こんにちは、ワンキャリア編集部です。
エントリーシート(ES)の「入社後にしたいこと」の項目には、どのようなことを書けば良い印象を与えられるのでしょうか。この記事では、「入社後にしたいこと」の書き方や例文について解説します。
<目次>
●「入社後にしたいこと」と志望動機の違い
●企業が「入社後にしたいこと」を聞く理由
・自社の事業理念や仕事内容への理解度を確認するため
・ミスマッチを防ぐため
・就活生のキャリアビジョンを知るため
・実際に働くイメージを持っているかを確認するため
●【4ステップ】ESで「入社後にしたいこと」の答え方
・【ステップ1】携わりたい具体的な仕事内容を伝える
・【ステップ2】その理由やエピソードを交える
・【ステップ3】実現するための行動を伝える
・【ステップ4】どのように企業へ貢献できるかを伝える
●【業界別】「入社後にしたいこと」の例文
・コンサル
・金融
・商社
・広告・マスコミ
・メーカー
・食品
・インフラ・交通
・IT・通信
・不動産・建設
●【職種別】「入社後にしたいこと」の例文
・営業職
・事務職
・製造職
・企画職
・研究職
・コンサルタント
・エンジニア
●「入社後にしたいこと」を見つける方法
・自分の過去や将来像から適性のある仕事を見つける
・志望企業の理念や業務内容を知る
●「入社後にしたいこと」を回答する際のNGポイント
・仕事内容とのつながりが薄い
・個人的な目標を答える
・目標が低すぎる、または非現実的
・他の会社でも実現できることを伝える
・ネガティブな表現を使う
●おわりに
「入社後にしたいこと」と志望動機の違い
「入社後にしたいこと」と「志望動機」は、学生が企業に対して示す意欲やビジョンを伝えるための重要な要素ですが、その内容と目的は異なります。
「入社後にしたいこと」は、実際に入社した後に取り組みたい業務や達成したい目標を具体的に示す部分です。これにより、学生が将来のビジョンを明確に持っていることや、自らのキャリアパスを考えていることが分かります。
一方、志望動機は、なぜその企業を選んだのか、どのような魅力や価値を感じたのかを説明する部分です。具体的には、企業のビジョンやミッション、事業内容に共感し、自身のスキルや経験がどのように貢献できるかを述べます。
この違いを理解し、適切に伝えることで、企業は学生の本気度や適性を評価しやすくなります。志望動機は企業選びの理由、「入社後にしたいこと」は将来のビジョンを示すものであり、両者をバランスよく伝えることが大切です。
企業が「入社後にしたいこと」を聞く理由
ここでは、企業が「入社後にしたいこと」を聞く理由と、その背後にある目的について解説します。
企業は、自社の事業理念や仕事内容への理解度を確認するためや、ミスマッチを防ぐためにこの質問をします。また、就活生のキャリアビジョンを知り、実際に働くイメージを持っているかを確認するためでもあります。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
自社の事業理念や仕事内容への理解度を確認するため
企業が「入社後にしたいこと」を聞く理由の1つは、学生が企業の事業理念や仕事内容をどれだけ理解しているかを確認するためです。
事業内容やカルチャーをしっかりと理解し共感している学生は、入社後のミスマッチが少なく、長期的に活躍する可能性が高いため、企業は自社の事業や理念に対する深い理解を持つ学生を求めています。具体的にどのような点に魅力を感じているのかを知ることで、企業は学生の熱意や意欲を評価できます。
企業は学生が具体的にどの事業やプロジェクトに興味を持ち、それに対してどのような貢献を考えているか、学生の理解度をチェックしています。
就活生は企業の強みや競合他社との違いを理解し、それを生かした具体的な計画を説明できれば、企業に対する強い志望度が伝えられるでしょう。
ミスマッチを防ぐため
企業が「入社後にしたいこと」を質問する大きな理由の1つは、ミスマッチを防ぐためです。例えば、学生が特定のやりたいことを強く望んでいる場合、それが企業で実現できないと、学生のモチベーションが低下する恐れがあります。
このような状況では、優秀な人材であっても「希望する業務に携われないため、モチベーションを保つのが難しい」「やりたいことができる別の企業に転職してしまうかもしれない」と企業は考えてしまいます。
企業は採用に多大な時間と費用を投じるため、早期退職による損失は大きな痛手です。そのため、学生が自社で希望する仕事を実現できるかどうかを事前に確認し、ミスマッチを防ぐことが重要です。
