「学歴フィルターって本当に存在するの?」と疑問や不安を感じる就活生もいるでしょう。
そこで本記事では、学歴フィルターとは何か、実態やある企業の特徴を実例とともに解説します。また、学歴フィルターを乗り越える方法についても詳しくご紹介します。
<目次> ●学歴フィルターとは ●学歴フィルターによる採用の実態|就活生の実例 ・学歴と就活の関係性 ・実例(1):企業の採用説明会に参加できない ・実例(2):情報が得られない|MARCH学生は知る由もない「早慶のような高学歴学生向け限定イベント」 ・実例(3):行きたい大手企業のOB・OGがいない ・実例(4):選考に受からない ・実例(5):リクルーターがつかない ●学歴フィルターを取り入れている企業の特徴とその理由 ・人気企業で採用コストを抑えるため ・社員の出身大学に偏りがある ●学歴フィルターを取り入れる企業のリスク ・多様性に欠け、新たなアイデアが生まれにくくなる ・企業のイメージが悪くなる可能性がある ●学歴フィルターを乗り越える方法 ・学歴以外の実績を作る ・選考対策を入念に行う ・就活の軸を明確にし、それに合った企業を選ぶ ・難易度の高い資格を取得する ・専門性の高いスキルを身につける ・インターンに参加する ・OB・OG訪問する ・企業のイベントでもらった名刺から芋づる式にコネクションを作る ・説明会などに参加可能か、企業へ直接打診してみる ・高学歴大学の学生から、企業の採用・選考情報を集める ・知名度の低い企業にも注目する ・就活エージェントを利用する ●まとめ
学歴フィルターとは
学歴フィルターは、企業が就活の初期段階で応募者の大学名に基づいて選考を行う手法のことです。この手法では企業があらかじめ設定した、基準に満たない学校の出身者を早い段階で選考から除外することが一般的です。
多くの企業はこの学歴フィルターの存在を公には認めていませんが、内部的には積極的に採用したい大学のリストを持っており、そこから選ばれた学生を優先して選考に進ませる場合があります。その結果、特定の大学出身者に対して有利な状況が生まれる一方で、そのほかの大学出身者は不利な立場に置かれることがあるでしょう。
一部の調査によると、多くの就活中の学生が学歴フィルターに直面したことがあると報告しています。特に、特定の業界や企業において学歴フィルターがより顕著に現れる場合があります。このように、学歴フィルターは多くの議論の対象となっており、企業の採用方針と公平性の問題に影響を与えているのが現状です。
学歴フィルターによる採用の実態|就活生の実例
ここでは、学歴フィルターが実際に就職活動にどのような影響を与えるのか、具体的な実例を交えて解説します。学歴と就活の関係性や各種実例を通じて、学歴が採用過程に及ぼす影響について理解しましょう。
学歴と就活の関係性
日本労働組合総連合会が2023年に行った「就職差別に関する調査」によると、最終学歴が4年制大学または大学院である588人のうち、約44%が就活中に学歴フィルターを感じたことがあると報告しています(※1)。
多くの学生が大学名に基づいて評価されており、その結果として不利な立場に置かれる場合があることが浮き彫りになっているといえるでしょう。
さらに、Job総研が629人の社会人の男女を対象に行った「2024年 学歴とキャリアの実態調査」によると、学歴が影響する場面として最も割合が高かったのは、「就活時」の83%でした。
なかでも、「書類選考時」の割合が最も多く、全体のうち62.2%が影響を受けたと答えています。次いで「面接時」が24.2%、「入社後」が22.4%という結果だったことから、学歴フィルターは「書類選考時」に顕著に現れるといえるでしょう(※2)。
多くの学生が学歴に基づく偏見に直面し、そのキャリアのスタートにおいて不利な影響を受けているのが現状です。
(※1)参考:日本労働組合総連合会「就職差別に関する調査 p.15」
(※2)参考:Job総研「2024年 学歴とキャリアの実態調査」
実例(1):企業の採用説明会に参加できない
学歴フィルターの一例として、企業の採用説明会に参加できないという実例があります。
