こんにちは、ワンキャリ編集部です。ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。
今回は知名度も採用のハードルも高いといわれる出版業界について解説します。その中でも大手出版社といわれる、KADOKAWA・集英社・講談社・小学館の4社。
「出版社に憧れる……でも、各企業で何が違うの?」という方に向けて、就活で使える出版業界のトレンドや各社の特徴、選考のポイントなどを説明します。
<目次>
●出版業界とは? 事業内容/提供サービスを解説
・出版業界のビジネスモデル
●出版業界の動向
・活字離れと人口減少による「斜陽」傾向
・コロナ禍の「巣ごもり需要」による回復と終息
・電子書籍の発達
・トレンドに合わせた、新規ビジネスモデルの構築
●出版業界の職種
・制作・校閲
・編集
・ライター
・デザイナー
・営業、宣伝
・デジタル推進
●出版業界大手4社の業績比較・ランキング(売上高/純利益/純利益率)
●出版業界大手4社の特徴・強み
・KADOKAWA:出版事業にとどまらない、総合エンターテインメント企業
・集英社:漫画に強みを持つ、趣味・娯楽性に重きを置く出版社
・講談社:創業110年の歴史を持つ老舗出版社
・小学館:児童書に力を持ちながら、独自の事業を持つ
●出版業界大手4社の社風の違い・制度
・KADOKAWA:さまざまな方面からエンタメに携われる
・集英社:にぎやかで個性的な人が多い
・講談社:真面目なエリートが多い
・小学館:落ち着きのある社風
●出版業界大手4社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
●出版業界で働く魅力・やりがい
・完成までの作業工程や関わる人が多い分、達成感が大きい
・自分が好きな作家や雑誌に関係する仕事ができることもある
・世の中に大きな影響を与える作品の制作に携われる可能性がある
・大手出版社を中心に、社員が少数で一人一人の待遇が良い
●出版業界大手4社の選び方
・自己分析で自分の強みや価値観を洗い出そう!
・情報収集ではONE CAREERの【選考対策ページ】を有効活用しよう!
・ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリアライブ』を活用しよう!
・手間がかかる「業界研究」はONE CAREERにおまかせ!
・企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ!
・就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理しよう
●出版業界大手4社が求める人物像・選考対策
・出版業界が求める人物像
・出版業界の選考対策
●出版業界以外の業界研究記事
出版業界とは? 事業内容/提供サービスを解説
出版業界とは、書籍や雑誌などの出版物を企画、制作、流通させる業界です。
この業界は、出版社が企画・編集を行い、出版取次が流通を担い、書店が消費者に販売するという仕組みで成り立っています。また、編集プロダクションも出版社の業務を補助する形で関与しています。
ここでは、出版業界のビジネスモデルについて詳しく解説します。
出版業界のビジネスモデル
出版業界は「出版社」「出版取次」「書店」の3つの大きな要素から成り立っています。
出版業界の収益モデルは、出版社が書籍の売上から利益を得る一方で、出版取次はその仲介手数料によって収益を上げる仕組みです。この3者の連携によって、出版物がスムーズに読者の手に渡る仕組みが構築されています。
また、出版社は、編集業務の一部を「編集プロダクション」と呼ばれる外部の企業に委託する場合もあります。これにより、出版社はさまざまなコンテンツを効率的に提供できる体制を整えています。
出版社
出版社は、書籍や雑誌などの出版物を企画し、制作から販売までを手掛ける企業です。出版業界では、総合出版社と特定ジャンルに特化した出版社の2つに大別されます。
総合出版社は、幅広いジャンルを扱い、大手出版社が多く存在します。一方で、専門分野に特化した出版社は、学術書や学習参考書、経済書、小説など特定のジャンルに集中しています。
出版社では、編集者が中心となって書籍や雑誌の制作・発行を管理し、校閲者が誤字や内容の確認を行います。また、営業職が販売促進活動を行い、最終的に書店やオンライン販売を通じて読者に届けられます。
大手総合出版社には、集英社や講談社、小学館などがあり、これらの企業は国内外で大規模な事業展開をしています。一方、国内には約3,000の出版社が存在し(※1)、その多くが社員数10名以下の小規模企業で(※2)、各社がそれぞれの強みを生かし、競争のなかで独自のポジションを築いています。
(※1)参考:日本図書館協会「出版流通と資料選択 P.6」
(※2)参考:奈良県立図書情報館「小さな出版社のつくり方」
出版取次
出版取次は、出版社が制作した書籍を全国の書店に届ける物流の要となる存在です。
取次の役割は、ただ書籍を配送するだけでなく、書店や出版社に対して市場の売上データや動向を提供することで、流通の効率化を支援しています。また、書店への販売促進活動を行うことで、書籍の売上アップをサポートすることも重要な業務の一つです。
出版取次は、大きく「総合取次」「専門取次」「電子取次」に分類されており、紙の書籍の流通を担当する総合取次や専門取次に加え、デジタル化の進展に伴って、電子書籍の流通を担う電子取次も存在します。電子取次は、出版社から提供されたデータを電子書店に送る役割を果たしており、スマートフォンやタブレットの普及により、その重要性が増しています。
代表的な出版取次会社には、日本出版販売(通称「日販」)やトーハンなどがあり、これらの企業が国内の出版流通の大部分を占めています(※3)。出版取次があることで、出版社と書店との取引がスムーズに進み、効率的な流通網が維持されています。
(※3)参考:NIKKEI COMPASS「出版取次業界 市場規模・動向や企業情報」
書店
書店は、出版物を消費者に直接販売する役割を担っています。書籍の販売方法は主に店頭での対面販売と、インターネットを利用したオンライン販売に分けられます。従来の街中にある書店に加え、近年ではAmazonや楽天ブックスといったオンライン書店が急速に成長しており、利便性を重視する消費者の間で広く利用されています。
さらに、書店は大学や公共図書館向けに学術書やデータベースの販売も行っており、専門的な書籍の需要に応える役割も担っています。
また、電子書籍の普及に伴い、電子書籍の販売も重要な業務の一つとなっています。スマホやタブレットを利用した電子書籍の流通は今後ますます増加する見込みです。
