就活中、マーケティング職に興味を持つ学生は多くみられます。しかし、マーケティングのことがよく分からず、「マーケティング職に就いたら、どんな仕事ができるんだろう?」「どんな会社に就職するとマーケティングができるの?」などの疑問を持つ人もいるでしょう。
そこで今回は、マーケティングの仕事内容、マーケティングの仕事がある企業について詳しく解説します。マーケティングのやりがいや向いている人の傾向、キャリアパスや将来性などもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
<目次> ●マーケターとは? マーケティング職の仕事内容と魅力 ・主な仕事内容 ・マーケティング職の分類 ●マーケティング職のキャリアパス・転職事例 ・マーケティング職の主なキャリアパス ・他職種・未経験からマーケティング職へのキャリアパス・転職事例 ・マーケティング職から他職種へのキャリアパス・転職事例 ●マーケティング職のやりがい・働くメリット ・働く上でのやりがい・厳しさ ・マーケティング職の年収・待遇 ・マーケティング職の将来性 ●マーケティング職に向いている人 ・求められる素養 ・有利に働く資格・経験 ●マーケティング職での選考に向けた対策 ・仕事内容を理解し、やりたいことを明確にする ・インターンに参加する ●まとめ
マーケターとは? マーケティング職の仕事内容と魅力
マーケティングとは「売れる仕組みづくり」のことです。商品やサービスを販売したり、サービスの利用を促進したりするための効率的な仕組みをつくる一連の活動を示します。
マーケティングが担う業務は、企業の商品販売戦略の根本となる重要な部分です。具体的には、市場調査を行って必要なデータを集め、収集したデータをもとに商品やサービスのリリースまでの計画を立てます。プロモーション手法を決定したり、販売戦略を練ったりするのも大切な仕事の一部です。
主な仕事内容
マーケティングは、具体的にどのような仕事をするのでしょうか。ここでは、マーケティングの仕事を以下の4つに分けて、詳しく解説していきます。
市場調査・分析
マーケティングの仕事では、市場調査・分析を行います。商品・サービスの開発や改善をするには、まず顧客のニーズを知らなければなりません。そこで、市場調査によって消費者からデータを収集し、分析を行います。近年の市場の流行や、どの年齢層で、どの商品がどれくらい売れているのかなどを、詳細に調査していきます。また、競合他社の製品やサービス内容を調べることも大切です。差別化を図れるような新しい商品・サービスを生み出すために、必要な情報を集めます。
企画
企画も、マーケティングの仕事の1つです。企画とは、新しいサービスや商品などを生み出す業務です。すでに販売されている商品・サービスの改善を行うこともあります。市場調査や分析で得た情報をもとに、自社の技術を活用すれば、どのような強みが出せるのかという点を考慮し、企画するのが一般的です。企画内容は、個人で考える場合と、グループでさまざまな提案を出し、その中からまとめていく場合があります。
営業・販売促進
営業・販売促進もマーケティングの仕事の1つです。営業活動ではまず、顧客にどのようなアプローチをすれば、多くの方に届けられるのかといった販売戦略を立てていきます。これには、営業担当者の配置や体制づくり、販売計画や供給体制づくりといった、販売ルートの構築も含まれます。
販売促進のために、キャンペーンの実施やポップアップストアの実施、モニター企画などを行うことも少なくありません。広報担当者や広告代理店、営業・販売店など、社内外の担当者と連携する機会も多いでしょう。
宣伝・広告
マーケティングの仕事には、宣伝・広告もあります。せっかく良い商品やサービスを作っても、知ってもらわなければ売り上げは伸びません。多くの人に自社の商品やサービスを認知してもらうため、プロモーション戦略を練り上げて実施します。
テレビ、インターネット、交通広告など、さまざまな広告媒体から、売り込む商品とサービスの宣伝に最適な媒体を選定します。媒体の選定だけでなく、社内のデザイン部門や広告会社などと協力しながら制作に携わることもあるでしょう。
マーケティング職の分類
続いて、企業別と仕事別にマーケティング職について詳しくご紹介いたします。
企業別
マーケティング部門がある企業は、大きく分けて事業会社と支援会社の2つです。ここでは、それぞれの特徴を説明します。
