「就活に資格は必要なの?」「どんな資格がおすすめ?」これから就活を迎える就活生や、すでに就活中の就活生でこんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
この記事では就活における資格の必要性や就活に有利な資格から始まり、業界別また文系・理系別のおすすめの資格を紹介しています。さらに資格取得までの流れ、履歴書やエントリーシート(ES)への資格の書き方といった資格に関する注意点もわかりやすくまとめています!
資格について気になっている、または資格を取ろうと考えている就活生はぜひ参考にしてみてください!
<目次>
●就活で資格は必要なのか?
・資格は必須ではない
・有利に働くことが多い
●就活に有利な資格10選
・1. TOEIC
・2. 簿記(日商簿記検定)
・3. MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
・4. FP技能検定(ファイナンシャルプランナー)
・5. ITパスポート試験
・6. 宅地建物取引士
・7. 日経TEST
・8. 普通自動車第一種運転免許
・9. 秘書検定
・10. 中小企業診断士
●【業界別】おすすめの資格を紹介!
・商社業界
・金融業界
・IT業界
・不動産業界
●【文理別】おすすめの資格を紹介!
・理系/文系両方におすすめの資格
・理系におすすめの資格
・文系におすすめの資格
●資格取得までの手順とアドバイス
・取りたい資格を探す
・取得可能か確認
・資格取得のスケジュールを立てる
●資格を生かす方法について
・履歴書やESへの記載方法
・面接対策での資格活用法
●まとめ
就活で資格は必要なのか?
資格は必須ではない
就活に向けて資格は絶対に取らなければならないのか気になる方もいると思いますが、結論から言うと必須の資格はありません。
ただし例外として、入社前に特定の資格を取得することを求める企業が一部あります。しかし、その場合は内定後に時間をかけて取得すればいいので問題ありません。
また、資格は必須要素ではなく加点要素の一部に過ぎないため、資格に労力を割きすぎるのは良くありません。
有利に働くことが多い
資格は必須ではないものの、業界や企業によっては資格を持っていることで有利に就活を進められる場合があります。
資格は自分が専門的な能力や知識を持っていることを証明できる物なので、それを生かせる企業や職種を志望しているならば、プラスに評価される可能性が高まります。
また、資格を利用してその業界への興味関心があることをアピールでき、有利に就活を進められることがあります。
就活に有利な資格10選
ではどんな資格を取得したら有利に就活を進められるのでしょうか。
ここでは取得しておいたほうがいいおすすめの資格を紹介します!
1. TOEIC 2. 簿記(日商簿記検定) 3. MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト) 4. FP技能検定(ファイナンシャルプランナー) 5. ITパスポート試験 6. 宅地建物取引士 7. 日経TEST 8. 普通自動車第一種運転免許 9. 秘書検定 10. 中小企業診断士
1. TOEIC
特徴とおすすめの理由
TOEICは英語によるコミュニケーションとビジネス能力を測るための試験です。TOEICの中にもさまざまな種類のテストがありますが、一番メジャーな「TOEIC Listening & Reading Test」を受けることをおすすめします。満点は990点で、年内に10〜13回ほど実施しているので試験勉強のスケジュールを立てやすいのが特徴です。
日本の多くの企業では、就活においてTOEICは英語力を測る有力な指標とされています。TOEICで高い点数を取ることで自分の英語力を示し、目標に向かって計画的に努力する力もアピールできます。また外資系企業を受ける場合に、TOEIC高得点を採用条件として要求する企業も多いです。そのためTOEICを受けてなるべく高い点数を取ることで、就活で有利になることができます。
必要な勉強時間と難易度
勉強時間は自分の現在の点数と目標の点数によりますが、例えば700点から800点に伸ばすには200〜300時間ほどかかります。
平均スコアは600点で、600点以上取ると履歴書やESに書けるレベルになります。英語を必要とする企業では700点以上を取ることが求められています。
2022年度のデータによると700点以上が全体の受験者の約30%、800点以上が全体の約15%、900点以上が10%未満という分布になっています(※1)。まずは現在の自分のレベルを把握し、目標の点数を定めてスケジュールを立てていきましょう。
(※1)参考:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」
2. 簿記(日商簿記検定)
特徴とおすすめの理由
