こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。
今回は、信託銀行業界を代表する三井住友信託銀行(SMTB)、三菱UFJ信託銀行(MUTB)、SMBC信託銀行の3社について、各社の特徴を比較しながらお伝えします。
<目次>
●信託銀行とは? 事業内容/提供サービスを解説
・事業内容
・ビジネスモデル
・信託銀行の三つの業務内容
・信託銀行と一般的な銀行の違い
●信託銀行の動向
・新たな融資先の開拓が必要
・デジタル証券など新たなビジネスモデルの展開
・海外事業における法人融資から資産運用事業への転換
・信託銀行が抱える利益相反問題
●信託銀行の業務の種類
・リテール業務
・ホールセール業務
・市場業務
・受託財産業務
・不動産業務
・証券代行業務
●信託銀行大手3社の業績比較・ランキング(売上高/営業利益)
●信託銀行大手3社の特徴・強み
・三井住友信託銀行:不動産証券化受託残高で1位を誇る、スケールの大きさと信頼度の高さ
・三菱UFJ信託銀行:高い専門性と積極的なM&A。
・SMBC信託銀行:富裕層に特化し、リテール営業に強い信託銀行
●信託銀行大手3社の社風の違い・制度
・三井住友信託銀行:独立系投資銀行らしい、自らチャンスを切り開く力が試される
・三菱UFJ信託銀行:さまざまな分野における専門性が高い。MUFGグループ間の連携も多い
・SMBC信託銀行:意見を発信しやすいフラットな社風。グローバルな環境で働ける
●信託銀行大手3社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
●信託銀行で働く魅力・やりがい
・一般の銀行よりも幅広い業務に挑戦できる
・収入が安定していて、福利厚生も充実している
・私生活でも重要な金融に関する専門性を高めることができる
・顧客と長期間関わるため、信頼関係が構築される
●信託銀行大手3社の選び方
・自己分析で自分の強みや価値観を洗い出そう!
・情報収集ではONE CAREERの【選考対策ページ】を有効活用しよう!
・ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリアライブ』を活用しよう!
・手間がかかる「業界研究」はONE CAREERにおまかせ!
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・就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理しよう
●信託銀行大手3社が求める人物像・選考対策
・信託銀行が求める人物像
・信託銀行の選考対策
●信託銀行以外の業界研究記事
信託銀行とは? 事業内容/提供サービスを解説
信託銀行とは、通常の銀行業務に加え、信託業務や関連する併営業務を提供する金融機関です。
信託銀行は、預金や融資などの一般的な銀行業務を行う一方で、顧客の財産を管理・運用し、相続や資産運用などに関する専門的なサポートを提供しています。
ここでは、信託銀行の事業内容と提供サービスについて解説します。
事業内容
信託銀行の事業内容は、通常の銀行業務である「預金」「融資」「為替」に加え、「信託業務」や「併営業務」を行う点に特徴があります。
「信託業務」とは、委託者(顧客)から金銭や有価証券、不動産などの財産を預かり、信託銀行がその財産を管理・運用する業務です(※1)。たとえば、資産運用や不動産管理、相続対策の一環として信託を活用するケースが多く見られます。
一方で、「併営業務」は信託業務に関連する業務で、不動産の仲介や証券代行、さらには相続手続きなどのサポートを行うものです。
これにより、信託銀行は都市銀行と比べて顧客に提供できるソリューションの幅が広く、特に資産運用や相続対策など、専門的なニーズに応える点で大きな強みを持っています。
(※1)参考:三菱UFJ信託銀行「信託銀行とは?」
ビジネスモデル
信託銀行のビジネスモデルは、一般的な銀行業務に加え、信託業務を通じて顧客の財産を運用・管理し、その報酬を得るという独自の仕組みを持っています。
信託業務では、委託者(顧客)が所有する金銭や不動産などの財産を、信頼する受託者(信託銀行)に託し、運用や管理を依頼します。その際、信託銀行は委託者に代わって財産を運用し、利益を生み出すとともに、その一部を手数料として受け取ります。
信託銀行は、信託を通じて取り扱う財産の種類が非常に幅広く、金銭や有価証券、不動産だけでなく、知的財産権や年金信託なども含まれます。
信託業務において信託銀行が提供するサービスは、資産の運用だけでなく、相続対策や資産管理、不動産運用のサポートなど多岐にわたり、顧客のニーズに合わせたソリューションを提案できる点が信託銀行の魅力です。
信託銀行の三つの業務内容
ここでは、信託銀行三つの業務内容について詳しく解説していきます(※2)。
(※2)参考:信託協会「信託銀行ってなに?」
銀行業務
信託銀行の業務には、一般的な銀行と同様に「預金」「貸付」「為替」といった銀行業務が含まれます(※2)。
預金業務では、個人や法人から預金を預かり、その資金を管理・運用します。預金者から預かったお金は、信託銀行が融資や投資に活用し、その収益から預金者に利息を支払います。預金は信託銀行にとっての大切な資金源です。
貸付業務は、資金を必要としている個人や企業に対して融資を行う業務です。特に、住宅ローンや設備投資の資金調達においては、大口の融資が必要となることが多く、融資を実行する際には企業の業績や成長見込みなど、さまざまな要素を厳密に審査することが求められます。
為替業務は、国内外の資金移動を行う業務で、振り込みや送金、公共料金の口座振替などがこれに該当します。信託銀行はこのようにして、企業や個人の資金のやり取りをサポートし、経済活動を円滑にする重要な役割を担っています。
信託業務
