本番の面接前に、模擬面接を行って事前に対策しておきたいけれど、やり方が分からない方も多いと思います。そこで本記事では模擬面接のやり方と、どのようなことが聞かれるかの質問集、服装などのマナーや注意しておきたいことまで解説しています。
<目次>
●模擬面接とは
●模擬面接を行うメリットは?
・面接をシミュレーションすることができる
・録画することで自分を客観的に見られる
・自分の弱点を把握することができる
●無料で模擬面接を頼むなら?
・志望する会社に勤めているOB・OG
・キャリアセンター
・就活エージェント
●模擬面接のやり方:5つのステップ
・ステップ1:ビデオ撮影機材を用意する
・ステップ2:聞かれることや企業の評価基準を確認する
・ステップ3:模擬面接を実施する
・ステップ4:厳しいフィードバックをもらう
・ステップ5:自分で再生して成功イメージを焼き付ける
●オンラインでやる場合はどうしたらいい?
・オンライン面接で注意したいこと
●模擬面接を特にやっておいた方がいい人は?
・緊張しやすく真面目な人
・面接経験が浅い人
・面接の結果がうまくいかない人
●模擬面接を本番の面接に向けて活用するためには?
・本番と同じように臨む
・回答は丸暗記しない
・質問は深掘りしてもらう
●おわりに
模擬面接とは
模擬面接とは本番の面接を想定した練習のことです。本番に近い状況にすることで面接のシミュレーションをすることができ、自分を客観視して弱点を把握できます。緊張して自分をうまく出せない人におすすめです。模擬面接を行うためには面接官が必要になるため、OB・OGに依頼したり、キャリアセンターや就活エージェントに頼んだりすることになります。
模擬面接を行うメリットは?
模擬面接を行うことで主に3つのメリットがあります。
面接をシミュレーションすることができる
どのような質問がされるのか、それにどう答えるのかを実際の面接のようにシミュレーションできます。本番で緊張してしまうかもしれない人や面接の経験が少ない人にはうってつけの練習方法です。複数回実施して本番の面接の雰囲気に慣れていきましょう。
録画することで自分を客観的に見られる
模擬面接の際には録画がおすすめです。録画をした自分を見ることで、相手からどう見られているのか、質問の受け答えに違和感がないかを分析することができるからです。「模擬面接を行い、録画した自分を見る」を繰り返すことで面接の精度をあげられます。
自分の弱点を把握することができる
先述したように録画を確認することで自分の弱点が見えてきます。どういった質問をされると答えに詰まってしまうのか、表情や口調などに違和感はないかなど見えてくるものはたくさんあるでしょう。自分の弱みを見つけたら自己分析をし直して改善しましょう。
無料で模擬面接を頼むなら?
模擬面接は一人で行うこともできますが、誰かにお願いした方が実際の面接をより再現できますし、以下の方法なら無料で頼むことができます。誰にお願いするとよりいいか解説します。
志望する会社に勤めているOB・OG
志望する会社に勤めているOB・OGにお願いすると業界ごとに異なる評価のポイントまで理解しているので、本番に近い模擬面接をすることが可能です。例えば、銀行はネクタイの色まで評価に入るといわれますし、総合商社は堅すぎる態度は評価されないといいます。こういった業界差を知るためにも、内定者の先輩に見てもらうといいでしょう。
OB・OGのツテがないと依頼できません。その場合は後述するキャリアセンターや就活エージェントなど外部に依頼するといいでしょう。
▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら ・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説 ・【こんなOB・OG訪問は落ちる】学生が知らない、失礼にあたるマナー11例を社会人のホンネ付きで再現してみた ・OB・OG訪問の質問リスト【厳選50選】 深い内容を聞くコツ・前日に送るメール例
キャリアセンター
キャリアセンターでは模擬面接を始め、エントリーシート(ES)の添削やOB・OGリスト、就活相談などのサービスを受けられます。特に私立大学では、就職率などの広報のために、就職支援に力を入れている場合が多いです。無料で誰でも利用できるので、活用するのも手です。
キャリアセンターではそれぞれの業界独特の質問はされにくい傾向があります。面接の全般の対策をしたい場合にはおすすめです。
就活エージェント
