企画職への就職を考えている学生は多いと思いますが、企画職として採用されるためにはどのような就活対策をすれば良いのでしょうか。
こちらの記事では、企画職の種類やその仕事内容、企画職に向いている人の特徴から、やりがい、年収、将来性、選考対策について詳しくご紹介します。
<目次>
●企画職とは? 企画職の分類と仕事内容
・リサーチャー
・商品企画・商品開発
・販売促進
・広報・PR・宣伝
・営業企画
・経営企画
●企画職とマーケティング職との違い
●企画職のキャリアパス・転職事例
・企画職の主なキャリアパス
・未経験(他職種)から企画職へのキャリアパス・転職事例
・企画職から他職種へのキャリアパス・転職事例
●企画職のやりがい・働くメリット
・働く上でのやりがい
・企画職の年収・待遇
・企画職の将来性
●企画職の厳しさ
・世の中に出すため大きな責任が伴う
・売上結果がプレッシャーにもなる
・考えた企画は通らないことの方が多い
・結果が出るまでが長い
・アイディアに詰まる
●企画職に向いている人
・求められる素養
・必要な経験・知識
・有利に働く資格・経験
●企画職での選考に向けた対策
・エントリーシート(ES)対策【志望動機例文付き】
・Webテスト対策
・インターン
・面接対策
・OB・OG訪問
●おわりに
企画職とは? 企画職の分類と仕事内容
企画職とは、アイデアを形にするために、商品やサービスの企画・開発から販売促進まで、多岐にわたる業務を担当する職種です。市場や顧客ニーズを捉え、戦略的にビジネスを推進する重要な役割を果たします。
ここでは、企画職をいくつかの分類に分け、具体的な仕事内容を詳しく解説します。なお、各職種の難しさや必要なスキルについても解説しており、企画職に求められる人物像を深く理解できるので、参考にしてみてください。
リサーチャー
リサーチャーは、企画職の土台となる仕事です。市場調査やトレンド分析を行い、企画を立案するためのデータや情報を集めます。企業が適切な企画を考えるためには、膨大な情報の中から自社のターゲットやニーズを踏まえて価値あるデータを抽出し、分析するスキルが必要です。企業によっては、リサーチ業務を外部に委託するケースも少なくありません。
<必要とされるスキル> ・情報収集力: インターネットやアンケート調査など、さまざまな情報源から価値あるデータを集める能力 ・分析力: 市場の動向や競合他社の施策を分析し、「このようなニーズがあるのでは?」といった仮説を立てる能力
商品企画・商品開発
商品企画は、商品のコンセプトを考え、具体的に「どのような商品を作るか?」を考える業務です。市場調査や顧客分析を通じて、消費者のニーズに基づいた新しい商品やサービスのコンセプトを立案します。
一方で商品開発は、商品企画で決定したコンセプトを形にする仕事です。デザインや機能、仕様、価格などを具体的に仕様書まで落とし込み、試作品を作りながら実際の商品化に向けて製作します。
基本的には商品企画・商品開発は異なる業務を行いますが、企業によっては同じ部署が担当する場合もあります。
<必要とされるスキル> ・発想力・企画力: これまでにないアイデアを生み出し、形にする能力 ・コミュニケーション能力: 社内外の調整やスケジュール管理・交渉力が必要
販売促進
商品の魅力を消費者に伝え、最終的に購買までつなげていく仕事です。広告やキャンペーン企画の設計、実施を通じて、商品やサービスを効果的に販売する役割を担います。また、結果が数値として分かりやすく現れるため、業務の達成感が強いのも特徴です。
<必要とされるスキル> ・マーケティング力: 顧客のニーズを理解し、購買につなげられる効果的なプロモーション戦略を立案する能力 ・クリエイティブ力: POPやポスター、店舗ディスプレイの企画、演出など、視覚的に訴えるプロモーション方法を考える能力
広報・PR・宣伝
広報・PR・宣伝は、企業や商品、サービスの認知度を高め、ブランドイメージを確立するための仕事です。雑誌やテレビ、プレスリリースなどのメディアを活用して情報を発信し、自社ブランドを社会に広げるための施策を実施します。一部の企業では、広報・PR・宣伝が異なる部署で行われる場合もあります。