信託業務とは、個人や法人が持つ財産を信託銀行に託し、管理・運用してもらうことを指します。この財産を託す委託者が設定した目的に基づいて、信託銀行が受託者としてその財産を運用・管理し、最終的に利益を受け取る受益者のために信託業務を遂行します(※2)。
信託できる財産には、現金や土地といった典型的な資産だけでなく、「有価証券」「金銭債権」「不動産」など多岐にわたるものが含まれます。遺言信託や老後の生活資金、子育て支援など、さまざまなニーズに対応した商品が提供されており、信託銀行は個人の人生設計や企業の資産管理に重要な役割を果たしています。
併営業務
信託銀行の併営業務には、証券代行業務や不動産売買の仲介業務、相続関連業務などが含まれます(※1)。これらの業務は、銀行法や兼営法に基づいて免許を取得した金融機関のみが行えるもので、信託銀行によってその業務の範囲は異なります。
証券代行業務は、企業に代わって株式名簿の管理や株主総会の運営サポートを行い、企業の株式関連事務を効率的に管理します。一方、不動産業務では、不動産の売買や賃貸の仲介を行い、資産運用のサポートを行います。
また、相続関連業務も重要な役割を果たしており、遺言書の保管や遺言執行、遺産の管理など、相続に関わる複雑な手続きを支援することで、顧客の財産管理に貢献します。これらの併営業務を通じて、信託銀行は顧客の多様なニーズに応えることができる点が特徴です。
信託銀行と一般的な銀行の違い
信託銀行と一般的な銀行の大きな違いは、通常の銀行業務に加え、「信託業務」や「併営業務」を提供できる点にあります。
都市銀行や地方銀行が主に預金や貸付、為替業務などの一般的な銀行業務に特化しているのに対し、信託銀行はこれらに加えて、個人や法人の資産を管理・運用する信託業務や、不動産の売買仲介、証券代行、相続関連のサポートといった併営業務も行います。
そのため、信託銀行は資産運用や相続、不動産管理など、顧客の多様なニーズに応じた包括的なコンサルティングを提供できる点が大きな特徴です。
資産全般を見据えた長期的な運用や管理を行うことができるため、特に資産形成や相続対策を重視する顧客にとって信託銀行は魅力的な選択肢となるでしょう。
信託銀行の動向
信託銀行業界では、近年さまざまな変化が見られています。従来のビジネスモデルに加えて、新たな融資先の開拓やデジタル技術の導入、さらには海外での資産運用事業へのシフトなど、多様な取り組みが進んでいます。ここでは、信託銀行の動向について解説します。
新たな融資先の開拓が必要
信託銀行業界の近年の動向として、新たな融資先の開拓が急務となっています。
従来、信託銀行は大手企業の余裕資金を預かり、株式や債券などで運用することが中心的な業務でした。しかし、昨今の株高に伴い、預かった資金が大幅に増加し、それらの資金をさらに有効に運用するための新たなビジネス展開が求められるようになりました。
このような状況を背景に、信託銀行では融資事業の強化が進んでいます。従来の「資産運用」だけではなく、一般の銀行と同様に企業への融資を通じて利ざやを得るビジネスモデルが注目され始めています(※3)。
それに伴い、融資に関する専門知識のある法人営業職の需要が増加しています。信託銀行の法人営業は、激しい営業競争ではなく、長期的な信頼関係の構築に重きを置くため、落ち着いた職場環境や安定した業務スタイルが魅力とされ、転職先として選ばれるケースが増えています。
(※3)参考:日本経済新聞「三井住友信託銀行、個人資金を企業融資に 10月に新商品」
デジタル証券など新たなビジネスモデルの展開
信託銀行業界では、デジタル証券やブロックチェーン技術を活用した新たなビジネスモデルの展開が進んでいます(※4)。これには、従来の資産運用や信託業務の枠を超えた革新的なソリューションの提供が含まれ、少子高齢化や脱炭素化など、社会情勢の変化に対応するための動きが背景にあります。
また、信託業法の改正により、銀行以外の企業や地方銀行も信託業に参入できるようになり、業界全体での競争が激化しています。
2023年には、全国の地方銀行の約3分の1が信託業務を兼営しており(※4)、信託銀行業界はますます多様化しています。このような新たな技術やビジネスモデルの導入により、信託銀行は今後もさらなる成長が期待されています。
(※4)参考:日経COMPASS「信託銀行」
海外事業における法人融資から資産運用事業への転換
近年、国内におけるマイナス金利の影響で、利ざやを稼ぐビジネスモデルに限界が見えるなか、信託銀行を含む大手邦銀グループは、これまでの海外での法人融資から資産運用事業へとシフトしています。
法人融資中心の海外展開は、世界的な低金利環境により収益性が低下している一方で、高齢化の進行や新興国の中間層の拡大によって資産運用ニーズが高まっています。このような背景を受けて、三菱UFJ信託銀行をはじめとする信託銀行各社は、資産運用事業の強化に注力しています。
たとえば、三菱UFJ信託銀行は、2018年にオーストラリア最大手銀行のコモンウェルス銀行(CBA)傘下の資産運用会社を3,000億円で買収し、海外資産運用事業の拡大を図りました(※5)。これにより、海外事業の比率を大幅に高め、海外での資産管理事業を資産運用と並ぶ成長分野と位置づけています(※6)。
また、他の大手信託銀行も資産運用会社の統合・再編を進めています。三井住友信託銀行は傘下の資産運用会社を合併し、より効率的に資産運用事業を展開する体制を整備しています(※7)。こうした動きは、国内外の資産運用ニーズに対応するための重要な戦略転換といえるでしょう。
(※5)参考:日本経済新聞「三菱UFJ信託、3000億円で豪資産運用買収へ」
(※6)参考:日本経済新聞「三菱UFJ信託、資産管理ビジネスで年金に活路 豪社買収」
(※7)参考:日本経済新聞「三井住友トラストやみずほ、運用会社買収へ」
信託銀行が抱える利益相反問題
信託銀行における「利益相反問題」とは、信託業務と銀行業務の双方を担うことから、顧客と信託銀行の利益が競合・対立する状況を指します(※8)。特に問題視されているのは、融資部門と運用部門の間で利益相反が発生するケースです。