就活生のキャリアビジョンを知るため
企業が「入社後にしたいこと」を質問する理由の1つは、就活生が実際に入社したあとに、どのような目標を持って働こうとしているか、またそのビジョンが企業で実現可能かどうかを判断するためです。
例えば、面接官が「あなたは他の業界のほうが活躍できるのではないか」と指摘することがあります。これは、企業のことを理解している優秀な学生であっても、そのキャリアビジョンが自社で実現できないと判断した場合です。
企業は、学生が自社で理想のキャリアを築けるかどうかを見極め、場合によっては他の業界や企業をすすめることもあります。
このように、企業は学生のキャリアビジョンを理解し、それが自社の環境で実現可能かどうかを見極めることで、適切な人材を確保し、学生も満足できるキャリアを築けるようにしています。
実際に働くイメージを持っているかを確認するため
企業が「入社後にしたいこと」を質問する理由の1つは、就活生が実際にその企業で働く具体的なイメージを持っているかどうかを確認するためです。採用担当者は、常に「この学生と一緒に働けるか」「どのような貢献が期待できるか」といった点を念頭に置いて採用活動を行っています。
実際に働くイメージを持っていない学生に対しては、採用担当者も一緒に働く姿を想像するのが難しくなります。企業がこの点を重視するのは、入社をゴールと考えている学生が一定数存在するためです。入社が目的になってしまうと、学生の成長意欲が低く、入社後の教育コストが無駄になる可能性があります。
そのため、企業は学生が具体的な業務内容や職場環境を理解し、実際に働く姿をイメージしているかどうかを重視します。これにより、入社後も意欲的に成長し続ける人材を見極め、採用したいと考えています。
【4ステップ】ESで「入社後にしたいこと」の答え方
ここでは、ESで「入社後にしたいこと」を効果的に伝えるための4つのステップを解説します。
まず、携わりたい具体的な仕事内容を伝え、その理由やエピソードを交えることが重要です。その後、実現するための行動を示し、どのように企業へ貢献できるかを具体的に伝えましょう。それぞれのステップについて詳しく見ていきます。
【ステップ1】携わりたい具体的な仕事内容を伝える
ESで「入社後にしたいこと」を答える際には、まず結論を述べることが重要です。「入社後にしたいことは何ですか?」と問われた場合、「私が入社後に取り組みたいのは、◯◯です」と明確に伝えましょう。
具体的な仕事内容を述べる際には、できるだけ具体的な業務内容やプロジェクト名を挙げると効果的です。例えば、「入社後は、マーケティング部でデジタル広告キャンペーンの企画と運営に携わりたいと考えています」と具体的に示すことで、読み手である採用担当者にあなたの意図が明確に伝わります。
逆に、長いエピソードや入社後に取り組みたい理由から始めてしまうと、何を伝えたいのかが不明瞭になりがちです。採用担当者が最初の段階で結論を理解できるようにすることで、ES全体の方向性が明確になり、最後までしっかりと読んでもらえる確率が高まるでしょう。
【ステップ2】その理由やエピソードを交える
次に、入社後にやりたいことの理由や関連するエピソードを交えましょう。採用担当者は一日に多くの学生と面接を行うため、個別のエピソードを含めることで他の学生と差別化できます。また、具体的な理由やエピソードは、あなたの志望理由に説得力を持たせる重要な要素です。
例えば、「私がデジタル広告キャンペーンに携わりたい理由は、大学でマーケティングの授業を受け、実際にインターンシップでキャンペーンの企画と実施を経験したからです。この経験を通じて、データ分析とクリエイティブな戦略立案の両方に魅力を感じました」と述べると、あなたの志望動機が具体的でリアルなものとなります。
このように、具体的なエピソードを盛り込むことで、あなたがその仕事に対して本気で取り組みたい理由が明確になります。他の学生との差別化を図るためにも、自分の経験やエピソードをしっかりと伝え、面接官に強い印象を与えましょう。
【ステップ3】実現するための行動を伝える
「入社後にしたいこと」を実現するための具体的な行動プランを示すことは、目標を現実的に伝えるために非常に重要です。将来的にどのような行動を取るのか、目標達成に向けたプロセスを具体的に伝えることで、採用担当者にあなたの計画性と実行力をアピールできます。