簿記は経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の1つです。日商簿記は、簿記検定にある3種類の検定の中では最もよく知られたものです。1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類がありますが、3級から受けることをおすすめします。
企業で行われているビジネス取引に関して、規則に基づいて帳簿に記録していき、会社の経営成績や財政が確認できる決算書を作ることがこの資格の目的なので、経理や会計といった業務で生かせるはずです。簿記の勉強をすることでビジネスの基本スキルを養え、経済的な面から企業を分析できます。こうしたスキルはどの業界・企業でも生かせるのでおすすめです。
必要な勉強時間と難易度
必要な勉強時間については簿記3級なら100時間程度、簿記2級は200〜300時間程度、簿記1級は500時間以上であるといわれています。
3級は難易度がそれほど高くなく、入門の資格なので取得しやすいのでおすすめです。一方2級から工業簿記が加わるので格段に難易度が上がります。合格率は3級から1級の順に30〜50%、約20%、約10%あたりを推移しています(※2)。
(※2)参考: 商工会議所の検定試験「受験者データ」
3. MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
特徴とおすすめの理由
MOSは、マイクロソフト社が開発したWord、Excel、PowerPointなどのソフトの操作スキルを証明する資格です。日本のみならず海外でも認知度が高い資格となっています。Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5種類のテストがあり、WordとExcelには一般レベルと上級レベルがあります。
今やどんな職種においてもパソコンスキルを求められ、それをマスターすることが業務の効率化には欠かせません。MOSの資格を持っていることで基礎的なパソコン知識が身についていることを証明でき、おすすめの資格です。
必要な勉強時間と難易度
必要な勉強時間は1つの科目ごとに40〜80時間程度といわれています。実際はExcel、Word、PowerPointの一般レベル3科目を受ける人が多いですが、Excel、Wordの上級レベルも受けておくとなお良いです。
MOSの合格率は比較的高めで、一般レベルの合格率は約80%、上級レベルは約60%ほどです(※3)。
(※3)参考:生涯学習のユーキャン「MOS資格の試験の合格率や難易度は?勉強方法や試験詳細まで解説」
4. FP技能検定(ファイナンシャルプランナー)
特徴とおすすめの理由
個人の資産運用や家計管理、税金、保険など、金融に関する知識と技術を認定する資格です。FPの試験には3級から1級までのレベルがあり、3級は受験資格に制限がないので、まずは3級の取得を目標にしましょう。試験は学科試験と実技試験の2部にわかれています。
この資格を持っていると主に金融や保険、証券などの業界で有利になります。幅広い分野を勉強するのでお金の知識が身につき、資産運用や家計管理で生かせます。また就活だけでなく今後の人生においてもマネープランを設計する際に役に立つのでおすすめです。
必要な勉強時間と難易度
勉強時間は、FP3級だと目安で80〜150時間ほど必要となり、一日2〜3時間勉強して2、3カ月程度かかります。FP2級では150〜300時間ほど必要で、3カ月以上かかります。
日本FP協会の試験では、FP2級の合格率は、学科が40〜50%、実技は50〜60%あたりです。一方FP3級の合格率は、学科が70〜80%、実技は80〜90%あたりです。FP3級は国家資格の中では取りやすい資格ですが、2級になると難易度はかなり高くなります。3級を取ることを目標にしましょう(※4)。
(※4)参考:日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
5. ITパスポート試験
特徴とおすすめの理由
ITパスポート試験は、ITを活用する社会人にとって必要となる知識を身につけていることを証明できる資格です。ITの基礎的な知識のみならず経営管理やリスクマネジメントといった幅広い知識も問われます。
ITの知識はどの職場でも求められるため、IT業界志望の就活生だけでなく、経営やマーケティングをはじめとするあらゆる業界志望の就活生に有利な資格です。職場でのITに関する広い基本的な知識があることで、就活のみならず入社後も有利に働くことがあります。
必要な勉強時間と難易度
勉強時間はおおよそ100〜200時間といわれています。基礎知識がある場合は約100時間ほどで、初心者の場合は180時間ぐらいあれば終わらせられます。1日2時間程度の勉強で約2、3カ月程度かかります。