<必要とされるスキル> ・強いコミュニケーション力:メディア関係者と密に連携する必要がある ・アイデア力:自社の魅力を伝えられるプレスリリースやイベント、テレビCMなどを考える発想力が必要
営業企画
営業企画の役割は、企業が販売目標を達成できるよう営業活動をサポートする仕事です。営業担当者が使う資料の作成なども行います。また、営業現場の声を吸い上げ、マーケティングや商品企画を橋渡しする役割を担うことで、企業の売上アップに貢献します。営業社員のモチベーションを向上させる施策を考えるのも大事な仕事の1つです。
<必要とされるスキル> ・分析力:売上・市場・顧客データの分析が必要 ・コミュニケーション力:社内外でのコミュニケーション力
経営企画
経営企画は、企業全体の長期的な事業戦略を策定し、成長に向けたサポートを行う仕事です。市場の変化や競合他社の状況などを分析して経営層が決めた方針をもとに、現場の業務プロセスや各部門への予算割り振りなどを具体的に落とし込みます。特に高度な分析力と経営視点が求められる仕事であり、各部門との橋渡しを行う役割も担います。
<必要とされるスキル> ・リーダーシップ力:経営層に近い視点からデータを高度に分析する力や部門間を調整する能力
企画職とマーケティング職との違い
ここでは、企画職とマーケティング職の5つの違いをご紹介します。
- 業務の範囲
- 目的の違い
- 作業のタイミング
- 顧客との関わり方
- スキルの違い
それぞれについて詳しく解説します。
業務の範囲
【企画職】
新しい商品やサービスのアイデア出しが主な業務です。市場調査の結果や顧客のニーズを踏まえて、具体的なコンセプトや仕様、価格などを考え、製品化に向けてプロジェクトを推進します。
【マーケティング職】
企画職で製作した既存、または新規の商品・サービスを「市場にどうやって展開するか?」を考えることが主な業務です。プロモーション戦略を決めて、広告やSNS、セミナーなどの施策を通じて、認知度をアップしたり実際の購買につなげたりします。また、製品の売上結果などを踏まえて成果を振り返り、次回に向けて戦略を改善するのも重要な業務です。
目的の違い
【企画職】
具体的に「どんな新商品や新サービスを作るか?」を考えることが目的です。顧客の潜在的なニーズを探り、それに応じた新しい機能や価値がある商品・サービスを考えることが求められます。
【マーケティング職】
企画職が製作した商品・サービスを「どう売るか?」を考えることが目的です。商品やサービスを市場に浸透させて売上を伸ばすための施策を考えていきます。顧客とのコミュニケーションを通じて購買意欲向上・販売促進を目指します。
作業のタイミング
【企画職】
商品やサービスが市場に出る前の段階で活動します。商品の開発業務やコンセプト作りなどと関わることが多い業務です。
【マーケティング職】
商品が完成したら、あるいは開発している過程で具体的な販売戦略を考えて、販売後に実行します。
顧客との関わり方
【企画職】
消費者のニーズをもとに、商品・サービスに新しい機能や付加価値などを加えるため、「顧客の潜在ニーズを探る」という形で関わります。
【マーケティング職】
「販売ターゲットとなる消費者を分析する」という形で関わった上で、商品やサービスの魅力をどう伝えるかを考えます。顧客とのコミュニケーションを通じ、具体的な販売戦略を設計することが役割です。
スキルの違い
【企画職】
アイデアを形にする「企画力」や、商品開発までのスケジュールに取り組む「プロジェクト管理能力」が求められます。さらに、チームをまとめてプロジェクトを進める「コミュニケーション能力」も重要です。
【マーケティング職】
市場の状況や顧客のニーズを把握する「分析力」や、集めたデータを活用するスキル、消費者心理を理解する力が求められます。また、こうして集めたデータをもとに消費者の購買行動を理解し、最適なプロモーション戦略を考えるスキルも必要です。
