営業職への就職を考えている学生は多いと思いますが、営業職として採用されるためにはどのような就活対策をすればいいのでしょうか。
本記事では、営業職の種類やその仕事内容、営業職に向いている人の特徴から、やりがい、年収、将来性、選考対策について詳しくご紹介します。
<目次>
●営業職とは? 営業職の仕事内容と魅力
・主な仕事内容
・販売職との違い
・マーケティング職との違い
●営業職の分類
・顧客別による分類
・営業方法による分類
・営業形態による分類
・扱う商材による分類
●営業職のキャリアパス・転職事例
・営業職の主なキャリアパス
・他職種・未経験から営業職へのキャリアパス・転職事例
・営業職から他職種へのキャリアパス・転職事例
●営業職のやりがい・働くメリット
・働くうえでのやりがい
・営業職の年収・待遇
・営業職の将来性
●営業職に向いている人
・求められる素養
・必要な経験・知識
・有利に働く資格・経験
●営業職に向いていない人・つらいと言われる理由
・営業職に向いていない人
・営業職がつらいと言われる理由
●営業職での選考に向けた対策
・エントリーシート(ES)対策【志望動機例文付き】
・Webテスト対策
・面接対策
・OB・OG訪問
・語学力を磨く
●おわりに
営業職とは? 営業職の仕事内容と魅力
営業職は顧客へ商品やサービスを提案するのがメインですが、具体的にはどのような仕事をしているのでしょうか。以下では、仕事内容と魅力を解説していきます。
主な仕事内容
営業職の主な仕事内容は6つです。それぞれ解説していきます。
営業戦略の立案
営業戦略とは、営業活動で必要なアクション計画を立てる仕事のことです。この営業戦略をもとに、「商品の販売数を前年度より10%増やす」といった目的を達成するためのアクションを起こします。実現可能な目標や詳細なペルソナを設定することで、より具体的な営業戦略を立案できるでしょう。
顧客のリサーチ
営業職は、顧客へ商品を提案する仕事です。そのため、顧客の購入意欲を高められるよう、顧客をリサーチしてニーズを把握することが重要です。顧客のニーズや課題をリサーチし、商材の特徴やアピールポイントを踏まえ提案することで、成約につながるでしょう。
営業活動・見積もり作成
営業活動としては、「アポを取って顧客のもとへ直接出向いて商品・サービスを提案する」「飛び込みで新規顧客へ提案する」などの業務が該当します。営業先へ持って行く見積もりの作成も、営業担当者の仕事の1つです。
また、営業活動は新規の商材提案に限りません。既存顧客へ追加購入を促すために足を運ぶ場合もあります。
商品・サービスの手配
営業職は商品やサービスの準備も行います。契約内容に間違いがないか確認したうえで発注する必要があるため、正確性が求められます。顧客を待たせないよう迅速な対応も必要です。
こうしたことを踏まえてスケジュールを確認し、納品トラブルが発生しないようにするのも仕事です。
納品・請求
商品やサービスに不備がないか確認を済ませたのち、顧客へ納品するのも営業職の仕事です。この際、注文通りかどうかの確認作業も行います。
請求書を作成するケースもあるため、書類に記載漏れや金額ミスなどがないよう、隅々までチェックするのも業務の1つです。
アフターフォロー
納品後の顧客に対し、商品やサービスに関する連絡をすることも営業職の仕事です。「商品・サービスに不具合がないか」「困っていることはないか」などを電話や対面で聞き、顧客のサポートをします。
こうしたアフターフォローを積み重ねることで、今後の営業活動につなげやすくなります。例えば、日頃から把握していた既存顧客の悩みを解消できる新製品が発売されたら「アフターフォローのタイミングで追加提案する」といったイメージです。
このようにアフターフォローは、顧客の満足度を高めるためだけでなく、今後の営業につなげるためにも必要です。
販売職との違い
販売職と営業職には、大きく以下の2つの違いがあります。
- 顧客の購入意欲
- 具体的な業務内容
販売職は主に、来店した人に対して商品を販売します。そのため、購入意欲が高い人を相手に商品を売るケースが多い仕事です。スーパーやコンビニエンスストアなどが当てはまります。具体的な業務としては、接客やレジ打ち、在庫管理、品出しなどを行います。
一方で営業職は、顧客が商材に興味を持っていない状態から売り込むことが多い仕事です。まずは顧客の悩みを聞き出してから、課題解決ができる商品を提案していきます。具体的な業務として、提案や顧客リサーチ、納品、見積書の作成、アフターフォローなどを行います。
販売職も営業職も人と関わる機会が多い仕事ですが、「どのような顧客に商品を販売するか?」「どのような業務をするのか」という点に違いがあります。
マーケティング職との違い
マーケティング職と営業職の違いは、以下の通りです。
- 商品を販売するうえでの役割
- 具体的な業務内容
- 成果を出すまでの期間
マーケティングは、顧客に売れる商品を作るまでの土台を作り、宣伝まで行う仕事です。具体的には、市場調査や分析、ニーズを踏まえた製品企画の立案、顧客へ届けるための宣伝方法の策定などを担当します。顧客に「ほしい」と思われるような商品やサービスを作れるように、市場のトレンドや個人のニーズなどをじっくり調査するため、比較的長期的に取り組むケースが多いです。
一方で営業職は、実際に顧客に商品を提案する仕事です。顧客のリサーチや商談、アフターフォローなどを行います。成約を取って売上を出すことがメインであり、マーケティング職と比較して短期間で成果を作ることが求められるでしょう。
このようにマーケティング職と営業職は、「商品を販売するうえでどんな役割を持つのか?」「どのような業務を担当するのか?」「どのくらいの期間で成果が求められるのか?」の3点に違いがあります。
営業職の分類
営業職を分類するにあたって、次の4つの観点があります。
- 顧客別による分類
- 営業方法による分類
- 営業形態による分類
- 扱う商材による分類
それぞれ解説していきます。
顧客別による分類
ここからは、顧客別に種類を解説していきます。
法人営業
法人営業は企業や団体を相手に商材を売る仕事です。金融商品やITシステム、広告、人材サービスなど、有形・無形を問わず幅広い商材を取り扱います。個人営業に比べると、金額が大きな契約を取れる可能性が高いのも特徴です。大きな仕事を任された場合は、自分のスキルを高められるいい機会になるでしょう。
個人営業
個人営業は、個人を相手に営業を行う仕事です。保険やインターネット回線、自動車、住宅、食料品といった商材を扱います。個人営業は顧客との距離が近いため、直接意見を聞きやすいのが特徴です。自分の性格なども知ってもらい顧客との信頼関係を築くことで、成約につなげやすくなるでしょう。