代表的な書店には、紀伊國屋書店や丸善CHIホールディングス、オンライン書店のAmazonや楽天が挙げられます。これらの企業は、紙の書籍だけでなく、電子書籍や学術的なデータベースも取り扱い、幅広い消費者ニーズに対応しています。
編集プロダクション
編集プロダクションは、出版社に代わって出版物の企画・編集・制作を請け負う業種です。
出版社と異なる点は、自社で出版物の企画や発行を行うことはほとんどなく、主に出版社から依頼を受けて業務を遂行することです。出版社の役割の一部を担う形で、ライティング、デザイン、編集作業、校正・校閲などを進めていきます。
編集プロダクションには編集者やディレクターが在籍しており、場合によっては外部のフリーランスのライター・デザイナー・カメラマンなどを起用して制作を進めます。編集プロダクションが関与する出版物の最終的な発行元は出版社となり、プロダクション自体が直接出版を行うことは基本的にありません。
編集プロダクションは、専門性の高い編集スキルや柔軟な対応力を持ち、出版社と連携しながら高品質な出版物の制作を支えています。
出版業界の動向
出版業界の動向は、活字離れや人口減少に伴い厳しい状況が続いているものの、デジタル化やコロナ禍による一時的な回復、電子書籍の普及など、新たなビジネスモデルへの変革も進行中です。
業界は従来の紙媒体依存から脱却し、デジタルやクロスメディアの展開を模索しています。ここでは、出版業界の動向に関する具体的な課題と取り組みについて詳しく解説します。
活字離れと人口減少による「斜陽」傾向
近年、出版業界は活字離れと人口減少の影響を受け、「斜陽産業」と呼ばれることが増えてきました。特に若年層を中心に、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスが普及し、ネット上で情報を得る機会が増えたことで、書籍や雑誌といった紙媒体に触れる機会が減少しています。
また、少子高齢化の影響で日本の人口は減少傾向にあり、読者層自体が縮小している点も出版業界にとって大きな課題です。特に若者の読書離れは深刻で、紙媒体の購買層の高齢化が進んでいます。結果として、出版物の販売部数が年々減少し、売上も低迷しています(※4)。
このような状況下で、出版社や書店はデジタル化への対応や新たな市場の開拓が求められており、業界全体が変革の時期にあるといえるでしょう。
(※4)参考:出版科学研究所「日本の出版販売額」
コロナ禍の「巣ごもり需要」による回復と終息
コロナ禍の影響で、一時的に「巣ごもり需要」による出版業界の回復が見られました。外出自粛やリモートワークの普及により、自宅で過ごす時間が増えた人々が書籍や電子書籍を購入する傾向が高まり、2020年から2021年にかけて出版市場は拡大しました。特に、漫画や小説、自己啓発書などのジャンルが好調で、紙と電子書籍の両方で売上が上がりました(※5)。
しかし、2022年に入ると、コロナ禍が落ち着き「巣ごもり需要」も終息傾向に向かい、出版市場は再び減少に転じました。出版科学研究所の発表によると、2022年の出版市場は前年より2.6%減少し、4年ぶりにマイナス成長となっています(※6)。さらに、物価高や消費者の節約志向も影響し、書籍の買い控えが進んだことが要因とされています。
このように、コロナ禍で一時的な回復を見せたものの、長期的な出版業界の課題は引き続き残されており、今後は電子書籍のさらなる拡大や、新しいビジネスモデルの模索が求められています。
(※5)参考:出版科学研究所「出版月報 2022年1月号」
(※6)参考:出版科学研究所「出版月報 2023年1月号」
電子書籍の発達
電子書籍の発達は、出版業界において大きな転換点となっています。スマートフォンやタブレットの普及に伴い、読者が紙の本以外のデジタルコンテンツに接する機会が増加しました。その結果、出版社は従来の紙媒体に加え、書籍や雑誌の電子化に取り組むようになりました。
電子書籍市場は特に漫画分野で顕著な成長を遂げており、2023年度には前年比7.0%増の6,449億円に達しました(※7)。電子コミック専門の書店や、月額定額で複数の雑誌を読める読み放題サービスなどが人気を集めており、読者層の拡大に寄与しています。これにより、出版業界は紙媒体だけに依存しないビジネスモデルを確立しつつあります。
しかし、一方で電子書籍の市場成長を阻害する課題も存在します。それは「海賊版サイト」の問題です。漫画や書籍が無断でインターネット上に公開されるケースが後を絶たず、正規の電子書籍販売に悪影響を及ぼしています。現在、出版業界はこの問題に対して有効な対策を講じることが難しい状況にあり、政府による法整備が求められています(※8)。
このように、電子書籍の発達は出版業界に新たなビジネスチャンスをもたらす一方で、海賊版対策などの課題も抱えている状況です。
(※7)参考:インプレス総合研究所「2023年度の電子書籍市場規模は6449億円、2028年度には8000億円市場に成長」
(※8)参考:BUSINESS INSIDER「漫画出版社は海賊版サイトに「無策」だったのか。売上2割減の社も——当事者たちがすべてを語った」
トレンドに合わせた、新規ビジネスモデルの構築
出版業界では、これまでの紙媒体に依存するビジネスモデルから、デジタル化やクロスメディア化など新たなトレンドに合わせた事業展開が進められています。特に、インターネットや映像メディアとの融合、電子書籍事業の強化などが顕著な傾向です。各社は出版以外のビジネスモデルを構築し、新たな収益源の確保を目指しています。
例えば、KADOKAWAは「ニコニコ動画」を運営するドワンゴとの経営統合を通じて、ゲームや映画、グッズの展開を含むクロスメディアコンテンツの強化を図っています(※9)。また、昭文社は旅行事業にも進出し、海外旅行の予約サービスやグアムでのマリンアクティビティ会社を設立するなど、多角的な事業展開を行っています(※10)(※11)。
さらに、講談社は広告宣伝や販売促進を支援するためのウェブサイト「C-station」を展開し(※12)、企業や団体向けのサービス提供に力を入れています。集英社はDeNAと共同で新会社「株式会社集英社DeNAプロジェクツ」を設立し、エンターテインメント分野での事業開拓を進めています(※13)。
このように、出版業界は単なる書籍の制作・販売に留まらず、デジタル化やエンターテインメント業界との連携を強化し、新しいビジネスモデルを構築する動きが加速しています。
(※9)参考:ビジネス+IT「KADOKAWAとドワンゴが経営統合、『ニコニコ動画』基盤活用」
(※10)参考:昭文社ホールディングス「現地オプショナルツアー予約・販売代行サービスMAPPLEアクティビティアジア・ヨーロッパへエリア一挙拡大!50都市を追加し人気の海外旅行先を広くカバー」
