1934年に、映画フィルムの国産化を志して創業された富士フイルム。写真フィルムをコアビジネスとして拡大してきましたが、需要の変化とともに事業の多角化にかじを切り、現在はメディカルシステムやオフィスソリューションなど、14の事業領域を展開しています。海外売上高比率も約65%で、これからさらに伸ばしていく予定とのことです。
同社での働き方や魅力について、本社人事部 事務系採用グループ マネージャーを務める市村修平さんと、メディカルシステム事業部で欧州・ロシアエリアのマーケティングを担当する青山優希さんに聞きました。
写真フィルムで培った圧倒的な技術力を生かした事業づくり
──富士フイルムでは14もの事業領域がありますが、幅広い事業を展開できる秘訣(ひけつ)やその源泉は何なのでしょうか?
市村:事業の柱を作るにあたって、私たちは大きく分けて3つの判断軸で進めています。1つ目は、その事業領域自体が伸びゆく市場なのか。2つ目は、そこで勝ち続けられるか。そして3つ目は、これまで富士フイルムが写真フィルムやカメラなどで培ってきた圧倒的な技術力を生かせるか。特に3番目の技術力は他社との大きな差別化ポイントなので、非常に重要視しています。
──以前のコア事業である写真フィルムは、現在はどうなっているのでしょうか?
市村:連結売上高の1%以下に縮小しています。ただ、最近また「写ルンです」で撮影した写真など、フィルムならではの良さが再注目されてきていますね。写真フィルムはもともと世界でも4社しか製造・販売していなかった寡占市場だったのですが、デジタル化の市場変化もあり、現在は富士フイルムだけであるため、「最後の1社として写真文化を守っていく」ことが、当社として果たせる社会貢献の1つだと自負しています。
──富士フイルムは海外に多くの拠点をお持ちですが、その中で「海外マーケティング」という職種は具体的にどんなことをするのでしょうか?
青山:私は現在、欧州・ロシアエリアを担当しているのですが、欧州の現地法人とやりとりをすることが多く、その際に現地・現物を特に大事にして活動しています。もちろん画面上のデータも大切なのですが、それだけではなく、実際に現場に営業に行っている他の社員に話を聞いて、欧州での展開につなげていく。本社にいながらも、海外に向けてどういう影響を与えられるかを考えながら仕事をしています。考え方も文化も医療制度も違うので、それらの違いをすり合わせていく楽しさがあります。
──ちなみに、転勤はあるのでしょうか?
市村:国内であれば、基本は関東圏内及び静岡の工場/研究所のいずれかで働きます。一方で海外となると、ワールドワイドに展開しているので、転勤の可能性は十分にあります。
自分のストーリーは自分で考えて実現していくカルチャー
──青山さんのようなグローバル人材の育成について、制度面でのサポートを教えてください。
市村:いくつかあるのですが、ここでは大きく分けて2つご紹介します。まずは「トレーニー制度」です。これは、英語以外の語学を主言語とする国で活躍するための海外人材を育てるものです。日中は現地の語学学校に通ってもらい、休みや平日の夜はその国の文化に触れてもらう。この制度の期間が終わったら、現地に駐在してもらいます。
それからもう1つは「海外短期テーマ派遣制度」です。こちらは最大で半年間、今の在籍を変えずに現地で学んでもらうものです。各種ライフイベントや年齢など、さまざまな要因で駐在が難しいケースも多いので、半年間限定で行けるという内容にしています。
──入社する際の語学力について、何かボーダーラインはありますか?
市村:明確にはないですね。ただし、できればできるほど仕事の選択肢は広がるので、頑張ってほしいとはお伝えしています。
──富士フイルムでは「100人100通りのキャリア」という考え方が浸透していると伺いました。こちらはどういうものなのでしょうか?
市村:当社では「キャリア」という言葉は使わないようにしていて、全て「ストーリー」という言葉にしています。キャリアというと、どうしても決められた形が前提にあると思うのですが、本来自分の物語は自分で考えて、自分で実現させていくものですよね。いろいろな活躍フィールドがある中で、目の前の仕事を一生懸命やりながら、まずは自分でどうなっていきたいのかを描きましょうと。その描いた物語がいいと思ったら、上司がそれを理解し、真剣勝負で部下を育成する。ここがセットになっており、そういう意味で100人100通りのストーリーと表現しています。
──どんな思いやモチベーションで働いている人が多いと思われますか?
青山:私が所属するメディカルシステム事業部では、高い志を持っている方が多い印象ですね。私自身、日本と同じ医療水準を世界に広めていきたい、医者が少なく技術力が高くない地域も富士フイルムの技術・製品でサポートしたいというモチベーションで、日々の仕事をしています。また、医療機器を届けるだけでなく、検診文化そのものを広めていきたいと考えています。
常に「なぜなぜ」の意識を持ち、貪欲に考え続ける人が向いている
──富士フイルムにはどんな人が向いていると思いますか?
市村:答えがないことを一生懸命考えて、課題にして取り組むのが会社の文化としてあります。日常会話でも「なんで?」「どうして?」と話すことがよくあるので、常に「なぜなぜ」の意識を持って貪欲に考え続ける姿勢がある方は向いていると思いますし、あまりストレスを感じないのかなと思います。
──「働きやすさ」としてはいかがですか?
青山:誰にでも質問しやすい雰囲気がいいなと感じています。どんなに忙しいときでも、手を止めてしっかり聞いてくださる方が多いですね。
市村:風通しが非常に良く、「◯◯部長」などの呼称はなくて、みんな「◯◯さん」で呼び合っています。席も全部フラットで、役員も同じフロアで同じ方向を向いて座っています。
──出産・育児に対する制度も整っていると伺いました。
市村:産休・育休の整備はもちろん、復帰率100%も数年続いています。取得は当たり前で、戻ってくることも当たり前。戻ってきた後も、例えば保育園の送迎や突発的な対応などの際に在宅勤務制度をうまく活用してもらったり、勤務テーブルをぎゅっと短縮するような制度もあったりします。そういうことが「当たり前」の職場が整備されているとお考えください。
──最後に、学生の皆さまへのメッセージをお願いします。
市村:現在、One Month Intershipという、事務系の職種対象のサマーインターンシップの受付を開始しています。富士フイルム社員が大切にしている仕事の進め方や考え方をご紹介し、そのエッセンスを使いながら、皆さまが一生懸命になっている活動を一緒に前進させていく内容です。ぜひご参加ください!
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