企画職のキャリアパス・転職事例
ここでは、企画職のキャリアパス・転職事例を3つご紹介します。
- 企画職の主なキャリアパス
- 未経験(他職種)から企画職へのキャリアパス・転職事例
- 企画職から他職種へのキャリアパス・転職事例
それぞれ詳しく解説します。
企画職の主なキャリアパス
企画職での経験を積むと、自身のスキルや仕事への考え方に応じて、さまざまなキャリアパスを選べるようになります。具体的には、専門性を高めてプロフェッショナルを目指す道や、マネジメントに挑戦して管理職になる選択肢などがあります。また、ブランディングやプロモーションなど、特定の分野でより深い経験の蓄積も可能です。
プロフェッショナルを目指す
特定の分野で専門的なスキルを磨くことで、企画職のプロフェッショナルとしてキャリアを構築できます。例えば、「マーケット分析のエキスパート」「斬新な商品を開発するスペシャリスト」「特定の業界に特化した企画の専門家」などが挙げられます。また、データ分析やマーケティングリサーチ、新規事業開発の専門家なども目指せるでしょう。
管理職になる
管理職への転職は、企画職の一般的なキャリアパスの1つです。企画職で培ったスキルをさらに磨けば、管理職としての道が開け、チーム全体が成功するよう貢献できるかもしれません。
管理職は、プロジェクト全体の統括や進捗(しんちょく)管理、メンバーの育成などを通じて、企業の成長に深く貢献します。経営層と現場の橋渡し役として、ビジョンを共有しながらプロジェクトを成功に導く重要なポジションです。
管理職に必要なスキルには、リーダーシップやコミュニケーション能力、マネジメント力、育成力が挙げられます。
ブランディングに関わる業務を行う
ブランディングは、企業や商品、サービスのブランド価値を高めるための戦略立案や実施に携わる仕事です。ブランドの強化は、企業の長期的な認知度アップや業績の向上に直結するため、企画職としてのやりがいを感じやすい分野といえます。
ブランディングに求められるのは、幅広い業界で通用するプロモーション戦略を考えられるスキルです。市場分析やターゲット設定などのスキルも身に付けられれば、異業種への転職においても強力な武器となります。
プロモーションに関わる業務を行う
プロモーションは、商品やサービスを消費者へ効果的に届けるための施策を、企画・実行する役割です。広告やキャンペーンの立案など、販売促進の中心的な役割を担うため、直接的な成果を感じやすい分野です。
未経験(他職種)から企画職へのキャリアパス・転職事例
他職種から企画職へ転職する理由には、「自分のアイデアを形にしたい」「世の中に影響を与えたい」「キャリアアップを目指したい」といった動機が多くみられます。
企画職は、自分の考えや発想を実際の商品・サービスに落とし込む役割を担うため、大きな達成感とやりがいを感じやすい職種です。
ただし、成果を出せる商品を作れるような即戦力の人材が求められるので、未経験者にとって採用ハードルは高い場合があります。また、成果が出るまでに時間がかかります。その上、企業の業績に直結する重要な役割を持つため、プレッシャーも大きい職種です。
一方で、異業種での経験がアドバンテージとなるケースもあります。例えば、マーケティングとしてプロモーションに関わった経験があれば、売れる商品を作るためのアイデア出しで役立つでしょう。また、営業での経験があれば、顧客とやり取りする際に役立ちます。
企画職から他職種へのキャリアパス・転職事例
ここでは、企画職から他職種へのキャリアパス・転職事例を3つご紹介します。
それぞれについて詳しく解説します。
マーケティング職
マーケティング職は、企画職で身に付けた市場調査やデータ分析のスキルなどを生かせる職種です。消費者のニーズを的確に捉えて商品やサービスに反映させて、効果的に市場へ届けるための戦略を考えることが求められます。
営業職
企画職を通じて身に付けた「顧客のニーズを理解する力」「ニーズにマッチした商品を考えて市場へ提案する力」は、営業職においても重要なスキルです。