<事業会社> 事業会社とは、製造会社や流通・小売業、工業・住宅・宿泊・飲食・医療など、各種、商品やサービスを提供する企業のことを指します。多くの事業会社では、マーケティング部門が設けられています。 事業会社のマーケティング部門は、企画の立案から販売、広告宣伝にまで携わり、開発や営業部門など、他部門と連携して仕事ができるという魅力があります。しかし、新卒で事業会社のマーケティング職に配属されるケースは少なく、営業など他部門を経験してからマーケティング部門に配属されるのが一般的です。
<支援会社> 支援会社とは、事業会社から依頼を受けて、マーケティング活動の遂行を支援する会社です。支援会社には、広告代理店やPR会社、市場調査を行う調査会社などがあります。支援会社に就職すると、いろいろな業界の多様な商品・サービスに携わることができます。マーケティング領域のプロフェッショナルとして、特定分野の専門性を高められる職場であることから、マーケターを目指す人には人気の職場です。
仕事別
マーケティング職には販売施策によって職種にも分類があります。以下の3つに分類して詳しく見ていきましょう。
<オフラインマーケティング> オフラインマーケティングは、インターネットを活用しないマーケティング活動全般を指します。具体的には、ダイレクトメール、電話、展示会やイベントなどが挙げられます。 テレビやラジオを通じたCM、屋外広告もオフラインマーケティングです。インターネットを駆使した場合と比べると、アプローチできる顧客の数は限定されますが、確実に顧客のもとに情報を届けられるという有効な販売施策です。
<デジタルマーケティング> デジタルマーケティングとは、Eメールやウェブマーケティング、SNSのデジタル広告など、デジタルチャネルを通じて、商品やサービスのプロモーションを行う施策のことです。売上拡大や認知獲得のために、TwitterやInstagramなどのSNS媒体も活用します。
<ウェブマーケティング> ウェブマーケティングはデジタルマーケティングの中の1つで、ウェブに特化した施策のことを指します。ウェブマーケティングの販売チャネルは、一般的に、自社の商品・サービスを購入できるオンラインショップと、情報を発信するオウンドメディアです。 例えば 、インターネット広告を出稿する、オウンドメディアのコンテンツを充実させ、SEO対策をするなどの販売施策を打ち出します。また、ウェブサイトにユーザーが流入したあと、どの経路をたどって購入や申し込みに至るのかという、サイト内の動線や回遊を考えるのもウェブマーケティングの業務の1つです。サイトのアクセス解析や、分析・効果測定なども行うため、専門性の高い領域だといえます。
マーケティング職のキャリアパス・転職事例
マーケティング職の主なキャリアパス
マーケティングの仕事で実務経験を積んだ後は、専門性を高め、プロフェッショナルになるか、マネジャーなどの管理職になるのが一般的なキャリアパスです。新しい商品・サービスの市場を作り上げた経験を生かして、新規事業の立ち上げの責任者に抜てきされることもあります。経営に近い位置で、業績に直接的に関わる、責任のある役割を担うこともあるでしょう。
一方で、事業会社から支援会社へ転職し、コンサルタントとして経営を補佐し、事業支援のプロフェッショナルになる道もあります。また、独立し、フリーランスや会社経営者として活躍することもできる職業です。
他職種・未経験からマーケティング職へのキャリアパス・転職事例
マーケターは専門的な知識やスキルが求められることから、転職市場においても経験採用が多い傾向にあります。一方で、求人が出やすかったり、未経験者も採用されやすい業種やマーケターの職種もあったりします。
例えば、事業会社よりも支援会社、マスマーケターよりもウェブマーケターやデジタルマーケターの方が未経験者を受け入れやすい傾向にあります。
以下、転職事例です。自分のキャリアパスの参考にしてみてください。
<教師からメディアプランナーへの転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 新たに挑戦したい職種/業界ができた ・転職で役立ったこれまでの経験の詳細 コミュニケーション能力。 ※出典:ONECAREER PLUS「東京都教育委員会からの転職体験談(教師/女性/30代)」
