※本記事は、noteに掲載した記事を転載・一部加筆したものです
(転載元note:「就活生の「この会社でいいのかな?」への処方箋を書きました。 #ES公開中」)
はじめまして。ワンキャリア社員の多田です。
3月1日に公開されたnoteにたくさんの声をお寄せいただいたので、より多くの就活生に読んでほしいと思い、今回はこちらにも書きました。
ワンキャリアの1人目の新卒として入社し、事業企画/採用コンサルティング/キャリアアドバイザー/イベント統括をやっています。
キャリアアドバイザーとして、年間1,000名以上の就活生の方とお会いする中で、日々いろいろな悩みを聞いています。本当にいろいろな悩みを聞きます。
志望業界、就活軸、ESの書き方、面接対策などなど。
でも、就活生が一番悩むところは、最終的には同じなんじゃないかと思い始めています。
内定後で、同じ悩みに苦しんでいます。
普通は6月に悩むことが多いですが、今回3月にこのnoteを書いたのは、就活生が行き着く先は同じだからです。
そのため、今悩んでいる人/今から就活を始める人の今後の悩みを少しでも軽くするために書きました。
このnoteでは、「この会社でいいのかな?」への処方箋を書いております。
(1)就活生の悩み(問題)
- 今回のテーマ:最後、企業をどう選べばいいのか? 分かりません
- 企業をどう選べばいいのか分からない就活生の感情を解説
(2)思考法(解決策)
- デメリットを3つの観点から仕分ける
- 悩むべきデメリットは実は1パターン?
- 考え方とアクションとは?
(3)まとめ
(4)あとがき
このnoteを書き始めた個人的な思いは、【あとがき】に書いています。
内容はできるだけ論理的にまとめました。でも、きっかけは極めて感情的なものです。無責任なべき論を振りかざす大人が多すぎる。
なんとかならないかと。
僕は、書くことを決めました。
正直不安です。おこがましいかもしれません。
でも、氾濫する情報、無責任なアドバイス、悩みにつけこむ大人に振り回されて、キャリアを考えること自体が嫌いになってしまう学生はもう見たくない。
だから「アドバイス」ではなく「考え方」を書きました。
少しでも、悩みの整理になってほしい。自分を守ってほしい。
僕の願いです。
結局、何に悩んでいるのか
(1)就活生の悩み(問題)
悩みはたくさんあると思います。ただ、最終的な悩みはこれに尽きます。
「最後、企業を選べないです。どうしたらいいですか?」
これだけは100%断言できます。絶対悩みます。
まずはこの問題がどういう感情から生まれるかを見ていきましょう。
悩みが生まれるメカニズムを解説します。
▼感情の整理▼
要約すると、以下のような状態です。
◼︎選考中:その企業が好きでたまらない
↓
◼︎企業選択時:初めて企業の悪いところが見えてくる
↓
・「デメリットが整理されていない状態」(言語化されていない)
・「悩まなくてもよいデメリットにも悩んでいる状態」(デメリットが事実以上に肥大化している)
じゃあ、どうすればよいか?
(2)思考法(解決策)
ここからはその悩みを解決するための思考法を記載します。
悩みの本質的な原因は「悩むべきデメリットと悩まなくてもよいデメリットがごちゃごちゃになっていること」です。
以下のように、デメリットを仕分けして、それぞれに対してアクションを決めていきます。
これだけだと難しいですね。ここからは以下2つの論点を考えてみましょう。
◼︎取捨選択:悩むべきデメリット/悩まなくてよいデメリットの仕分け方とは?
◼︎アクションの決定:悩むべきデメリット/悩まなくてよいデメリットの考え方とアクションとは?
※デメリットの言語化の応用編は、かなり長文になるので続編で書きます。まずは図のように具体的なデメリットを書き出してみてください。
まず、悩むべきデメリット と 悩まなくてよいデメリットを仕分ける3つの観点を説明します。
書き出したデメリットを以下3つの観点で仕分けていきましょう。
◼︎Serious(深刻性)
人間、重要な意思決定の際には、自分にとって重要でなくても、悪いものが目に付くのは当然です。
自分が何を重要視するかがここでは無視されています。まずは何が重要だったっけ? と冷静に整理することです(いわゆる、自己分析が重要です)。
例えば……
成長したい、成長したい! と豪語していた学生が急に、年収が低いのが気になる……と、以前から話す言葉が変わるのは定番です。
つまり、成長の先に年収があるのか、年収が先に来るのかで悩んでいます。
そうではなくて、自分は「成長したい!」が重要じゃなかったんだっけ?