ITパスポート試験の合格率は50%前後となっており、そこまで難易度が高くないことがわかります(※5)。
(※5)参考:ITパスポート試験「ITパスポート試験 試験結果」
6. 宅地建物取引士
特徴とおすすめの理由
宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引における専門家を指す国家資格です。
不動産、建設、金融といった業種では不動産の取引が多く、宅建の資格を取得すれば不動産取引に関する説明や契約書作成ができるので有利に働きます。また行政と社会との規律を定めた法律も学ぶため、法律知識を習得できます。
必要な勉強時間と難易度
必要な勉強時間は300時間〜500時間程度といわれており、初心者かつ独学の場合は4、5カ月程度、資格予備校に通う場合は3カ月程度の期間が必要になるでしょう。
宅地建物取引士(宅建)の合格率はおおよそ15%前後となっており、取得がやや難しい資格です(※6)。
(※6)参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(過去10年間)」
7. 日経TEST
特徴とおすすめの理由
日経TESTは日本経済新聞社と日本経済研究センターが主催している資格試験です。この試験では時事問題に関する知識が問われ、ビジネスパーソンが経済に関する知識を応用して、問題解決できるかの能力を見ています。
ビジネスに応用する力も問われるので、経営者やリーダーを目指す人におすすめです。資格の勉強を通じてあらゆる経済知識が自然と身につき、就活の面接時に聞かれる時事問題対策にも役に立ちます。
必要な勉強時間と難易度
日経TESTの勉強時間は、目標点数にもよりますが、一般的には100〜200時間程度といわれています。1カ月ほどの勉強で受験に臨む人が多いです。
日経TESTの結果は1000点満点のスコア形式で測定され、平均点は500〜600点程度であるといわれています(※7)。600〜700点を目標に取り組みましょう。
(※7)参考:日経TEST「よくあるご質問」
8. 普通自動車第一種運転免許
特徴とおすすめの理由
自動車を運転するための免許で、日本で最も一般的な運転免許です。取得には筆記試験と実技試験からなる運転免許試験に合格する必要があります。特に営業職に就く場合は必須となる企業も多いので注意が必要です。
実際に免許を持たずに就職している人は数多く存在しますが、免許を持っていることで選べる仕事の選択肢も広がり、就活がしやすくなることも忘れてはなりません。
必要な勉強時間と難易度
普通自動車第一種運転免許の学科試験の合格率はおよそ70%〜80%ほどです(※8)。
一般的に免許の平均取得期間は筆記試験と実技試験を含めて2〜3カ月といわれていますが、2週間程度で集中的に技能を習得する場合は、免許合宿で免許を取る人が多いです。
(※8)参考:警視庁「運転免許統計 令和5年版 P.21」
9. 秘書検定
特徴とおすすめの理由
秘書検定では、一般常識やビジネスマナーといった社会人として求められる知識があることを証明できます。試験は3級、2級、準1級、1級の4つの級にわかれています。
日常的に使えるマナーを習得できるので秘書や接客業を志望しない人でも役に立つ資格です。社会人としてマナーを身につけていることを示せるだけでなく、面接で求められるビジネスマナーについても事前に学べておすすめです。
必要な勉強時間と難易度
秘書検定の合格率についてそれぞれ、1級はおおよそ20〜30%、準1級は30〜40%、2級は50〜60%、3級は60〜70%となっています(※9)。準1級以上は筆記試験だけでなく面接もあるので、3級や2級に比べると難易度が高くなります。
2、3級の場合、一般的に勉強時間は60時間前後といわれており、1〜2カ月の対策期間が必要です。準1級以上になると面接の対策が必要なので、通信教育や講座を利用することをおすすめします。
(※9)参考:ビジネス系検定「受験者状況」
10. 中小企業診断士
特徴とおすすめの理由
中小企業診断士は国内唯一の経営コンサルタントの国家資格です。中小企業の経営上の課題や問題点についての指導や、経営方針の決定や経営上のトラブルの相談などを行えるようになります。
コンサル業や営業職などをはじめとしてあらゆる業種で生かせます。難関の国家資格であるため、取得できればかなり有利になるでしょう。
必要な勉強時間と難易度
必要な勉強時間は800〜1000時間といわれています。そのため1年以上の期間を使って、長期の計画的な学習が必要です。
合格率は全体で10%以下になっており、難易度が高い試験になっています。1次試験の合格率は30%前後、2次試験は20%前後で推移しています(※10)。
(※10)参考:一般社団法人 中小企業診断協会「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」
【業界別】おすすめの資格を紹介!