信託銀行は受託者として、企業の株式を受託財産として保有することがあり、その企業の株主総会では議決権を行使します。しかし、その企業が信託銀行から融資を受けている場合、銀行としての利益を優先し、議決権の行使が顧客の利益に反する可能性があります。
たとえば、融資関係を考慮して、その企業に有利な決定を行うと、受益者(顧客)の利益を損なう可能性などがあります。
このような利益相反問題を回避するため、信託銀行は金融庁のガイドラインに基づき、内部ガバナンスの向上に取り組んでいます。具体的には、融資部門と運用部門の情報共有を禁止し、人事異動に一定の制約を設けるなどの対策が講じられています。また、議決権の行使結果を個別に開示することで、透明性を高める措置も導入されています(※9)。
さらに、利益相反を防ぐために、融資部門と運用部門を完全に分離し、運用業務をグループ会社や子会社に移管する再編も進んでいます(※9)。こうした取り組みにより、信託銀行は利益相反問題に対処し、顧客の信頼を維持することを目指しています。
(※8)参考:銀行員のための教科書「信託銀行とは利益相反のかたまり~信託銀行が解体される可能性~」
(※9)参考:日本経済新聞「信託銀 事業モデル再構築 利益相反起きにくい体質へ」
信託銀行の業務の種類
信託銀行には、主にリテール事業・ホールセール事業・市場事業・受託財産事業・不動産事業・証券代行事業といった6種類の事業があります。
各事業はそれぞれ異なる顧客層やニーズに対応しており、信託銀行の幅広い専門知識を生かして多岐にわたる金融サービスを提供しています。ここでは、それぞれの事業内容について詳しく解説します。
リテール業務
リテール事業は、個人のお客様を対象にしたサービスで、信託銀行の幅広い専門知識を生かして資産運用や相続、不動産関連のコンサルティングを行います(※10)。
具体的には、投資信託や個人ローンの相談を受け、最適な金融商品を提案したり、資産管理や相続対策についてのアドバイスを提供したりします。
特に、リテール事業においてはお客様一人ひとりのニーズが異なり、年齢やライフステージに応じて求められるサービスが変わってきます。そのため、信託銀行は、顧客が抱える顕在的な課題に対してだけでなく、潜在的なニーズや問題にも目を向け、総合的なソリューションを提供することが重要です。
(※10)参考:三菱UFJ信託銀行「業務紹介」
ホールセール業務
ホールセール事業は、事業法人や中小企業、金融法人、外資系企業などの法人顧客を対象とした業務です。この事業では、与信や融資といった通常の金融サービスだけでなく、資産運用に関するコンサルティングも提供しています(※11)。
特に信託銀行の強みは、不動産の証券化や資産の流動性向上に貢献するサービス、さらに証券代行機能を活用した上場支援など、都市銀行では提供できない独自のソリューションを持つ点にあります。
たとえば、大企業が保有する不動産を証券化することで、固定資産を効率的に活用し、資産の流動性を高めるサポートを行います。また、株式の管理や株主総会の運営支援を行う証券代行サービスを通じて、企業の成長を後押しします。
(※11)参考:SMBC信託銀行「WHOLESALE BUSINESS」
市場業務
市場事業(マーケット事業)は、世界経済や金融マーケットの動向を分析し、それに基づいてお客様の金利や為替リスクに対するソリューションを提供する業務です(※1)。
この分野では、信託銀行が保有する資産を分散投資し、国債や株式、為替、社債などの多様な金融商品に投資することで、安定的な運用を実現します。
また、市場事業は信託銀行の資金調達においても重要な役割を果たしており、円・ドル・ユーロといった主要通貨の安定的な資金供給を行いながら、資金繰りを最適に調整することが求められます。
さらに、外国為替取引やデリバティブなどの資金為替業務も行い、企業やファンドといった法人顧客に専門的なサービスを提供しています。この分野では、マーケットの知識だけでなく、リスク管理や国際金融規制への理解、さらには語学力が必要となり、グローバルな金融市場で活躍する機会も多いといえるでしょう。
受託財産業務
受託財産事業は、企業や機関投資家の資産を信託銀行が受託し、管理・運用する業務です。この事業には、「年金業務」「資産運用業務」「資産管理業務」の三つの分野が含まれます(※1)。
まず「年金業務」では、企業の従業員の老後を支えるために企業年金制度を設計し、その運用コンサルティングを提供しています。企業年金の導入や見直しを支援し、年金制度の適切な運営をトータルでサポートするのが主な役割です。
次に「資産運用業務」では、公的年金や企業年金などの巨額の資産を国内外の有価証券やオルタナティブ資産に投資し、資産を増やすための運用を行っています。信託銀行はこれらの資産を長期的かつ安定的に運用することで、企業や投資家に利益を提供します。
さらに「資産管理業務」では、運用された資産の決済・保管を行い、信託銀行のグローバルなネットワークを活用して、高水準の管理サービスを提供しています。
これらの業務を通じて、信託銀行は社会的にも重要な年金制度を支える役割を果たし、マーケットやグローバルな資産管理に関する専門的な知識を得ることができる点が、この事業の魅力です。
不動産業務
信託銀行の不動産事業は、一般的な銀行では取り扱えない「不動産業務」を行うことができる点が大きな特徴です。この事業では、オフィスビルやマンション、商業施設などの不動産に関する仲介業務、不動産の証券化、不動産戦略のコンサルティングを提供します(※1)。
不動産の仲介業務では、買主や売主の間に立って価格交渉を行い、引き渡しの手続きをサポートします。特に企業の大規模なオフィス移転や不動産投資において、信託銀行はその専門的な知識を生かしてスムーズな取引を実現します。
また、不動産証券化では、不動産を投資対象とする金融商品として取り扱い、資金調達や運用のサポートを行います。これにより、企業は不動産を現金化し、資金の流動性を高めることができます。
