「商学部生に人気の就職先を知りたい」「就活について悩んでいる」という商学部生の就活生もいるでしょう。
こちらの記事では、商学部生に向けて、人気の就職先や業界・職種をご紹介します。就活を進める上でのポイントも詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次> ●商学部が就職に強いといわれる理由 ・ビジネスにかかわる幅広い分野の知識があるから ・マーケティングの知識を備えているから ・学んだことをもとに資格を取得しやすいから ・理系学生と比べて課外活動に使える時間を多く取れるから ●商学部生の就職人気ランキング【上位20位】 ●商学部生に人気の就職先・年収【業界編】人気の理由も解説 ・金融業界(銀行・証券・保険)|平均年収393万4000円 ・メーカー|平均年収306万円 ・総合商社・専門商社|平均年収319万6000円 ・サービス業界|平均年収285万7000円 ・通信・IT業界|平均年収381万2000円 ・コンサル業界|平均年収388万9000円 ・公務員(国家・地方)|平均年収:地方430万5888円・国家484万8180円 ●商学部生に人気の就職先【職種編】 ・企画・マーケティング職 ・経理職 ・財務職 ・営業職 ・人事労務職 ・コンサルタント ・広報職 ・経営企画職 ・税理士 ・公認会計士 ・ファイナンシャルプランナー ●商学部生の就職に役立つ資格 ・日商簿記検定(2級以上) ・ファイナンシャルプランナー(FP) ・TOEIC600点以上 ・公認会計士 ・税理士 ・証券外務員 ・証券アナリスト認定資格(CMA) ・社会保険労務士 ・通関士 ・中小企業診断士 ・銀行業務検定 ・宅地建物取引士 ●商学部の就活のポイント|企業・職種の選び方編 ・自己分析・業界研究・企業分析を通して就活の軸を定める ・学んだ内容を生かせる業界・職種を選ぶ ・商学部生が重視する就活の軸ランキング ●商学部の就活のポイント|選考対策編 ・早期から情報収集をし、早期選考を受ける ・webテスト対策に力を入れる ・エントリーシート(ES)や履歴書を余裕を持って準備しておく ・面接対策|よく聞かれる商学部特有の質問&回答例 ●まとめ
商学部が就職に強いといわれる理由
商学部が就職に強いといわれる理由は、以下の4つです。
それぞれ解説します。
ビジネスにかかわる幅広い分野の知識があるから
商学部はビジネスに関するあらゆる専門知識を身につけられる学部であり、主に経営学・会計学・経済学を勉強できます。
具体的には、経営学では「マネジメントや経営戦略」、会計学では「財務会計や簿記」、経済学では「ミクロ経済やマクロ経済」などです。このように商学部では専門的な勉強が可能であり、こうした知識は、金融や保険、ITなどさまざま業界で生かせるため、就職に強いといえるでしょう。
マーケティングの知識を備えているから
商学部では、市場調査や商品開発、販売促進、広告などのマーケティング知識を勉強します。こうした知識は、ニーズに合った商品やサービスを顧客に届けるためには必須です。
マーケティングの知識は、メーカーやITなど、業界を問わず必要とされます。さらに、ウェブサイトやSNSの運用でもマーケティングの知識を生かせるため、幅広い職業での活躍が期待できるでしょう。
学んだことをもとに資格を取得しやすいから
商学部ではお金に関する勉強にも取り組むため、その知識を生かしてさまざまな資格取得にチャレンジできます。商学部での勉強をもとに取れる資格として、例えば以下が挙げられます。
・日商簿記 ・ファイナンシャルプランナー ・公認会計士 ・税理士 ・社会保険労務士
簿記や資産管理など、商学部での学びをそのまま生かして資格取得に挑戦できます。
お金に関する資格を持っていると、「経済に関して理解している」と思われるため、就職するときの強みになります。特に日商簿記やファイナンシャルプランナーは、私生活でも役立つためおすすめです。
難易度は上がりますが、国家資格の公認会計士・税理士・社会保険労務士も、商学部での勉強を生かして取れる資格です。これらの資格を取得すると、より就職の幅が広がります。
理系学生と比べて課外活動に使える時間を多く取れるから
商学部のカリキュラムは、理系学部に比べて実験や実習が少ないため、比較的自由な時間が多いです。そのため、空いた時間を活用して、インターンシップや就職セミナーに参加し、企業とのつながりを築けます。
また、自己分析や業界研究に時間を割けるため、自分の強みを明確にして就活に臨めるでしょう。このように、自分の時間を就活に多く費やせる点が商学部の魅力ともいえます。
商学部生の就職人気ランキング【上位20位】
商学部生に人気の企業をご紹介します(※1)。
(※1)……ワンキャリア2026年卒会員のお気に入りランキングより集計
1位:三菱商事
1位には三菱商事がランクインしました。
事業内容 三菱商事は、世界約90の国・地域に広がる当社の拠点と約1,800の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開しています。 地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.(Smart-Life Creation)、電力ソリューションの8営業グループにコーポレートスタッフ部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、パートナーとともに、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。 ※出典:ONE CAREER「三菱商事」
選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。
・ONE CAREER:三菱商事|総合職2025年卒の合格の秘訣
2位:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ
2位には博報堂/博報堂DYメディアパートナーズがランクインしました。
事業内容 【博報堂】 高いクリエイティビティを持つプロフェッショナルがチームを編成し、広告領域のみならず、経営・事業から社会イシューまで、あらゆる領域でクライアントの皆様の国内外における課題解決をお手伝いしています。今後、さらにクリエイティビティの力で生活や社会、事業構造の変革に寄与するような新たな価値を提供します。 【博報堂DYメディアパートナーズ】 メディアビジネス、コンテンツビジネス、その他デジタル領域などのプランニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジを主要な機能とし、広告主、媒体社、コンテンツホルダーに対し、最適な課題解決力を提供します。メディアを広義に捉え、「メディア効果をデザインする」メディア・コンテンツビジネスを目指しています。 ※出典:ONE CAREER「博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ」
選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。
・ONE CAREER:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ|総合職2025年卒の合格の秘訣
3位:資生堂
3位には資生堂がランクインしました。
事業内容 私たち資生堂グループは、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」というミッションの実現を目指し、世界中の120の国と地域でビジネスを展開しています。 100年先もお客さまとともに輝き続け、選ばれ続ける企業になるため、お客さまにとってより価値のあるものを提供し続け、一生寄り添うことのできるパートナーになることを目指しています。 ※出典:ONE CAREER「資生堂」
選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。
・ONE CAREER:資生堂|Brand Marketing2025年卒の合格の秘訣
4位~20位
4位以下の企業は以下をご覧ください。
- 4位:三井住友銀行
- 5位:野村総合研究所
- 6位:ソニーグループ
- 7位:アクセンチュア
- 8位:サイバーエージェント
- 9位:パナソニックグループ
- 10位:ジェーシービー(JCB)
- 11位:丸紅
- 12位:野村證券
- 13位:デロイト トーマツ コンサルティング
- 14位:KPMGコンサルティング
- 15位:NTT DATA(NTTデータグループ・NTTデータ・NTT DATA, Inc.)