そうじゃなかったけ? と考えることが大事です。
◼︎Solvable(解決性)
こちらも同様、自身の努力で解決できない問題にフォーカスして悩んでいても仕方がない。
例えば……
転勤が多いことが悩みです、これも定番です。これは自分自身で解決できそうでしょうか? おそらく難しいです。
転勤が多いことそれ自体は悩みになるのは非常に分かります。
ただし、解決できないものは解決できない。その事実が大切です。
◼︎Unique(固有性)
この企業に入社して特有で生じる問題なのかということです。大事なのは、「自分の選択肢にある企業が3社あるとして、3社の中でその企業だけで起こる事象か」です。
全企業の中で特殊という意味ではありません。
例えば……
T社/A社/N社で悩んでいる方と、T社/B社/C社で悩んでいる方がいるとしましょう。
2人の間で、T社以外に見ている2つの企業が異なるので、T社のデメリットが「特殊」かどうかは異なります。
さらに具体的に、どう仕分けるのか?
下記のフロー図を見ながら、自分自身の悩みを整理してみてください。
3つの観点を考える順番が非常に重要です。
以下の順で考えます。
Serious→Solvable→Unique
これを間違えると悩みが複雑化してしまいます。
上の画像のように、悩まなくてもよい問題は、アクションが自然と決まります。
そして仕分けた結果、悩むべき問題が1パターンに絞られたことが分かりましたでしょうか?
悩むべきデメリットは、以下のように言い換えられます。
1. 自分にとって重要で
2. 自分自身の努力では解決できず
3. 自分が悩んでいる会社の中で、その会社だけで起きる問題
何に悩んでいるのか分からなくなったときは、これを実際にノートでやってみてください。今悩むべきデメリット(問題)が明らかになりスッキリします。
はじめに断っておくと、この悩みは入社前に全て解決しない可能性が高いです。そしておそらく入社後も残り続けます。どこの企業に行っても、結局そのデメリットは残ります。
「入社前に分かっていたデメリットは、入社後に文句は言わない」と自分と約束する(覚悟の醸成)
これが企業選択において最も重要なことだと僕は考えています。
まとめ
「企業選択という意思決定の「精度」を高めることで、後悔のない選択を」
シンプルにまとめるとポイントは以下です。
1. デメリットを整理して洗い出す(情報と感情の整理)
2. 「入社前に分かっていたデメリットは、入社後に文句は言わない」と自分と約束する(覚悟の醸成)
結局のところ選択の時点で正解/不正解は決まりません。
これが受験と職業選択の大きな違いです。でも、自分の力でその選択を正解に近づけていくことはできます。
後悔のない選択って、それを正解にしていくプロセスを楽しめる選択だと思います。
仕事を楽しんでいる社会人は、それを楽しんでいる人が多いなと思います。
皆さんには、後悔のない選択をして欲しいです。
【あとがき】なぜこの記事を書いたのか
ブログなんか書くのはおこがましいと思っていました。
でも書きました。
きっかけは極めて感情的なものでした。
・OB訪問で自宅や個室で性行為強要、2人に1人の学生が就活セクハラ被害に。「選考有利」ちらつかせ(出典:BUSINESS INSIDER JAPAN)
就活詐欺、内定をちらつかせたレイプ、自己満足の無責任なアドバイス。
日々そんな情報が山ほど入ってくる。
氾濫する方法論や、無責任な大人のべき論に惑わされず、就活生が自分のキャリアにちゃんと時間を使えるように。そう思っていました。
そんな中、ワンキャリアは不透明な現状の就活への問題提起をすることになりました。「就活の情報の透明化」。
僕にも何かシェアできることはないか。
でも、無責任なアドバイスだけはしたくない。悩んでいました。
企業ファーストのサービスで始まった就活。 これが日本で特異的な学生と企業との間に「情報の不透明性」を作っている。
その不透明性が、就活生に本気で向き合わない大人を作り出している。
無知な就活生を騙すことなんて大人にとっては簡単だ。
アドバイスするする詐欺で、アドバイスを積極的にしようとする大人に良い大人はいないのではないか。最低だなと思ったのは就活コンサルタントを名乗り、不安な学生から10万円以上のお金を取っている話。
無駄なコストと時間を就活生に強要する大人もいる。
マウントを取ろうとする大人。自社の利益を優先して就活生の意思決定を捻じ曲げようとする大人。本気で就活生に向き合おうとしない大人がどれだけいるのかを考えると気味が悪い。
そんな大人に惑わされず、ちゃんと就活生には「考え方という武器を持って」キャリアを考えて欲しい。
そんな就活生が何に悩み、その悩みに対してどう考えたらよいか、就活生が戦う際の武器が少なすぎるため、こういった状況に陥ってしまうのではないかとよく思うのです。
悩み抜いたすえ、このような状況を踏まえて、就活生の悩みを公開し、どう考えていけば良いかを一意見として公開することにしました。
つけ加えるべき観点などがあればいただければ、非常に嬉しいです。
それが僕が向き合う就活生のためになると思っています。
以上です。
最後まで読んでいただいた方は本当にありがとうございました。
今後もnoteやSNSを更新していこうと思っているので、興味がある方はぜひご覧ください。
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