就職活動が解禁されると、大手・中小問わずさまざまな企業が一斉に説明会や座談会などのセミナーを実施します。その多くは、企業のマイページから案内が来て、そこから先着順で説明会や選考に申し込みをするというものです。
▼実例 「説明会に応募できない」(名城大学・文系) 「説明会に参加しようとしたら満席と表示されている」(龍谷大学・文系) 「説明会のお知らせが来てすぐに開けたのにすべて満席になっていた。東京の同じくらいの偏差値の友達が受かっていて、関西の大学である自分が落ちた(知名度の低さ)」(甲南大学・文系) ※出典:東洋経済オンライン「就活生が感じた「学歴フィルター」の実態 p.3」
面接など実際の選考では、学歴の高さだけで合否が決まるわけではありませんが、こういったことが重なることで情報格差が生まれます。結果的に、高学歴の学生が大手企業に内定しやすくなるということは十分に考えられます。
実例(2):情報が得られない|MARCH学生は知る由もない「早慶のような高学歴学生向け限定イベント」
上述した説明会などのセミナーはすぐ満席になるものの、案内はMARCH学生にも来ます。しかし、中にはMARCH学生が存在すら認知できない、高学歴学生向けのイベントが存在します。
例えば2018年卒の就職活動では、あるMARCH生によると大手システム系会社が早慶を中心とした高学歴学生向けに大学別説明会を開催していたものの、MARCHや関関同立学生向けには開かれていなかったことという事実があったようです。
MARCH生は、それらのイベントの存在を、その後の選考などで上位校の学生と話をしている際に初めて知ることもあるようです。
実例(3):行きたい大手企業のOB・OGがいない
学歴フィルターの一例として、行きたい企業のOB・OGがいない可能性があります。
▼実例 「採用校が国立早慶レベルまでしか書いてない」(青山学院大学・文系) 「採用校の名前が優秀なところばかり」(高崎健康福祉大学・理系) ※出典:東洋経済オンライン「就活生が感じた「学歴フィルター」の実態 p.3」
学歴フィルターによって、特定の大学の出身者で占められている企業もあります。したがって、大学のキャリアセンターを使ったOB・OG訪問が難しいという問題も発生します。
仮に自身の大学を卒業したOB・OGを見つけたとしても、多くの学生が殺到してしまっていて、訪問に対応できないということも往々にしてあります。
実例(4):選考に受からない
学歴フィルターの一例として、書類選考に受からないことの不公平さが挙げられます。
▼実例 多くの人に添削してもらった力作のエントリーシートが書類選考を通過できなかった。一方、スカスカのエントリーシートを提出した有名大学の学生が次の面接に進んだ ※出典:朝日新聞社「「学歴フィルター」は都市伝説? 就活生が語る「体験談」【前編】」
このように、エントリーシートの内容や質よりも学生の出身大学名が選考結果に影響を与えているケースが存在します。能力よりも学歴を重視する採用姿勢が根強く残る就職市場の一面を表しているといえるでしょう。
実例(5):リクルーターがつかない
学歴フィルターの一例として、特定の大学出身でなければリクルーターが付かないことの不平等が挙げられます。
▼実例 上位大学に通っていた友人にはリクルーターがついていましたが、私にはそんな人はおらず、そこで学歴の壁を痛感しましたね。 ※出典:株式会社小学館 ポスト・セブン局「就活「学歴フィルター」のリアル 中堅大学OB・OGたちが直面した選考の壁」
この例からも明らかなように、学生の出身大学によってリクルーターが付くかどうかが左右されることがあります。リクルーターのサポートがあることは、就活において大きなアドバンテージです。
学歴フィルターの不平等が多くの学生にとって大きな障壁になっているといえるでしょう。
学歴フィルターを取り入れている企業の特徴とその理由
ここでは、学歴フィルターを採用戦略として利用している企業の特徴と、その背後にある理由を解説します。
人気企業で採用コストを抑える目的があることや、社員の出身大学に偏りがあることを理解したうえで就活に臨みましょう。