続いて「どんな業界で役に立つのか?」「この業界だと取っておきたい資格は?」などといった質問に答えるために、取ると有利になりやすいおすすめの資格を業界ごとに紹介します!
先ほど紹介した資格と、それ以外の紹介していない資格も含めて優先度の高い資格を順に見ていきます!
商社業界 | TOEIC、簿記、中小企業診断士、貿易実務検定、通関士 |
金融業界 | 簿記、FP、中小企業診断士 |
IT業界 | ITパスポート、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験 |
不動産業界 | 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士 |
商社業界
以下は商社を志望する就活生におすすめの資格です。
- TOEIC
- 簿記
- 中小企業診断士
- 貿易実務検定
- 通関士
商社で海外勤務や海外取引を行うときに、必然的に英語が必要となるので、ビジネス英語力を証明するTOEICが重要視されています。
また事業投資に関わることが多く、会計知識が必要な場面があるので簿記が役に立ちます。経営コンサルタントの専門資格で、広いビジネス知識を問う中小企業診断士も有利になる資格です。
貿易実務検定と通関士は業界別10選には出ていませんが、商社を志望する際に有利になる資格です。
貿易実務検定
貿易実務検定は貿易に関する全体的な基礎知識を学べる民間資格です(※11)。C級からA級まであり、貿易の交渉全般を広く学べ、その上難易度はそこまで高くないのでおすすめです。
(※11)参考:貿易実務検定「貿易実務検定について」
通関士
通関士は財務省管轄の国家資格で、関税法や通関業法などの法律を学べる資格です(※12)。貿易実務検定に比べると難易度が高いですが、商社を目指す場合は貿易実務検定よりも優先度の高い資格になっています。
(※12)参考:税関 Japan Customs「8001 通関士制度の概要(カスタムスアンサー)」
金融業界
以下が金融業界を志望する就活生におすすめの資格です。
- 簿記
- FP
- 中小企業診断士
会社の財務情報が記された財務諸表を作成・理解する能力が求められるので簿記がおすすめです。また金融や税、相続などの広い知識は金融業界においてはどの部署でも役に立つのでFPを取得しておくといいでしょう。
さらに企業運営に関する知識や深い理解が必要になるので中小企業診断士の資格を取っていると重宝されます。
IT業界
以下がIT業界を志望する就活生におすすめの資格です。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
ITパスポート試験はIT全体の知識を測る試験で、IT資格取得の一歩としておすすめします。エンジニア以外ならばアピールできる材料になるでしょう。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は業界別10選には出ていませんが、IT業界を志望する際に有利になる資格です。
基本情報技術者試験
この試験はエンジニアやプログラマーといった開発職を対象にした国家資格で、ITパスポートに比べて専門的なシステム開発に関する知識が問われます(※13)。エンジニアを目指すなら第一に取得したほうがいい資格です。
(※13)参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「基本情報技術者試験」
応用情報技術者試験
この試験はIT人材に必要な応用的な技術だけでなく、情報活用技術を用いた戦略立案の際に情報分析を正確にできる能力も求めています(※14)。基本情報技術者試験の上位に当たる資格なので難易度が高い分、就活で有利に働くでしょう。
(※14)参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「応用情報技術者試験」
不動産業界
以下が不動産業界を志望する就活生におすすめの資格です。
- 宅地建物取引士
- 賃貸不動産経営管理士
金融業界の資格の代表格である宅地建物取引士は、不動産業界において必須ではないものの、各事務所において5人に1人の割合で宅建士を設置する必要があるため、就活で有利に働くだけでなく就職してから非常に役に立ちます。
賃貸不動産経営管理士は業界別10選には出ていませんが、不動産業界を志望する際に有利になる資格です。
賃貸不動産経営管理士
この資格は賃貸住宅管理の専門家として適切な不動産管理ができることを示す国家資格です(※15)。宅建に比べると実用的な業務を多く扱い、勉強もしやすいためおすすめです。また近年賃貸仲介会社、不動産投資会社なども推奨している資格なので就活で有利に働くでしょう。
(※15)参考:賃貸不動産経営管理士「賃貸不動産経営管理士資格について」
【文理別】おすすめの資格を紹介!