- 16位:アビームコンサルティング
- 17位:富士フイルム
- 18位:電通
- 19位:東京海上日動火災保険
- 20位:伊藤忠商事
▼企業ごとの合格の秘訣(ひけつ)をさらに知りたい方はこちら ・ONE CAREER 企業一覧
商学部生に人気の就職先・年収【業界編】人気の理由も解説
以下では、商学部生に人気がある就職先を職種別にまとめています。人気のある業界は、以下の7つです。
年収や人気の理由を業界ごとにまとめているため、それぞれ確認しましょう。なお、以下で示した年収は、一部を除いて「厚生労働省 | 令和5年賃金構造基本統計調査 | 産業別」を参照しています。
金融業界(銀行・証券・保険)|平均年収393万4000円
金融業界とは、お金に関わるサービスを提供し人々の生活や経済を支える業界です。具体的には銀行や証券、保険会社などが挙げられます。
金融業界の仕事内容は、銀行のように顧客のお金を管理したり企業へ融資したりすることもあれば、証券会社のように株の売買を行うこともあり、さまざまです。保険会社のように、商品を顧客へ提案し保険の契約や支払いの手続きを進める仕事もあるため、お金の知識を生かしながら働けるでしょう。また、個人や企業に対してお金のアドバイスを行う「金融コンサル」の仕事もあります。
こうした仕事では、お金の知識だけでなく、商学部の授業やゼミで培ったプレゼン力も生かせるでしょう。
このように金融業界は、大学で学んだお金の知識を実際に使えるため、商学部生からの人気が高いです。日商簿記やファイナンシャルプランナーなどの資格を取っておくと、就活で大きな武器になるでしょう。
メーカー|平均年収306万円
メーカーとは、自動車や食品、医薬品など、幅広い商品の開発や製造、販売などを行う業界です。メーカーでは商品の製造だけでなく、商品の宣伝やコスト管理なども担当するため、商学部で学んだ経済学や会計学の知識を生かせます。さらに、商品の企画力や商品開発に必要な分析力を問われる業務もあるため、商学部での学びや経験を活用しやすいでしょう。
総合商社・専門商社|平均年収319万6000円
総合商社とは、食品やエネルギー資源、医薬品、機械など幅広い商品の貿易や流通に関わる業界です。一方で専門商社は、特定の商品を取り扱う商社のことを指します。
総合商社も専門商社も、買い手と売り手を仲介する「トレーディング」や他企業への投資などを行う「事業投資」がメインの仕事です。そのため、取扱商品の幅が異なるものの、仕事の内容自体に大きな違いはありません。
商社で働くには、ビジネスやマーケティングの知識が必要です。日本に限らず、海外の企業を相手に商談する機会も多いため、言語力やコミュニケーション力も問われます。
このように商社は、大学で学んだマーケティングの知識を生かせるだけでなく、グローバルに活躍できるため商学部生からの人気が高いです。
サービス業界|平均年収285万7000円
サービス業とは、主に個人の顧客と直接関わり、要望に沿ったサービスを顧客へ提供する業界です。
サービス業界で重要なのは、いかに「消費者の声を直接聞いてニーズに応えられるか?」という点です。商学部ではマーケティングも勉強するため、「実際に聞いた消費者の声をもとにサービスを改善する」といった形で、大学での学びを生かせるでしょう。
通信・IT業界|平均年収381万2000円
通信・IT業界とは、インターネットに関するサービスを提供する業界です。エンジニアや営業、企画、広告、財務など、さまざまな業務を担当します。プログラミングなどの専門的な知識がなくても、例えば商学部で学んだ分析力を生かして「顧客のニーズを読み取り企画や開発を行う」というように活躍できるでしょう。
コンサル業界|平均年収388万9000円
コンサル業界とは、企業が抱える課題を解決するためにアドバイスをする業界です。経営や事業、IT、人事、組織など幅広い側面から企業の課題を読み取り、解消に向けた戦略を策定します。
コンサル業界で重要なのは、顧客の悩みや課題を正しく理解したうえで適切な解決策を提示することです。商学部ではマーケティングやビジネスなど仕事で必要な知識をひととおり身につけられるため、こうした知識を生かし顧客の課題を解消するために活躍できるでしょう。
お金や経営の知識を生かせる「金融コンサル」という職業もあるため、商学部生であればコンサル業界での活躍の幅がさらに広がります。
公務員(国家・地方)|平均年収:地方430万5888円・国家484万8180円(※2)
公務員とは、国家と地方の2種類に分かれ、経済や環境の管理、治安維持などで国民の暮らしを支える仕事です。市町村役所のように税金の計算や通知を行う仕事もあれば、国税庁のように税金の相談や調査を行う仕事もあります。このように公務員は国や地方と直接関わるため、社会貢献度が高い仕事です。
(※2)出典:総務省「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要 P.6」
商学部生に人気の就職先【職種編】
ここからは、商学部生に人気の就職先を職種別に紹介します。商学部生に人気の職種は、以下の11個です。
それぞれ解説します。
企画・マーケティング職
企画・マーケティング職は、商品開発や宣伝企画などを行う仕事です。市場調査をもとにデータ分析を行い、その結果をもとにアイデアを出すことが求められるため、柔軟な発想力が求められます。
商学部ではマーケティングを学ぶため、市場を分析して商品のアイデア宣伝企画などアイデアを出す際にスキルを生かせるでしょう。また、商品企画や分析では世間の流行を追うことも必要なため、日頃からトレンドに敏感な人にも向いています。
経理職