人気企業で採用コストを抑えるため
就活において学歴フィルターを採用する理由として、採用コストの削減が挙げられます。特に、多くの学生が志望する人気企業では、応募者数が非常に多く、一人一人を詳細に評価することは現実的ではありません。
▼実例 エントリーが殺到する人気企業の人事だと、応募学生全員を丁寧に見ていったら期限内に採用活動を終えることはできません。少しでも業務効率をあげるために、企業での勤務経験がないという特性を持つ日本学生の採用については、“学歴による優秀である可能性の高さ”にすがって「学歴フィルター」をかけ、母集団(志望者)を絞った採用活動を行うのです。 ※出典:株式会社東洋経済新報社「就活「学歴フィルター」がなくならない真因」
このように、人気企業では学歴フィルターを用いることで、大量の応募のなかから迅速に「優秀な可能性のある」候補者を選び出し、採用プロセスを効率的に進めるための戦略として利用されています。
しかし、これは同時に、有名大学以外の多くの有能な学生が機会を失う結果ともなり、学歴による不公平な扱いが生まれる原因ともなっています。この採用戦略が広まることで、学歴を除いた多様な才能や能力が見過ごされるリスクも高まっています。
社員の出身大学に偏りがある
学歴フィルターを取り入れている企業の特徴として、社員の出身大学に顕著な偏りが見られることが挙げられます。このような傾向は、企業の上層部の意向が反映されることが多く、その結果として特定の高学歴の学生が優先的に採用されることが一般的です。
▼実例 内定者の最終報告を役員にあげた際、役員は、個々の人物プロフィールの内容をあまり見ずに、「今年は、東大の学生が採用できたのか。すごいな」とか、「今年は、MARCH以上が少ないな」など、出身大学だけ見て、感想を漏らすというケースがかなりあります。そんな役員の言葉を“忖度(そんたく)”して高学歴者にターゲットを絞る人事担当者もいます。 ※出典:株式会社東洋経済新報社「就活「学歴フィルター」がなくならない真因」
このように、学歴フィルターが企業文化や採用戦略に深く根ざしていることを示しています。その結果、企業内には特定の大学出身者が集中し、多様なバックグラウンドを持つ人材が入社しにくい状況を作り出しているといえます。
学歴フィルターを取り入れる企業のリスク
ここでは、学歴フィルターを採用に取り入れている企業が直面するリスクを掘り下げます。特に、多様性が失われ新しいアイデアが生まれにくくなる問題や、企業イメージの悪化につながる可能性があることを詳しく解説します。
多様性に欠け、新たなアイデアが生まれにくくなる
学歴フィルターを取り入れる企業が直面する主なリスクの1つは、社内の多様性の欠如です。特定の大学の卒業生を重点的に採用することは効率的なうえ、社員間の価値観の衝突が少なくなり、一見すると円滑なコミュニケーションが期待できます。
しかし、このようなアプローチは、新たな視点や革新的なアイデアの発生を妨げる可能性があります。社員が似たような思考パターンを持っているため、従来の方法やアイデアから逸脱することが少なくなります。
市場は常に変化しており、異なる背景を持つ人々がもたらす新しいアイデアや解決策は、企業が新しいニーズに対応し、競争優位を保持するために不可欠です。多様な才能がなければ、組織としての対応力や革新性が低下し、長期的に見て競争力の低下を招くことになるでしょう。
企業のイメージが悪くなる可能性がある
学歴フィルターを採用することによるもう1つのリスクは、企業の公共のイメージへの悪影響です。学歴に基づいた採用が公になると、企業は批判の対象となる場合があります。現代社会では多様性と包括性が強調されており、個人の能力や人柄を無視した採用基準は、社会的な価値観と矛盾するためです。
特に、学歴に偏った内定者の存在が明らかになれば、企業は学歴に基づく差別を助長していると見なされかねません。これは、特に若い世代の潜在的な応募者や消費者からのネガティブな認識を招く原因です。
企業としては、批判を避けるためにも、採用プロセスの公平性や透明性を高め、すべての候補者に平等な機会を提供することが求められるでしょう。