(※11)参考:昭文社ホールディングス「旅ナカ事業は新たなステージへ!マリンアクティビティ施設 『グアムオーシャンパーク』グランドオープン」
(※12)参考:講談社「C-station」
(※13)参考:株式会社集英社DeNAプロジェクツ「Let's be NEW」
出版業界の職種
出版業界の職種には、企画から完成までを担う編集者や、デザインを手掛けるデザイナー、文章の正確性などを確認する校閲者など、さまざまな役割が存在します。
各職種は出版物のクオリティ向上に欠かせない存在であり、それぞれが連携しながら読者に価値あるコンテンツを提供しています。ここでは、出版業界における主要な職種について詳しく解説します(※14)(※15)。
(※14)参考:講談社 採用ポータルサイト「お仕事紹介」
(※15)参考:集英社「職種紹介」
制作・校閲
制作職は、出版物や雑誌の企画や制作を主に担当し、外注先との打ち合わせやデザイン編集などの工程を進めていく仕事です。出版物のテーマを決め、企画に基づいてライターやデザイナー、カメラマンなどのクリエイターを手配し、彼らとの連携を通じて内容を形にします。
完成した原稿やデザインは、読者に魅力的に映るように編集されます。また、必要に応じて外部の編集プロダクションに業務を委託することも多く、そうした際のスケジュール管理や打ち合わせも制作の重要な役割です。
一方、校閲は、原稿や出版物の正確性を担保する重要な役割を果たします。誤字脱字のチェックや事実関係の確認、日本語の表現の誤りを修正し、出版物が誤りなく読者に届けられるようにします。
特に、校閲では専門知識や細かい注意力が求められ、作品の信頼性を高める役割を担います。校閲は必ずしも編集者自身が行うとは限らず、専門の校閲担当者や外部の校閲会社が行う場合もあります。
編集
編集者の仕事は、出版物全体を管理し、企画から完成までを担う非常に重要な役割です。
書籍や雑誌、記事の内容を企画し、ライターや作家に執筆を依頼するところから始まり、取材や撮影のディレクション、校正・校閲、最終的なレイアウトのチェックなど、出版物が完成するまでのすべての工程に関わります。
編集者は、作家やライター、デザイナー、印刷会社など多くの人々と関わりながら仕事を進めるため、コミュニケーション能力が非常に重要です。また、制作スケジュールを管理し、締め切りを守ることが求められます。担当する作品の内容やクオリティ、納期までの責任を負うため、柔軟な対応力や問題解決能力も必要です。
特に小説や漫画の編集者は、作家との打ち合わせやアイデアを形にするための企画立案が主な業務です。作品が完成するまで、作家との密なコミュニケーションが求められるため、作品の魅力を引き出すための調整力が重要です。
一方、雑誌編集者は、記事の内容企画からレイアウト、取材、撮影、校正など幅広い業務を担当します。近年では、雑誌だけでなく、ウェブメディアやSNSを連動させて運営するケースも増えており、デジタルコンテンツ制作のスキルも求められる場面が多くなっています。
ライター
ライターは、編集者が作成した企画に基づいて、記事や原稿の執筆を担当します。主な仕事は、リサーチや取材、インタビューを通じて必要な情報を集め、文章にまとめることです。
リサーチには、書籍やインターネットの調査が含まれ、取材やインタビューで現場の声を拾うこともあります。専門知識を深める必要がある場合も多く、幅広い分野で知識を蓄えることが求められます。
ライターの仕事は執筆だけにとどまらず、場合によっては簡単なデザインやイラスト、動画編集といった作業を行うこともあります。
また、出版社や企業によっては、社内に専属ライターがいないこともあり、その際はフリーランスライターや編集プロダクションに所属するライターが担当します。
ライターは、魅力的で読みやすい文章を提供するだけでなく、情報の正確性や信頼性を担保する役割も兼ね備えています。そのため、リサーチ力や文章力、情報をまとめる力が非常に重要です。
デザイナー
デザイナーの主な業務は、書籍の表紙・カバー・帯などのデザインを作成する職種です。書店で目を引くデザインを考えることは、読者にとって重要なファーストインプレッションを決める役割となるため、創造力が求められます。
特に、企画本やビジュアルに凝った書籍の場合、本文のフォントやレイアウト、用紙の質感まで細かくデザインすることがあるため、全体的な仕上がりをトータルでプロデュースすることが求められることもあります。また、編集者やライターと密に連携し、作品全体のコンセプトに合ったデザインを作り上げることも求められます。
加えて、電子書籍の普及に伴い、デジタルフォーマット向けのデザインスキルも求められるようになっています。デザイナーにとって、紙媒体とデジタル媒体の両方に対応できるスキルが必要とされる時代となっているのが現状です。
営業、宣伝
営業職は、大きく分けて広告営業と書店営業の2種類があり、どちらも出版社にとって重要な役割を担っています。
広告営業は、雑誌や書籍に掲載する広告を獲得することを目的としています。具体的には、企業や広告代理店に対して自社の媒体を提案し、広告主にスポンサーとしての協力を求める営業活動を行います。広告収益は出版社の重要な収入源であるため、広告営業は出版社のビジネスに直接貢献します。
一方、書店営業は、出版物をより多くの書店に流通させることを目的とし、書店や出版取次会社に対して自社の書籍や雑誌を売り込む仕事です。
担当する書店の売上データや客層を分析し、どの書籍が売れやすいかを提案したり、書籍の陳列場所を確保するための交渉も行ったります。また、著者のサイン会やトークショーといったイベントの企画を通じて、販売促進を支援する役割も果たします。
宣伝活動では、出版物の認知度を高めるために、広告戦略の立案やメディアへのプロモーションを行うことが主な業務です。媒体やSNSを活用して読者層にアプローチし、出版物の魅力を広く伝えるための施策を展開しています。
デジタル推進
デジタル推進の職種は、出版業界において既存メディアのデジタル化を促進し、収益化を図る重要な役割を担います。書籍や雑誌のデジタル化は、紙媒体の需要減少や電子書籍・オンラインコンテンツの成長に対応するため、どの出版社にとっても避けられない課題となっています。
この職種では、電子書籍の制作や配信、デジタルメディアの企画・運営に携わるほか、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの構築が求められます。また、紙の出版物との相乗効果を高め、ユーザーにとって利便性の高いサービスを提供するための戦略立案も重要です。