具体的な行動について述べる際には、企業の事業内容や入社後の業務内容を深く理解することが欠かせません。例えば、「入社後はまず、マーケティング部でデジタル広告キャンペーンの基礎を学び、その後、データ分析のスキルを高めるために社内の研修プログラムを活用します。さらに、業界の最新トレンドをキャッチアップするために、定期的にセミナーや勉強会に参加し、知識をアップデートしていきます」といった具体的なプランを伝えましょう。
また、学生時代の取り組みや現在進行中の活動もアピールポイントになります。例えば、「大学時代にマーケティングのゼミでデータ分析を担当し、その結果、広告効果を20%向上させた経験があります。現在も自主的にデジタルマーケティングのオンラインコースを受講し、スキルアップに努めています」といった具体例を挙げることで、あなたの目標達成に向けた意欲と行動力がより一層伝わります。
企業にとって、具体的な行動プランを持つ学生は、入社後の成長が期待できる人材と評価されるため、しっかりとアピールすることが大切です。
【ステップ4】どのように企業へ貢献できるかを伝える
企業の業務内容と絡めて、自分の強みをどのように仕事に生かせるかを具体的に伝えることが重要です。まずは、自分が企業に対してどのように貢献できるかを明確にし、その根拠を自己分析によって導き出しましょう。これには、大学での経験やインターンシップ、OB・OG訪問で得た知識やスキルを振り返り、それらがどのように企業の業務に役立つかを整理する必要があります。
例えば、「私は大学のゼミ活動でリーダーを務め、チームをまとめ上げて成功に導いた経験があります。この経験から得たリーダーシップと調整能力を生かし、貴社のプロジェクトを円滑に進めることができると確信しています」と述べると、具体的な貢献のイメージが伝わりやすくなります。
また、自己PRの内容と矛盾しないように注意することも重要です。ES全体のなかで一貫性を持たせることで、あなたの信頼性と説得力が増します。自己分析を徹底し、自分の強みと企業のニーズをしっかりと結びつけ、企業にとって魅力的な人材であることをアピールしましょう。
【業界別】「入社後にしたいこと」の例文
ここでは、業界別の「入社後にしたいこと」の例文をご紹介します。
コンサル
私はコンサルタントとして「DXによる社会全体の生産性の向上に貢献する」と「頼られる人間になる」を実現したく、貴社を志望しています。 前者は、私は企業活動における課題が「非効率性から生じる仕事に関する手間や時間の浪費」にあり、ITによる業務効率化で解決が可能であると考えています。貴社は特定の業界・ソリューションに捉われず、幅広い課題解決を行なっていると理解しています。そのため、多様な企業に情報管理の正確性向上などの付加価値が提供でき、生産性の向上に寄与できます。 後者の「頼られる人間」とは一度関係を持ったクライアントから、指名で相談が来るようなコンサルタントを指します。これには優れた課題解決力・思考力に加えて、深い信頼関係の構築が不可欠です。これは貴社の「Real Partner」という理念の下、クライアントに深く寄り添うことで実現できます。 以上の理由から、私は貴社を志望しています。 ※出典:アビームコンサルティング|テクノロジーコンサルタントコース職2025年卒本選考のES
金融
私は「チャネル系」のシステムに関わりたいと考えています。銀行の窓口に行かなくても利用できるインターネットバンキングは、利便性の高さから拡大を広げ、今後のさらなる飛躍が期待されていると感じます。またDXを推進するりそなグループにおいても、金融デジタルプラットフォームの提供など、デジタルイノベーションの実現を掲げています。チャネル系のシステム構築では、そうした最先端の技術に応え、多くのお客様の利便性向上と体験価値の向上に貢献できると考えます。市場の動向、顧客のニーズを徹底的に分析したうえで、NTTグループが保有する最先端のテクノロジーで価値を提供し、豊かな社会を支えていきたいです。また、貴社は銀行実務トレーニー制度を導入しており、使う人の立場を理解することで、真のニーズの汲み取りに繋げることができます。顧客の立場に立った創造力を培い、専門性を高めることで、多角的な視野を持つ人として活躍したいです。 ※出典:NTTデータソフィア|システムエンジニア2024年卒本選考のES
商社