信託銀行は銀行業務と不動産業務を組み合わせたトータルなソリューションを提供できるため、資金調達から不動産戦略の実行まで、一貫した支援を行える点が魅力です。
証券代行業務
信託銀行の証券代行事業は、株式発行企業の株主名簿管理や株主総会の運営サポート、配当金の支払いなど、企業の株式実務に関わる業務を代行する「併営業務」の一つです(※1)。
この業務は、株式発行企業からの委託を受けて行われ、企業に代わって重要な事務作業を管理するため、非常に高い専門性が求められます。
具体的には、株主名簿の管理、株主総会の通知・招集手続き、配当金の支払いなどの業務が含まれます。また、株主総会の運営サポートだけでなく、企業の資本政策や買収防衛策の導入、さらには組織再編などに関する法務コンサルティングも提供します。
また、信託銀行はベンチャー企業のIPO(新規株式上場)支援も行っています。株式実務に関わるこの仕事では、会社法や税務、財務に関する幅広い知識を習得でき、経営トップと直接やり取りする機会も多く、ビジネススキルを高めることができる点が特徴です。
信託銀行大手3社の業績比較・ランキング(売上高/営業利益)
信託銀行大手3社の業績比較は以下のようになっています。
※出典:三井住友信託銀行「2023年度 有価証券報告書 P.127」
※出典:バフェット・コード「三菱UFJ信託銀行」
※出典:SMBC信託銀行「ディスクロージャー誌2024 P.35」
経常収益は三井住友信託銀行、経常利益は三菱UFJ信託銀行がそれぞれ1位です。
信託銀行大手3社の特徴・強み
三井住友信託銀行:不動産証券化受託残高で1位を誇る、スケールの大きさと信頼度の高さ
三井住友信託銀行は、銀行業務、資産運用・管理事業、不動産事業を一体として展開する国内唯一の専業信託銀行グループです(※12)(※13)。
三井住友信託銀行は、信託銀行だけでなく金融業界においても圧倒的なスケールを誇っています。
三井住友信託銀行は257兆円を超える資産を顧客から託され、その金額(資産管理残高)は国内金融機関の中で2位を誇ります(※12)。また、三井住友信託銀行は上場企業の約40%(※14)から企業の株主名簿の管理を任されています(※12)。この割合についても、国内1位を誇ります。
また、金融業界の中では信託銀行しか扱えない「不動産」の分野でも、三井住友信託銀行は国内トップレベルの財産を託されています。証拠として、不動産証券化受託残高も1位です(※12)。仲介・売買に限らず、時には「信託の仕組み」も駆使して不動産に関する企業の悩みに対し、不動産の問題としてではなく、経営視点からソリューションを提供しています。
また、国内トップクラスの専業信託銀行である強みを生かし、三井住友信託銀行は2020年1月にスイスの金融大手UBSグループと協業し、富裕層向けに新会社の営業を開始することを発表しました(※15)。スイス伝統のウェルス・マネジメントの知見を持つUBSグループと三井住友信託銀行の強みを結集し、双方の富裕層向けビジネスを強化する狙いです。
このように、三井住友信託銀行は信託銀行ならではの強みや高い信頼を生かし、今後も幅広い層へのアプローチを広げていくでしょう。
近年、世界的に環境改善効果に資する事業を資金使途としたグリーンボンド(※16)などのSDGsやESG投資に関連した資金調達への関心が高まっています。
そこで、三井住友信託銀行は、業界トップクラスのグリーンボンド引受実績に基づいた豊富な経験のあるBNPパリバ証券との提携を2019年11月に開始しました(※17)。これによって、ESG投資、SDGs関連の資金調達において、三井住友信託銀行の既存の機能では対応できなかった先進的な取り組みがなされている、欧州市場からの再建による資金調達(グリーンボンドなどの発行)ニーズのある顧客へのサポートが可能になりました。
このように三井住友信託銀行は、国内トップクラスの強みを生かし、自社にない機能に特化した企業と提携することで、日々変わる顧客のニーズに柔軟に対応しようとしていることが分かります。
またESG投資においても、2020年2月に、環境省ESGファイナンス・アワードで「環境大臣賞」金賞を受賞しており、責任ある機関投資家としてスチュワードシップ責任を果たしています(※18)。
三井住友信託銀行のセグメント別売上は以下のようになっています。
※出典:三井住友信託銀行「2023年度 有価証券報告書 P.162」
(※12)参考:三井住友信託銀行 新卒採用サイト「私たちの強み」
(※13)参考:三井住友トラスト・グループ「当グループの強み(各種資本の優位性)P.11」
(※14)……三井住友トラスト・グループと合算の数値
(※15)参考:三井住友信託銀行「UBSと三井住友トラスト両グループのウェルス・マネジメント事業における協業開始について」
(※16)……地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど、環境問題を解決するための資金を調達するために発行される債券
(※17)参考:三井住友信託銀行「欧州市場を中心としたESG、SDGs関連等の資金調達におけるBNPパリバ証券との業務提携について」
(※18)参考:三井住友信託銀行「ESG投資」
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三菱UFJ信託銀行:高い専門性と積極的なM&A。
三菱UFJ信託銀行は2005年に、三菱信託銀行がUFJ信託銀行と合併して誕生しました(※19)。
その起源は1927年。三菱財閥の信託部門として三菱信託株式会社が設立されたことで、以来、三菱グループの信託銀行として預金・貸し出しなどの銀行業務、資産金融業務、不動産業務、証券代行業務、受託財産業務など多様な金融ソリューションを提供しています(※20)。