営業方法による分類
次に、営業方法別に解説していきます。
新規営業
新規営業は、新しい顧客を見つけて営業することをいいます。飛び込みやテレアポなどの営業スタイルが一般的です。0から営業を進めるため、既存顧客へ商品を提案するより、契約を取るのに時間がかかるでしょう。初対面から徐々に信頼関係を築き、少しずつ相手の悩みや課題などを引き出すスキルが必要です。
ルート(既存)営業
ルート営業は、既存顧客に対する営業活動のことをいいます。すでに関係を築いている顧客を対象とするため、新規営業とは違い契約につなげやすいのが特徴です。既存顧客の「商品を使う中での悩み」「追加の要望」などを聞いたうえで、ニーズに合った別商品や新商品を紹介したりします。
深耕営業
深耕営業は、既存顧客とさらに深い関係を築いて新商品などの提案につなげる営業のことをいいます。より入念な顧客へのヒアリングを実施し潜在ニーズを引き出したうえで、マッチする別の商材や新商品を提案します。顧客と営業担当者との間に強い信頼関係がなければ成り立たない営業スタイルです。
訪問営業
訪問営業は対面で営業する方法であり、最も基本的な形式です。まずはテレアポなどで顧客に興味を持ってもらい、訪問の承諾を得たら、直接出向いて商品やサービスを紹介して提案します。訪問営業ではアポを取ることが多いため、まずは事前連絡の段階で「いかに顧客の興味をひきつけられるか?」が重要です。
飛び込み営業
飛び込み営業は、アポを取らずに営業することをいいます。新規顧客を獲得できる可能性がある一方で、急な訪問になるため断られるケースもある方法です。
アポなしで訪問するため、断られる数も多く警戒心を抱かれやすいでしょう。そのため、最初のあいさつやトークの段階でいかに信頼感を得て、「具体的な商品に関する話を聞いてもらえる状態にできるか?」が重要です。
テレコール営業
テレコール営業とは別名「電話勧誘」とも言い、電話で営業を行うスタイルです。対面ではなく電話で営業を進めるため、移動時間の削減して営業担当者の負担も軽減できます。
電話中は相手の表情が見えないため、言葉遣いにはより一層気をつけなければいけません。さらに、口頭で商品やサービスをうまく説明しなければいけないため、わかりやすくプレゼンできるスキルも求められます。
インサイドセールス
インサイドセールスは、商品やサービスの利用や購入の見込みがある顧客に対し営業を行うことをいいます。電話やメール、DMなど非対面で営業を行うのが一般的です。テレコール営業のように直接足を運ばずに営業活動を行えるため、地域を限定せず営業できるのが特徴です。
反響営業
反響営業は、自社サイトやテレビ、SNS、ウェブ広告などを経由し、自社に興味を持って問い合わせて来た顧客に対して営業を行う方法です。問い合わせや資料請求をする人は、すでに商品やサービスに関心を持っています。そのため成約率が高く、営業活動を効率化し担当者の負担を軽減したうえで、成果につなげやすいでしょう。
受付営業
受付営業は、受付で顧客の対応をする仕事のことです。顧客の依頼や問い合わせなどへの対応を行います。顧客からの質問に答える機会が多いため、商品やサービスの情報を深く広く頭に入れておくことが必要です。
カウンターセールス
カウンターセールスは、来店した顧客に対して窓口で営業を行う方法です。内勤営業とも呼ばれ、基本的には商品やサービスに興味を持った顧客に提案をします。カウンターセールスは、保険や不動産、携帯販売会社に多い傾向にあります。
海外営業
海外営業は、海外の企業を相手に営業を行う方法です。営業のほか、市場調査やマーケティングなども行います。海外で活動するだけでなく、日本で海外の担当者とやり取りしながら働く場合もあります。海外の企業を相手に営業するため、コミュニケーション力はもちろん、語学力も求められる仕事です。
医薬営業(MR)
医薬営業とは、主に製薬会社に所属しながら、薬剤師や医師を対象に医薬品の情報を提供する仕事のことをいいます。営業ではありますが医薬品の販売は行わず、あくまでも「医薬品に関する正しい情報の提供」がメインです。
医薬営業は、人の健康や命に関わる情報を取り扱います。そのため、医療従事者に正確な情報を伝えられるよう、医薬品に関する勉強をこまめに行う必要があります。
営業形態による分類
以下では、営業形態ごとの種類を解説しています。
メーカー営業
メーカー営業は、自社の商品やサービスを販売する形態です。販売相手は、主に卸売業や小売業、販売代理店などの法人です。新規営業やルート営業などが用いられます。
商社営業
商社営業は、仕入れ先と顧客の仲介人になって営業を行う形態です。メーカー営業のように自社の商品を取り扱うのではなく、企業から仕入れた商品や材料などを別の企業へ販売し、仲介手数料を得ることで利益を出しています。商社営業は、販売だけでなく仕入れを担当する場合もあります。
代理店営業
代理店とは、メーカーの代わりに顧客へ営業活動を行う企業のことをいいます。代理店営業は、この代理店がスムーズに商品を販売できるようなサポートを行います。具体的な業務は、代理店を引き受けてくれる企業の新規開拓や代理店への自社商品の説明、成果を出してもらうためのコンサルティングなどです。代理店営業が用いられている業界は、保険会社や広告会社、携帯販売会社などです。
扱う商材による分類
ここからは、扱う商材ごとに解説していきます。
有形営業
有形営業は、食品や衣類、自動車、不動産、OA機器、工業製品など、形がある商品を取り扱う営業のことをいいます。顧客からのニーズをもとに、悩みの解消にマッチした機能を搭載した製品を提案することが一般的です。
無形営業
無形営業は、人材研修やウェブサービス、採用支援、広告、保険など、形がない商品を取り扱う営業のことをいいます。製品の形がないため、よりわかりやすく自社の魅力を伝えるプレゼン能力が求められます。無形であるため、比較的顧客のニーズに合わせてカスタマイズしやすい点も特徴です。
営業職のキャリアパス・転職事例
ここからは、営業職のキャリアパスや転職事例に関して解説していきます。
営業職の主なキャリアパス
営業職がキャリアを積むためのルートは、5つの方法が挙げられます。それぞれ解説していきます。
定年まで営業担当を継続する
定年まで仕事を続けることで営業スキルが身につき、長きにわたって現場から企業の売上に貢献できます。自分の経験やスキルを生かして定年まで担当し続けるのも、営業職のキャリアパスの1つです。
営業を長く続ける中で、「顧客から難しい要望を依頼された」「思うように契約が取れない」など、さまざまな困難な状況を通ることもあるでしょう。そういった課題を乗り越える力があれば、大きな戦力になり企業に必要不可欠な人材になれます。
営業マネジメント・管理職に昇進する