電力・ユーティリティ部門の営業職として、環境に配慮したエネルギーを途上国企業に調達する取引を行い貴社に貢献したい。脱炭素化に向けて、再生可能エネルギーは今後も世界中で需要が高まるだろう。そこで私は人生の目標を叶える為にも、∞の向上心で業務に励み、途上国のインフラ整備に取り組む事で経済成長に寄与したい。 ※出典:伊藤忠エネクス|ゼネラル職(総合職)2024年卒本選考のES
広告・マスコミ
二つある。1つ、わざわざテレビ報道を見なくてもいいこの時代に、テレビが正確で良質な情報を徹底することで【真に価値あるコンテンツ】にしたい。私は◯◯で、◯◯されている瞬間を感じたことがある。そのような報道の影響から、小学生の頃◯◯であることを何度も同級生に悪く言われてしまった。この経験から、報道は人々の思想を左右する力があると強く実感し、事実を自分の目で正しく理解し、私自身が適切に世に伝えていきたいと考えるようになった。そして、情報過多社会を生きる若年層をターゲットにメディアリテラシーを題材とした教養番組を作り、受け手側も情報を正しく読み取り、適切に活用する力が必要であることを広く説きたい。二つ、赤坂の街づくりに携わり、貴社のブランディングに貢献したい。ハリー・ポッターの世界に彩られた赤坂の街に足を踏み入れた時、私はアート作品に入ったかのような高揚感を忘れられず、次は自分が人々を感動させる新しい空間体験を創りたいと考えるようになった。 ※出典:TBSテレビ|一般職2024年卒本選考のES
メーカー
「◯◯」という目標が達成できると考えるからだ。私は◯◯を通して、ITを用いた効率化は生活を豊かにすることを体感した。人生の長い時間を占める仕事において、その無駄をITで削減し、より創造的な仕事に従事できれば、人々は自分の人生にワクワクできると考える。目標達成に際し魅力を感じた貴社の強みは3点あり、1.画像認識やAIにおける確かな技術を起点とした提案が行えること、2.お客様との価値共創の考え方、3.企業規模が大きく社会への影響力が高いこと、である。 入社後は、目標実現に向け最適なITソリューションを提供するため、チームで高い成果を上げられるマネジメントのプロフェッショナルを目指す。具体的には、3年目までは開発の一連の流れを学び、3年目以降はPMとして私の強みである「他者へ働きかける力」を生かして活躍したい。 ※出典:日本電気(NEC)|SE職2025年卒本選考のES
食品
「食品ロスの低減」を実現したい。ゼミナールの経験から「食」に関わる数えきれない課題があることに気付き、その取り組みを広めたい仕事に携わりたい。入社後はグローバル社会の課題であるサステナビリティに着目し、家庭から出るフードロスを減らして食エコを広げられるマーケティングやサービスを提供したい。 ※出典:味の素|Sales/Business2024年卒本選考のES
インフラ・交通
私が入社後に実現したいことは、短期的・中長期的ゴールから成る。短期的には、総務部の広報グループでセントレアを世界に発信したい。海外のお客様の声も聞くことができ、お客様にとってのセントレアの存在価値を確かめられるからだ。私は中部地方初上陸の身として、お客様と同じ目線でセントレアを感じることができるため、この体感を貴社が社会にとって身近な存在となるための戦略に生かす。中長期的には、お客様の声を大切に社員を支える部署で社員の働きやすさを追求し、セントレアの品質向上を支えたい。社員の働きやすさはお客様への価値提供やセントレアの品質向上に直結すると考えるからだ。ここでは、期待以上のおもてなしを提供できるという自身の強みを社員一人ひとりの働きがいや仕事への意欲向上の価値創造に生かし、セントレアを支える基盤づくりに貢献する。 ※出典:中部国際空港|総合職2024年卒本選考のES
IT・通信
「技術と社会を繋げる事で人々の生活を支え、より良くする」ことに寄与できるビジネスを行いたい。なぜなら部活動の経験を通して様々な人々を繋げることで◯◯という成果を挙げることができ、やりがいを感じたためだ。そして貴社で獲得したいスキルは技術と社会を繋げる手法やマネタイズする手法である。入社後は研究や部活動で培われてきた分析力・やり切る力、科学の素養を生かしながらトレーディングや事業投資の経験を積むことで「技術と社会を繋げる事で人々の生活を支え、より良くする」ことに寄与できるビジネスを実現したい。 ※出典:三菱商事|総合職2023年卒本選考のES
不動産・建設
貴社の説明会で、印象に残ったことが「売りたい人の土地にこもった気持ちを汲み取り、次の人にそれを引き継ぐ仕事」という言葉です。私は入社後に営業として専門知識を学び続ける姿勢を持ち、専任一貫体制の中でお客様と親密な信頼関係を築きながら、顧客第一主義を徹底したいと考えております。 ※出典:住友不動産販売|総合職2024年卒本選考のES