三菱UFJ信託銀行の強みは、日本初の金融工学に特化した独自の投資理論研究所(MTEC)があることです。「金融における理論と実務の融合」を基本理念とし、最新の投資理論、数学、統計学、オペレーションズ、リサーチ、企業財務などの理論を駆使し、三菱UFJ信託銀行で活用する資産運用モデル、リスク管理モデルなどの構築に取り組んでいます。有数の学識経験者を顧問として迎えるなど、優れた研究環境を整え、常に最先端の理論・モデルの研究・開発を目指しており、2006年にはJAFEE(日本金融・証券計量・工学学会)より、法人として初めてJAFEE賞を受賞、2014年には日本オペレーションズ・リサーチ学会より金融業として初めて実施賞を受賞するなど、学界でも高い評価を受けています(※21)。
また、三菱UFJ信託銀行は同業他社を買収し、事業の強化・拡大を図っています。2019年6月には欧州の資産管理会社(※22)、8月にはオーストラリアの資産運用会社(※23)、10月には米州の投資ファンドの管理事業(※24)を買収しました。
国内においても、2020年4月には三菱商事アセットマネジメント株式会社(MCAM)の株式取得を目的に、MCAMの株主である三菱商事株式会社との間で株式譲渡契約を締結しており(※25)、積極的なM&Aによって、国内外で競争力を高める動きが加速しています。
また、三菱UFJ信託銀行のセグメント別売上は以下のようになっています。
※出典:三菱UFJ信託銀行「2023年度 有価証券報告書 P.99」
(※19)参考:三菱UFJ信託銀行 新卒採用サイト「MUTB図鑑」
(※20)参考:三菱UFJ信託銀行 新卒採用情報「MUTBを知る」
(※21)参考:三菱UFJ信託銀行「特徴・強み」
(※22)参考:日本経済新聞「三菱UFJ信託、欧州の資産管理会社を買収 事務作業を受託」
(※23)参考:日本経済新聞「三菱UFJ信託、豪運用会社の買収完了 運用80兆円に」
(※24)参考:日本経済新聞「三菱UFJ信託、米州資産管理事業を買収 世界5位に」
(※25)参考:三菱UFJ信託銀行「三菱商事アセットマネジメント株式会社の株式取得について」
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SMBC信託銀行:富裕層に特化し、リテール営業に強い信託銀行
SMBC信託銀行と聞くと、三井住友信託銀行(SMTB)と混同する人も多いです。本文に入る前に、軽くSMBC信託銀行と三井住友信託銀行の違いを説明します。
SMBC信託銀行は2013年に今の形になった新しい信託銀行です。三井住友信託銀行は三井住友トラスト・ホールディングスに属する、グループの主軸の銀行です。一方、SMBC信託銀行は三井住友フィナンシャルグループに属し、主軸である三井住友銀行の下にできた信託銀行です(選考対策ページより)。
SMBC信託銀行は、2015年にシティバンク銀行のリテールバンク事業を、新ブランド「PRESTIA(プレスティア)」として統合したため、リテール営業に強い信託銀行です(※26)。
国内トップクラスの外貨預金残高を有し、17通貨の外貨預金をはじめ、外貨建て投資信託、債券、保険商品、さらには世界各国のATMで現地通貨を引き出せるキャッシュカード、外貨の送金・決済サービスなど、豊富な商品・サービスを持ち、「外貨の老舗」としてのポジションを築いています(※27)。外貨預金を通じた運用だけでなく、海外旅行や出張、赴任に伴う外貨での決済にも対応して利便性を高めようとしています。
また、SMBC信託銀行は日本橋支店で現代美術作品を展示しています(※28)。作品の展示を通じて、従来の顧客との関係強化を図るだけでなく、新規顧客の開拓にも結びつける狙いです。このことから、SMBC信託銀行は、国内外を問わず、さらなる富裕層の新規顧客獲得を目指していることが分かるでしょう。
また、SMBC信託銀行のセグメント別売上は以下のようになっています。
※出典:SMBC信託銀行「ディスクロージャー誌2024 P.35」
(※26)参考:SMBC信託銀行 ニュースリリース「シティバンク銀行のリテールバンク事業取得に伴う新ブランド『PRESTIA』の創設について」
(※27)参考:SMBC信託銀行 新卒採用ページ「個人金融ビジネス」
(※28)参考:SMBC信託銀行 ニュースリリース「日本橋支店における『アートブランチ』の展開について」
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信託銀行大手3社の社風の違い・制度
三井住友信託銀行:独立系投資銀行らしい、自らチャンスを切り開く力が試される
三井住友信託銀行は自分たちの力で勝負する営業スタイルが特徴的です。これは、同社が三井住友フィナンシャルグループとの関係がないことから、同行自身で顧客を開拓する必要があることだと考えられます。実際に、行員の方によると「自力で顧客獲得の必要性があるため、努力を徹底する泥臭いスタイルが根付いている」そうです。
キャリアパスにおいても、主体的に描ける社風があります。それは、同社の事業が多岐に渡ったり、10年間で3事業部を回ることができるほどのジョブローテーションの機会があったりするためです。これらのことから、業務においても、キャリアパスにおいても主体性を持ちながら働ける社風であるといえます(選考対策ページより)。
三菱UFJ信託銀行:さまざまな分野における専門性が高い。MUFGグループ間の連携も多い
三菱UFJ信託銀行は、MUFG傘下であることの強みを生かし、顧客と深い信頼を築きながら事業を展開しています。
また、同社には不動産や資産金融をはじめ、幅広い領域で多くのノウハウを持ち合わせていることが魅力です。実際に社員も、「MUTB内では、キャリアパスが自分と同じ行員を見かけないほど、多様なキャリアパスを歩むことができる環境がある」「リテールから住宅財産・人事など幅広い業務を経験することができた」と話していて、多彩なキャリアステップを歩むことが可能だと分かります。このように、MUFGの基盤と幅広い専門知識を駆使して顧客との信頼関係を築きながら業務に取り組める社風は大きな魅力の一つです(選考対策ページより)。
SMBC信託銀行:意見を発信しやすいフラットな社風。グローバルな環境で働ける