多くの出版社では「デジタル推進」という専用職種が設けられていない場合もありますが、営業企画や制作スタッフ、さらにはDX推進の一環としてデジタル化を進める役割を担う人材が配置されるケースが増えています。この職種には、デジタル技術の知識に加え、出版ビジネス全体を見渡す経営的な視点が必要です。
出版業界大手4社の業績比較・ランキング(売上高/純利益/純利益率)
出版業界大手4社の業績比較は以下のようになっています。
※出典:バフェット・コード「KADOKAWA/講談社」
※出典:文化通信「【決算・人事】集英社 第83期は減収増益に 出版の売上比率6割下回る」
※出典:文化通信「【詳報】小学館 第86期決算 児童書など「書籍」が好調 版権収入も映画、海外で伸長」
売上高ではKADOKAWAが、純利益では集英社がそれぞれ1位となっています。
出版業界大手4社の特徴・強み
KADOKAWA:出版事業にとどまらない、総合エンターテインメント企業
KADOKAWAは、2014年に設立された総合エンターテインメント企業です。出版のみならず、映像、ゲーム、ウェブサービス、教育などの幅広い事業を手掛けています(※16)。そのため、他の大手出版社と比べて出版以外の事業にも注力しているのが特徴だといえます。
出版事業においては、年間7,000タイトルを超える新作を発行。文芸、ライトノベル、児童書など、幅広いジャンルのIP(※17)を創出しています。また、動画配信やイベントなどとの連動や、総合電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」を中心とした各種電子プラットフォームの展開(※18)、UGC(※19)発の作品発掘・新人作家育成など(※20)、さまざまな活動を行っています。また、人気シリーズを翻訳出版したり、現地オリジナル作品を開発したりすることで、海外展開にも力を入れています(※21)。
また、KADOKAWAのセグメント別売上は以下のようになっています。
※出典:バフェット・コード「KADOKAWA」
(※16)参考:KADOKAWA「会社概要」
(※17)……Intellectual Propertyの略。知的財産権
(※18)参考:株式会社BOOK☆WALKER「事業紹介」
(※19)……User Generated Contentsの略。消費者が主にオンライン上で発信する、ユーザー生成コンテンツのこと
(※20)参考:KADOKAWA「統合報告書 - 2024 P.27」
(※21)参考:KADOKAWA「中期経営計画 P.4/P.5」
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集英社:漫画に強みを持つ、趣味・娯楽性に重きを置く出版社
集英社の歴史は、1925年に小学館より趣味・娯楽性に重きを置く雑誌が集英社名で発行されたことで始まります(※22)。
特に漫画部門に注力しており、2024年4月〜6月までの少年向けコミック誌印刷証明付き発行部数(※23)では1位を獲得しています。特に『ONE PIECE』などを掲載する『週刊少年ジャンプ』(※24)は少年向けコミック誌の中で群を抜いています。上記期間での『週刊少年ジャンプ』の発行部数は約109万部を記録し、2位の『週刊少年マガジン』(講談社)とは3倍以上の差をつけています(※25)。
スマートフォンなどで漫画を読める「少年ジャンプ+」や「ゼブラック」などの「ジャンプアプリ」の配信もしており、コミック誌の発行以外にも力を入れています(※26)。
また、漫画だけでなく、女性誌、男性誌、芸能誌、文芸誌など、趣味・娯楽に関する雑誌を幅広く展開しているところも強みだといえるでしょう(※27)。
(※22)参考:集英社「草創 1925年~1946年(大正14年~昭和21年)」
(※23)……日本雑誌協会が公表している、雑誌の1号あたりの平均印刷数のこと
(※24)参考:少年ジャンプ 公式サイト「トップページ」
(※25)参考:一般社団法人 日本雑誌協会「印刷証明付部数 少年向けコミック誌 2024年4月〜2024年6月」の検索結果を参照
(※26)参考:少年ジャンプ 公式サイト「アプリ・ゲーム」
(※27)参考:集英社「トップページ」
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講談社:創業110年の歴史を持つ老舗出版社
講談社は創業110年の歴史を持つ(※28)、書籍から雑誌まで幅広く手掛ける老舗出版社の一つです。「世界一おもしろくて、ためになる」をモットーにしています(※29)。
講談社の特徴として、江戸川乱歩賞など、歴史のある賞・顕彰にも携わっていることが挙げられます。江戸川乱歩賞は、江戸川乱歩氏の業績を記念して設けられたもので、推理作家の登竜門として歴史と権威を誇っており、数々の人気作家を輩出しています(※30)。
また、書籍ポータルサイト「講談社BOOK倶楽部」や「講談社コミックプラス」では、書籍の発売情報を発信したり、試し読みサービスを提供したりしています。アニメイトブックストアや楽天ブックスをはじめとする、さまざまな電子書店で書籍を配信しており(※31)、デジタル化にも注力しているといえるでしょう。
近年では出版以外の事業も展開しており、「マンガ・ファンマーケティング・データドリブンによって課題解決をめざす」ことを掲げ、BtoB向けマーケティング情報コンシェルジュサイト「C-station」を運営しています。メディアとのコラボや、ソーシャルマーケティング支援の提供、講談社のマンガやアニメなどを活用した事例を紹介する記事の配信など、マーケティング課題の解決に活用できるような情報を発信しています(※32)。
(※28)参考:講談社「講談社の歴史」
(※29)参考:講談社「会社情報」
(※30)参考:講談社「賞・顕彰」
(※31)参考:講談社BOOK倶楽部「電子書店一覧」
(※32)参考:C-station「C-stationとは」
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小学館:児童書に力を持ちながら、独自の事業を持つ
小学館は、小学生を対象とした学年別学習雑誌に始まった、総合出版社です。1922年に創業し、2022年に100周年を迎えました(※33)。
現在は、幼児誌、週刊誌、ファッション誌、ライフスタイル誌、コミック誌など、幅広いジャンルの雑誌を発行。また、書籍部門でも絵本や図鑑、辞典、百科事典、文芸書、実用書、電子書籍などを発行しています(※33)。子どもから大人まで、幅広い年代向けの出版物を刊行している小学館ですが、その歴史から現在でも児童向けの書籍に強みを持っているといえます。