【職種別】「入社後にしたいこと」の例文
ここでは、職種別の「入社後にしたいこと」の例文をご紹介します。
営業職
営業担当として、貴社の商品を手に取り、口に運ぶことで笑顔になるお客様を増やしたいです。その中でも量販店営業を行い、お客様や生活者様からダイレクトに受けた反応を自分の提案に反映することで売上に貢献したいです。同時に、ライフスタイルが多様化する現代の市場の動向を把握し、シーンに合わせた商品の提供を、営業ならではの視点から行いたいと考えます。そのためには、自分の言葉で正しく・分かりやすく良さを伝えられる知識が必要だと考えます。これらのインプットを怠らないことで、「伊藤ハムの顔」としてお得意様から頼られる存在となり、貴社商品を1人でも多くのお客様に届け、笑顔を生み出せるよう尽力したいです。 ※出典:伊藤ハム|営業職2023年卒本選考のES
事務職
自動車大国としての世界における日本の地位を守りたい。電動車のニーズが拡充され特に欧米各国でガソリン車の規制が厳格化する中、日本企業はEV化の波に乗り遅れていると度々指摘されてきた。貴社は、電力インフラから抜本的改革をしない限り真のカーボンニュートラルは実現しえないと表明しており、長期的視点での経営戦略を展開している。私は、世界各国に拠点を持つグローバル企業としての貴社の仕事を通じて、将来的なアジア地域におけるEV化を進めたいと考えている。欧米に限らない新興国市場における環境問題の取り組みが、真のゼロエミッションの実現に繋がると考えているからだ。30年後を見据えた事業展開を貴社で行いたい。 ※出典:マツダ|事務系2024年卒本選考のES
製造職
高品質で安全な製品をつくり続けることです。貴社は業界トップシェアを誇り、それと同時に絶対的信頼が寄せられています。この信頼に応え続けていくことが大切であると考えました。また、世の中のニーズは時代や地域によってさまざまであり、常に変わり続けます。変化し続けるニーズに対応し、要求される以上の品質、安全性を追求した製品づくりに取り組んでいきたいです。 ※出典:資生堂|国内工場(製造系・技術系・事務系)2022年卒本選考のES
企画職
入社後は、◯◯の売店でPOP作成などの売り場作りをしてきた経験を生かし、小売店での営業をしてみたいです。また、「周りの人がやっていないことを積極的に行っていく」という私の強みを生かして、モクテル、CokeONのような新たな需要に対する挑戦もしていきたいと考えています。 ※出典:コカ・コーラ ボトラーズジャパン|経営戦略本部2023年卒本選考のES
研究職
現在では想像できない、世界中の人々が当たり前に使用する革新的な製品を生み出したい。そのために、入社後は多くの技術や知識に触れ、専門性を深化するとともに、専門の幅を広げていく。そして、入社数年後には、周囲の人から些細な部分でも良いので、「ロールモデル」にしてもらえるような人材に成長する。その後、私がチーム内でリーダーシップを発揮し、「よきモノづくり」を行うことで冒頭の製品を生み出したい。 ※出典:花王|技術系 研究職2023年卒本選考のES
コンサルタント
私は貴社のコンサルタントになることで、AIやITなどに関する専門的知識を生かして多様な業界の経営課題の解決に携わり、直接的な社会課題の解決を実現したいと考えている。私は、大学から現在の大学院での研究活動においてAI、ITの可能性を知り、最先端技術を用いて課題を解決することに達成感を得られた。しかし、研究ではエンドユーザーとかかわることが難しく、実社会が実際に抱える課題や実社会への技術の有効性を図ることができないと痛感した。そのため、貴社のコンサルタントになり、顧客であるエンドユーザーの声をもとにPDCAサイクルを回すことで最先端技術を最大限に活用した経営課題解決を実現したいと考えている。 ※出典:デロイト トーマツ コンサルティング|コンサルタント職2025年卒本選考のES
エンジニア
