトバンクテレコムという、国鉄*時代につくられた「日本テレコム」をルーツに持つ会社。前身が国鉄なのでやや保守的なところがある分、基盤がしっかりしています。異なる背景を持つ4社それぞれの文化が融合した組織なので、多様なタイプの人がいる会社だといえると思います。
*国鉄:日本国有鉄道。1947〜1987年まで国営事業として鉄道は運営されていた
好きじゃなかった営業で優秀賞。裏には上司からの2つの言葉:「プロの振る舞い」と「味方を作る」
ーー島田さんは営業で優秀な成績をあげ、社内報奨を受賞されたとのことですが、営業はもともと得意だったんですか?
島田:いや、そんなことないです。実は新人の頃は営業が好きじゃなくて(笑)。ことあるごとに先輩や上司に「仕事のモチベーションって何ですか?」と聞いていた時期がありました。そんな中、2年目に配属された部門の上司に「我々はソフトバンクの営業として、そして法人第一営業本部という第一線で働いていてそれなりの給料をもらっている。プロなのだからやるしかないだろう。」と言われました。私にはこの言葉が一番しっくりきて、それから前向きに仕事に取り組めるようになりました。
ーー多くの優秀な人がいる中で社内報奨を受賞された秘訣はなんだったんでしょう?
島田:味方を多く作ることができた、これが理由だと思います。先ほどの上司の教えに、「真正面から営業してもダメなときは、味方をより多く作ればいい」という言葉があります。「味方をどう作るか」という意識を持ったことが転機になり、提案方法も変わりました。
提案がうまくいかない難攻不落のお客様の場合にも、「ソフトバンクのここがいいですよ」と代理店の方に言ってもらえるようにうまく協力を仰いだり、ソフトバンクの商材を開発するメンバーを提案に連れて行って信頼感や安心感を醸成したり。自分だけでどうにかしようとすることをやめたおかげで、いろいろなアプローチ方法が考えられるようになり、その結果として賞をもらうことができました。
ーー成果を出す過程は相当ハードだったのではないでしょうか? 「営業職はタフな仕事」というイメージを学生も持っていると思います。
島田:そこまでではないですよ(笑)。自分が提案をアレンジする立場なので「この日は絶対休みたい」という日は、お客様にも社内にも「この日は休みます!」と言ってしっかり休んでいました。お客様のところから直帰するときはアフターファイブを充実させることもできますし、スケジュールのアレンジ次第で、海外旅行などの時間も確保できるのは営業ならではの特権ですね。
4年間の提案で受注。この成功の裏にも「味方を作る」発想
ーーこれまでの島田さんのキャリアの中で、一番嬉しかったと思う仕事はなんでしょうか。
島田:新人の時から担当していた企業様へ、4年がかりでの提案を成功させた時ですね。
最初はまったく提案を聞き入れてもらえないところからのスタートでしたが、味方を作るという発想から、お客様と親しいお付き合いのあるベンダーさんと先に契約を結びました。それと並行して営業提案を続けました。お客様にとってメリットの高い提案をとにかく続けて、4年がかりで受注することができました。
東日本大震災で感じた「インフラとしての通信の大切さ」
ーー島田さんの当時の就職活動についても教えてください。ソフトバンクに興味を持ったきっかけと、入社を決めたポイントは何だったのでしょうか。
島田:人間の生活の基盤になるサービスに携わりたいと、電力やガス・鉄道といったインフラ系の企業を中心に就活をしていました。そんな時に東日本大震災が起こり、電車も動かず電話も通じない中で、TwitterやFacebookといった通信手段を使ってコミュニケーションをとる人の姿を目の当たりにして、通信がインフラとして大切であることを実感したんですよね。
ーー東日本大震災がキャリア選択の転機になったということですね。
島田:そうですね、通信業界の中でも最先端を行き、そして自分自身も輝けるような企業で働きたいと考えてソフトバンクを選びました。最後は直感でしたが、やはりソフトバンクの「人」に惹かれたというところが大きかったです。
IT企業へ挑戦する醍醐味は、変化し続けるので飽きがこないこと。「楽観的に捉えること」が大切
ーー学生からすると「IT業界で働くことの醍醐味」はわかりにくいかもしれません。実際にキャリアを積まれる中でどういった醍醐味があると感じますか。
島田:IT業界の醍醐味は、「変化し続けるので飽きがこない」ところかなと個人的には思います。
ソフトバンクのビジネスも常に変化しています。私が入社した直後は、固定電話・ネットワーク・携帯電話・PHSなどいわゆるネットワークをメインに提供している会社でした。今はWatsonやPepperというロボットも扱っています。「次はAIを使って業務を効率化しませんか」「ロボットを使って新しい角度から集客をしませんか」と、商材がどんどん変わり続けて提案活動に終わりがないので、飽きることもありません。
ーーIT業界は「変化」がテーマとなる業界ですが、その中にいるソフトバンクで働くにはどのようなマインドが求められるのでしょうか。
島田:先ほどお話した「変化」というキーワードを前提に考えると、前向きでなおかつ楽観的であることが一番大事だと思います。常に時代は変わり、お客様の状況も変わっています。未来を心配していても始まりません。日々の業務でも、失注や解約などマイナスなことがあっても「じゃあ終わりだ」と諦めず、次はどうするかを気楽に考えられる人の方が活躍していると思いますね。
「出産後もフルタイムで働きたい」 プライベートと仕事を両立する女性先輩社員も
ーー今後、ソフトバンクのキャリアでチャレンジしたいことは何ですか?
島田:社会人5年目という節目を迎えるので、「ジョブポスティング*」の制度を利用して、ソフトバンクの経営を俯瞰できる仕事、管理部門系の人事や経理などに挑戦したいと考えています。自分が働く会社をもっとよくするにはどうすればいいかについて考えていきたいなと。
*ジョブポスティング制度:新規事業や、新会社などの立ち上げの際に、会社がメンバーを公募する制度
ーー女性としてのキャリアはどのようにお考えですか?
島田:プライベートと仕事の両立にはチャレンジしたいですね。ソフトバンクでは最大で子どもが2歳になるまでは育児休暇が取得できるのですが、女性の先輩が、子どもがまだ1歳3か月という早い段階でフルタイム復職するのをみて、びっくりしたということがありました。
ーーそれは女性社員にとっても勇気が持てる事例ですね。
島田:そうなんです。子どもが生まれた後でも活躍できる場が用意されているというだけではなく、フルタイムで戻りたいという意思が生まれる会社なのだなぁと……プライベートも仕事も両立できることを、この先輩を見て刺激を受けています。
ーー最後に、ワンキャリアを見ている多くの学生に対してメッセージをお願いします。
島田:就活生という特権を生かしていろいろな会社に訪問してもらいたいと思います。OB訪問したり、興味のある企業で働く人に現場の話を聞いたりすることで、企業に対して持つイメージも変わるかもしれません。限られた就活期間ですので、前向きに自ら動いて情報をとりに行ってくださいね。
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