経理職とは、企業のお金の動きを管理する仕事です。売上や預金、売掛金、支出などのお金の流れを管理することで、企業の経済活動を健全に回す役割を担います。決算書類作成や年末調整などの事務作業も大切な業務のひとつです。
経理ではお金の知識が求められるため、商学部で学んだ金融の知識を生かせるでしょう。日商簿記やファイナンシャルプランナーのようなお金に関する資格を取得しておけば、大学での学びをより生かせるでしょう。
財務職
財務職とは、企業の予算や資金を管理する仕事です。財務職は、資金調達方法やお金の使い道を考えたり、企業内で予算がきちんと使われているかを調査したりします。
経理と同じように財務職もお金と深く関わる職種であるため、商学部で学んだ経営や会計学を生かして仕事ができます。さらに、日商簿記検定・公認会計士・ファイナンシャルプランナーなどの資格を持っていると就職で有利になるため、商学部生におすすめです。
営業職
営業職とは、顧客のニーズを把握し、課題解決に必要な商品やサービスを提案・販売する仕事です。「お客様がどのような商品を求めているのか?」「課題解決につなげるにはどのようなサービスをおすすめすると良いのか?」を考えながら、顧客に提案します。
営業職は、メーカーや商社、ITなど、幅広い業界で求められる点が特徴です。特に、商社や保険は商学部で学んだお金の知識を直接生かせるため、商学部生に人気があります。また、コミュニケーション力があると顧客と信頼関係を構築できるため、営業で活躍できるでしょう。
人事労務職
人事労務職は、採用や育成、労働管理を行う仕事です。
人事では主に採用など人材に関わる業務を、労務では労働環境に関わる業務を担当します。人事の具体的な業務は、人材募集や採用活動、入社後の育成、人事評価の決定などです。労務では、給与計算や勤怠管理、職場環境改善に向けた制度の設計などを行います。
給与計算などの数値を扱う業務もあるため、数字と関わってきた商学部生であれば強みを発揮できるでしょう。
コンサルタント
コンサルタントは、経営や人事、ITなど幅広い側面から企業の悩みを引き出し、課題解決を目指す仕事です。企業や組織が持つ課題をしっかりと把握し、「どのようなアドバイスをすると目標達成につながるのか?」を徹底的に考えられる力が求められます。商学部で身につけたマーケット感覚や分析力などを生かせるでしょう。
コンサルタントは、企業や組織が成長するために不可欠な仕事であるため、担当した企業や組織の成長に貢献できると、モチベーションアップにつながります。
広報職
広報職は、企業の活動や商品・サービスなどの情報をメディアやSNSで発信する仕事です。企業のブランディング強化や商品・サービスの認知度向上には欠かせない仕事で、商学部生に人気があります。
広報職の仕事は、新商品やサービスの情報をまとめたプレスリリースの作成や配信、社内イベントの企画、社内報作成など、さまざまです。どの業務でも企画力やプレゼン力、文章力が求められるため、商学部で培ったマーケティングの知識や分析力などを生かせるでしょう。
経営企画職
経営企画職は、企業方針や将来像を明確化させて目標を達成できるよう経営戦略を考える仕事です。事業計画を立てたり経営状況を管理したりして、企業の成長をサポートします。
経営企画職は企業の成長に直接関わるため、ビジネスの知識を持った商学部生に向いている職種です。お金の管理やデータ分析なども行うため、商学部で身につけた金融の知識やマーケティングスキルなどを生かせるでしょう。
税理士
税理士は、主に企業や個人の税金に関する相談を受ける仕事です。企業の代わりに会計帳簿を記録したり、決算書を作成したりもします。企業経営に関するコンサルティングを行う場合もあるため、商学部で勉強した金融知識はもちろん、経営の知見も生かせるでしょう。
税理士になるには国家資格を取得する必要があるため、ハードルは高いです。しかし、税理士にしか行えない独占業務があり希少性も高いため、就職に有利といえるでしょう。
公認会計士
公認会計士は、企業の監査や経営のコンサルティングなどを行う仕事です。公認会計士になると、一般企業や公認会計士事務所、コンサルティング会社など、さまざまな職場で活躍できます。
公認会計士は企業の監査に関わる重要な仕事であるため、高いレベルで金融の知識やコンサルティング力、分析力が求められます。そのため、商学部で勉強した経営学や会計学を生かせる機会が多いです。難しい資格ではありますが、取得しているとあらゆる企業から求められる人材となるでしょう。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、年金や保険、投資などのお金に関するアドバイスをする仕事です。顧客の生活スタイルや家族構成、資産など、さまざまな情報を把握・分析したうえで、適切な資産運用プランを作成し顧客の資金面の不安を解消します。
ファイナンシャルプランナーは、金融機関や保険会社はもちろん、不動産会社や自治体などに就職する場合もあります。税理士事務所や公認会計士事務所への就職も可能です。
近年では節税や資産運用が注目されており、ファイナンシャルプランナーの需要が高まっています。商学部では、ファイナンシャルプランナーに必要な知識も学べるため、資格を取得すると就職の幅が広がるでしょう。
商学部生の就職に役立つ資格
商学部生の就職に役立つ資格について紹介します。
日商簿記検定(2級以上)
特徴とおすすめの理由
簿記は経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の1つです。日商簿記は、簿記検定にある3種類の検定の中では最もよく知られたものです。1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類がありますが(※3)、3級から受けることをおすすめします。