常に相手軸で、最後まで努力し続ける姿勢が強みだ。その力を生かして、成長や挑戦の後押しとなる環境を創出したいという自身の夢の実現に向け、顧客や社会に安心と信頼を届け、健康寿命を伸ばすことに貢献したい。周囲との信頼関係を構築、強化させながら、顧客基盤の更なる拡大に向け尽力したい。また、SE職として、チームでの協働を大切にしながら、社員一人一人のモチベーションを向上させられる環境をつくりたい。アルバイトでの経験で、顧客や共に働く従業員にとっても最善となる環境を創出できたことが、自身の原動力となったからだ。信頼関係を大切にする貴社において周囲と感情を共有できる環境を創出することが、原動力に繋がると感じた。そして、グループの更なるグローバル化と共に、企業と顧客の架け橋として、顧客に寄り添い続けたい。世界最高品質を追い求め、マーケティング力を高めながら、社会と共に成長する企業としての確立に貢献したい。 ※出典:オムロンソフトウェア|システムエンジニア2025年卒本選考のES
「入社後にしたいこと」を見つける方法
ここでは、「入社後にしたいこと」を見つけるための方法について解説します。
自分の過去や将来像から適性のある仕事を見つけることや、志望企業の理念や業務内容を知ることが大切です。これらの方法を通じて、自分が本当にやりたいことを明確にしましょう。
自分の過去や将来像から適性のある仕事を見つける
「入社後にしたいこと」を見つけるには、自分の過去の経験や将来の理想像から適性のある仕事を見つける方法が有効です。
やりたくないことや強みを生かせること、過去に達成感を得られた経験や苦労した経験、将来キャリアにおける理想像などの観点から自己分析を行いましょう。これにより、自分に最適な仕事を見つけやすくなります。
やりたくないことから探す
「入社後にしたいこと」を見つけるためには、「やりたくないこと」から消去法で考える方法も有効です。例えば、「一日中デスクに座っている仕事は避けたい」「チームでの協力よりも個人で成果を出す仕事がしたい」など、自分が避けたいと思う仕事の特徴をリストアップしてみましょう。このように、やりたくない項目をピックアップすることで、自分が本当にやりたいことが見えてきます。
消極的なアプローチに感じるかもしれませんが、入社後のミスマッチを避けるためには効果的です。自分にとってストレスになる可能性のある仕事を避けることで、長く続けられる仕事を見つけられます。
強みを生かせることを考える
自分の強みが生かせることをベースにして、入社後にしたいことを考えてみましょう。新卒の就活においては、自分の強みを企業にどう貢献できるかをアピールすることが重要です。
自分の強みを起点に入社後にしたいことを探すことで、伝える内容に納得感が生まれます。例えば、リーダーシップに自信があるなら、「チームをまとめ、プロジェクトを成功に導くことで、組織全体の生産性を向上させるマネジャーを目指したい」と述べるといいでしょう。
他にも、分析力に強みがあるなら、「データ分析を通じて市場のトレンドを予測し、戦略的なマーケティングプランを提案することで、企業の売上向上に貢献したい」と具体的に述べられます。このように、強みが活きる内容にして、説得力のある回答を目指しましょう。
過去に達成感を得られた経験から考える
過去に達成感を得られた経験をもとに、入社後にしたいことを決める方法もおすすめです。
過去の経験は再現性が高く、入社後に困難に直面したとしても、以前の成功体験を思い出すことでモチベーションを維持しやすくなります。例えば、大学でゼミ長を務め、チームをまとめて目標を達成した経験があるなら、その経験を生かして「入社後はプロジェクトマネジャーとしてチームを率い、目標達成に貢献したい」とアピールできます。
こうした具体的な過去の経験を引用することで、応募先企業での具体的な働き方をイメージしやすくなり、面接官に対して強い印象を与えられます。
苦労した経験から考える
成功体験だけでなく、苦労した体験から入社後にしたいことを見つける方法もおすすめです。日常生活では苦手なことを避けられますが、社会人になると、苦手な業務にも取り組む必要が出てきます。
過去に苦労した体験を振り返ることで、自分がどのようにその困難を乗り越えたかを理解し、自分に適した仕事を見つける手がかりにできます。例えば、「大学時代に苦手だったプレゼンテーションを何度も練習し、最終的にはクラスで最高の評価を得た経験がある」とすれば、「入社後もプレゼンテーションスキルを磨き、企画部門で新製品の提案を行って会社の成長に貢献したい」と述べられます。
過去の困難を乗り越えた経験をもとに、自分の適性や将来像を見つけ出し、納得のいくキャリアプランを描いていきましょう。
将来キャリアにおける理想像から考える
自分の強みや過去の経験から適性を見つけるのが難しい場合、「どのような社会人になりたいか」という将来キャリアにおける理想像から逆算して考える方法もおすすめです。