企画職では主にデータからニーズを読み取っていました。一方の営業職では、直接顧客と接しながらニーズや要望を読み取り、相手の悩みや課題を解消できる提案を行うことが求められます。
IT業界の職種
システムエンジニアやプログラマーといったIT職種は、企画職からの転職先として有力だと考えられます。IT業界では、IT製品やサービスの企画立案から開発など、幅広いプロセスに関わる機会が多いです。そのため、企画職で身に付けた問題解決力やプロジェクト管理能力が役立ちます。特に新しいテクノロジーやサービスの導入に関心がある場合には、おすすめのキャリアパスです。
企画職のやりがい・働くメリット
ここでは、企画職におけるやりがいや働くメリットなど3つご紹介します。
- 働く上でのやりがい
- 企画職の年収・待遇
- 企画職の将来性
それぞれについて詳しく解説します。
働く上でのやりがい
企画職が働く上でのやりがいとしては、主に以下の4つが挙げられます。
0→1で新しいものを企画できる
企画職は、まだ世の中にない商品やサービスのアイデアを形にできるのが大きな魅力です。0から新しいものを生み出す過程では、多くの試行錯誤を繰り返す必要があります。しかし、商品が形になり売上を作れたときの達成感は、大きいものです。自分のアイデアが形となり、社会に影響を与えるというのは、企画職ならではのやりがいだと言えます。
自分が企画したものを世間に届けられる
企画職は、自分が考えた商品やサービスを世に送り出せる点が大きな魅力です。自分の手掛けた企画が形となり、消費者に届く瞬間は、大きな達成感と喜びを感じられるはずです。商品が成功して広く受け入れられた際には、プロフェッショナルとしての成長を実感できます。
他部署と連携して仕事ができる
企画職は、他の部署と連携しながらプロジェクトを進めます。例えば、開発部門と市場調査の結果を共有しながら、世間のニーズにマッチした企画を実現できるようプロジェクトを進めていきます。また、製造部門と生産計画やコストについて調整するのも企画職の役割です。
こうしたさまざまな部署との協力を通じて、全体的にプロジェクトを見る力や部署間の調整力が身に付くでしょう。プロジェクトを円滑に進めるスキルが身に付けば、将来的にマネジメント層へのキャリアアップも期待できます。
経営層へのプレゼンなど経営に関わる機会がある
企画職は、経営層に対してプレゼンを行う機会があります。なぜなら、会社の戦略にもとづいた商品やサービスを販売するには、まず企画を提案し経営層の承認を得る必要があるためです。
プレゼンに対して経営層からのフィードバックを受けられれば、経営の視点を学べます。こうした学びを得ながら自身の企画を推進できるのは、キャリアの成長にとって大きなメリットです。
企画職の年収・待遇
商品企画開発職(チェーンストア)の平均年収は「645万5,000円」です(※1)。日本全体の正社員(正職員)の平均年収である523万円を上回る高い水準になっています(※2)。
市場調査やプロジェクト管理、マーケティング戦略などの高度なスキルが求められ、成果によってはボーナスや昇給も期待できるかもしれません。
経験を積むごとに、給与や待遇の向上が見込まれ、管理職や大手企業での勤務ではさらに高い年収が期待できます。また、企画職は、多岐にわたる業務内容とキャリアの成長も魅力的な要素です。
(※1)参考:jobtag「商品企画開発(チェーンストア)」
(※2)参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
企画職の将来性
企画職の将来性について、以下2つの視点から解説します。
IT化
IT化が進む現代では、技術の進化に伴いデジタル技術を活用した新しい商品やサービスの企画が求められます。例えば、AI(人工知能)やVRなどが挙げられます。こうした世間で浸透しているITを商品やサービスへ反映させることができれば、企画職にとって大きな武器となり、企業の競争力を高められるでしょう。
グローバル化