また、「地方創生企画ご相談窓口」として、小学館が地方創生やSDGsプロジェクトの企画から立案までサポートする「ロコ・ラボ」や、誰もが楽しめるVR空間の「S-PACE」など、出版以外への業務拡大にも力を入れています(※34)。
(※33)参考:小学館「会社情報 沿革・歴史」
(※34)参考:小学館「さまざまな取り組み」
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出版業界大手4社の社風の違い・制度
KADOKAWA:さまざまな方面からエンタメに携われる
上述した通り、KADOKAWAは出版事業のみならず、映像やゲーム、教育など、幅広く事業を展開しています。そのため、さまざまな方面からエンタメに携わりたい学生にとって、魅力的な企業であるといえます。
また選考について、ある内定者は「全体的にかなり緩い空気だった。雑談の延長のような雰囲気だった」と話していたそうです(2018年卒 選考対策ページより)。
集英社:にぎやかで個性的な人が多い
集英社は趣味・娯楽性に重きを置いていることもあり、どちらかといえば、にぎやかな社員が多いといわれています。
実際に、ある内定者は「3社(集英社・講談社・小学館)の中で、お堅くない人が一番多かった。内定者もマイナーな特技を持っている人が多いなど、個性派が多めだ」と話していたそうです(2019年卒 選考対策ページより)。
講談社:真面目なエリートが多い
講談社は、真面目なエリートが比較的多いそうです。
実際に、ある内定者は「3社(集英社・講談社・小学館)の中で一番堅い雰囲気があり、面接前に社内を歩いている際にも雑談などが少ない印象を受けた」と話していたそうです(2024年卒 選考対策ページより)。
小学館:落ち着きのある社風
小学館は、子ども向けから大人向けまで、幅広い世代・ジャンルの本を発行しています。エンタメと専門図書、どちらかに寄っているわけではないため、中庸で落ち着きのある社風だといわれています。
実際に、ある内定者は「3社(集英社・講談社・小学館)の中で一番落ち着きがあると感じた」と話していたそうです(2019年卒 選考対策ページより)。
出版業界大手4社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
出版業界大手4社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数は以下の表のようになっています。これらの情報が正式に出ているのは、有価証券報告書が提出されているKADOKAWAのみです。
平均給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
885.3万円 | 41.6歳 |
3.7年 |
その他3社については、未上場で有価証券報告書の提出義務がないため情報が公表されていませんが、クチコミサイトで大まかな情報を収集できる場合があります。 ワンキャリアでは、転職サイト「ONE CAREER PLUS」にて、平均年収などを調べられますので、ぜひご確認ください。
▼転職サイト「ONE CAREER PLUS」はこちらからONE CAREER PLUSを確認する(別サイトに遷移します)
出版業界で働く魅力・やりがい
出版業界で働く魅力・やりがいは、書籍や雑誌が完成するまでに多くの人と工程を経るため、達成感が大きい点にあります。特に、自分が好きな作家や作品に携われる可能性や、社会に影響を与える作品の制作に関わる機会は、この業界ならではの魅力です。
さらに、大手出版社では社員が少数で待遇も良く、一人一人の役割が重要です。ここでは、出版業界で働く魅力について詳しく解説します。
完成までの作業工程や関わる人が多い分、達成感が大きい
出版業界では、1冊の書籍や雑誌が完成するまでに多くの工程を経ます。企画の立案から始まり、取材やライティング、デザイン、校正、印刷など、さまざまな専門職が関わり、協力しながら一つの出版物を作り上げます。この過程では、度重なる修正や調整が必要となり、細かな部分にもこだわりが求められるため、時間と労力がかかります。
しかし、その分、出版物が無事に完成し、読者の手に届いた時の達成感は非常に大きいです。特に自分が携わった企画が多くの人に読まれ、反響があった場合には、努力が報われた瞬間を実感できるでしょう。
このように、多くの人や工程を経て形になった出版物が世に出るという経験は、出版業界で働く上での大きなやりがいの一つです。
自分が好きな作家や雑誌に関係する仕事ができることもある
好きな作家や憧れの人物と関わる仕事ができる可能性がある点も、出版業界で働く魅力の一つといえるでしょう。
例えば、長年ファンだった作家の作品の編集に携わったり、雑誌の特集で憧れの著名人を取材したりする機会があります。このような経験は、仕事に対するモチベーションを高め、仕事に対する情熱ややりがいを感じる瞬間でもあります。
また、自分が好きな作品や作家を世に広める手助けをすることで、個人的な喜びや達成感を得られることも出版業界ならではの魅力です。自分が影響を受けた作品に携わることで、他の人々にも同じ感動を伝えられることは、非常に意義深い経験となるでしょう。
世の中に大きな影響を与える作品の制作に携われる可能性がある
世の中に大きな影響を与える作品の制作に携われる可能性があることも、出版業界で働く醍醐味(だいごみ)の一つです。出版された書籍や雑誌が多くの読者に感動を与え、社会に影響を与える場面を目の当たりにすることは、非常にやりがいを感じる瞬間です。
特に、自分が担当した作品がベストセラーになった場合、その達成感は言葉に表せないほど大きなものです。たとえベストセラーに届かなくても、作品が読者の心に残り、レビューや感想を通じてその影響を実感することは、この仕事の魅力の一つです。
読者の生活にポジティブな変化をもたらしたり、社会的な話題を呼んだりする作品を世に送り出せることは、出版業界ならではのやりがいといえるでしょう。
大手出版社を中心に、社員が少数で一人一人の待遇が良い
出版業界、特に大手出版社では社員数が少なく、一人一人の役割や裁量が大きいことが特徴です。少数精鋭で仕事を進めるため、責任は大きいですが、その分待遇が良い場合もあります。
また大手出版社では、安定した給与体系や福利厚生が整っており、仕事の成果が反映されやすい環境が整備されています。
さらに、少人数だからこそ書籍の企画から制作、販売促進まで幅広く関わることができ、プロジェクト全体を見渡しながら仕事ができる点も魅力の一つです。出版業界では、社員一人一人の存在感が大きく、やりがいを感じながら働ける環境が整っているといえるでしょう。
出版業界大手4社の選び方
自己分析で自分の強みや価値観を洗い出そう!