理想の社会人像を明確にすることで、今の自分に足りないスキルや経験が見えてきます。それを「挑戦したいこと」として設定すると、採用担当者に対して具体的で意欲的な回答をできます。
例えば、将来的にリーダーシップを発揮してチームを率いる社会人になりたいと考えるならば、「今はリーダーシップスキルを磨くために、プロジェクトマネジメントに挑戦したい」といった形で志望動機を構築できます。これにより、理想のキャリアに向けて具体的な行動計画を示せ、説得力のある回答になります。
理想像から逆算して考えることで、入社後の具体的な行動計画が明確になり、企業に対して自分のビジョンをしっかりと伝えられます。
志望企業の理念や業務内容を知る
志望企業の理念や業務内容を理解することから、「入社後にしたいこと」を見つける方法もあります。
企業の内部情報や実際の業務内容は、OB・OG訪問や説明会、インターンへの参加など、さまざまな方法で知れます。これにより、自分がその企業でどのように貢献できるか、入社後にどのようなことをしたいかを具体的にイメージできるでしょう。
ワンキャリアの「合格の秘訣」を活用する
各社の「企業の魅力」と「選考のポイント」をレポート形式で確認できます。各社の概要や事業の特性、強み、社風、競合他社との違いなどが端的に掲載されており、選考対策のみならず企業・業界研究にも活用できます。また、内定者が社員から実際に聞いた情報も書かれており、現場の声を知ることもできます。
▼気になる企業のES内容・合格の秘訣を確認する ・ES・体験談一覧
OB・OG訪問をする
OB・OG訪問は、気になる業界や企業で働いている方に仕事の内容や社内の雰囲気などを伺うことです。
説明会や座談会でも働いている方の話は聞けますが、残業時間や有給の取得しやすさなど、踏み込んだ労働環境については聞きにくいものです。よりリアルな情報を知りたい場合はOB・OG訪問が適しています。
▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら ・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説
説明会に参加する
採用選考活動の解禁後に行われる会社説明会やセミナーへの参加は、企業研究の常道です。大きなメリットは、実際に働いている人の話を聞き、活躍する従業員の特徴や人となりを把握できる点にあります。
説明会やセミナーは複数の企業が協力して行う合同説明会と、単独開催の2種類にわかれます。基本的に登録すれば誰でも参加でき、選考があるインターンシップと比べると、敷居の低さが魅力です。
説明会で確認したい情報は、事業の方向性や採用コンセプト、キャリアパス、人事制度・福利厚生などです。サイトでは確認できない将来的な展望や、求める人物像の具体例、入社の働き方に関する詳細な話が聞けます。
会社説明会やセミナー時は、質問をするよう心がけてください。疑問点をその場で解消できる他、会社の採用への姿勢を感じ取れるため、志望度を決める際に役立ちます。説明会で従業員と話をしたエピソードを面接で伝えれば、話題のネタにもなるでしょう。
▼会社説明会やセミナー情報を確認する ・募集中の説明会・セミナー一覧
インターンに参加する
インターンシップではネットではわからない情報や発見できなかった気付きがあります。
インターンシップはオフィスで従業員と一緒に業務をこなすため、社内の雰囲気や共に過ごす社員の印象などが分かります。内部の人間と仲むつまじい関係を構築できれば、説明会では聞きづらい質問もしやすくなるでしょう。
職務を体験できるインターンシップは、自身の業務特性を見極める際に有効です。目の前の作業に集中することも大切ですが、あくまでも企業研究の一環で行うため、全体的な業務フローや社風の確認も意識しましょう。
「入社後にしたいこと」を回答する際のNGポイント
ここでは、「入社後にしたいこと」を回答する際に避けるべきNGポイントについて解説します。
仕事内容とのつながりが薄いことや個人的な目標を答えることは避けるべきです。また、目標が低すぎる、または非現実的なことや他の会社でも実現できることを伝えること、ネガティブな表現を使うこともNGです。それぞれのポイントを具体的に見ていきましょう。
仕事内容とのつながりが薄い
入社後にやりたいことの回答で避けるべきNGポイントの1つは、仕事内容とつながりの薄い目標を伝えることです。企業は業績に貢献できる人材を求めているため、実際の業務内容と関係のない目標を示すと、企業での活躍イメージが湧きにくくなります。