企業で行われているビジネス取引に関して、規則に基づいて帳簿に記録し、会社の経営成績や財政が確認できる決算書を作ることがこの資格の目的なので、経理や会計といった業務で生かせるはずです。簿記の勉強をすることでビジネスの基本スキルを養え、経済的な面から企業を分析できます。こうしたスキルはどの業界・企業でも生かせるのでおすすめです。
必要な勉強時間と難易度
必要な勉強時間については簿記3級なら100時間程度、簿記2級は200〜300時間程度、簿記1級は500時間以上であるといわれています(※4)。
3級は難易度がそれほど高くなく、入門の資格なので取得しやすいのでおすすめです。一方2級から工業簿記が加わるので格段に難易度が上がります。合格率は3級から1級の順に30〜50%、10〜40%、約10%あたりを推移しています(※5)。
(※3)参考:スタディング「簿記合格に必要な勉強時間とは|3級・2級・1級それぞれの難易度とあわせて解説」
(※4)参考:日本商工会議所Webサイト「簿記」
(※5)参考:商工会議所の検定試験「受験者データ」
ファイナンシャルプランナー(FP)
特徴とおすすめの理由
個人の資産運用や家計管理、税金、保険など、金融に関する知識と技術を認定する資格です。FPの試験には3級から1級までのレベルがあり、3級は受験資格に制限がないので、まずは3級の取得を目標にしましょう。試験は学科試験と実技試験の2部に分かれています(※6)。
この資格を持っていると主に金融や保険、証券などの業界で有利になります。幅広い分野を勉強するのでお金の知識が身につき、資産運用や家計管理で生かせます。また、就活だけでなく今後の人生においてもマネープランを設計する際に役に立つのでおすすめです。
必要な勉強時間と難易度
勉強時間は、FP3級だと目安で80〜150時間ほど必要となり、一日2〜3時間勉強して2~3カ月程度かかります。FP2級では150〜300時間ほど必要で、3カ月以上かかります(※7)。
日本FP協会の試験では、FP2級の合格率は、学科が40〜50%、実技は50〜60%あたりです。一方FP3級の合格率は、学科が70〜80%、実技は80〜90%あたりです。FP3級は国家資格の中では取りやすい資格ですが、2級になると難易度はかなり高くなります。3級を取ることを目標にしましょう(※8)。
(※6)参考:スタディング「FP試験に合格するまでの勉強時間はどれくらい?」
(※7)参考:日本FP協会「FP技能検定とは」
(※8)参考:日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
TOEIC600点以上
特徴とおすすめの理由
TOEICは英語によるコミュニケーションとビジネス能力を測るための試験です。TOEICの中にもさまざまな種類のテストがありますが、一番メジャーな「TOEIC Listening & Reading Test」を受けることをおすすめします。満点は990点で、年内に10〜13回ほど実施しているので試験勉強のスケジュールを立てやすいのが特徴です。
日本の多くの企業では、就活においてTOEICは英語力を測る有力な指標とされています。TOEICで高い点数を取ることで自分の英語力を示し、目標に向かって計画的に努力する力もアピールできます。また外資系企業を受ける場合に、TOEIC高得点を採用条件として要求する企業も多いです。そのためTOEICを受けてなるべく高い点数を取ることで、就活で有利になります。
必要な勉強時間と難易度
勉強時間は自分の現在の点数と目標の点数によりますが、例えば700点から800点に伸ばすには200〜300時間ほどかかります(※9)。
平均スコアは約600点で、600点以上取ると履歴書やESに書けるレベルになります。
2023年度のデータによると700点以上が全体の受験者の約30%、800点以上が全体の約15%、900点以上が5%未満という分布になっています(※10)。まずは現在の自分のレベルを把握し、目標の点数を定めてスケジュールを立てていきましょう。
(※9)参考:生涯学習のユーキャン「TOEIC のスコア別勉強時間|勉強時間を確保するためには」
(※10)参考:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」
公認会計士
特徴とおすすめの理由
公認会計士は、企業の監査業務を行う際に必要な資格です。専門知識を生かせる企業の財務諸表を監査し、適切な会計処理が実施されているかを厳しくチェックします。資格の難易度は高いですが、取得しておけば高い会計知識を持っていると認められるため、就活でも大きな武器になります。
必要な勉強時間と難易度
公認会計士資格を取得するには、2,500〜3,500時間ほどの勉強が必要です(※11)。最終合格率は10%程度であるため(※12)、長時間勉強しなければ合格は難しいでしょう。試験は「短答式」「論文式」の2つをクリアした上で、3年以上の実務経験を積んで修了考査に合格する必要があります(※13)。
(※11)資格の学校TAC「公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?」
(※12)参考:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験の合格発表の概要について」
(※13)日本公認会計士協会「公認会計士試験について」
税理士
特徴とおすすめの理由
