みなさん、はじめまして。ワンキャリ編集部の辻と申します。
今年の春に大学を卒業し、ワンキャリアで働き始めた新入社員です。
私は就活の時、やりたいことができる環境を求めてベンチャー企業を中心に選考を受けました。
最終的に、就活メディアの会社を選んだわけですが、その理由は「人材の採用や育成、組織作りに興味があったから」ではありませんでした。私がこれまでの人生で打ち込んできたのは受験勉強や個人スポーツで、「目的を達成するために理想のチームを作る」ということにそれほど関心がない、というか、経験したことがないのでよく分からなかった、というのが正直なところです。
だから、ワンキャリアへの志望動機も、「日本の就活やキャリア形成のあり方に問題意識があったから」とか、「ワンキャリアのプロダクトが好きで、ビジネスとしても伸びると思ったから」といった事業寄りの視点しかありませんでした。
しかし、働き始めてすぐに気付いたことがあります。それは、事業と組織は表裏一体であり、切り離せないものだということです。
ベンチャー企業では、事業成長のスピードが人材の採用や育成のスピードを上回ってしまうことがしばしばあります。ワンキャリアも例外ではなく、事業計画を作った後に「これをやるには人が足りないから、◯◯ができる人を採用しよう、育成しよう」という会話は自然になされています。自分自身についてもそうです。与えられたミッションに対する納得感が高いと、業務のモチベーションは上がりますし、そうでなければ下がってしまうことは否めません。
もちろん事業の成長なしに会社は成長しませんが、それを支える人間や組織にフォーカスしないことには、やはり事業も成長しない。結局のところ、組織を作る力は、事業を作る力と同じくらい大切ということです。就活生のころは全く知らなかったことであり、今のところ、これが社会人になってからの一番の学びかもしれません。
今、企業に「CHRO」が必要な理由
近年、人事の世界では、CHRO(Chief Human Resource Officer=最高人事責任者)という言葉を聞くようになりました。経営陣の一員として、全社のビジョンや戦略に基づき、組織を整備する人事のプロフェッショナルのことです。CHROが注目される背景の一つとして、人材市場の流動化と透明化が挙げられます。転職が当たり前になりつつある今日、魅力的な組織を作らなければ社員の心は離れ、会社から出て行ってしまうでしょう。
また、「Vorkers」などの転職クチコミサイトも一般化し、社員の満足度が高い会社には人材が集まり、悪いクチコミばかりの会社は採用に苦戦するようになりました。優秀な人材に自社を選んでもらうために、会社を挙げて人事に力を入れねばならない時代になったのです。
本特集では、人事に力を入れているメガベンチャー3社のCHRO(※)に、ワンキャリア執行役員の北野唯我がインタビューを行いました。
※...DeNAでは正式にCHROという役職を定めていないため、人事責任者であるHR本部長にインタビューしています。
【5月27日(月)公開】社内の「矛盾」を超え、社長と同じものを見ろ──サイバーエージェント取締役曽山哲人が考えるCHROの流儀
日本を代表するCHROと言えば? と聞かれれば、最初に名前が挙がるであろう曽山哲人氏。サイバーエージェントのCHROとして、同社を「20代が成長できるIT企業ランキング」第1位に押し上げた立役者です。北野が「哲学者」と呼ぶ曽山氏が、経営人事の流儀を語ります。
【5月28日(火)公開】2030年、メルカリが世界中に広がるためにCHROは何をするべきか【メルカリ木下達夫氏×北野唯我】
2018年、外資系企業で人事のプロフェッショナルとして活躍してきた木下達夫氏がメルカリにジョインしました。メルカリを世界的なマーケットプレイスにするために木下氏が目指す、「世界に通用する人事制度」の実態とは……?
【6月4日(火)公開】これからのDeNAに必要なのは組織改革だ 事業部出身のHR本部長、崔大宇氏の挑戦
採用に強い会社として有名なDeNA。優秀な人材が集まる同社について、「個人個人の力は強くても、組織の力にはまだ課題がある」とHR本部長の崔大宇(チェ テウ)氏は話します。キュレーション事案を経て、DeNAの組織力強化に乗り出した、若きHR本部長の挑戦に迫ります。
組織が強い会社は事業も強い、経営者を目指す学生は必見の特集
就活メディアであるワンキャリアが、なぜCHROを取り上げるのか? 疑問に思った方もいるかもしれません。それは、将来経営に関わりたい、自ら事業を作りたいという学生にこそ「組織が強い会社は事業も強い」ということを知って欲しいからです。
企業のビジネスというのは、外から見ても分かりやすい部分がありますが、それを支える組織の良さやリアルな課題について、就職活動の中で触れることは極めて困難でしょう。今回の特集通じて、私自身も痛感した点です。だからこそ、就活メディアであるワンキャリアは、あえてこのテーマを取り上げます。人事の視点を持つと、企業の見方も変わるでしょう。普段は見ることのできない、組織のウラ側の話をお楽しみいただければ幸いです。
(Photo:phloxii/Shutterstock.com)
【経営人事「CHRO」特集:なぜ組織が強い会社は事業も強いのか】
<Vol.1>社内の「矛盾」を超え、社長と同じものを見ろ──サイバーエージェント取締役曽山哲人が考えるCHROの流儀
<Vol.2>2030年、メルカリが世界中に広がるためにCHROは何をするべきか【メルカリ木下達夫氏×北野唯我】
<Vol.3>これからのDeNAに必要なのは組織改革だ 事業部出身のHR本部長、崔大宇氏の挑戦