営業職で経験値やスキルを高めると、営業マネジメントや管理職へ上がれます。企業によって異なりますが、営業職の場合は、以下のような流れで昇進することが一般的です。
1. 主任 2. 係長 3. 課長 4. 部長 5. 役員
営業職で昇進するには、単に営業のスキルがあればいいわけではありません。チームをまとめるマネジメント力や、部下が成果を出せるように育成するスキルなどが求められます。
総務・企画など他部署へ異動する
営業職だけでなく、総務や企画などの部署へ異動するケースもあります。なぜなら総務と企画職は、営業職での経験を生かして働けるからです。例えば総務であれば、業務の一環で電話対応をするため、営業職で身につけた会話術を生かしながら働けます。企画職では、営業現場で直接聞いた顧客の意見を生かして、よりニーズに沿った商品やサービスを企画できるでしょう。
他業種・他業界へ転職する
営業職とは別の業種や業界へ転職する方法もあります。営業で身につけたヒアリング力やリサーチ力、提案力などは、別の業種や業界でも生かしやすいでしょう。例えばコンサル業界であれば、営業で培ったヒアリング力を生かして顧客の課題を丁寧に引き出し、最適な解決策を提案するのに役立てられます。
独立・起業する
営業経験や知識を生かして、自分の会社を持つのも夢ではありません。営業職を経て独立すると、過去に取引していた顧客が自分の会社と取引してくれる可能性があります。また、営業スキルを生かして新規顧客も獲得しやすいでしょう。
他職種・未経験から営業職へのキャリアパス・転職事例
ほかの職種や未経験から営業職へ転職することも可能です。以下では、営業職への転職ができる職種を3つ紹介しています。
- 事務職
- 接客販売職
- SE職
それぞれ解説していきます。
事務職:「ホスピタリティ」が生かせる
「ホスピタリティ」とは、思いやりやおもてなし精神のことをいいます。事務職は電話や来客対応、資料作成などを行うため、自然と「相手が聞きやすいトーンで話せているか?」「見やすい資料を作れているか?」といったホスピタリティ精神が身につきます。
このホスピタリティ精神は営業職でも、顧客の悩みに思いを巡らせて最適な商品やサービスを提案する際に役立つでしょう。このように、たとえ営業職の経験がなくても、事務職でホスピタリティを意識して働いた経験があれば十分活躍できます。食品や衣類などを販売する「接客販売職」のスキルは営業職でも生かせます。接客販売職では人と接する中で、相手の表情や声のトーンなどから顧客の気持ちやニーズを考えることも多いでしょう。こうして身につけた観察力や思考力は、営業職の仕事で顧客の困りごとを表情や会話の中から読み取る際にも役立ちます。
接客販売職:「個人相手の接客スキル」が生かせる
食品や衣類などを販売する「接客販売職」のスキルは営業職でも生かせます。接客販売職では人と接する中で、相手の表情や声のトーンなどから顧客の気持ちやニーズを考えることも多いでしょう。こうして身につけた観察力や思考力は、営業職の仕事で顧客の困りごとを表情や会話の中から読み取る際にも役立ちます。
SE職:「IT知識」「課題分析・提案力」が生かせる
SE職は、システム開発やプログラミングを行う職業です。特に営業でIT関連の商材を取り扱う場合は、専門的な機能やサポート内容などを噛み砕いてわかりやすく顧客へ説明できるため、SE職で身につけた知識が役立つでしょう。
ITサービス以外を扱う営業職の場合も、SE職で身につけた「課題を分析する力」「課題を解消するシステムを提案する力」などを生かせるため、未経験でも活躍が期待できます。
営業職から他職種へのキャリアパス・転職事例
ここからは、営業職からほかの職種へ転職する際の事例を紹介します。
事務職
事務職は資料作成や書類整理、来客対応などを担当する仕事です。営業職のように常に人と関わるわけではありませんが、電話やメール対応などを行うためコミュニケーション力が求められます。そのため、営業職で身につけた相手の話を聞く力や話をうまくまとめる力を生かせる職種だといえるでしょう。
また、営業職では提案作業だけではなく、見積書の作成や受注数の確認といった細かい業務も行います。事務職ではこうした細かい書類確認などがメイン業務となるため、営業職での経験を生かせるでしょう。
販売職
販売職も人と関わる仕事で、営業職とのつながりが強いです。販売職は商品の品出しやレジ打ち、在庫管理など、販売に関わる業務を一貫して行う場合がほとんどです。そのため、営業職で鍛えた広い視野で周りを見渡す力と臨機応変に対応できる力を発揮できるでしょう。
さらに、人と接する機会が多い職種でもあるため、コミュニケーション力も生かせます。リサーチ力やプレゼンテーション力があれば、来店した人の購入意欲を高める際の大きな武器になるでしょう。
人事
人事も営業職のように、人と接する機会が多い職種です。自社の人材採用や育成、適正を踏まえた配置の決定などを担当するため、相手の性格や気質などの本質を見抜き、適切に判断を下せる力が求められます。
こうした判断を下す際に役立つのが、営業職で身につけられるコミュニケーション力です。コミュニケーションを通じて「どのような人なのか?」を見抜ければ、自社にマッチした人材を採用したり適性にあった配置を決めたりする際に役立ちます。
企画・マーケティング職
企画・マーケティング職は、市場調査やデータ分析、企画などを担当する職種です。集めた情報をもとに、顧客のニーズに合った商品やサービスを企画します。
営業職でも、相手のニーズに沿って提案できるよう顧客のリサーチが欠かせません。そのため、企画・マーケティング職へ転職する際は、営業で培った調査力や分析力、思考力が大きな武器になるでしょう。
コンサルタント
コンサルタントは、クライアントの課題解決を目的にアドバイスしたりサポートしたりする職種です。コンサルタントには、戦略や人事、医療、ITなどさまざまな種類があります。
どの種類のコンサルティングをするにしても、顧客の課題や悩みを引き出して原因を調査・分析し、最適な提案を行う能力が必須です。そのため、営業職で培ったヒアリング力やリサーチ力、課題解決力、提案力などを発揮できるでしょう。
商品開発
商品開発は、商品の開発や改良を行う職種です。商品開発は、市場やトレンドをリサーチし、「どのような商品が求められているのか?」を考え、開発に生かすことが仕事です。
営業職では直接顧客の声を聞く機会が多いため、商品を開発する際はこれまで現場で集めてきた意見を生かせるでしょう。また、商品のプレゼンテーションをするのも仕事の1つです。商品の特徴や良さをうまく相手に伝えるスキルも求められるため、営業職で鍛えたプレゼンテーション力も生かせるでしょう。
ITエンジニア