<店舗スタッフからデジタルマーケティング職への転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 店舗業務を進める中でウェブマーケティングに興味を持ち、今後のキャリアを考えていく中で、集客スキル及び分析スキルを伸ばしたいと思うようになり、転職エージェントに登録しました。 ・転職で役立ったこれまでの経験 異業種なのでこれといったものはなかったですが、コンサルティング業務の中で前職に通じる業種担当の際には前職知識が役立ちました。 ※出典:ONECAREER PLUS「トレジャー・ファクトリーからの転職体験談(店舗スタッフ/男性/20代)」
<リサーチ・データ分析職からデジタルマーケティング職への転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 前職の業界成長性、事業の将来性、日用品メーカーが抱える利益率や業界年収基準の低さとともに事業計画に対する担当者レベルの実行スピードの遅さに不安を感じ転職を考えました。 ・転職で役立ったこれまでの経験 市場調査の実務経験、リサーチスキル、マーケティングの基本的な思考力、プレゼン資料作成スキル、プレゼンスキル、データ分析 ※出典:ONECAREER PLUS「大王製紙からの転職体験談(リサーチ・データ分析/女性/ 20代)」
<コンサルタントからデジタルマーケティング職への転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 当時勤めていた会社ではデータを扱う仕事の中でも、よりテクニカルな世界での仕事がほとんどであったが、将来的なことを考えるとビジネスサイドに仕事の方向性を寄せたいと思ったから。 ※出典:ONECAREER PLUS「アクセンチュアからの転職体験談(システムコンサルタント/男性/20代)」
マーケティング職から他職種へのキャリアパス・転職事例
反対に、マーケティング職から他職種へ転職する場合もあります。
マーケターとして得た経験を生かしてコンサルタントやメーカー、事業づくりを中心としたキャリアへと進んでいく方も少なくありません。
以下、転職事例となりますので参考にしてみてください。
<デジタルマーケティング職から営業企画への転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 副業/リモートワークなどの柔軟な働き方に変えたい 業務内容とのアンマッチ ・転職で役立ったこれまでの経験の詳細 同業種のため、基本的なスキルは即戦力として役に立った ※出典:ONECAREER PLUS「博報堂DYデジタル(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)と統合)からの転職体験談(デジタルマーケティング/女性/20代)」
<メディアプランナーから法人営業への転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ より大きな裁量権を得たい 新たに挑戦したい職種/業界ができた 年収をあげたい ・転職で役立ったこれまでの経験の詳細 同じ業界への転職のため、前職の経験は多分に活用できた 営業経験に加え、運用型広告オペレーションやウェブサイト制作ディレクションなどの実務経験のどちらも経験があることが強みとなった ※出典:ONECAREER PLUS「オロからの転職体験談(メディアプランナー/男性/20代)」
<デジタルマーケティングから記者への転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 前職が激務だったため、残業があまりなくワークワイフバランスがとれた会社に入社したいと思い転職しました。ただ、残業がない会社でも、海外にかかわる仕事がしたかったため、多くの海外支社がある◯◯に興味を持ちました。 ・転職で役立ったこれまでの経験 前職で海外事業にかかわる仕事をしていたため、東南アジアを中心とするマーケット事情に精通しており、そこは役に立ちました。前職ではマーケティング、現在は東南アジアの経済記事を書くライターと職種はかなり違いますが、東南アジアのマーケット事情がある程度わかっているので、スムーズに業務を覚えることができました。 ※出典:ONECAREER PLUS「AnyMind Groupからの転職体験談(デジタルマーケティング/女性/30代)」
<デジタルマーケティングから商品開発への転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 大規模なプロジェクトであるが故に、部分的な領域に限定され、ワクワクを感じられなくなってきた。リソース都合などによる、中途半端な関わり方などのPJT環境にもどかしさを感じていた。 ・転職で役立ったこれまでの経験 さまざまな業界、事業フェーズの経験を持ち、PJTの推進力、課題解決力、俯瞰的に物事をみる視点など、さまざまなスキルの基礎レベルが向上した。 ※出典:ONECAREER PLUS「アクセンチュアからの転職体験談(デジタルマーケティング/男性/30代)」