SMBC信託銀行は、外資系のシティバンク銀行の流れをくんでいる点から、外資企業に近いフラットな社風が特徴的です。ある行員によると、「堅い先輩後輩の関係はなく、上司に対しても思ったことをそのまま言える」と話していることからも、自分の意見を発信しやすい環境であることが分かります。
実際に、外国の方が顧客であることも多いため、外資企業に近い、グローバルでフラットな環境で働けることが魅力です(選考対策ページより)。
信託銀行大手3社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
信託銀行大手3社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数は以下のようになっています。
※出典:2023年度 有価証券報告書「三井住友信託銀行 P.10/三菱UFJ信託銀行 P.9/三井住友フィナンシャルグループ P.13」
※SMBC信託銀行のみ、所属する三井住友フィナンシャルグループの数値を用いています。
平均年収が最も高いのは三井住友信託銀行でした。
日本全体の40代の平均年収が約511万円(※29)です。企業によって差はあれど、平均より高めの水準だといえるでしょう。
(※29)参考:国税庁長官官房企画課「令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告- P.180」より算出し、小数点以下四捨五入しています。
信託銀行で働く魅力・やりがい
信託銀行で働くことには、一般の銀行では得られない多くの魅力とやりがいがあります。
ここでは信託銀行で働く魅力・やりがいについて詳しく解説します。
一般の銀行よりも幅広い業務に挑戦できる
信託銀行で働く魅力の一つは、一般の銀行では扱わない幅広い業務に挑戦できる点です。通常の銀行業務に加え、信託銀行では資産運用や財産管理などの専門的な業務に携わることができるため、多様な経験を積むことが可能です。
たとえば、年金基金や不動産、株式、知的財産といった多岐にわたる財産の運用に関与し、金融や資産運用に関する幅広い知識を身につけることができます。
また、信託銀行はお金だけでなく、企業の財産や個人の相続に関する相談にも対応するため、顧客の多様なニーズに応えるためのスキルが求められるため、業務の範囲が広がるとともに、専門的な知識や経験を蓄積し、キャリアアップのチャンスも豊富にあります。
収入が安定していて、福利厚生も充実している
収入が安定していることと福利厚生が充実していることも信託銀行で働く魅力の一つです。
信託銀行は大手金融機関の一つであり、給与水準も比較的高めに設定されています。また、給与は安定しており、業績に大きく左右されることなく、一定の収入が得られる点も安心材料です。
さらに、福利厚生も充実しており、住宅手当や健康保険、年金制度などが整っています。これに加えて、育児や介護のための休暇制度や時短勤務制度など、ワークライフバランスを保ちやすい環境も整えられているため、長く安心して働ける職場といえるでしょう(※30)。
(※30)参考:三菱UFJ信託銀行「福利厚生」
私生活でも重要な金融に関する専門性を高めることができる
金融に関する高度な専門知識を得られることも信託銀行で働く魅力・やりがいの一つです。
資産運用や相続、不動産管理など、日常生活でも役立つ分野に携わるため、仕事を通じて自然と自分の金融リテラシーが高まります。
例えば、自分や家族の資産をどう管理すべきか、将来の相続に備えてどのような対策を取るべきかなど、仕事で培った知識を私生活でも応用できるようになります。
こうした専門性を日常的にも生かせる点は、信託銀行で働く大きな魅力の一つです。
顧客と長期間関わるため、信頼関係が構築される
顧客と長期間にわたり関わり、信頼関係を深められる点も信託銀行で働くやりがいの一つです。
信託業務は資産運用や相続といった長期的な計画や管理が求められるため、一度お取引が始まると数年、さらにはそれ以上に渡って顧客との関係が続くことが一般的です。
特に、顧客のライフステージに応じた資産管理や相続の相談を行う際には、親身になって話を聞き、最適な提案を行うことが求められます。
顧客との信頼関係が深まると顧客から「あなたに任せて良かった」といった感謝の言葉をもらえることもあり、大きなやりがいを感じられるでしょう。
信託銀行大手3社の選び方
自己分析で自分の強みや価値観を洗い出そう!
自己分析とは、過去の経験・エピソードから「自分がどういう人間で、何ができるかを言葉にするプロセス」のことです。
就活において基礎となるプロセスで、会社を選ぶ際だけでなく、自己PRや志望動機を作る際にも役に立ちますが、「自己分析のやり方が分からない」のが学生に共通する悩み。
こちらの記事では、自己分析のやり方をあらゆる角度から分解し、解説しています。
・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説
情報収集ではONE CAREERの【選考対策ページ】を有効活用しよう!
「第一志望に受かりたい」「選考突破に必要な情報だけを知りたい」「いろいろな人の考えに触れたい」。
そんな気持ちに答えるべく、ワンキャリアでは4,000社を超える人気企業の選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)を掲載しているほか、1,800件を超える就活記事も掲載しています。
例えば、合格の秘訣のページでは、企業の魅力や各職種の魅力、会社が求める人物像、選考のポイント、内定者の感想を掲載しているため、会社を選ぶ際の参考にできます。
こちらの記事では、これらの情報を掲載している「選考対策ページ」「募集ページ」「就活記事」の活用法をご紹介します。
・「就活の赤本」内定のウラ情報が満載、ワンキャリアを使い倒せ!
ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリアライブ』を活用しよう!