ITエンジニアは、主にシステムの設計や運用を行う仕事です。システムエンジニアやサーバーエンジニア、フロントエンジニアなど幅広い種類があり、それぞれで担当する領域は異なります。
ITエンジニアで必要なのは、顧客から悩みを引き出すための「コミュニケーション力」や、最適なシステムを考えて説明できる「提案力」です。そのため、営業職の経験が大きな武器になります。また、専門性の高い職種のため、専門的な知識を持っておいたほうが就職で有利です。しかし、人手不足の業界ではあるため、未経験でも挑戦しやすいでしょう。
秘書
秘書は、スケジュール調整や来客対応、資料作成などをして上司の仕事をサポートする職種です。1日にやる仕事が多く、臨機応変な対応を求められることが多いのが特徴です。
営業職も商談や会議などさまざまな業務があり、急な納期変更も発生します。そのため、営業職で臨機応変なスケジュール調整力や複数の業務をこなせる対応力などを身につけていれば、秘書に転職するのも1つの道です。
スーパーバイザー
スーパーバイザーは、複数店舗やエリアの管理を行う職種です。主に飲食店や小売店、コールセンター、医療現場などに配置されています。各店舗の業績管理や人材育成、トラブル対応などを行います。
多くの部下や業務を管理する必要があるため、コミュニケーション力や臨機応変な対応力などが必要です。これらの力は営業職で鍛えられるため、スーパーバイザーでも活躍が期待できるでしょう。
営業職のやりがい・働くメリット
ここからは、営業職のやりがいや働くメリットを解説していきます。
働くうえでのやりがい
営業職は大変な面が多いですが、やりがいを感じやすい仕事です。営業職のやりがいは、以下の8つが挙げられます。それぞれ紹介していきます。
顧客との距離が近く、貢献を実感しやすい
営業職は顧客の考えや要望を直接聞けるのが特徴です。ニーズに合った商材を提案し相手に喜んでもらえれば「顧客の役に立てた」と実感できるため、営業職に就いて良かったと思えるでしょう。
悩みや課題を解決し、感謝されることが多い
営業職は、顧客が何に悩み、何を求めているのかをリサーチして、解決策を提案する仕事です。そのため、顧客のニーズにマッチした商品やサービスを提案できると、相手から感謝されます。
「◯◯さんが担当で良かった」「すてきな商品を提案してくれてありがとう」など、優しい言葉をかけられると、頑張って良かったと思うでしょう。感謝をされると仕事に対するやる気も上がるため、営業職の楽しさを感じられます。
どの業界でも通用するスキルが身に付く
営業職ではコミュニケーション力や提案力、思考力、リサーチ力、臨機応変な対応力などを身につけられます。これらのスキルはどの業界でも生かせるため、将来的に転職を考えたときにアピールポイントを増やせる点が魅力です。
特に営業職は、顧客のニーズに沿った提案をすることで成果につながる仕事です。そのため、成約してもらうために考え抜いた経験を積み重ねれば、どのような仕事でも成果を残せる土台を作れるでしょう。
努力次第で収入を増やせる
営業職は、成果を出した分だけ収入に反映される「インセンティブ制度」があることが多いため、頑張り次第で年収アップが期待できます。結果を出すには、自分のスキルアップや日頃の努力が必要なため大変です。しかし、結果を出した分だけ目に見える形で評価されるため、やりがいを感じるでしょう。特に不動産や自動車、保険業界はインセンティブが高い傾向にあります。
実績が評価につながりやすい
営業の実績は数値に現れるため、社内での評価につながりやすいのが特徴です。結果を出して評価されれば、インセンティブが高くなるだけでなく、昇進のチャンスも増えるため、高みを目指しやすい仕事だといえます。売上や契約数を上げると、課長や部長になることも夢ではないでしょう。
年齢や経験を問わずに活躍できる
営業職は実力主義であることが多いため、年齢や経験を問わずに働けるケースが一般的です。知識やスキルだけでなく熱意もあれば結果を出すことができるため、未経験者や若者でも活躍できる可能性があるというのが営業職の良さです。
幅広い人脈を築ける
営業職は、人と接する機会が多いため、さまざまな人と交流できるのが特徴です。ビジネスにおいての人脈は、情報収集や新たな取引先を見つける際に役立ちます。営業先からの紹介で新規顧客につながる場合もあれば、転職や独立の相談に乗ってもらえる場合もあるでしょう。このように、自分の可能性を広げられるため、人脈を築いておくことは大切です。
独立しやすくなる
営業職で身につけた知識やスキルがあれば、独立も夢ではありません。独立後も、営業スキルを生かして顧客を見つけられるほか、これまで関係性を築いてきた顧客が取引してくれる可能性もあります。新規顧客の開拓にかかる負担を減らせるため、営業未経験よりも独立に有利だといえるでしょう。
さらに、実力次第では会社勤めのときよりも年収を上げることもできます。
営業職の年収・待遇
営業職の年収は、どのような商品やサービスを取り扱うかによって異なります。例えば、IT営業なら「620万4,000円」(※1)、保険営業なら「469万2,000円」(※2)といったイメージです。営業課長の場合は「885万3,000円」(※3)というように、昇進するとさらに高収入が期待できます。
営業職は待遇の良さが注目されている職種です。例えば「トヨタ自動車」であれば、フレックス制度や寮や保養所、専用スポーツ施設といった待遇が充実しています(※4)。「パナソニック」なら、自社製品の割引や社宅への入居などを活用できます(※5)。
(※1)参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)「営業(IT)」
(※2)参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)「保険営業(生命保険、損害保険)」
(※3)参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)「営業課長」
(※4)参考:TOYOTA「トヨタの環境」
(※5)参考:パナソニック マーケティング ジャパン株式会社「営業部門 募集要項&エントリー」
営業職の将来性
ここからは、営業職の将来性について解説していきます。
AI技術の急速な進化
営業職の仕事は、AI技術の進化により減るのではないかと予想されています。例えば「顧客情報をAIで分析して最適プランを提案する」といったことも可能になっているため、業務の負担が軽減される一方で、仕事自体がなくなるのではないかと不安に感じることもあるでしょう。
しかし、顧客の深い悩みや課題は、まだ人の手で引き出す必要がある場面が多いです。そのため、AIによって顧客リサーチや情報収集の業務は減りますが、肝心な「相手のニーズにマッチした提案を考え魅力的に説明する」という部分は、まだまだ営業担当者になっていくことでしょう。