自己分析とは、過去の経験・エピソードから「自分がどういう人間で、何ができるかを言葉にするプロセス」のことです。
就活において基礎となるプロセスで、会社を選ぶ際だけでなく、自己PRや志望動機を作る際にも役に立ちますが、「自己分析のやり方が分からない」のが学生に共通する悩み。
こちらの記事では、自己分析のやり方をあらゆる角度から分解し、解説しています。
・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説
情報収集ではONE CAREERの【選考対策ページ】を有効活用しよう!
「第一志望に受かりたい」「選考突破に必要な情報だけを知りたい」「いろいろな人の考えに触れたい」。
そんな気持ちに答えるべく、ワンキャリアでは4,000社を超える人気企業の選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)を掲載しているほか、1,800件を超える就活記事も掲載しています。
例えば、合格の秘訣のページでは、企業の魅力や各職種の魅力、会社が求める人物像、選考のポイント、内定者の感想を掲載しているため、会社を選ぶ際の参考にできます。
こちらの記事では、これらの情報を掲載している「選考対策ページ」「募集ページ」「就活記事」の活用法をご紹介します。
・「就活の赤本」内定のウラ情報が満載、ワンキャリアを使い倒せ!
ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリアライブ』を活用しよう!
ワンキャリア公式YouTubeチャンネルでは、過去に配信した100社以上の説明会動画が見放題です。これらを利用して企業研究や志望動機のブラッシュアップに役立てましょう。
また、ワンキャリアのキャリアアドバイザーによる新番組『ワンキャリコミット』も見逃せません。クチコミやワンキャリアライブの企業情報をもとにした、人気企業・難関企業の選考対策動画や、「自分に合った会社はどれか?」「秋以降どう動けば良い?」など、就活生のためのお悩み解消コンテンツをご用意しています。ぜひ情報収集に役立ててみてください。
ワンキャリア公式YouTubeチャンネルでは、過去に配信した100社以上の説明会動画が見放題です。これらを利用して企業研究や志望動機のブラッシュアップに役立てましょう。
・『【公式】ワンキャリア / ONE CAREER 就活チャンネル』はこちら
また、ワンキャリアのキャリアアドバイザーによる新番組『ワンキャリコミット』も見逃せません。クチコミやワンキャリアライブの企業情報をもとにした、人気企業・難関企業の選考対策動画や、「自分に合った会社はどれか?」「秋以降どう動けば良い?」など、就活生のためのお悩み解消コンテンツをご用意しています。ぜひ情報収集に役立ててみてください。
・『ワンキャリコミット』はこちら
手間がかかる「業界研究」はONE CAREERにおまかせ!
業界研究を行うことで、志望企業と競合他社の違いが明確になり、自分に合った会社を見つけられ、志望動機の説得力が増します。
志望動機が重視される「日系メーカー」「インフラ」、業界研究をしないと「入社後やりたいこと」「強い志望動機」が語りづらい「金融」「商社」「広告」、内定辞退を恐れ、「業界1位・2位の企業ではなく、なぜうちなのか」がしつこく聞かれる「業界3位以下の企業」では業界研究はマストといわれています。
とはいえ、時間がかかる業界研究は、正直ちょっと面倒ですよね。
そこで、ワンキャリア編集部が就活生の代わりに業界研究を行いました!
就職活動が本格化して忙しい時期こそ、ワンキャリアの業界研究記事をぜひフル活用して、効率良く情報を集めましょう!
・【業界研究のやり方:36業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較
企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ!
企業研究は、企業のホームページを見て、OB・OG訪問をして……と、膨大な時間がかかるように思われがちですが、実は短時間で終わらせられるのです!
多くの企業が採用する「Big Five(ビッグ・ファイブ)理論」のテスト。実は簡易版のテストを使うだけでも、ある程度自分に向いている業界・会社・仕事分野が分かります。自分の適性をつかんでおけば「向いていない業種の採用選考を受け続ける」リスクを回避でき、企業研究の時間短縮にもつながるでしょう。
・企業研究は10分で終わらせる!「欲しい人材を見抜く」裏ワザ
次にワンキャリア編集部が皆さんの代わりに企業研究を行う「3分対策シリーズ」をお届けします。各企業の社風や選考のポイントをまとめてあるので、ES締め切り直前や面接前日の時間がないときの企業研究におすすめです!