<デジタルマーケティングからカスタマーサポートへの転職体験談> ・転職を考えた理由・きっかけ 長いキャリアを考えた際に、ワークライフバランスをより重視していきたいと思った。その際により残業時間を減らしたいと考え転職活動を始めた。 ※出典:ONECAREER PLUS「イデア・レコードからの転職体験談(デジタルマーケティング/男性/20代)」
マーケティング職のやりがい・働くメリット
人気の職種であるマーケティングの魅力はどこにあるのでしょうか。ここでは、マーケティングの仕事のやりがいや働くメリットを解説します。
働く上でのやりがい・厳しさ
やりがい
マーケティングの仕事は、自分の企画した商品やサービスが、会社の営業戦略の根幹をなし、ブランド認知度や会社の業績に直結します。自ら考えた販売施策によって、ブランド認知度や顧客満足度が向上することで、市場からの評価を実感し、やりがいにつながります。さらに、サービスの申し込みが拡大したり、自社ブランドのイメージが育っていったりすることに、大きな達成感が得られるでしょう。
また、情報収集・分析・仮説・検証といった地道な作業を繰り返しながら、目標指標をクリアしていくことに充実感や達成感を得られます。行った施策で会社業績に貢献できることにも、喜びを感じられるでしょう。
厳しさ
やりがいのある仕事である反面、マーケティング業務は幅広く、販売施策を業績に結びつけなければならない厳しさがあります。社内外の人と連携し、共通認識を持ちながら、スケジュール通りに施策を講じていくことは、簡単ではありません。
また、マーケティングの仕事では、インターネット環境の変化に対応する柔軟さも要求されます。販売施策では、目標指標をクリアしなければというプレッシャーにも耐えなければなりません。前向きに施策を考え続ける強靭(きょうじん)な精神力が求められます。
マーケティング職の年収・待遇
マーケティング職の年収は400~600万円が相場です。しかし、いちがいにマーケティング職といっても会社や仕事内容、働き方などさまざまであるため年収の幅も広くなります(※)。
(※)参考:MarkeZine「【マーケターの年収を大公開】年収が高い業種は?持っていると強い資格は?語学力は大事?などまるっと回答」
待遇に関しては他の職種と同様な会社もあれば、他職種より1つ高い役職・クラスから始まる企業もあります。
いずれにおいても企業によって異なるため、求人情報やクチコミなどを参考にすると良いでしょう。
以下、クチコミの一例です。参考にしてみてください。
<サイバーエージェント> 新卒入社 | 男性 デジタルマーケティング ・年収・給与の詳細 年収(額面)650万円 基本給(月)50万円 残業代(月)0万円 その他手当(月)0万円 賞与・インセンティブ(年)0万円 ・給与制度の特徴と納得度 年2回査定があり、1〜5万円アップするが、業績次第でなかなか上がらないこともある ※出典:ONECAREER PLUS「サイバーエージェントの年収・給与に関する社員クチコミ」
<P&G Japan> 新卒入社 | 男性 リサーチ・データ分析 ・年収・給与の詳細 年収(額面)600万円 基本給(月)40万円 残業代(月)10万円 その他手当(月)0万円 賞与・インセンティブ(年)0万円 ・給与制度の特徴と納得度 年俸制で、マーケティング部門での入社の場合、他部署と違い、一つ高い役職クラスでの入社です。 ・評価制度の特徴と納得度 上司やチームメンバーが主な評価者となっていて、設定した目標に対する達成度が主な評価基準ですが、目標の設定やそれに対する達成度の振り返りなど細かく行うため、納得した評価になります。 ※出典:ONECAREER PLUS「P&G Japanの年収・給与に関する社員クチコミ」
<JR東海(東海旅客鉄道)> 新卒入社 | 男性 デジタルマーケティング ・年収・給与の詳細 年収(額面)600万円 基本給(月)27万円 残業代(月)10万円 その他手当(月)3万円 賞与・インセンティブ(年)120万円 ・給与制度の特徴と納得度 等級によって基本給が決まっており、40代担当課長まではほぼ横並び。残業代の差しかつかない。30代前半係長の役職手当が付くことにより年収900万円程度。 ※出典:ONECAREER PLUS「JR東海(東海旅客鉄道)の年収・給与に関する社員クチコミ」