次に今まで出てきた資格も含め、理系・文系の就活生が取っておくといい資格を簡単にまとめました!
理系・文系両方 | TOEIC、TOEFL、簿記、MOS |
理系 | ITパスポート、基本技術情報者試験、 知的財産管理技能士、危険物取扱者乙種4類 |
文系 | FP、宅建、中小企業診断士、秘書検定、 司法試験、公認会計士、行政書士、司法書士 |
理系/文系両方におすすめの資格
- TOEIC
- TOEFL
- 簿記
- MOS
英語力はもちろん経営管理の知識やパソコンスキルは理系・文系問わず要求されます。
理系におすすめの資格
- ITパスポート
- 基本技術情報者試験
- 知的財産管理技能士
- 危険物取扱者乙種4類
ITに関する広い知識や開発職に必要な専門的な技術を身につけておくのがおすすめです。
知的財産管理技能士(※16)は知的財産を管理するスキルを測る国家試験で、メーカーを目指す理系の就活生におすすめです。3級は国家試験としては簡単な部類なので、3級から取得するといいでしょう。
危険物取扱者乙種4類(※17)は危険物取扱者という資格のうち一番受験者が多いもので、可燃性の液体などの危険物を取り扱う上で必要な資格になります。化学系の技術職を目指す理系の就活生におすすめです。
(※16)参考:知的財産管理技能検定「知的財産管理技能検定とは?」
(※17)参考:一般財団法人消防試験研究センター「危険物取扱者について」
文系におすすめの資格
- FP
- 宅建
- 中小企業診断士
- 秘書検定
- 司法試験
- 公認会計士
- 行政書士
- 司法書士
資産運用や投資をはじめとした金融の知識、不動産、経営、ビジネスマナーに関する知識は、文系職におけるあらゆる分野で横断的に役に立つものです。
また司法試験、公認会計士、行政書士、司法書士は他の資格に比べて非常に難易度が高く、膨大な時間を要する資格ですが、志望する業種が決まっている場合は取得することで働き口に困らなくなります。
資格取得までの手順とアドバイス
以上就活生におすすめの資格を紹介してきましたが、ここからは資格取得までの流れを簡単に解説します。資格取得するにはまず何をすればいいのか知っておきましょう。
取りたい資格を探す
資格を探すときに、まずは自分の興味のある資格を探してみましょう。資格は就活のためだけに取るのではなく、就活が終わってからも自分の人生にプラスに働くものを取るという観点も必要です。
そのため自分の興味のある業界や職種を探し、そこで必要になる資格を取るという探し方で問題ありません。その業界で扱うような知識や技術を、資格の勉強を通じて事前に知ることでその業界をより知れます。
取得可能か確認
取りたい資格が決まった後は、その資格の詳細を調べましょう。その資格の受験資格や日程、試験の形式、学習に必要な時間、合格率や難易度などを調べて、自分の今の状況を考慮して現実的に取得可能かどうか考えましょう。
就活生ならば就活と並行して学習を進められるのか、自分のやる気と学力から最終的に取得できる可能性は高いのか、などを模索することが必要です。
資格取得のスケジュールを立てる
条件的に取得条件を満たしていて、この資格を取得すると自分で決めた後は、試験の日程を確認し、逆算してスケジュールを立てていきましょう。1日何時間と決めてコンスタントに粘り強く資格の勉強を進めていきましょう。また忙しい場合は、うまくスキマ時間を使ってコツコツ進めていくといいです。
資格を生かす方法について
履歴書やESへの記載方法
続いて、履歴書やESといった書類選考で資格を記載する際に注意すべき3点をお伝えします。
資格の有効期限に気をつける
資格の中には、有効期限があるものがあります。有効期限が切れた時点で資格と見なされないため、必ず有効期限が切れていないか確認しましょう。