市場のグローバル化が進む中で、企画職も国際的な視野を求められます。そのため、海外市場のニーズを理解し、グローバル展開を見据えた企画を立案できるスキルがあれば、今後は企業からも重宝されるでしょう。また、異文化への理解や語学力などを生かして、国際的なプロジェクトに携わるチャンスも広がっています。
企画職の厳しさ
企画職は、クリエイティブでやりがいがある一方、困難も多く存在します。新しいアイデアを形にして世の中に送り出すには、多くの責任が伴うため、プレッシャーに感じる方もいるかもしれません。ここでは、企画職ならではの厳しさについて掘り下げていきます。
世の中に出すため大きな責任が伴う
企画職では、企業の将来を左右する商品やサービスを世に送り出す重大な役割を担います。販売した商品が成功すれば企業の成長に大きく貢献しますが、失敗すれば多大な損失をもたらすかもしれせん。
こうした損失を防ぎ成功する企画を作るためには、責任感を持って「綿密な市場調査」「顧客ニーズの正確な分析」「複数部署との連携」などを行うことが必要です。
売上結果がプレッシャーにもなる
企画職では、商品の売上が能力の評価基準になるケースが多くみられます。良い結果が出せず企業の期待に応えられない場合、評価が下がるかもしれません。特に売上の具体的な数字が企画の成否を測る指標となるため、プレッシャーを感じるでしょう。
考えた企画は通らないことの方が多い
企画職が立案したアイデアは、必ずしもすべてが承認されるわけではありません。初期段階で却下されたり、何十案ものアイディアを出しても1つも通らなかったりするケースも考えられます。
しかし企画職では、こうした大変な状況でもモチベーションを保ち、新たなアイデアの商品を生み出さなければなりません。また、市場や顧客ニーズの変化を考慮し、却下された企画を改めてチェックできるような柔軟性も求められます。
結果が出るまでが長い
企画職は、製品のアイデア出しから市場導入までに長い時間がかかります。しかし、長い時間をかけても、企画が市場で受け入れられるかは分かりません。その間に費やす時間と労力に対する精神的な負担は、大きいものです。
もちろん、長い期間をかけても努力が報われないケースもあるでしょう。
アイディアに詰まる
企画職のようなクリエイティブな仕事は、インスピレーションが重要です。アイデアが浮かばない時期はストレスがたまりやすく、仕事の効率も落ちてしまいます。
新しいアイデアを出し続ける課題をこなしつつ、仕事のペースを安定させるには、常に幅広い情報に触れ、市場動向の分析が重要です。
アイデアに詰まったら、新聞や雑誌、インターネットなど、さまざまな媒体をもとに消費者の行動やニーズを深く掘り下げ、新たな発想につながる可能性を模索しましょう。
企画職に向いている人
ここでは、企画職に向いている人の特徴を3つの観点で整理してご紹介します。
求められる素養
企画職は、創造的なアイディアを生み出し、実現するための多様なスキルが求められます。ここでは、企画職に求められる素養を6つご紹介します。
発想力
企画職では、革新的なアイデアを生み出す能力が必須です。日常的にさまざまな視点から物事を考え、今までにないアイデアを考える力が求められます。従来の枠にとらわれない発想ができるようになることで、より魅力的な新商品を開発したり既存商品を改良したりできるでしょう。
また、販売促進の戦略を決めたり広報活動を行ったりする際も、消費者の心をつかむ斬新で効果的なアイデアを考える力が求められます。
新しいことにチャレンジするのが好き
「新しい技術やアイデアを考えて実際に挑戦する」という未知の領域を探求する好奇心と冒険心は、企画職において重要です。こうした姿勢を持つことで、業界の変化に対応しながら、ニーズやトレンドを踏まえた商品を生み出せます。
新しいことへの挑戦には失敗がつきものです。そのため、商品の成果を見ながら改善しつつ、社内外のイベントや異業種交流会、セミナーなどに参加してさまざまな知見に触れると、有効なヒントが得られるかもしれません。
コミュニケーション能力
