こんにちは、トイアンナです。就活で5年後、10年後のキャリアを考えるなら、そこへ「結婚」の2文字が絡む方も多いでしょう。そしてフレックス制度が浸透している企業を除けば1日8時間以上を会社で過ごすわけですから、社内結婚を選択肢へ入れるのも当然でしょう。
実際、就活生からもこういったご相談をいただきます。
「社会人になると出会いが減ると聞きます。となると結婚相手は社内の方が多くなると思うのですが、僕が行きたい業界は男性ばかりなので出会えるか不安です」
「内定先に社内結婚が多いと聞いています。万が一離婚になった場合、会社にいづらくなったりはしないでしょうか」
そして中には、社内結婚を前提にした過激なご相談も……。
「商社か投資銀行の男性と結婚したいので商社と金融機関を受け、それぞれ総合職と一般職で内定をもらいました。一般職としてかわいいお嫁さんキャラを狙うのと、総合職でチームメイトとして仲良くなるのとどちらが良いでしょうか」
社内結婚から受けるメリットは多い
社内結婚のメリットについてはすでに多くの記事で語られており、その多くは精神面での利点です。選考で同質の人間が集められているため性格もマッチングしやすく、社外秘の業務も相談できるのが魅力です。
そういったメリットを理解してか、採用人数が多い企業では社内結婚を組織的に奨励することも。代表的なものでは三菱グループ同士の紹介所「ダイヤモンド ファミリー クラブ」があります。(※)同クラブは現在、業務を終了しています
その一方で、社内結婚には3つの大きなリスクがあります。それを見逃すと、人生取り返しがつかないかもしれません……。
デメリット1 退職するとパートナーの人事へトガが及ぶことも!?
メガバンクに勤めるAさんの同僚が社内結婚をしました。夫妻とも総合職としてバリバリ働いていましたが、旦那さんに転勤辞令が。それに合わせる形で奥さんが退職しようとしたところ、人事が「君が退職すると夫側の昇進に影響が及ぶぞ」とプレッシャーを掛けてきたそうです。その女性は泣く泣く退職を諦め、夫婦別々に暮らしています。
確かに企業から見れば、大事に育ててきた総合職人材を1人失うのは大きな損失。しかし人生には片方の転勤や出産、親の介護などどうしようもない理由による退職もありえます。自分がウツになってしまうなど、転職せざるをえない事情もあるでしょう。そういったときに社内結婚だと、自分の退職・転職でパートナーの出世へも影響が及ぶ可能性があるのです。このいうリスクは計り知れないものです。
なお、このような人事がまかり通るのは銀行など一部業界に限られています。入社前にOB/OG訪問を活用したり、転職者の口コミサイトを見たりして状況を確認しておきましょう。
デメリット2 社内不倫から左遷されるおそれあり
残念ながら社内結婚とセットで語らざるをえないのが、社内不倫です。データによるとパートナーがいる人の2割は浮気します(参考:ニッポンのセックス「恋愛対象、セックスパートナー、浮気 etc」)。さらに不倫相手との出会いの場1位は「同じ会社」。
自分が結婚してしばらくたち、愛情も冷めたころにうっかり同じ部署の人間と関係を持ってしまった……という話はどこにでもあります。どこにでもあるということは、あなたが同じ人生を歩むかもしれないということです。
実は社内不倫、企業にとっても大きなリスク。というのも仕事場で不倫していた場合、浮気された側は企業を民事で訴えることもできるからです。それもあって不倫を左遷や処分の対象とする会社も珍しくありません。
社内不倫はどう隠そうとしても「社外」より周囲や人事部にバレやすいものです。しかも社内結婚なら自分の夫・妻も同じ場所にいますから、不倫が露呈するリスクは何倍にも膨れ上がるでしょう。怖くて詳しく書けませんが、筆者の周りに実際に社内結婚からの社内不倫をした男性がおり、正妻と不倫相手がオフィス内でケンカになった上、全員そろって退職へ追い込まれた事例を知っています。
「社内不倫をしていたらパートナーにバレて離婚され、さらにキャリアが詰む」というリスクを負いたくなければ、最初のステップである社内結婚から避けるのが無難でしょう。
デメリット3 家計のリスク
現在、結婚後も共働きを選択する世帯は専業主婦世帯数を大幅に超えています(参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「専業主婦世帯と共働き世帯」)。共働きになる最大のメリットは「どちらかがつぶれてももう片方が大黒柱になれる」こと。
「つぶれる」要件には心身の不調や親の介護もあるでしょうが「会社自体が無くなる・リストラされる」可能性も含めて考える必要があります。社外婚であれば片方の企業がつぶれても問題ありませんが、社内結婚の場合は一気に2人とも失職する恐れがあります。
例えば外資系企業は男女差別も少なく、出世すれば夫婦ともに高収入のパワーカップルを狙えるのがメリットです。その一方で「外資で社内結婚したら、その企業が日本撤退を表明。いきなり2人とも無職になった」などということも。夫婦のどちらも大黒柱になり活躍することがますます期待される中で、同じ胴元からお金をもらうのは、リスク分散ができていないといえるでしょう。
社内結婚をしてもいいけれど、転職も見据えよう
前述のとおり、社内結婚には多くの精神的メリットがあります。全く知らない業種の彼・彼女を持ったときのように「毎日帰りが遅いんだけど残業かな、もしかして浮気かな」と不安を抱くこともないでしょうし、社内人脈も広がるでしょう。
その半面で退職できなくなる、不倫でキャリアも失いかねない、そして経済的リスクの3点を無視してまでオススメできるものではありません。社内結婚を視野に入れた内定受諾をするならば、「いざデメリットが目についたとき転職できるか」を入社前に確認しておきましょう。
そして最後に現実的すぎるアドバイスを。将来、もしあなたが社内で不倫したくなったら……ズルズル不倫関係を続けキャリアまで危うくさせるくらいなら、早期離婚をオススメします。離婚率が3割に至ったこともあり、離婚を理由にキャリアが阻害される事例はほとんどありませんから……。
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