新型コロナウイルスによる営業方法の変化
これまでは顧客のもとへ足を運び、対面で説明や提案をするのが営業の基本でした。しかし今は、テレビや電話のほか、オンラインでの営業スタイルが一般化しており、場所を問わずに活動できるようになりました。
これは、新型コロナウイルスで人との接触を最小限にする必要性が出たことをきっかけに主流となった営業方法です。非対面営業に切り変えることで、営業担当者の体力的な負担も軽減できます。
労働生産性が上げにくい職種
労働生産性とは、1人または1時間あたりの生産量のことをいいます。営業職の売上は担当者の力量に依存するケースも多いため、どうしてもこの労働生産性に限界があるのです。
しかし近年ではAIの変化により、ある程度は営業活動を効率化できるようになりました。今後もさらにAIは進化し続けると予想できるため、労働生産性は上げられると考えられます。
課題解決能力が高い人が求められる
こうした状況下で営業職が生き残るには、顧客の課題や悩みを解決できることが重要です。課題解決力があれば、顧客のニーズを深く理解し、最適な商品を提案する際に役立ちます。AIでもある程度は市場分析などを行えますが、顧客個人に深く向き合うことはまだまだ難しいでしょう。
専門知識を持つ人が有利
営業職は、人材・保険などの無形商材や、不動産・自動車などの有形商材など、さまざまな商品やサービスを取り扱います。中でもITや証券、医薬品などの専門性の高い商品を取り扱う場合は、より詳しい知識を持っているほうが就職の際に有利です。顧客側の視点でも、専門的な知識を持つ人から購入したほうが安心感があるでしょう。
営業職に向いている人
ここからは営業職に向いている人の特徴を紹介していきます。自分の性質と当てはまるか確認しながら見ていきましょう。
求められる素養
営業職で求められるスキルは、10項目です。それぞれ解説していきます。
コミュニケーション能力
営業職は、顧客と会話して信頼感を築いたうえで商品やサービスを提案します。そのため、コミュニケーション力は必須です。顧客の話を聞きながら悩みや課題を見つけ出し、その情報をもとに商品やサービスを提案できるよう、コミュニケーション力を鍛えましょう。
ヒアリング能力
ヒアリングとは、ただ話を聞くだけではなく、聞いたことから相手の悩みや課題を引き出すことをいいます。ヒアリング能力があると、顧客の悩みや課題を把握できるため、ニーズに合った商品やサービスを提案できます。顧客の話に耳を傾けて適切な商品を提案することで顧客の信頼も得られるため、ヒアリング能力を身につけましょう。
課題発見力
課題発見力は、顧客の悩みや課題を見つける際に役立つスキルです。顧客の中には、自分の悩みや課題を把握できている人もいれば、何に悩んでいるのかわからない人もいます。そういった人の悩みや課題を会話の中から引き出すことも営業職の仕事です。そのため、課題発見力があると営業職で活躍できるでしょう。
プレゼンテーション能力
プレゼンテーション能力は、顧客に商品やサービスを提案する際に必要なスキルです。商材を顧客に提案する際は、機能はもちろん「どのように課題や悩みを解決できるのか?」をしっかりと伝える必要があります。
もしもプレゼンテーション能力が不十分だと、顧客に納得してもらえず成約には結びつきません。顧客の興味をひきつけるうえで、プレゼンテーション能力は欠かせないスキルの1つです。
トラブル対応力
営業職はトラブル対応をしなくてはいけない場面もあります。例えば、「担当者に対する不満」「商品・サービスへの要望」など理由はさまざまです。営業職に就いていると、このようなトラブル対応を迅速かつ丁寧に行わなければいけません。
トラブル対応が遅れると、これまで築いてきた関係が崩れてしまうかもしれません。そうならないように、営業職には急なトラブルでも冷静に対応できる力が求められます。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、論理的に物事を考える力のことをいいます。一般的に「論理的思考力」とも呼ばれ、さまざまな業界で必要なスキルです。
営業職でも、顧客の悩みを把握したうえで、「なぜこの商品が相手のニーズを満たすのか?」と論理的に説明する力が求められます。ロジカルシンキングにもとづいて話を進めることで、より説得力が増し成果を出しやすくなるでしょう。
ストレス耐性能力
営業職は人と関わる機会が多く、数値的な成果も求められるためプレッシャーも大きい仕事です。売上やノルマ、営業先との人間関係など、さまざまな影響でストレスを強く感じる場合もあるでしょう。そのため、こうしたストレスに耐えられる「ストレス耐性能力」が求められます。
もちろん仕事の成果にこだわることは大切ですが、あまり相手の言葉や仕事の失敗などを間に受けすぎず、ある程度スルーできることも営業には必要です。
タイムマネジメント能力
タイムマネジメント能力とは、決められた時間の中で業務を遂行できるように管理する力のことをいいます。仕事の効率や生産性を上げるために必要なスキルです。
営業職は、会議や商談、成果物の納品などでスケジュールに追われやすい仕事です。そのためタイムマネジメント能力を身につけておくと、複数の仕事を上手に管理しスムーズに仕事を進められるため、業務の遅れを出す心配がなくなります。
クロージング能力
クロージングとは、商品やサービスの契約につなげるために必要な営業テクニックです。
営業活動の際は、顧客の反応を確認して「どのくらいの購入意欲があるか?」を見極めながら会話を進める必要があります。クロージング能力があると、顧客が商品に強い興味を持ったタイミングで適切に契約を提案できるため、成果を上げやすくなります。顧客からも「押し売りされた」と思われず契約できるため、信頼関係を構築して長期的なお付き合いを実現できるでしょう。
マーケティング能力
マーケティング能力は、顧客のニーズに合った商品やサービスを売るための力のことをいいます。マーケティング能力を使って情報収集や市場調査などを行い、顧客の悩みや課題を正しく把握できれば、よりわかりやすくニーズにマッチした商材を提案できるようになります。
必要な経験・知識
ここからは営業職で必要な経験や知識を解説していきます。
自己分析や振り返りの習慣を持つ
営業職では、自分の商談や仕事の進め方を振り返り自己分析することが必要です。自己分析を行うことで、自分に合った営業スタイルを見つけたり、改善点を確認し次回の営業で生かせたりできるでしょう。例えば「商品の説明の際に専門用語を使いすぎた」といった課題があるなら、次回の営業でトークの言葉を見直すことで、成果につなげやすくなります。