ワンキャリア公式YouTubeチャンネルでは、過去に配信した100社以上の説明会動画が見放題です。これらを利用して企業研究や志望動機のブラッシュアップに役立てましょう。
また、ワンキャリアのキャリアアドバイザーによる新番組『ワンキャリコミット』も見逃せません。クチコミやワンキャリアライブの企業情報をもとにした、人気企業・難関企業の選考対策動画や、「自分に合った会社はどれか?」「秋以降どう動けば良い?」など、就活生のためのお悩み解消コンテンツをご用意しています。ぜひ情報収集に役立ててみてください。
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手間がかかる「業界研究」はONE CAREERにおまかせ!
業界研究を行うことで、志望企業と競合他社の違いが明確になり、自分に合った会社を見つけられ、志望動機の説得力が増します。
志望動機が重視される「日系メーカー」「インフラ」、業界研究をしないと「入社後やりたいこと」「強い志望動機」が語りづらい「金融」「商社」「広告」、内定辞退を恐れ、「業界1位・2位の企業ではなく、なぜうちなのか」がしつこく聞かれる「業界3位以下の企業」では業界研究はマストといわれています。
とはいえ、時間がかかる業界研究は、正直ちょっと面倒ですよね。
そこで、ワンキャリア編集部が就活生の代わりに業界研究を行いました!
就職活動が本格化して忙しい時期こそ、ワンキャリアの業界研究記事をぜひフル活用して、効率良く情報を集めましょう!
・【業界研究のやり方:36業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較
企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ!
企業研究は、企業のホームページを見て、OB・OG訪問をして……と、膨大な時間がかかるように思われがちですが、実は短時間で終わらせられるのです!
多くの企業が採用する「Big Five(ビッグ・ファイブ)理論」のテスト。実は簡易版のテストを使うだけでも、ある程度自分に向いている業界・会社・仕事分野が分かります。自分の適性をつかんでおけば「向いていない業種の採用選考を受け続ける」リスクを回避でき、企業研究の時間短縮にもつながるでしょう。
・企業研究は10分で終わらせる!「欲しい人材を見抜く」裏ワザ
次にワンキャリア編集部が皆さんの代わりに企業研究を行う「3分対策シリーズ」をお届けします。各企業の社風や選考のポイントをまとめてあるので、ES締め切り直前や面接前日の時間がないときの企業研究におすすめです!
・企業の対策は3分で全部終わらせる!ワンキャリ編集部がお届けする「3分対策シリーズ」
就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理しよう
就活をしているとよく聞く「就活の軸」というワード。自分の就活の軸を持っていると行きたい会社は確固たるものになります。
就活の軸を見つけるにはまず、自己分析をして自分の「本音」と「建前」を整理しましょう。おのずと自分ならではの就活の軸が姿を現すはずです。
・就活の軸【例一覧100選】面接/ESでの答え方と業界・職種別の例文
信託銀行大手3社が求める人物像・選考対策
信託銀行が求める人物像
各社が求める人物像は、下記の「合格の秘訣」を参考にしてください。
三井住友信託銀行
三菱UFJ信託銀行
SMBC信託銀行
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信託銀行の選考対策
三井住友信託銀行
三菱UFJ信託銀行
SMBC信託銀行
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エントリーシート(ES)対策
企業が志望動機で注目しているポイントは、「会社で活躍できる人材であるかどうか」という点です。そして具体的には以下の三つのポイントを重要視しています。
- 入社意欲がどれほど強いか
- 自社のカルチャーや目指す方向性と合っているか
- 入社後に活躍してくれそうか
これら三つのポイントを含んだ志望動機は説得力があり、過去の選考参加者や内定者のESからも高評価を受けやすいことが分かっています。
▼エントリーシート(ES)の書き方について詳しく知りたい方はこちら ・志望動機【例文17選】書き方の基本と職種・業界別内定者のES実例 ・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策
Webテスト対策
Webテストは多くの企業で実施されており、企業ごとに異なるテストが使用されています。そのため、事前にテスト内容を把握し、対策をしておくことが重要です。
信託銀行では、特に「SPI」と「玉手箱」、「TG-WEB」が多く実施されています。
SPIは性格と能力の2領域を測定し、能力検査は言語(国語)と非言語(数学や算数)で分かれています。時間制限がついているという特徴があり、受験者の解答状況や正答率によって問題が変わっていきます。正答率が高ければ難易度の高い問題が出題され、高得点につながるので、時間内で的確に問題を解けるようにしておきましょう。
玉手箱は、計数理解(数学)、言語理解(国語)、英語理解、性格テストの4種類に分かれており、問題数に対して解答時間が非常に短いことが特徴です。そのため、満点を目指すのではなく、確実に解ける問題に集中することが求められます。また、玉手箱は毎年似たような問題が出題される傾向があるため、スピード感に慣れるために多くの問題を解いておくことが大切です。
TG-WEBは難易度が高いテストですが、解法を知っていればスムーズに解答できることが特徴です。新型のTG-WEBでは解答時間が非常に短く設定されているため、事前に参考書などで対策をし、制限時間内で解く練習をしておくことが重要です。特にWebテスト形式では電卓を用意しておくと良いでしょう。
▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら ・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧 ・【SPI対策】全問題形式を完全網羅!練習問題&解答一覧(言語・非言語・英語・構造的把握力) ・【玉手箱対策】問題&解答集|出題企業と問題形式(計数・言語・英語)まで紹介 ・TG-WEB対策のすべて|例題や解答集、おすすめの問題集まで解説
面接対策
業界や会社によって面接で問われる内容は異なります。そのため、志望する業界に合わせた対策が必要です。以下では、業界や企業ごとに準備を進める際のポイントをご紹介します。
まず、面接選考を通過するためには「企業目線」で考えることが重要です。内定の判断を行うのは、その企業の人事担当者や役員ですので、企業が求める人材像を理解することが不可欠です。経営計画などの企業情報を調べることはもちろんですが、企業側の視点に立ち、「どのような人材が求められているのか」を意識しながら面接準備を進めましょう。
また、面接対策では自己分析を行い、自分をアピールするための材料をそろえることも重要です。しかし、選考対策の順番としては、まず企業や業界の分析を行い、その後に自己分析を進める方が効果的です。企業のニーズを理解した上で自分の強みを整理することで、より説得力のあるアピールが可能です。
ワンキャリアでは、企業ごとの選考ステップや合格の秘訣を紹介しています。これにより、各企業が重視する評価ポイントや求める人物像を効率的に把握でき、情報収集の手間も省けます。企業研究を進める際には、ぜひご活用ください。
▼面接対策について詳しく知りたい方はこちら ・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例
OB・OG訪問
さらに、業界や企業によっては、OB・OG訪問の有無や訪問時の評価が選考に影響することもあります。訪問の回数が多いと「熱意がある」と評価されたり、質の高い質問をすることで「優秀だ」と思われたりすることがあります。
OB・OG訪問をすべきか迷っている場合は、まずは最初の1人、同じゼミやサークルの先輩など身近な人から始めてみると良いでしょう。
▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら ・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
信託銀行以外の業界研究記事