企画職は、チームメンバーや開発部門、顧客、広告代理店など、社内外の関係者と関わる場面が多くあります。そのため、企画を成功させるには、関係者とのスムーズなコミュニケーションが欠かせません。相手の事情も踏まえつつ自分の主張を明確に伝えることで、チーム内外からサポートを得られるでしょう。
情報収集・分析力
市場の動向や顧客ニーズを正確に把握し、戦略を練るための情報収集・分析力は、企画職にとって不可欠なスキルです。情報収集・分析力があれば、集めたデータから正しく市場の状態や顧客ニーズを読み取り、より効果的な企画立案へと生かせます。
コツコツ努力できる
企画職の仕事は、アイデア出しから商品企画、販売に至るまでを年単位で進めることもあります。この仕事の過程では、企画が順調に進まないケースもあるでしょう。そうした中でも、諦めずに努力を続ける忍耐力が求められます。
論理的な思考力
企画職は、論理的に物事を考え、問題を解析する能力が求められます。論理的な思考力は、企画職で情報分析や企画立案などを行う際に必須です。例えば、市場の調査結果をもとに「◯◯という結果を見ると××のニーズがあると予想できるので□□という商品を作ろう」などと考えることもあります。
また、どのような企画も経営層の承認を得なければなりません。承認を得るためには、直感的なアイデアを説明するのではなく、論理的に「なぜこの商品が売れると考えたのか?」を説明することが必要です。
必要な経験・知識
ここでは、企画職に求められる経験や知識を3つご紹介します。
PCスキル
日々の業務で使用する各種オフィスソフトウエア(Word、Excel、PowerPointなど)の操作スキルが求められます。また、PhotoshopやIllustratorなどの画像編集ソフトも使いこなせれば便利です。具体的には以下のようなシーンでPCスキルを活用できます。
・PowerPoint:経営層向けのプレゼンテーション資料を作成する ・Excel:市場調査結果の情報管理やデータ分析に活用する ・Word:企画書を作成する ・Photoshop/Illustrator:商品やサービスのデザインを実際の商品に落とし込む
企画職としてより幅広い業務に対応するため、早いうちに習得しておくと有利です。
統計に関する知識
企画の仕事ではデータを扱う機会が多いです。もし市場調査の結果を間違えて解釈してしまうと、誤った結論を導き出してしまうかもしれません。そのため統計の知識を活用して、データが正確かどうかを見極めた上で、導き出された事実を正しく理解するスキルが必要です。
プレゼンテーションスキル
企画職は、商品のコンセプトを社内外で説明する機会が多い業務です。特に経営層向けの企画プレゼンでは、承認を得るために商品内容を分かりやすく説明したり、売上が上がる根拠を論理的に伝えたりする必要があります。このように、プレゼン次第で採用の可否が左右されるため、説得力のあるプレゼンテーションスキルが重要です。
有利に働く資格・経験
ここでは、企画職にとって有利な資格や経験を5つご紹介します。
販路コーディネーター
販路コーディネーターとは、マーケティング知識を活用して商品開発やブランディング、販路戦略などに関する知識を身に付けられる資格です。資格取得により、商品企画に必要なマーケティングスキルや販売戦略のブラッシュアップスキル、適切な販路選択などが身に付きます。
販路コーディネーターの資格は3級・2級・1級の3レベルに分かれており、3級から順に受検が可能です。また、1級に並ぶ資格として、マネジメントマーケティング・コンサルタント資格もあります。試験では、商品開発や販売戦略立案、販売促進戦略など、実務に即した内容が出題されます(※3)。幅広いマーケティング知識が身に付くため、企画職を目指す方にはおすすめの資格です。
(※3)参考:日本販路コーディネータ協会「販路コーディネータとは」
商品プランナー
商品プランナーとは、新商品や新サービスを企画し、世の中に送り出す業務を指します。商品プランナーの資格取得により、リサーチやアイデア出し、コンセプト作り、提案力、デザインなど、企画職に必要なスキルが総合的に身に付きます。