チーム・組織を意識して仕事に取り組む
営業職はチームで動くことも多いため、組織として動いている意識を持ちましょう。営業は、個々の売上がチームの成果につながり、最終的な企業全体の業績に関わる仕事です。そのため、自分だけでなくチームのパフォーマンスも意識して、「成果が出ずに悩んでいる人の相談に乗る」などを行いながら仕事をしましょう。
常に情報収集を行う
営業職は、顧客のニーズを把握するためにこまめな情報収集が重要です。頻繁に情報を集めることで、よりニーズにマッチした質の高い提案を行い、成約につながりやすくなります。また、細かやかにリサーチしたことがわかれば、顧客への熱意もを伝えられるでしょう。
情報を集める際は、検索エンジンやSNSなどはもちろん、顧客と積極的にコミュニケーションを取ることも意識しましょう。
先輩や上司のいい点を模倣する
先輩や上司のいい部分を見つけてまねをする習慣があると、営業スキルが上がります。話し方や提案のタイミング、会話のテンポなど、細かな部分をよく観察しまねをするのがおすすめです。観察してわからない点があれば、その都度先輩や上司に確認しましょう。
明確な目標を設定する
具体的な目標を掲げていると「自分が何をやるべきなのか」がはっきりするため、アクションを起こしやすいでしょう。また、モチベーションアップにもつながります。例えば、「今月の新規成約件数を先月より◯◯%アップさせる」「既存顧客への追加提案を◯◯件増やす」など、具体的な数値で目標設定することがおすすめです。
失敗を恐れず挑戦する
営業職は数々の経験を積んで成長していく仕事です。スムーズに契約を結べる場合もあれば、うまく提案できず契約が見送られる場合もあります。こうして失敗したときに、気にしすぎず次にチャレンジする精神が営業職には必要です。「失敗しても次につなげればいい」というマインドを持って挑戦しましょう。
仮説立案力を高めるためにフレームワークを学ぶ
仮説立案力を高め「◯◯という悩みを解決するためにこの商品を提案しよう」というように考える経験を積み重ねることで、営業のスキルアップにつながります。
仮説立案に役立つフレームワークを勉強しておくと、顧客のニーズを考えやすくなり、最適な提案を考えやすくなるでしょう。例えば、自社・競合他社・顧客という3つの視点から分析する「3C分析」などを活用できます。こうしたフレームワークを活用することで「どのような問題を解決したいのか」「どのような商品を求めているのか」を考えられるようになるでしょう。骨組みに当てはめることで考えやすくなるため、覚えておいて損はありません。
プレゼンテーションを磨く
顧客に自社サービスの魅力を伝え興味を持ってもらうために、プレゼンテーション力を磨きましょう。プレゼンテーション力をつけるには、以下の方法が有効です。
・ジェスチャーをつけて話す ・図や表、イラストを使って資料を作る ・話の軸をずらさないようにする
プレゼンテーションがうまい人のまねをすると、自然とスキルが身につき営業力が上がります。
顧客視点を常に意識する
営業職では、顧客の立場になって「どんな悩みを持っていて・どんなサービスを求めているのか?」を意識することが必須です。相手の立場になって考えることで、顧客が本当に欲しい商品やサービスを見極めやすくなり、最適な提案を行えます。
有利に働く資格・経験
ここからは営業職で生かせる資格や経験を8つ紹介していきます。それぞれ見ていきましょう。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
MOSは、マイクロソフト社が開発したWord、Excel、PowerPointなどのソフトの操作スキルを証明する資格です。日本のみならず海外でも認知度が高い資格となっています。Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5種類のテストがあり、WordとExcelには一般レベルと上級レベルがあります。
今やどんな職種においてもパソコンスキルを求められ、それをマスターすることが業務の効率化には欠かせません。MOSの資格を持っていることで基礎的なパソコン知識が身についていることを証明でき、おすすめの資格です。
必要な勉強時間は1つの科目ごとに40〜80時間程度といわれています。実際はExcel、Word、PowerPointの一般レベル3科目を受ける人が多いですが、Excel、Wordの上級レベルも受けておくとなおいいです。
MOSの合格率は比較的高めで、一般レベルの合格率は約80%、上級レベルは約60%ほどです(※6)。
(※6)参考:生涯学習のユーキャン「MOS資格の試験の合格率や難易度は?勉強方法や試験詳細まで解説」
TOEIC
TOEICは英語によるコミュニケーションとビジネス能力を測るための試験です。TOEICの中にもさまざまな種類のテストがありますが、一番メジャーな「TOEIC Listening & Reading Test」を受けることをおすすめします。満点は990点で、年内に10〜13回ほど実施しているので試験勉強のスケジュールを立てやすいのが特徴です。
日本の多くの企業では、就活においてTOEICは英語力を測る有力な指標とされています。TOEICで高い点数を取ることで自分の英語力を示し、目標に向かって計画的に努力する力もアピールできます。また外資系企業を受ける場合に、TOEIC高得点を採用条件として要求する企業も多いです。そのためTOEICを受けてなるべく高い点数を取ることで、就活で有利になることができます。
勉強時間は自分の現在の点数と目標の点数によりますが、例えば700点から800点に伸ばすには200〜300時間ほどかかります。
平均スコアは600点で、600点以上取ると履歴書やESに書けるレベルになります。英語を必要とする企業では700点以上を取ることが求められています。
2022年度のデータによると695点以上が全体の受験者の約33%、795点以上が全体の約16%、895点以上が約4%という分布になっています(※7)。まずは現在の自分のレベルを把握し、目標の点数を定めてスケジュールを立てていきましょう。
(※7)参考:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」
普通自動車第一種運転免許
自動車を運転するための免許で、日本で最も一般的な運転免許です。取得には筆記試験と実技試験からなる運転免許試験に合格する必要があります。特に営業職に就く場合は必須となる企業も多いので注意が必要です。
実際に免許を持たずに就職している人は数多く存在しますが、免許を持っていることで選べる仕事の選択肢も広がり、就活がしやすくなることも忘れてはなりません。