・企業の対策は3分で全部終わらせる!ワンキャリ編集部がお届けする「3分対策シリーズ」
就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理しよう
就活をしているとよく聞く「就活の軸」というワード。自分の就活の軸を持っていると行きたい会社は確固たるものになります。
就活の軸を見つけるにはまず、自己分析をして自分の「本音」と「建前」を整理しましょう。おのずと自分ならではの就活の軸が姿を現すはずです。
・就活の軸【例一覧100選】面接/ESでの答え方と業界・職種別の例文
出版業界大手4社が求める人物像・選考対策
出版業界が求める人物像
各社が求める人物像は、下記の「合格の秘訣」を参考にしてください。
KADOKAWA
集英社
講談社
小学館
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出版業界の選考対策
KADOKAWA
集英社
講談社
小学館
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エントリーシート(ES)対策
企業が志望動機で注目しているポイントは、「会社で活躍できる人材であるかどうか」という点です。そして具体的には以下の3つのポイントを重要視しています。
・入社意欲がどれほど強いか ・自社のカルチャーや目指す方向性と合っているか ・入社後に活躍してくれそうか
これら3つのポイントを含んだ志望動機は説得力があり、過去の選考参加者や内定者のESからも高評価を受けやすいことが分かっています。
▼エントリーシート(ES)の書き方について詳しく知りたい方はこちら ・志望動機【例文17選】書き方の基本と職種・業界別内定者のES実例 ・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策
Webテスト対策
Webテストは多くの企業で実施されており、企業ごとに異なるテストが使用されています。そのため、事前にテスト内容を把握し、対策をしておくことが重要です。
出版業界では、特に「SPI」と「玉手箱」が多く実施されています。
SPIは性格と能力の2領域を測定し、能力検査は言語(国語)と非言語(数学や算数)で分かれています。時間制限がついているという特徴があり、受験者の解答状況や正答率によって問題が変わっていきます。正答率が高ければ難易度の高い問題が出題され、高得点につながるので、時間内で的確に問題を解けるようにしておきましょう。
玉手箱は、計数理解(数学)、言語理解(国語)、英語理解、性格テストの4種類に分かれており、問題数に対して解答時間が非常に短いことが特徴です。そのため、満点を目指すのではなく、確実に解ける問題に集中することが求められます。また、玉手箱は毎年似たような問題が出題される傾向があるため、スピード感に慣れるために多くの問題を解いておくことが大切です。
TG-WEBは難易度が高いテストですが、解法を知っていればスムーズに解答できることが特徴です。新型のTG-WEBでは解答時間が非常に短く設定されているため、事前に参考書などで対策をし、制限時間内で解く練習をしておくことが重要です。特にWebテスト形式では電卓を用意しておくと良いでしょう。
▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら ・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧 ・【SPI対策】全問題形式を完全網羅!練習問題&解答一覧(言語・非言語・英語・構造的把握力) ・【玉手箱対策】問題&解答集|出題企業と問題形式(計数・言語・英語)まで紹介
面接対策
業界や会社によって面接で問われる内容は異なります。そのため、志望する業界に合わせた対策が必要です。以下では、業界や企業ごとに準備を進める際のポイントをご紹介します。
まず、面接選考を通過するためには「企業目線」で考えることが重要です。内定の判断を行うのは、その企業の人事担当者や役員ですので、企業が求める人材像を理解することが不可欠です。経営計画などの企業情報を調べることはもちろんですが、企業側の視点に立ち、「どのような人材が求められているのか」を意識しながら面接準備を進めましょう。
また、面接対策では自己分析を行い、自分をアピールするための材料をそろえることも重要です。しかし、選考対策の順番としては、まず企業や業界の分析を行い、その後に自己分析を進める方が効果的です。企業のニーズを理解した上で自分の強みを整理することで、より説得力のあるアピールが可能になります。
ワンキャリアでは、企業ごとの選考ステップや合格の秘訣を紹介しています。これにより、各企業が重視する評価ポイントや求める人物像を効率的に把握でき、情報収集の手間も省けます。企業研究を進める際には、ぜひご活用ください。
▼面接対策について詳しく知りたい方はこちら ・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例
筆記試験・作文選考
出版業界の特色として挙げられるのが、筆記試験や作文専攻の存在です。 与えられたテーマについて文章を書くテーマ作文が一般的ですが、他にも「三題噺(さんだいばなし)」や「あいうえお作文」などがあります。
「三題噺」は、与えられた3つのキーワードを使用してストーリーを作る形式の筆記試験です。3つのキーワードには基本的になんの関係性もなく、その場で意味がつながったストーリーにする頭の回転と文章力が必要です。
「あいうえお作文」は、お題の言葉がそれぞれの文章の最初になるように文章を作成する試験です。小学館の試験ではさらに発展して、五七五七七の字数指定つきのあいうえお作文が出題されました。
筆記試験や作文選考は会社の個性が出るため、形式が大きく異なります。自分の受ける出版社の筆記試験について、ワンキャリアの選考体験談などでリサーチしておくと良いでしょう。
OB・OG訪問
OB・OG訪問は、大学の先輩や知り合いを通じて紹介してもらったり、就活イベントを利用して社員と接点を持ったりすることで機会を得られます。これにより、説明会では得られないリアルな情報を知ることができ、業界や企業についての理解が深まることは間違いありません。
さらに、業界や企業によっては、OB・OG訪問の有無や訪問時の評価が選考に影響することもあります。訪問の回数が多いと「熱意がある」と評価されたり、質の高い質問をすることで「優秀だ」と思われたりすることがあります。
OB・OG訪問をすべきか迷っている場合は、まずは最初の1人、同じゼミやサークルの先輩など身近な人から始めてみると良いでしょう。
▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら ・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
出版業界以外の業界研究記事
■業界研究まとめ記事はこちら ▪️メーカー ・【素材メーカー:業界研究】大手3社(日本製鉄・AGC・東レ)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【電機メーカー:業界研究】大手4社(日立製作所・ソニー・パナソニック・三菱電機)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い ・【化粧品メーカー:業界研究】日本の大手3社(花王・資生堂・コーセー)を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【飲料メーカー:業界研究】大手4社「サントリー・アサヒ・キリン・サッポロ」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【食品メーカー:業界研究】大手5社(味の素・明治・日清食品・キッコーマン・ヤクルト)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【重工メーカー:業界研究】大手3社「三菱重工業・川崎重工業・IHI」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【製薬:業界研究】大手4社(武田薬品工業・アステラス製薬・大塚製薬・第一三共)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【精密機器メーカー:業界研究】大手4社(デンソー・キヤノン・富士フイルム・キーエンス)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:日系消費財メーカー】大手4社(花王、ユニ・チャーム、ライオン、小林製薬)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【自動車メーカー:業界研究】大手3社(トヨタ・ホンダ・日産)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【医療機器メーカー:業界研究】大手3社(キヤノン・富士フイルム・オリンパス)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️商社 ・【総合商社:業界研究】五大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・丸紅・住友商事)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【鉄鋼商社:業界研究】大手4社「伊藤忠丸紅鉄鋼・メタルワン・阪和興業・JFE商事」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️金融 ・【メガバンク:業界研究】三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:地銀】横浜銀行、千葉銀行、京都銀行、近畿大阪銀行、池田泉州銀行。Uターン就活生から圧倒的な人気を誇る地方銀行の違いや意外な魅力とは?