税理士とは国が認めた税務の専門家です。独占業務である「税務代理・税務書類の作成・税務相談」を行えます。独占業務は税理士しか実施できないため、企業からすると高い専門知識を持つ貴重な人材として重宝されるでしょう。独占業務以外に、税務面からの経営コンサルティングやM&Aのアドバイスなども行います。
税理士になる手段はいくつかありますが、5科目の税理士試験に合格後、実務経験を2年以上積む方法が一般的です(※14)。
必要な勉強時間と難易度
資格取得の難易度は高く、最終合格率は10〜20%程度です(※15)。難易度から考えても、4,000時間程度の勉強は必要になるでしょう(※16)。
(※14)参考:東京税理士会「税理士になるには」
(※15)参考:国税庁「令和4年度(第72回)税理士試験結果」
(※16)参考:あいせ税理士法人「税理士になるために必要な勉強時間について」
証券外務員
特徴とおすすめの理由
証券外務員は、金融商品の販売や勧誘などを行う際に必要な資格です。入社後に取得を求められる企業もあるため、金融業界を志望する人は事前に取得しておくといいでしょう。
証券外務員には「一種外務員」「二種外務員」があり、それぞれで取り扱う金融商品が異なります。
必要な勉強時間と難易度
目安の勉強時間は、「一種外務員で50〜100時間」「二種外務員で50時間前後」といわれています(※17)。合格率は70%であるため(※18)、在学中に勉強して資格取得を狙いやすいでしょう。
(※17)参考:スタディング「証券外務員資格試験 合格に必要な勉強時間は?」
(※18)参考:日本証券業協会「外務員資格試験」
証券アナリスト認定資格(CMA)
特徴とおすすめの理由
証券アナリスト認定資格は、金融や投資のスキルを学べる資格のため、金融業界を目指す商学部生が持っておくと有利です。
株式・債券による資産運用だけでなく以下の分野で幅広く活用できます。
- 財務戦略
- 事業戦略
- M&Aなどの投資戦略
資格を取得するには「第1次レベル講座の受講→第1次試験→第2次レベル講座の受講→第2次試験→実務経験3年以上(受講前も含めた通算年数で可)」という長いステップが必要です(※19)。
必要な勉強時間と難易度
必要な勉強時間の目安は200時間程度です(※20)。合格率は50%前後であるため(※21)、きちんと時間をとって勉強すれば在学中でも十分に取得できます。学生の場合は、特例で数千円の割引が受けられます(※22)。
(※19)参考:資格の学校TAC「証券アナリスト合格に必要な勉強時間!科目別対策や勉強を進めるコツなど解説」
(※20)参考:公益財団法人 日本証券アナリスト協会「CMA資格取得までの流れ」
(※21)参考:公益社団法人 日本証券アナリスト協会「試験データ」
(※22)参考:公益社団法人 日本証券アナリスト協会「学生への優遇措置」
社会保険労務士
特徴とおすすめの理由
社会保険労務士は、企業の年金手続きや職場環境整備など、お金や労働に関するサポートをする仕事です。社会保険の手続きや安全衛生管理、従業員の健康管理なども行います。国家資格なので、持っていると就職での強みになるでしょう。
社会保険労務士を受験する際は、以下のいずれかを満たす必要があります。
・学歴による受験資格を満たしている ・実務経験による受験資格を満たしている ・すでに指定の試験に合格している
具体的に、受験資格として認められる学歴や実務経験などの内容は「社会保険労務士試験オフィシャルサイト」をご確認ください。
必要な勉強時間と難易度
社会保険労務士の勉強時間の目安は、800~1,000時間です(※23)。令和5年度の合格率は「6.4%」と非常に低いため(※24)、資格取得に向けて入念に勉強をする必要があります。合格基準点については、令和5年度は選択式試験で「26点以上」、択一式試験で「45点以上」でしたが、合格点の目安は年度によって異なるため要注意です(※25)。
(※23)参考:アガルートアカデミー「社労士の難易度ランキング!他の資格と比べてどのくらい難しいのか?」
(※24)参考:厚生労働省「第55回社会保険労務士試験の合格者発表」
(※25)参考:厚生労働省「第55回(令和5年度)社会保険労務士試験の合格基準について」
通関士
特徴とおすすめの理由
通関士は、税関を通る際の書類作成や輸出入の手続きなどを行うために必要な国家資格です。資格があると海外との物流に関わる職業に就職しやすくなり、商社やメーカー、運送会社など業界の幅が広がります。英語の書類作成や海外の商習慣への理解なども必要であり、求められる能力は高いですが、自身のキャリアアップへつなげるためにも取得しておくと良いでしょう。
必要な勉強時間と難易度
通関士試験の勉強時間の目安は、300~400時間です(※26)。合格率は第1回~第54回の平均が「15.4%」であり難易度は高いため(※27)、基礎をしっかりと押さえておくのがポイントです。用語の暗記だけでなく、計算問題の対策もしましょう。通関士の試験自体に、学歴などの要件はありません。
(※26)参考:生涯学習のユーキャン「通関士合格への勉強時間の目安とは?勉強方法まで徹底解説」
(※27)参考:税関「通関士試験受験者数及び合格率等の推移(第1回~第54回)」
中小企業診断士
特徴とおすすめの理由
中小企業診断士は、中小企業における経営の課題を解決するため診断や助言を行う専門家です。経営コンサルティング分野では日本で唯一の国家資格であり、コンサルティング企業を目指す人におすすめの資格です。
試験の流れは、「7科目をマーク方式で解く1次試験→筆記+口述の2次試験→合格後に実務補習または実務従事」となっています(※28)。