就活エージェントのサービスで模擬面接を受けることもできます。就活エージェントとは、就活生が内定を取れるようにキャリア相談から求人紹介、履歴書の書き方、面接練習までサポートしてくれるサービスのことです。「就活のプロにサポートしてもらいたい」方は利用するといいでしょう。
就活エージェントでは模擬面接以外でもサポートしてもらえるので、自分のペースで就活をしたい方には不向きかもしれません。また、エージェントによって相性もあるので、自分と相性の良いエージェントを見極める必要があります。
模擬面接のやり方:5つのステップ
ここからは、ステップ別に模擬面接の進め方をお伝えします。
ステップ1:ビデオ撮影機材を用意する
まずは模擬面接を撮影するためのビデオカメラを用意しましょう。スマホのビデオ撮影機能でも構いません。ポイントは、自分と面接官の全身がしっかり画面に入るようセッティングすることです。自撮り用のスタンドを使ったり、友達に撮影を頼んだりするといいかもしれません。
オンラインで模擬面接をする場合、ZoomやGoogle Meetといったツールの録画機能を使用するといいです。自分と相手の表情や声を録画できます。
ステップ2:聞かれることや企業の評価基準を確認する
模擬面接前にどのような質問がされるのか、企業にどう評価されるのか確認しておきましょう。また、質問集や評価基準は知人やOB・OGの方に模擬面接をお願いする場合に使用してください。
聞かれること/質問集
・自己PRをお願いします
・あなたの長所と短所はどのようなところですか
・あなたは周囲からどのように思われていますか
・他人に負けないところは何ですか
・学生時代に一番力を入れたことは何ですか
・あなたの研究内容もしくは専攻内容について教えてください
・サークルや部活動、アルバイトなどで得たものは何ですか
・弊社を志望した理由をお聞かせください
・他にどのような企業を受けていますか
・どのような軸で就活をしていますか
ワンキャリアでは選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)といったコンテンツがあり、企業ごとの面接の質問や雰囲気、内定者がどのようなことを対策したのか確認できます。その中に過去の実際の質問を掲載しています。本番と同じような質問をしてもらうために確認しておきましょう。
「質問内容」
逆質問が10分ある(メモを見ながら質問することができる)
・キャリアビジョンの再確認、深掘り
・AEとして活きると感じる自分の強み
・エンジニアの仕事は結構泥臭いけど大丈夫?
・学生時代に力を入れたこと
・やりたい仕事 ※出典:野村総合研究所|テクニカルエンジニア2025年卒本選考の最終面接
企業の選考の体験談を確認したい方はこちら
合格の秘訣を確認したい方はこちら
企業の評価基準
・服装・表情・姿勢の良さ
・声のスピード
・声の大きさ
・質問に答えるまでのスピード
・質問内容に答えられているか
・強みを自社で生かせそうか
・自社で長期間活躍できそうか
ステップ3:模擬面接を実施する
模擬面接では本番の面接と同じような環境、態度で臨みましょう。面接官役には、面接の採点もお願いすることが大切です。面接の態度で気になる点がないか、回答の内容で改善すべきポイントはないか確認してもらいましょう。
ステップ4:厳しいフィードバックをもらう
実際に面接が終わったら、率直なフィードバックをもらいましょう。模擬面接の相手が知り合いだったり先輩だったりすると優しい評価になってしまいがちですが、厳しい評価が欲しいと伝えるようにするといいです。
また、A社で喜ばれるエピソードがB社でも大歓迎されるわけではないため、下記のような質問をしておくことで、フィードバックを最大限生かせます。
・「志望業界以外でも、このエピソードで大丈夫でしょうか?」
・「他にB社を受けているのですが、このままのスタイルで通用するでしょうか」
その後、フィードバックを踏まえ、その場でもう一度模擬面接をしてもらいましょう。
勉強全般にいえますが、指摘をもらってからすぐ復習することで、体に「良い面接の仕方」が刷り込まれます。アドバイスをもらっただけで終わらせるのは「分かったふり」につながります。必ずその場で改善し、模擬面接を終わらせてください。
ステップ5:自分で再生して成功イメージを焼き付ける
最後に模擬面接官と別れたら映像をくまなく見てみましょう。1回目の撮影と2回目の撮影でどこが変わったのかを確認すると同時に、改善後のイメージを脳に焼き付けます。さらに気付いた点を自主的にメモできれば完璧です。
オンラインでやる場合はどうしたらいい?