商品プランナーは民間の資格試験で、日本商品開発士会が主催しており、学歴や年齢、国籍などの受検制限はありません(※4)。学科試験は公式テキストに基づいて出題されるため、テキストをしっかりと学べば効率的に勉強できます。就職活動と並行して資格取得を目指すのも良い選択です。
(※4)参考:日本商品開発士会「商品プランナー資格とは」
ビジネスキャリア検定
ビジネスキャリア検定は、ビジネスに必要な専門知識や能力を客観的に評価する検定です。人事や人材開発、財務管理、マーケティング、生産管理、経営戦略など幅広い分野を勉強できます。企画職を目指す場合は「営業・マーケティング」を選ぶと役立ちます。
BASIC級・3級・2級・1級の4レベルに分かれており、まずは基礎知識を身に付けるためにも「BASIC級」から始めるのがおすすめです(※5)。
(※5)参考:中央職業能力開発協会「ビジネス・キャリア検定試験とは」
商品開発士
商品開発士は、市場の視点から商品を評価し、商品開発やマーケティングに関するアドバイスや指導を行う役割です(※6)。
商品やサービスを開発する際、開発者の意図が優先されて市場のニーズやトレンドが見落とされるケースも0ではありません。商品開発士の資格取得により、市場ニーズに合った商品を開発できているか客観的に判断する力が身に付きます。
(※6)参考:日本商品開発士会「商品開発士とは」
プレゼンテーション技能検定
プレゼンテーション技能検定は、プレゼンテーションに関する知識や技術などを証明する検定です。企画職ではプレゼンの機会が多いため、プレゼンテーションスキルを向上させる必要があります。
検定は3級・準2級・2級・1級の4レベルに分かれており、3級と準2級は受検資格に制限がないため、学生でも挑戦可能です(※7)。準2級を取得すると、実務レベルの知識や技術の証明になります。
(※7)参考:日本プレゼンテーション教育協会「プレゼンテーション技能検定」
企画職での選考に向けた対策
エントリーシート(ES)対策【志望動機例文付き】
企業が志望動機で注目しているポイントは、「会社で活躍できる人材であるかどうか」という点です。
企画職は、ニーズやトレンドを分析する能力やアイディア力を必要とする職種です。志望動機では、自身がこれらの力を発揮できたエピソードを交えて会社で将来活躍できることをアピールしましょう。
私の今までの経験を踏まえ、放送業務に携わり今までにない面白い番組制作をしたいと考えたからです。
中学・高校の時に放送部に所属していたのですが、そこでは学校の放送設備を活かして、いかに興味を引くような体験を生み出せないかと活動をしていました。例えば、昼休みの放送では新しいコーナーを設けたり、学校行事を撮影・録音したものを放送したりするなど、ただ音楽を流すだけで終わらせないよう試行錯誤をしました。文化祭ではホラー風味のラジオドラマ制作に取り組み、お化け屋敷の企画でなくても怖さを演出できました。他にも文化祭時に利用されていない教室のテレビと全校に映像放送できる設備を利用したデジタルサイネージの企画を立ち上げや、実際に放送スタジオを借りて番組制作を行うなど、新しい取り組みに挑戦し続けることができたと思います。
高校生の時からよくラジオを聴くようになったのですが、その中で一番大きく影響を受けたのが「○○」という番組で、○○になっていく○○○○アナウンサーを受験勉強の合間に眺めていたら、私も大学で研究室・サークルともに○○について取り組むようになっていました。ラジオ番組でありながら○○配信も行うという衝撃は今でも忘れられません。
この放送部で得られた放送技術と制作に関するスキルと、私の進路選択で大きな存在となった貴社で○○などの新しい技術を用いた新しい番組制作を行いたいという考えが、志望動機に結びついています。
※出典:ニッポン放送|企画系2024年卒本選考のES
内定者の志望動機をもっと見たい方はこちら
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Webテスト対策