■業界研究まとめ記事はこちら ▪️メーカー ・【素材メーカー:業界研究】大手3社(日本製鉄・AGC・東レ)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【電機メーカー:業界研究】大手4社(ソニー・日立製作所・パナソニック・三菱電機)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い ・【化粧品メーカー:業界研究】日本の大手4社(花王・資生堂・コーセー・日本ロレアル)を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【飲料メーカー:業界研究】大手4社「サントリー・アサヒ・キリン・サッポロ」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【食品メーカー:業界研究】大手5社(味の素・明治・日清食品・キッコーマン・ヤクルト)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【重工メーカー:業界研究】大手3社「三菱重工業・川崎重工業・IHI」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【製薬:業界研究】大手4社(武田薬品工業・アステラス製薬・大塚製薬・第一三共)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【精密機器メーカー:業界研究】大手4社(デンソー・キヤノン・富士フイルム・キーエンス)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:日系消費財メーカー】大手4社(花王、ユニ・チャーム、ライオン、小林製薬)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【自動車メーカー:業界研究】大手5社(トヨタ・ホンダ・日産・スズキ・マツダ)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【医療機器メーカー:業界研究】大手5社(キヤノン・富士フイルム・オリンパス・テルモ・オムロン)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️商社 ・【総合商社:業界研究】五大商社(三井物産・三菱商事・伊藤忠商事・丸紅・住友商事)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
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・【生命保険:業界研究】大手生保(日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)を比較!業績比較・ランキング・強み・社風の違い
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・【カード:業界研究】大手3社「三井住友カード・ジェーシービー(JCB)・三菱UFJニコス」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【証券:業界研究】大手5社「野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【外資系投資銀行:業界研究】大手4社「J.P.モルガン、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【アセットマネジメント:業界研究】大手4社「野村アセットマネジメント・アセットマネジメントOne・大和アセットマネジメント・三井住友DSアセットマネジメント」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️コンサル ・【戦略コンサル:業界研究】MBB「マッキンゼー・BCG・ベイン」を比較!仕事内容・社風/強みの違い
・【業界研究:総合コンサル】大手6社(アクセンチュア、デロイト、PwC、EY、KPMG、アビーム)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️マスコミ・エンタメ ・【出版:業界研究】4大出版社(集英社・講談社・KADOKAWA・小学館)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【テレビ局:業界研究】キー局6社(フジテレビ・日本テレビ・TBSテレビ・テレビ朝日・テレビ東京・NHK)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【大手広告代理店:業界研究】大手5社(電通・博報堂DYグループ・サイバーエージェント・ADK・JR東日本企画)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:旅行業界】「JTB、KNT-CT、HIS、日本旅行」大手旅行会社4社それぞれの強みや社風、給料を徹底比較!
▪️インフラ・資源
・【鉄道:業界研究】大手5社「JR東日本・近畿日本鉄道・JR東海・JR西日本・東京地下鉄」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【海運:業界研究】大手3社「日本郵船・商船三井・川崎汽船」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【私鉄:業界研究】大手3社「東急・東武鉄道・小田急電鉄」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【ガス:業界研究】大手4社「東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガス」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:エネルギー】電力・ガス業界の大手4社「東京電力・関西電力・東京ガス・大阪ガス」の事業や年収を徹底比較!
・【業界研究:石油業界】「ENEOS・出光興産・コスモエネルギー・国際石油開発帝石・石油資源開発・三井石油開発」石油大手6社の業績、社風を徹底比較!
・【業界研究:航空会社】大手2社(全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL))を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【非鉄金属:業界研究】大手4社(住友電気工業・JX金属・三菱マテリアル・住友金属鉱山)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️不動産・建設 ・【デベロッパー:業界研究】大手6社(三井不動産・三菱地所・東急不動産・住友不動産・野村不動産・森ビル)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【デベロッパー2:業界研究】大手4社(ヒューリック・東京建物・日鉄興和不動産・NTT都市開発)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
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▪️IT・通信 ・【SIer:業界研究】SIer大手5社ランキング(アクセンチュア・NTTデータ・野村総合研究所・日本IBM・富士通)!業績比較・平均年収・社風/強みの違い
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▼就活記事の総集編まとめ
・【新特集スタート】就活生の悩むべき問題は5つだけ。モヤモヤした視界を切り開く「就活の羅針盤」
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・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
・志望動機【例文17選】書き方の基本と職種・業界別内定者のES実例
・【自己PRの書き方】ESで強みを効果的にアピールするには?新卒採用担当の目線と内定者の回答例から解説
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