必要な勉強時間と難易度
合格に必要な勉強時間の目安は1,000時間程度です(※29)。合格率も4%程度であるため難易度は高いですが(※30)、取得できれば就活時で大きなアピールポイントになるでしょう。
(※28)参考:一般社団法人 中小企業診断協会「どうしたら中小企業診断士になれるの?」
(※29)参考:資格の学校TAC「中小企業診断士合格に必要な勉強時間は1,000時間!勉強法や対策を解説」
(※30)参考:資格の学校TAC「中小企業診断士の合格率は4%?難易度や勉強のポイントについて解説」
銀行業務検定
特徴とおすすめの理由
銀行業務検定とは、銀行や保険、証券などの金融機関で働く際に必要な知識や技能、応用力などを測定する検定試験です。試験種目は22系統37種目に分かれており、窓口セールスや信託実務、投資信託、相続アドバイザーなど、実務により近い内容の種目がそろっています(※31)。豊富な試験の中から、自分が希望する金融業界に関わる部分の資格を取得しておけば、就活でアピールポイントになるでしょう。
必要な勉強時間と難易度
種類にもよりますが、必要な勉強時間の目安は50時間程度です(※32)。種目により等級は異なりますが、一般的に2級以上持っていると就活でアピールできます。難易度は等級によって上がり、合格率は20〜40%程度と考えておきましょう(※33)。
(※31)参考:銀行業務検定「銀行業務検定試験とは」
(※32)参考:タクス 銀行員の学校「銀行業務検定 財務3級の勉強時間は?試験日や合格率(難易度)、おすすめテキストについて解説」
(※33)参考:銀行業務検定協会「事務局報 2023年8月31日発行」
宅地建物取引士
特徴とおすすめの理由
宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引における専門家を指す国家資格です。
不動産、建設、金融といった業種では不動産の取引が多く、宅建の資格を取得すれば不動産取引に関する説明や契約書作成ができるので有利に働きます。また行政と社会との規律を定めた法律も学ぶため、法律知識を習得できます。
必要な勉強時間と難易度
必要な勉強時間は400時間〜600時間程度といわれており、初心者かつ独学の場合は4~5カ月程度、資格予備校に通う場合は3カ月程度の期間が必要になるでしょう(※34)。
宅地建物取引士(宅建)の合格率は15%前後となっており、取得がやや難しい資格です(※35)。
(※34)参考:資格の学校TAC「宅建士(宅地建物取引士)試験の合格までに必要な勉強時間は?」
(※35)参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(過去10年間)」
▼就活でおすすめの資格について詳しく知りたい方はこちら ・就活で有利な資格10選!業界別・文理別のおすすめとESの書き方
商学部の就活のポイント|企業・職種の選び方編
商学部生が就活を進める上でのポイントをいくつかご紹介します。まずは、企業や職種の選び方についてです。
自己分析・業界研究・企業分析を通して就活の軸を定める
志望企業や職種を選ぶ上で、就活の軸を定めることが重要です。
就活の軸とは、企業を選ぶ際の基準や優先事項のことです。具体的には、ミッション、仕事内容、将来のキャリアプラン、働き方などから自分が特に大切にしたい価値観や条件を指します。就活の軸を持つことで企業選びがスムーズになることに加え、明確な志望動機の説明に役立つため、納得のいく就活をするために重要です。
就活の軸を作るためには、自己分析や企業・業界研究の他、軸の例を参考にすることが効果的です。
志望企業や職種を選ぶ上で、就活の軸を定めることが重要です。
就活の軸とは、企業を選ぶ際の基準や優先事項のことです。具体的には、ミッション、仕事内容、将来のキャリアプラン、働き方などから自分が特に大切にしたい価値観や条件を指します。就活の軸を持つことで企業選びがスムーズになることに加え、明確な志望動機の説明に役立つため、納得のいく就活をするために重要です。
就活の軸を作るためには、自己分析や企業・業界研究の他、軸の例を参考にすることが効果的です。
▼自己分析について詳しく知りたい方はこちら ・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説 ・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文 ・【モチベーショングラフの書き方】自己分析が捗るテンプレートも紹介 ・マインドマップを使った自己分析!書き方や無料のツール・アプリを紹介 ・エニアグラム全9タイプの適職とそれぞれの職業を解説!自己分析に役立てよう ・ジョハリの窓とは?診断を就活に生かせる自己分析のやり方を解説 ・【2024年最新版】就活の自己分析におすすめな本10選|活用法も紹介 ・他己分析のやり方とは?厳選ツールと質問リストで長所と短所を発見
インターンシップに参加する
インターンシップとは「社会に出る前の職場体験」です。企業で仕事をしている人の話を大学生が直接聞いたり、実際の仕事を体験したりすることで、業種・業界・職種の違い、社員の雰囲気、企業風土などを知れます。
企業を内側から見てみることで、企業研究だけでは分からなかった社内の雰囲気や人間関係をつかめます。インターンシップであらかじめ希望する企業を体験しておけば、自分に合う企業かどうかを判断できます。
▼インターンシップについて詳しく知りたい方はこちら ・インターンとは?種類や目的、面接・志望動機のポイントなど解説! ・内定につながるサマーインターン一覧:約30社のインターン情報を完全公開!