Webテストは多くの企業で実施されており、企業ごとに異なるテストが使用されています。そのため、事前にテスト内容を把握し、対策をしておくことが重要です。
また、ワンキャリアでは就活生の体験談やそれをもとにした選考ステップを企業ごとに検索できます。自分の受けたい企業がどのWebテストを実施しているのか、選考を受ける前から対策したい方にはおすすめです。
▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら ・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
インターン
志望業界がある程度絞れて来たら、企業の説明会やインターンシップ(IS)に参加してみましょう。実際に社員の方々と接したり、お話を伺ったりすることでその会社の雰囲気や制度などをより詳しく知ることができます。また、説明会やISに参加することで本選考に役立てることもできます。会社説明会やISについて詳しく知りたい方は後述の記事を参考にしてみてください。
▼会社説明会について詳しく知りたい方はこちら ・トップ内定者はひそかに行っている!合同説明会を120%活用する裏ワザ ・就活もクチコミで選ぶ時代?説明会選びで困らない方法教えます #クチコミ公開中 ・就活の新定番。オンライン説明会だけのメリットから活用法までを徹底解説 ▼ISについて詳しく知りたい方はこちら ・入社後のミスマッチを減らすためにインターンシップで見極めるポイント:データで読む就活 ・インターンシップとは?その意味や目的・メリットを徹底解説!
面接対策
業界や会社によって面接で問われる内容は異なります。そのため、志望する業界に合わせた対策が必要です。以下では、業界や企業ごとに準備を進める際のポイントをご紹介します。まず、面接選考を通過するためには「企業目線」で考えることが重要です。内定の判断を行うのは、その企業の人事担当者や役員であるため、企業が求める人材像を理解することが不可欠です。経営計画などの企業情報を調べることはもちろんですが、企業側の視点に立ち、「どのような人材が求められているのか」を意識しながら面接準備を進めましょう。
また、面接対策では自己分析を行い、自分をアピールするための材料を揃えることも重要です。しかし、選考対策の順番としては、まず企業や業界の分析を行い、その後に自己分析を進める方が効果的です。企業のニーズを理解した上で自分の強みを整理することで、より説得力のあるアピールが可能になります。
ワンキャリアでは、企業ごとの選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)をご紹介しています。これにより、各企業が重視する評価ポイントや求める人物像を効率的に把握でき、情報収集の手間も省けます。企業研究を進める際には、ぜひご活用ください。
▼面接対策について詳しく知りたい方はこちら ・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例
OB・OG訪問
OB・OG訪問は、大学の先輩や知り合いを通じて紹介してもらったり、就活イベントを利用して社員と接点を持ったりすることで機会を得られます。これにより、説明会では得られないリアルな情報を知ることができ、業界や企業についての理解が深まることは間違いありません。
さらに、業界や企業によっては、OB・OG訪問の有無や訪問時の評価が選考に影響することもあります。訪問の回数が多いと「熱意がある」と評価されたり、質の高い質問をすることで「優秀だ」と思われたりすることがあります。
OB・OG訪問をすべきか迷っている場合は、まずは最初の1人、同じゼミやサークルの先輩など身近な人から始めてみると良いでしょう。
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おわりに
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(Photo:metamorworks/Shutterstock.com)