・【業界研究:生保と損保の違い】保険業界を受けるなら知っておきたい、生命保険、損害保険業界の違いを徹底比較!
・【生命保険:業界研究】大手生保(日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)を比較!業績比較・ランキング・強み・社風の違い
・【損害保険:業界研究】大手4社(東京海上日動火災保険・損害保険ジャパン・三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【カード:業界研究】大手3社「三井住友カード・ジェーシービー(JCB)・三菱UFJニコス」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【信託銀行:業界研究】大手3社「三井住友信託銀行・三菱UFJ信託銀行・SMBC信託銀行」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【証券:業界研究】大手5社「野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【外資系投資銀行:業界研究】大手4社「J.P.モルガン、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【アセットマネジメント:業界研究】大手4社「野村アセットマネジメント・アセットマネジメントOne・大和アセットマネジメント・三井住友DSアセットマネジメント」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️コンサル ・【戦略コンサル:業界研究】MBB「マッキンゼー・BCG・ベイン」を比較!仕事内容・社風/強みの違い
・【業界研究:総合コンサル】大手6社(アクセンチュア、デロイト、PwC、EY、KPMG、アビーム)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️マスコミ・エンタメ ・【テレビ局:業界研究】キー局4社(フジテレビ・日本テレビ・TBSテレビ・テレビ朝日)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【大手広告代理店:業界研究】大手6社(電通・博報堂DYグループ・サイバーエージェント・セプテーニ・デジタルHD・ADK)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:旅行業界】「JTB、HIS、KNT-CT、日本旅行」大手旅行会社4社それぞれの強みや社風、給料を徹底比較!
▪️インフラ・資源
・【インフラ:業界研究】大手3社(JR東海・東京電力・東京ガス)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:インフラ業界】「安定時代の終焉」日本を支えるインフラ業界:電力・ガス・交通の魅力と将来性
・【鉄道:業界研究】大手5社「JR東日本・近畿日本鉄道・JR東海・JR西日本・東京地下鉄」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【海運:業界研究】大手3社「日本郵船・商船三井・川崎汽船」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【私鉄:業界研究】大手3社「東急・東武鉄道・小田急電鉄」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【ガス:業界研究】大手4社「東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガス」を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【業界研究:エネルギー】電力・ガス業界の大手4社「東京電力・関西電力・東京ガス・大阪ガス」の事業や年収を徹底比較!
・【業界研究:石油業界】「ENEOS・出光興産・コスモエネルギー・国際石油開発帝石・石油資源開発・三井石油開発」石油大手6社の業績、社風を徹底比較!
・【業界研究:航空会社】大手2社(全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL))を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【非鉄金属:業界研究】大手4社(住友電気工業・JX金属・三菱マテリアル・住友金属鉱山)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️不動産・建設 ・【デベロッパー:業界研究】大手6社(三井不動産・三菱地所・東急不動産・住友不動産・野村不動産・森ビル)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【デベロッパー2:業界研究】大手4社(ヒューリック・東京建物・日鉄興和不動産・NTT都市開発)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【スーパーゼネコン:業界研究】主要5社(大林組・鹿島建設・大成建設・清水建設・竹中工務店)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️IT・通信 ・【SIer:業界研究】SIer大手5社ランキング(アクセンチュア・NTTデータ・野村総合研究所・日本IBM・富士通)!業績比較・平均年収・社風/強みの違い
・【通信:業界研究】大手キャリア4社(NTTドコモ・ソフトバンク・KDDI・楽天)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️人材・教育 ・【人材:業界研究】大手4社「リクルート・パーソルキャリア・パソナ・リンクアンドモチベーション」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【教育:業界研究】大手4社「ベネッセ・リクルート・トライ・LITALICO」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▼就活記事の総集編まとめ
・【新特集スタート】就活生の悩むべき問題は5つだけ。モヤモヤした視界を切り開く「就活の羅針盤」
・26卒就活はいつから?スケジュールとインターン準備の有利な進め方
・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
・志望動機【例文17選】書き方の基本と職種・業界別内定者のES実例
・【自己PRの書き方】ESで強みを効果的にアピールするには?新卒採用担当の目線と内定者の回答例から解説
・ESで強みを効果的にアピールする方法は?【内定者例文付き】
・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説
・【業界研究のやり方:36業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!人気業界/企業を徹底比較
・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
・グループディスカッション完全対策!全テーマの進め方/流れやコツを網羅的に解説
・ケース面接対策&例題|コンサル・日系大手も出題!ゼロからの始め方
・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策
(Photo:Unitone Vector/Shutterstock.com)