また、普通自動車第一種運転免許の学科試験の合格率はおよそ70%〜80%ほどです(※8)。一般的に免許の平均取得期間は筆記試験と実技試験を含めて2〜3カ月といわれていますが、2週間程度で集中的に技能を習得する場合は、免許合宿で免許を取る人が多いです。
(※8)参考:警視庁「運転免許統計 令和5年版 P.21」
営業士
営業士とは、営業活動に関する専門知識を持った人に与えられる資格です。営業に必要なマーケティングやコミュニケーション、企画、マネジメントなど幅広い知識を身につけられるため、営業職で役立つでしょう。3つのレベルに分かれており、初級は「営業全般の基礎知識」、上級は「マーケティングやマネジメントなどの応用分野」、マスターは「経営面から見た営業戦略立案やコーディネート手法などの高度な知識」が求められます(※9)。就活生の場合は、まず基礎的な初級から目指すといいでしょう。
(※9)参考:日本営業士会「営業士とは」
セールスレップ
セールスレップは、営業スキルや知識を持っていると認定される資格です。運営している日本セールスレップ協会がマーケティングスキルを生かした営業代行を行っているため、営業で必要なマーケティングや販売戦略などの知識を中心に身につけられます。
セールスレップは、「セールスレップ・マイスター」「セールスレップ2級」「セールスレップ3級」に分かれています(※10)。3級から順番に基礎を学び、徐々にステップアップすることが一般的です。
(※10)参考:日本セールスレップ協会「セールスレップとは」
販売士
販売士は、流通・小売業界で必要な専門知識を身につけられる資格です。販売スキルやマーケティング、在庫管理などの知識を身につけられるため、営業職でも生かせます。販売士は1~3級にわかれており、3級は「売り場の販売員レベルの基礎知識」、2級は「売り場の管理者クラスに必要な知識」、1級は「経営面から見た商品企画や予算策定などの知識」が求められます(※11)。
(※11)参考:日本商工会議所「販売士とは」
中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題を解消するための知識を身につけられる国家資格です(※12)。取得すれば、経営者クラスの人物に直接コンサルできる知識があると認められるため、就活でも能力の高さをアピールできるでしょう。中小企業診断士の資格を取得し経営の専門家になると、将来的に独立する際にも役立ちます。
(※12)参考:中小企業庁「中小企業診断士とは」
消費生活アドバイザー
消費生活アドバイザーとは、行政や法律、経営など消費者問題の解決に必要な知識を身につけられる資格です。試験に合格し、消費生活アドバイザー資格と消費生活相談員資格の両方を取得することで、消費者と企業・行政の間に立ち、苦情相談などを行えます(※13)。
(※13)参考:日本産業協会「消費生活アドバイザー」
営業職に向いていない人・つらいと言われる理由
営業職は実力主義で人と接する機会が多いため、やりがいを感じやすいと言われています。しかし、人によっては「営業職に向いていない」と感じる場合もあるでしょう。ここからは、営業職に向いていない人の特徴と、営業職はつらいと言われる理由について解説していきます。
営業職に向いていない人
営業職に向いていない人には、5つの特徴があります。それぞれ解説していきます。
断られることが苦手
営業職は、すべての提案が受け入れられるわけではありません。そのため、提案を断られることで落ち込んでしまう人や、モチベーションが下がってしまう人は営業職に向いていないといえるでしょう。
営業職は、たとえ提案を断られたとしても、アプローチを続けることで成約につなげられるケースもあります。そのため、断られることが苦手な人は営業職に向いていません。
自分の意見をうまく伝えられない
営業職は、顧客へ商品やサービスを提案するため、自分の意見を伝えなければいけない機会が多いです。そのため、自分の考えをうまくまとめられない人は、思うように顧客へ提案できず成約を取れないかもしれません。こうした中では自分の力を発揮できずやりがいも感じられないため、営業してても負担に感じることがあるでしょう。
計画を立てるのが苦手
営業職は時間とスケジュールに追われる仕事です。具体的には「14時には◯◯へ訪問」「16時までに◯◯へ連絡」といったイメージです。また、自分の仕事はもちろん、緊急の顧客対応もしなければいけないため、計画的に進めなければなりません。そのため、計画を立てるのが苦手な人は厳しさを感じるでしょう。
こまめに連絡を取るのが苦手
人とコミュニケーションを取るのが苦手な人はもちろん、こまめに連絡を取るのが苦手な人も営業職には向いていません。営業職は顧客からの問い合わせがあるため、常に連絡が来ると考えたほうがいいです。万が一連絡を放置してしまうと、顧客に不安を抱かせて信頼を失う可能性もあります。
プレッシャーに弱い
営業職はノルマがあるため、プレッシャーに弱い人は精神的に大きな負担を感じるでしょう。ノルマが達成できないと自信をなくし、仕事へのモチベーションも上がりません。たとえ好成績を残せたとしても、その成果を維持することにプレッシャーを感じる人もいるでしょう。
営業職がつらいと言われる理由
営業職がつらいと言われる理由には、5つが挙げられます。それぞれ解説していきます。
ノルマがきつい
営業職は、週や月単位でノルマが設けられているケースがほとんどです。ノルマがきつい場合は「期間内に達成しなければいけない」とプレッシャーを強く感じてしまうでしょう。ノルマ未達成によるペナルティがある場合は、さらなるモチベーションダウンにつながります。
企業によっては、期間内にノルマを達成できても、より高い目標が課される可能性もあります。そうなると、より一層ノルマのきつさを感じ、営業職のつらさを実感するでしょう。
プレッシャーを強く感じる
営業職は企業の売上に大きく関わる仕事です。そのため、自分の成果が思うように出せないとプレッシャーを強く感じやすいかもしれません。
特に、「身の回りで大きな結果を出した人がいる」「自分だけが目標を達成できていない」といった場合はプレッシャーを感じやすいでしょう。「自分も頑張らなくてはいけない」とプレッシャーを感じすぎた結果、精神的に追い込まれスキルを十分に発揮できないこともあります。
アポ取りや飛び込みがつらい
アポ取りや飛び込み営業をする際は、毎回いい対応をされるとは限りません。嫌な対応を受けたりとげのある言葉を投げかけられたりすることもあります。そういった態度や言葉を素直に受け取ってしまうと、精神的な苦痛を感じるでしょう。
また、精神面だけでなく体力面のつらさもあります。特に飛び込み営業の場合は、たくさんの資料を持ち歩かなければいけないため、肉体的な厳しさを感じる場合もあるでしょう。