マーケティング職の将来性
企業が継続して事業活動をする上で、マーケティング職は、販売戦略を担う重要なポジションです。事業環境が好転すれば開発・投資を増やして業績を上げることを求められ、悪化すれば経費削減の中での収益確保を求められます。いかなる状況でも、円滑な事業活動にはマーケティング職の活躍が求められます。
AI(人工知能)や機械学習による代替が進んでも、販売施策を講じる、戦略を立てるなどの「考えること」は、人にしかできません。業務の特性から経営陣に近い視座が養われるため、マーケティング職で得た経験やスキルがあれば、事業の立ち上げなど責任ある役割を担うこともできるでしょう。
マーケティング職を通じて得た経験やスキルは、同職種へ転職するときには即戦力となり、他部門に配属されても生かせる、幅の広さを持ち合わせています。
マーケティング職に向いている人
マーケティングの仕事内容や魅力、厳しさなどを見てきましたが、実際にどのような人がマーケティングの仕事に向いているのでしょうか。
求められる素養
分析力・論理的思考力
マーケティングの仕事では、売上数量などの実数、クリック率などの目標指標になる数値のチェックが日々必要です。数値に強く、目的にかなった解析ツールや統計手法を使いこなし、分析が得意な人はマーケティングの仕事に向いています。
また、データに基づいた客観的かつ論理的な思考で、意見をまとめることができる「ロジカル思考」が求められます。マーケティングの仕事は仮説・検証を繰り返すことから、分析力と論理的思考力は不可欠な能力です。
好奇心旺盛でトレンドに敏感
普段からSNSなどを駆使して情報収集をし、物事を見極める洞察力や広い視野、周囲に関心を持つ好奇心も、マーケティング職には必要です。市場の変化や消費者の動向・トレンドに敏感な人は、マーケティングの仕事に向いています。
常に情報をアップデートしつづけ、新しい視点から解決策を探る貪欲さも大切です。
コミュニケーション力
マーケティング職には、コミュニケーション力も求められます。営業や広報などの他部門や、広告代理店など社内外の関係者と連携して仕事を進めていくためです。
施策を実施するためには、関係者に論理的に伝える力と、知らない情報を得るための聴く力の両方が必要です。また、関係者と信頼関係を築くには、傾聴・観察・洞察力も求められます。はじめて一緒に仕事をする関係者と連携して、成果に結びつけるためにも、多様な意見をまとめるコミュニケーション力は欠かせません。
有利に働く資格・経験
続いて、マーケティング職を目指した時に有利に働く資格や経験をご紹介いたします。 ただし、マーケティング職の選考を受けるにあたって資格は必須ではありません。資格の取得に時間を取られて他の対策ができない、といったことにならないようにしましょう。
統計検定
統計に関する知識や活用力を問われる検定で、統計活用力が認定されます。この資格を持っていることは分析力や統計手法が必要なマーケティング職に有利に働きます。
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング実務の知識を総合的に判定する検定です。この検定を通してマーケティングの実務知識や時事情報・実務事例を勉強できます。
中小企業診断士
中小企業診断士は中小企業に適切な経営の診断や方針を助言する人であり、これは国から認められる必要があります。この資格取得の過程で経営やマーケティングなど、幅広い知識を得られます。
ネットマーケティング(IMA)検定
ウェブマーケティング全般の知識の習得やサイト分析から広告運用についての知識を学べます。
マーケティング検定
内閣府認定の検定であり、マーケティング能力を測定するための試験です。
▼資格について詳しく知りたい方はこちら ・就活で有利な資格10選!業界別・文理別のおすすめとESの書き方
長期インターンシップ
長期インターンシップに参加することで、実際にマーケティングの経験や知識を得ることができます。マーケティングの長期インターンシップを募集している企業を探して参加しても良いでしょう。
▼インターンシップについて詳しく知りたい方はこちら ・これを知らないと大惨事!?業界別・インターン参加と内定の関係性
MBAを取得する
MBAは経営学の大学院修士課程を修了することで得られる学位です。資格とは異なり、実務において使えるスキルを習得できます。
マーケティング職での選考に向けた対策
ここからは実際にどのような対策をすればよいのかをご紹介いたします。