例えば運転免許は有効期限が決められているので定期的な更新が必要です。宅建は有効期限はありませんが、取引主任者証の有効期限は5年となっています。TOEICも有効期限はありませんが、証明書の再発行は試験日より2年以内などと証明書の有効期限にも注意しましょう。
取得予定や勉強中の資格も記載できる
取得した資格だけでなく、取得予定や勉強中の資格についても、履歴書やESに記載できます。受験済みで合否の結果を待っている場合「取得予定」、未受験・受験前の場合は「勉強中」と書きましょう。以下に記載例を示したので参考にしてください。
【FP2級をすでに受けて2025年2月に合否が出る場合】
(2025年2月)2級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 取得予定
【秘書検定3級を受ける予定で勉強中の場合】
秘書技能検定3級 合格に向けて勉強中
一定レベル以上の資格を記載する
一定レベル以下の資格は書かないほうがいいでしょう。逆に記載することで、他にアピールできる資格がないという印象になり逆効果になることがあります。
例えば「TOEIC 400点」や「英検 3級」など社会で必要な能力よりも著しく低いものを示した資格がわかりやすい例です。そのため、一定レベル以下の資格は記載しないようにしましょう。
うそはバレる?
履歴書やESにおいて、資格の虚偽申告は絶対にしないようにしましょう。取得していない資格を書いたり、点数を盛ったりしてもバレないのではないかと思う方もいます。ですが、入社後にうそがバレて内定取り消しになる可能性も十分にあるので、デメリットは非常に大きいです。うそがバレずに入社できてもその後、罰則が与えられる可能性が高いことも考えると、正直に資格を書くべきだとわかるでしょう。
面接対策での資格活用法
ここでは、勉強の末に取得した資格を効果的に就活でアピールする方法を紹介していきます。
「資格取得までの手順とアドバイス」の章でも述べましたが、就活のための資格ではなく、あくまで自分の興味によって資格を取ったのだとアピールするほうが印象は良いです。
押さえておきたいアピールのポイントを以下にまとめたので参考にしてみてください。
取得目的と過程をアピール
資格を取るにあたって必ず取ろうと思った理由があるはずです。企業は就活生がどんな資格を持っているかよりも、その資格を取ろうと思ったきっかけや過程を知りたいと考えています。そこから就活生の興味関心や価値観といった内面を知ることができるからです。そのため資格の目的や取ろうと思った過程を説明することが必要です
ここでは、先輩方の実際のESでのアピール例を2つ紹介するのでぜひ参考にしてください。
【23年卒 みずほリース 総合職 インターンシップ選考】
・学業で力を入れたこと
日商簿記検定とFPの資格取得に注力しました。コロナ禍でおうち時間が増えた際に、大学の講義以外に興味のある分野を学べる良い機会だと思いました。そこで、大学1年次の講義の中で財務諸表に触れることに楽しさを感じたため、2年次から日商簿記の勉強を始めました。毎週土曜日にオンラインで開催される資格取得学校の講義に参加し、講義がない日はどんなに忙しくても必ず毎日練習問題に触れることを約1年間継続しました。2級の勉強の中で挫折しそうになりましたが諦めることなく乗り越え、その結果2年次の終わりに2級に合格できました。そこで、改めて何かを頑張り成果を出すことの楽しさと喜びを感じて、それが次の学びへのモチベーションとなりました。そして3年次にはアルバイト先の常連さんにお勧めしていただき興味を持ったFPを学びたいと思い、夏に3級を取得しました。また、さらに上を目指そうと現在は2級の勉強を進めています。