社内や取引先との人間関係が負担
営業職はさまざまな人を相手にしないといけません。そのため、「関わりたくない」と感じる人でも、関係を築いていかなければいけないケースもあります。「あくまで仕事」と割り切れる人であれば問題ありませんが、そうではない人にとっては精神的な負担になるでしょう。
プライベートの時間が取れない
営業職はプライベート時間の確保が難しいことから、つらいと言われています。営業職は、休みの日に顧客から連絡が来たり商談が入ったりするケースもあります。そういったプライベートの時間が取れないことに、つらさを感じる人もいるでしょう。
営業職での選考に向けた対策
エントリーシート(ES)対策【志望動機例文付き】
企業が志望動機で注目しているポイントは、「会社で活躍できる人材であるかどうか」という点です。営業職は「商材を顧客に売る」という業務ですが、志望理由として企業の商材の魅力について書くだけでは営業力がないと思われてしまう可能性があるため注意が必要です。営業の仕方や会社の理念についても触れられるといいでしょう。
<日本電気(NEC)>
あなたが当社に応募した理由と当社入社後に実現したいこと、期待することを教えてください。(400文字以下)
私が貴社を志望する理由は、「資金の融通を加速させて公平な社会を作る」という自身の夢の実現のために必要な価値観と技術を貴社が保有しているからだ。私は今までの人生において、人々の挑戦や幸福を支えるのが資金である一方で格差を生み出しているのも資金であることを実感してきたからこそ、先述した夢を抱いている。この夢に対し、大きな変革力を持つITという分野からアプローチすることで、より根本的な実現につながると考えている。その中でも貴社は、クライアントゼロの取り組みやIFA事業への参入など生活者に寄り添う価値観があり、さらに生活者に対しより多角的にあらゆる企業が金融サービスを提供できるようにデジタルKYCによって信頼性を担保し、その環境作りに注力している。そのため貴社に入社後、金融のデジタル化・円滑化によって格差を埋め、より人間らしい、人間ありきの社会を実現させたい。
※出典:日本電気(NEC)|営業職2025年卒本選考のES
内定者の志望動機をもっと見たい方はこちら
▼エントリーシート(ES)の書き方について詳しく知りたい方はこちら ・志望動機【例文17選】書き方の基本と職種・業界別内定者のES実例 ・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策
Webテスト対策
Webテストは多くの企業で実施されており、企業ごとに異なるテストが使用されています。そのため、事前にテスト内容を把握し、対策をしておくことが重要です。
また、ワンキャリアでは就活生の体験談やそれをもとにした選考ステップを企業ごとに検索できます。自分の受けたい企業がどのWebテストを実施しているのか、選考を受ける前から対策したい方にはおすすめです。
▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら ・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
面接対策
業界や会社によって面接で問われる内容は異なります。そのため、志望する業界に合わせた対策が必要です。以下では、業界や企業ごとに準備を進める際のポイントをご紹介します。
まず、面接選考を通過するためには「企業目線」で考えることが重要です。内定の判断を行うのは、その企業の人事担当者や役員ですので、企業が求める人材像を理解することが不可欠です。経営計画などの企業情報を調べることはもちろんですが、企業側の視点に立ち、「どのような人材が求められているのか」を意識しながら面接準備を進めましょう。
また、面接対策では自己分析を行い、自分をアピールするための材料をそろえることも重要です。しかし、選考対策の順番としては、まず企業や業界の分析を行い、その後に自己分析を進める方が効果的です。企業のニーズを理解したうえで自分の強みを整理することで、より説得力のあるアピールが可能になります。
ワンキャリアでは、企業ごとの選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)を紹介しています。これにより、各企業が重視する評価ポイントや求める人物像を効率的に把握することができ、情報収集の手間も省けます。企業研究を進める際には、ぜひご活用ください。
▼面接対策について詳しく知りたい方はこちら ・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例
OB・OG訪問
OB・OG訪問は、大学の先輩や知り合いを通じて紹介してもらったり、就活イベントを利用して社員と接点を持つことで機会を得ることができます。これにより、説明会では得られないリアルな情報を知ることができ、業界や企業についての理解が深まることは間違いありません。
さらに、業界や企業によっては、OB・OG訪問の有無や訪問時の評価が選考に影響することもあります。訪問の回数が多いと「熱意がある」と評価されたり、質の高い質問をすることで「優秀だ」と思われることがあります。
OB・OG訪問をすべきか迷っている場合は、まずは最初の1人、同じゼミやサークルの先輩など身近な人から始めてみるといいでしょう。
▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら ・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
語学力を磨く
営業職は外国のビジネスパートナーとのコミュニケーションを英語で行うこともあります。このため、高い英語スキルが求められます。
英語力を測るための代表的な試験としてTOEICがあります。TOEICには複数のテストが存在しますが、最も一般的な「TOEIC Listening & Reading Test」を受験することをおすすめします。満点は990点で、年内に10〜13回実施されているため、試験勉強のスケジュールを組みやすいのが特徴です。
また、営業職に限らず、多くの職種ではTOEICを英語力を測る有力な指標としています。TOEICで高得点を取得することで、英語力を示し、計画的な努力をアピールすることができるため、就職活動を有利に進めるためにはTOEICの受験と高得点を目指すことが効果的です。
▼英語対策について詳しく知りたい方はこちら ・【外コン志望者向け】GMATとは?選考通過に必要なスコアや過去問題集・対策を解説!
おわりに
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