仕事内容を理解し、やりたいことを明確にする
マーケティング職の中にもさまざまな仕事内容があります。志望する業界や企業によっても異なってくるため、その企業でやりたい業務内容などを固めてから選考に臨んだ方が良いでしょう。
詳しく知りたい方は以下の例を参考にしてみてください。
本コースを志望する理由を教えてください。 本コースを志望する理由は、「1人でも多くの顧客の心を動かすマーケターとなり、より笑顔にあふれる社会作りに貢献する」という私の夢の実現をするのに最適だと考えるからだ。 これを実現するには、「幅広いマーケティングスキル」が必要だと考える。 貴社は、活用までを見据えたデジタルマーケティングの構想策定を強みに多様なトランスフォーメーションを実現している。 その中でも本コースは、コマースやリーチなどの幅広いメディアを活用したプランニングや、デジタル広告の改善運用に携わることができ、戦略から運用までの包括的なマーケティングスキルを身につける機会がある。 また、配属可能性の高いPF部門では、顧客の動向を定量的に把握し分析をするため、「広告運用のスキル」や「お客様のニーズをくみ取る力」が身につくと考える。 幅広い業種のクライアントの売上最大化に寄与できるマーケターとなり、社会全体の笑顔を増やしたい。 ※出典:電通デジタル|マーケティングコミュニケーション2025年卒本選考のエントリーシート(ES)
第一志望の職種を選んだ理由、入社後挑戦してみたいこと。(400文字) 本職種の一員として、地域ごとの顧客の生活スタイルまで想像し、お客様価値の最大化に貢献したい。 私は長年北海道に暮らしていることや、2度の引っ越し経験から、人々の生活スタイルは地域ごとに大きく異なることを実感した。そのため、地域ごとのニーズや課題に寄り添い、顧客が求める価値を的確に提供することが重要だと感じている。そこで、貴社の商品やサービスが生活者のニーズに最も適した形で提供されるよう、地域ごとの特性を考慮したエリア特化マーケティングの推進に貢献したいと考えている。 さらに、異なる地域間で共通するニーズや課題にも着目し、独自の視点から商品戦略の策定や広告宣伝の企画にも携わりたいと考えている。地域特性を踏まえつつ、幅広い視野で顧客のニーズをとらえ、貴社の商品やサービスが多くの人にとって価値あるものとなるように努めたい。そして一人でも多くのユーザーに、貴社の商品を選んでもらうことを目指したい。 ※出典:日産自動車|マーケティング&セールス/アフターセールス2025年卒本選考のES
仕事内容を理解し、やりたいことを明確にするためには以下の3つが重要です。
・業界研究 ・企業研究 ・自己分析
この3つは選考過程の面接などでも深掘りされることが多いのでしっかりと対策して起きましょう。詳しく知りたい方は後述の記事を参考にしてみてください。
▼業界研究について詳しく知りたい方はこちら ・【業界研究:34業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較 ▼企業研究について詳しく知りたい方はこちら ・企業研究のやり方を解説!企業研究ノートの作成方法や項目を紹介 ・企業研究は10分で終わらせる!「欲しい人材を見抜く」裏ワザ ▼自己分析について詳しく知りたい方はこちら ・マインドマップを使った自己分析!書き方や無料のツール・アプリを紹介 ・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文
インターンに参加する
長期インターンシップに参加することでマーケティングの業務を実際に経験できます。マーケティング職を目指すにあたって、マーケティングの経験の有無は大きな差になります。時間に余裕があれば経験を積んでみましょう。 また、企業によっては短期インターンシップ経由でのみマーケティング職採用を行っている場合もあるため、確認しておきましょう。
▼インターンシップについて詳しく知りたい方はこちら ・これを知らないと大惨事!?業界別・インターン参加と内定の関係性
まとめ
マーケティングの仕事は、商品・サービスを企画し、会社の業績に直結するやりがいのある仕事です。スペシャリストとして専門性を極める、より高い視座でマネジメント職になる、フリーランスや会社経営などさまざまなキャリアパスがあります。自分の歩みたいキャリアを考え、憧れのマーケティング職を目指してみてはいかがでしょうか。
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