【24年卒 三井住友トラストクラブ 総合職 本選考】
・誰にも負けないこと
自ら目標を設定して、計画性を持って行動できる点において誰にも負けません。この強みは、資格勉強において発揮されました。大学の授業で簿記に興味を持ち、金融業界で働くうえでの知識をつけたいと考えたことから、簿記◯◯級の取得を目標に勉強を始めました。大学の授業やアルバイト、大学祭実行委員会の活動と並行する必要があったため、日程と学習範囲を踏まえた学習計画を立てました。加えて、継続した学習が成果につながると考え、通学時間や授業の空き時間を有効に使い、約◯◯カ月間一日最低1時間は勉強するように心がけました。結果的に当初は過去問を解いても合格点を満たせていなかったが、平均点を◯◯点近く上昇させて、1度目の受験で簿記◯◯級の資格を取得できました。このように私は、決められた目標だけでなく自主的に定めた目標に向かって、努力できます。入社後も、日々の業務の中で計画性をもって主体的に行動したいと考えています。
このように、どういう経緯や興味があってその資格を目指すことにしたのかを伝えるのがポイントです。また、取得までの勉強時間やスケジュールを具体的な値を用いて説明しましょう。目標に向けて自分が工夫した点や苦労した点といった取得までの過程を伝えることで、具体性を持って自分の強みをアピールできます。
資格を生かした展望を明確にする
次に資格で得たスキルまたは取得するプロセスから、入社してそれらがどのように生かせるのか、そして資格を通じて企業にどう役に立つ人材になるのかを説明しましょう。ここで志望する企業に、強みや意欲といった自分が最も伝えたいことを説明します。また、資格を取った先にある展望を明確にすることも重要でしょう。
ここでも、先輩方の実際のESでのアピール例を2つ紹介するのでぜひ参考にしてください。
【24年卒 JCB 総合職群 本選考】
・自分が認識している強みと弱み
私の強みは計画性を持って物事に取り組むことです。在学中、この強みを生かすことでTOEICの点数を1年間で300点向上させ、結果的に920点を取得することに成功しました。具体的には、一日当たりの勉強量を逆算し、知識を着実に積み重ねることで目標を達成しました。貴社の業務にて、期日まで日数のない難しいタスクが課された際も、この計画性を用いてその達成に貢献できると考えます。
【24年卒 花王 事務系 本選考】
・その他 自己PR
私の強みは学び続ける姿勢だ。私は大学で会計を専攻している。大学1年次に初めて会計に触れ、会計の重要性と楽しさに気づいた。これがきっかけで翌年日商簿記2級取得を目指した。学習開始当初あまりの難しさに学習意欲の維持に苦労したが、参考書1日1章習得という細かい目標を立てることで意欲を維持した。結果約5カ月の学習で日商簿記2級を取得した。大学3年次からは「◯◯」ゼミに所属した。詳細は以下の設問に記すが、基本4人班で活動し、協力して不明点を解消したりレポートを作成したりしている。今後も継続して会計を学習し専門性を高め、貴社に貢献していける会計人材となりたい。
まとめ
以上、就活に有利な資格10選、また業界別・文理別におすすめの資格を紹介してきました。さらにESや履歴書への資格の書き方や注意点、アピール方法なども解説しました。
資格は就活においては自分をアピールする1つの手段に過ぎないということを念頭に置きながらも、自分が志望する業界探しや今後の人生に役立てる手段としても資格を取得していただければ幸いです。資格は就活では必須ではありませんが、取得していれば就活ないしは今後のキャリアにプラスに働くことでしょう。ぜひこの記事を参考にして資格について考えてみてください。
(Photo:mapo_japan/Shutterstock.com)