例えば、IT企業に応募する際に「環境保護活動に取り組みたい」と述べると、応募先の企業でどのように活躍するつもりかが見えにくくなります。こうした回答は、企業側に入社意欲や本気度について疑問を抱かせる原因にもなりかねません。
適切な回答をするためには、企業の事業内容や求められるスキルをしっかりと理解し、それに即した目標を示すことが重要です。自分のやりたいことが企業の業務内容とどうつながるのかを明確にすることで、説得力のある回答ができます。
個人的な目標を答える
入社後にしたいことを回答する際は、個人的な夢や目標を述べることは避けましょう。面接官が知りたいのは、あなたが企業にどのように貢献できるかです。
例えば、広告代理店の面接で「いつか自分のカフェを開きたい」といった個人的な夢を話すと、企業での具体的な活躍イメージが伝わりません。面接官に入社意欲や企業への貢献意識が低いと受け取られる可能性があります。
企業は、あなたがどのように会社に貢献できるかを知りたいため、仕事内容との関連性が高い目標を述べることが重要です。
例えば、「大学で学んだマーケティングの知識を生かし、貴社のオンライン広告キャンペーンを支援することで、クライアントのビジネス拡大に貢献したい」といった具体的な目標を示すといいでしょう。こうすることで、面接官に入社後の働く姿をイメージしてもらいやすくなります。
目標が低すぎる、または非現実的
目標が低すぎる、または非現実的な内容を伝えるのは避けましょう。すぐに達成できる目標だと、「達成後に転職してしまうのでは」と疑念を抱かれる可能性があります。
例えば、「基本的なビジネスマナーを身につける」などの短期間で達成可能な目標や、「3カ月で全社のシステムを改革する」といった非現実的な目標は避けるべきです。このような目標は、企業にとって短期的な視点しか持たない学生と見なされることがあります。
企業は、長期的に貢献できる人材を求めています。そのため、「入社後5年以内に、マーケティングチームのリーダーとなり、継続的に新しいキャンペーンを立ち上げ、企業のブランド価値を向上させたい」といった長期的な視点での目標を示しましょう。
これにより、企業はあなたが長期的に活躍し、貢献できる人材であることを理解しやすくなります。
他の会社でも実現できることを伝える
入社後にやりたいことの回答で避けるべきNGポイントは、他の企業でも実現可能な目標を答えてしまうことです。多くの企業が同じような業務内容を持っているため、志望度の高さをアピールするのが難しくなります。
例えば、「営業スキルを磨きたい」と述べても、多くの企業で営業職が存在し、そのスキルを磨く機会があります。これでは、応募先の企業に対する特別な関心や意欲が伝わりにくくなります。応募企業が特に力を入れている事業や独自に開発している分野に焦点を当てた内容を伝えましょう。
例えば、「貴社のAI(人工知能)技術を活用したマーケティング戦略に魅力を感じ、入社後はその分野で専門知識を深め、顧客の課題解決に貢献したい」といった具体的な目標を示すと、志望企業への熱意がより伝わりやすくなります。これにより、他の企業ではなく、その企業でなければならない理由が明確になります。
ネガティブな表現を使う
「入社後にしたいこと」という前向きな質問に対してネガティブな表現を使うと、自信がないような印象を持たれる可能性があります。
例えば、「人と話すのは苦手ですが」「自分はまだ初歩的なレベルですが」「知識不足ですが」といった謙遜する前置きは避けましょう。これらの表現は謙虚な姿勢として評価されることもありますが、場合によっては後ろ向きな印象を与えてしまうこともあります。
企業は自信を持って自分の強みをアピールし、前向きに挑戦する意欲を持った人材を求めているため、ネガティブな表現は避け、ポジティブに自分の意欲や能力を伝えるようにしましょう。
おわりに
今回は、「入社後したいこと」の書き方から押さえておくべきポイント、実際の例文、見つけ方そしてNGポイントまでを詳しくご紹介しました。
「入社後したいこと」での高評価を目指すためには、これらのポイントや注意点をしっかり意識して準備するとよいでしょう。ご紹介した例文を参考に、自分の「入社後したいこと」を作成し、企業に高く評価される内容を目指していただければと思います。
しっかりと事前対策して、内定を勝ち取りましょう。
(Photo:Amnaj Khetsamtip/Shutterstock.com)