オンラインで実施する場合は先述したようにツールの録画機能を使用しましょう。近年ではオンラインでの面接も多いため、オンライン面接に慣れておくのも大切です。
オンライン面接で注意したいこと
オンライン面接ではオフラインとは表情や声の伝わり方が違います。相手にどう見えているのか、どう伝わっているのかを意識するようにしましょう。
また、オンライン面接の場合ウェブの接続状況やビデオカメラの角度、背景も気にしておきましょう。
模擬面接を特にやっておいた方がいい人は?
模擬面接は面接の前に必ずやっておきたいですが、緊張しやすい人、面接の経験が浅い人、面接の結果がうまくいかない人は特にやっておいた方がいいでしょう。
緊張しやすく真面目な人
面接は初対面の人に自分を審査される場なので、慣れていないと緊張しやすいです。過度に緊張してしまうと本来の自分が出せず、もったいない結果になってしまうことも。事前に面接の雰囲気を知っておくことで緊張を和らげられます。
面接経験が浅い人
面接の経験が浅いと、面接のマナーやどのようなことを聞かれるのかが分からず、本番で想定外のことが起きてしまうかもしれません。とっさのことに対応する力も大事ですが、ある程度は予習しておいた方が安心でしょう。
面接の結果がうまくいかない人
何度も面接まで選考が進んでいるのに、面接になるとお祈りメールが来てしまう方は模擬面接を改めてした方がいいでしょう。録画された自分の姿を見て、改善すべきポイントが見えてくるかもしれません。
模擬面接を本番の面接に向けて活用するためには?
模擬面接を行ったのに、本番の面接で活用できなければもったいないです。上手に活用している人は本番と同じような環境や態度で臨み、フィードバックを参考にして面接に生かせています。どのようなことに注意すればいいか解説します。
本番と同じように臨む
模擬面接だからと油断して何も対策しないのは意味がありません。本番の面接と同じように事前に対策することが大切です。以下をきちんと確認しましょう。
・企業研究は行ったか
・自己分析に抜かりはないか
・自己紹介は用意しているか
・志望理由は伝えられるか
・服装に問題ないか
・持ち物は用意しているか
回答は丸暗記しない
ある程度用意しておくことは大切ですが、丸暗記をしてしまうと本番で柔軟に答えられなくなったり、緊張して内容が飛んでしまったりすることがあるかもしれません。自分の言葉として伝えられるようにしておくといいでしょう。
質問は深掘りしてもらう
面接では一問一答で終わることは少ないです。必ず質問を深掘りされるので、模擬面接でも同様に質問してもらうと本番の雰囲気に近づきます。自己分析を念入りにしておくと質問の深掘りに対応することができるでしょう。
おわりに
模擬面接を始め、面接対策を「恥ずかしいから」と避けてしまい、実際の面接で落ち続ける就活生が後を絶ちません。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。思い切って1時間、模擬面接を頑張るだけで、その後の通過率が大きく変わります。今、面接に苦しんでいる方も、これから就活をスタートする方も、思い切って内定した先輩に相談してみましょう。
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