企業説明会に参加する
企業説明会への参加も有効です。
説明会の中で、企業に対して魅力的に感じた場面を振り返ってみましょう。「どこが魅力的か」「なぜ魅力的か」を深掘りすることで、就活の軸が明確になります。
OB・OG訪問する
OB・OG訪問とは、実際に企業で働く方に対して、会社や仕事についての話を伺うことです。OB・OG訪問は、大学の先輩や知り合いに紹介してもらったり、就活イベントを活用して社員と接点を持ったりすることで機会を作れます。
社風やキャリアに関して社員のリアルな声を聞き、共感できるかどうか見極めましょう。
▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら ・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説 ・OB訪問のマナーと服装【社会人の本音】連絡の取り方・当日の対応とNG例 ・OB・OG訪問の質問リスト【厳選50選】 深い内容を聞くコツ・前日に送るメール例
学んだ内容を生かせる業界・職種を選ぶ
学んだ内容を生かせる業界や職種を選ぶことも重要です。
企業や職種によって求める人物像やスキルは異なるため、求める人物像にマッチした志望動機や就活の軸を選びましょう。就活の軸が企業と合わないと、「ミスマッチが起きる」「すぐに離職するかもしれない」とネガティブに捉えられる可能性があります。
ワンキャリアでは、企業や職種ごとに合格の秘訣を紹介しています。ここではトヨタ自動車の例をご紹介します。
トヨタ自動車のインターン・本選考対策のポイント ・トヨタへの圧倒的な志望度の高さを示すこと ・チームで成果を出せる人材だと示すこと ・課題意識と問題解決能力の高さを示し続けること ※出典:トヨタ自動車|技術職2025年卒の合格の秘訣
トヨタ自動車の選考を受ける場合は、上記と合致する軸を表すエピソードを選ぶようにしましょう。
以下から、企業・職種ごとの合格の秘訣を検索できます。こちらを参考にして、アピールできる長所を選びましょう。
▼企業ごとの合格の秘訣をさらに知りたい方はこちらから ・ONE CAREER 企業一覧
商学部生が重視する就活の軸ランキング
ここで、商学部生が重視する就活の軸ランキングをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください(※35)。
- 1位:ワークライフバランス重視
- 2位:給与水準や昇給率の高さ
- 3位:若手でも挑戦しやすい環境
- 4位:企業経営や事業が安定している
- 5位:キャリアアップ・スキルアップしやすい
- 6位:経済的支援の充実
- 7位:希望のエリアで働ける
- 8位:いろいろな職種・事業を経験できる
- 9位:研修・育成制度の充実
- 10位:事業の成長性が高い
- 11位:働く時間を調整しやすい
- 12位:女性が活躍しやすい
- 13位:海外で働く機会
- 14位:海外の人と関わる機会
- 15位:働く場所を調整しやすい
- 16位:年次によらないフェアな競争環境
- 17位:専門性やスキルを生かせる
- 18位:地元で働ける
- 19位:Uターン就職できる
(※35)……ワンキャリア2026年卒会員のデータより集計
▼就活の軸について詳しく知りたい方はこちら ・就活の軸【例一覧100選】面接/ESでの答え方と業界・職種別の例文
商学部の就活のポイント|選考対策編
次に、選考対策について解説します。
早期から情報収集をし、早期選考を受ける
早期から情報収集をして早めに選考を受けましょう。
業界によっては、大学3年の10月頃から早めに選考が行われる場合もあります。そのため、志望業界のスケジュールを把握しておらず選考開始に遅れてしまうと、選考期間が終わったり周囲の就活生より準備不足になったりするかもしれません。
他にも、早期選考を受けると以下のメリットを実感できます。
- 良い企業を見極める目を養える
- 選考経験が積める
- 内定者のインターンシップに参加できる
合同説明会への参加などを行えば、大学のOB・OGや他の就活生と交流して情報収集もできます。このように、早めに情報収集を行い早期選考を受けることで、志望する企業の内定をいち早く獲得できるでしょう。
▼早期選考について詳しく知りたい方はこちら ・26卒の早期選考はいつから?実施企業一覧とスケジュール・対策
webテスト対策に力を入れる
Webテスト対策も重要です。
効率的なWebテスト対策のポイントは以下の通りです。
- 出題傾向を理解する
- 苦手分野を把握して重点的に対策する
早めにWebテスト対策をはじめて企業ごとの出題傾向を理解し、苦手を克服することで、効率的に対策できるでしょう。
もちろん、多くの企業では面接やESの内容も重視するため、ある程度Webテストの勉強をしたら、面接練習やES対策にも取り組みましょう。
▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら ・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧 ・【2024年版】Webテスト24種類の見分け方!形式別のURL一覧と業界別の傾向
エントリーシート(ES)や履歴書を余裕を持って準備しておく
社会学部生の就活で成功するためには、余裕を持ってESや履歴書を準備することが重要です。余裕を持ってESや履歴書を準備し、求められた期日に提出することで、採用担当者に好印象を与えられます。
もちろん、内容が悪ければ書類選考で落とされてしまうため注意しましょう。余裕を持って書類を作成しつつ、何度も見直して自分の強みを最大限アピールできる内容のESや履歴書にブラッシュアップすることが重要です。
▼ES・履歴書について詳しく知りたい方はこちら ・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策 ・【就活の履歴書】学歴・志望動機の書き方と封筒・写真などの準備方法
面接対策|よく聞かれる商学部特有の質問&回答例
社会学部生の就活で成功するためには、面接対策も重要です。
社会学部特有の質問と回答例をまとめたので、参考にしてみてください。
なぜ商学部を選んだのですか?
企業が、学部や学科を選んだ理由について質問するのは、以下の理由が考えられます。
- 目標を立てて行動できる人かを確認している
- 勉強に対する意欲を確認している
「物事を考えて行動できる人か」「目標に向かって努力のできる人か」を確かめる質問であるため、経済学部を志望した明確な理由と、どのような努力をしてきたかアピールしましょう。
【例文】 私が商学部を選択した理由は、マーケティングや会計などの知識を身につけたいと考えたからです。経済活動をより俯瞰(ふかん)的に見る経済学とは違い、商学は企業経営に関する問題、現象に焦点が当てられ、ビジネスの現場で直接役立つ内容を学ぶことができます。社会に出てから即戦力となる教養を学べ、ビジネスマンを目指す私にとって、商学が今後のキャリア形成に必要だと考えました。 ※出典:清水建設|グローバル職2018年卒本選考のES
なぜ◯◯の資格取得をしようと思ったのですか?
企業が資格取得の意図について質問するのは、以下の理由が考えられます。
- 取得に明確な目的があったか?
- 資格取得までどのような努力をしてきたか?
「自身で目標を立てて達成まで努力できる人材なのか?」をチェックする質問であるため、資格取得の背景や具体的に業務でどのように活用するかまで説明できると好印象を与えられます。
【例文】 簿記を独学で習得した。所属する商学部の科目で会計に触れ興味を持ち、目標をもって勉強したいと考えたため資格の取得を目指した。しかし、私はこの勉強のために大学での学びやサークル活動、アルバイトや友人との交流などを制限したくないと思った。これらはかけがえのない経験であり、人生を豊かにすると感じていたからだ。そのため、隙間時間を見つけてYouTubeなどを利用して学習を進め、大学1年生の11月に3級に合格した。2級の取得は、3級よりも大幅に難易度が上がったことと、2年にサークルの執行代となり活動量が増えたことで、思うように時間が取れなかったために苦戦した。そこで勉強法を見直し、動画などの受動的な学習ツールだけに頼らず、紙とペンで手を動かす能動的な学びを並行した方がかえって効率的だと考え、毎日就寝前に短時間でも机に向かうよう心掛けた。この取り組みが功を奏し、2年生の3月に目標の2級取得をかなえられた。 ※出典:ポーラ|総合コース2025年卒本選考のES
商学部の中での専門領域は?
企業が専門領域について質問する理由として、以下が考えられます。
- 何に興味を持ったのか?
- 学んできたことをどのように生かせるか?
まずは、学んできたことについて簡潔に説明し「その専門領域を選択した理由」「学んできたことを企業にどのように生かせるか」について、アピールしましょう。
【実際の質問】 あなたの財務経理の知識を活用した経験や学んできたことについて教えてください。 【例文】 企業価値評価論の授業に注力したことである。会計学を主とし、商学系の学問の集大成として扱われ、経済活動を学ぶ上で有効であると考えたためである。財務諸表の分析から、将来のシナリオの考案、関数の作成など全てを自力で行う必要があったため、予測財務諸表の総資産と負債純資産の合計が一致しないなどの困難があった。しかし、目標であった誤差5%以内を達成するために、IR(投資家向け情報提供)情報を読み込み、試行錯誤を重ねた結果、最終的に誤差3%まで縮めることが出来た。ここから、物事の本質を突き詰めることや地道に挑戦し続けることの重要性を再認識するとともに、企業の実態に触れられる会計学の面白さを改めて実感し、現在は簿記一級取得に向けて勉学に励んでいる。 ※出典:サントリーホールディングス|財形部門2024年卒本選考のES
商学部で学んだことで弊社で生かせることは何ですか?
「大学で学んだことをどのように生かせるか?」を質問する背景には、以下の理由が考えられます。
- 自分の強みを理解できているか?
- この企業を志望した明確な理由は?
社会学部では幅広いことを学べるため、さまざまな他の業界や企業で知識を生かせます。数多く学んできたことの中から、自分の強みと企業を選んだ明確な理由を聞くことで、会社との相性を図っています。
【関連する質問例】 コミュニケーション・協調性を表すエピソード 【例文】 大学でのゼミナールで他大学と合同発表会をするというインターゼミナールの経験を挙げます。私は、このインターゼミナールの班リーダーに先生から指名されていました。 3年生の夏季休暇中に、◯◯大学や◯◯大学・◯◯大学と合同発表会を行いました。ゼミナールの先生が決めたランダムな班決めであったため、コロナ禍で対面でのゼミの授業がほとんどなかったため、班全員が仲のいい人同士ではなかったということもあり、何のお題にするかすらもすぐには決まらない状況でした。積極的なメンバーだけが意見を言い、消極的なメンバーは発言すらもしないことが一番の問題でした。 私は、協力し合ってインターゼミナールを行うために週に一回オンラインでミーティングをし、ゼミについての話し合いの時間を設け、メンバーと積極的にコミュニケーションをとることにしました。また、少数意見も取り入れていくため、ルーム機能を使用し、一人一人としっかり向き合いました。これにより、メンバー同士がプライベートで食事に行くことも増え、メンバー全員が積極的に意見を出してくれるようになりました。インターゼミナールの経験から他者と協調してコミュニケーションをとることの重要性を再確認しました。 ※出典:独立行政法人 勤労者退職金共済機構|総合職コース2024年卒本選考のES
▼面接対策について詳しく知りたい方はこちら ・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例 ・【面接マナー】新卒就活の決定版!集団面接やオンライン面接も解説
まとめ
こちらの記事では、商学部生に向けて、人気の就職先や業界・職種を紹介しました。就活を進める上でのポイントも参考にして、ぜひ就活を上手に進めていきましょう。
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