学歴フィルターを乗り越える方法
ここでは、学歴フィルターを乗り越えて成功するための具体的な方法を解説します。学歴以外の実績の作成や選考対策、適切な企業の選定方法など、複数の方法を詳しく解説しているので、就活を有利に進めるための参考にしてみてください。
学歴以外の実績を作る
学歴フィルターを乗り越えるためには、学歴以外の実績を積極的に築くことが重要です。実績は、学生が目標に向かって努力し、成果を出す能力があることを示すための有力な手段です。
たとえば、スポーツ大会や音楽コンテストでの高成績、難しい資格の取得は、長期間の集中力と努力が必要です。これらの実績は、学歴以外の分野で優れた成果を上げる能力があることを示す証拠となり得ます。
加えて、ビジネスに直接関連するスキルを磨くことも有効です。リーダーシップが求められるプロジェクトの成功、チームワークを生かした問題解決の経験、多様な背景を持つ人々との協働は、ビジネス環境で高く評価されます。また、プレゼンテーション技術や優れたコミュニケーション能力も、企業が求める重要なスキルの1つです。
これらの実績やスキルを履歴書やエントリーシートに明記し、面接で具体的な事例を交えて語ることで、学歴フィルターに頼る企業であっても、自身の多面的な能力をアピールできます。実際の能力や個性が正しく評価してもらえる機会を増やすことが重要です。
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選考対策を入念に行う
学歴フィルターを乗り越えるためには、選考対策を入念に行うことが重要です。Webテストの準備からESの作成、面接の技術まで、それぞれのステップで押さえるべきポイントを深掘りします。
Webテストで高得点を獲得する
Webテストは多くの企業が選考の初期段階で用いるツールであり、ここで高得点を獲得することは、学歴フィルターを乗り越える大きな一歩です。学歴による制約を受けにくいこのテストでは、事前の準備が成績に直結するため、試験対策が非常に重要です。
特に、SPIや玉手箱などのWebテストは、数的推理や言語理解などの頻出分野に焦点を当てた対策を行うことが勝負の鍵です。これらのテストは練習を積むことで得点向上が見込めるため、早期から過去問題や模擬試験に取り組むのがおすすめです。また、時間管理能力も重要なので、限られた時間内で効率よく問題を解く練習を重ねましょう。
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ESを丁寧に書く
ESの丁寧な記述は、学歴フィルターに打ち勝つために重要な要素です。ESは個々の学生が自己の経験や実績を具体的にアピールする最初のチャンスであり、個性と能力を証明する場です。
具体的には、達成した成果や乗り越えた困難、学んだスキルを明確に述べ、どのようにそれが将来の職場で役立つかを結びつけることが重要です。また、自己の経験を具体的な数字や事実で裏付けることで、説得力を増すことができます。
ESの内容が具体的かつ独自の視点や考えが伝わるよう努めることで、学歴以上の評価を受けられるでしょう。
▼ESについて詳しく知りたい方はこちら ・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策 ・インターンシップのエントリーシートの書き方|本選考との違いを解説
面接対策を徹底する
面接は自己の人間性や対応能力を試す場であり、学歴フィルターを超えるための重要なステージです。面接では、事前に自己分析を深め、自身の強みや弱み、志望動機、過去の経験などを自然かつ効果的に話せるよう準備をすることが重要です。
面接練習を通じて、質問に対する答え方を磨き、話の構造を明確にするとよいでしょう。また、非言語的コミュニケーション、つまり姿勢や目線、手の動きも意識すると、自信と落ち着きをアピールできます。このように万全の準備で面接に臨めば、面接官に自身の多面的な能力と人間性をしっかりと示せるでしょう。
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就活の軸を明確にし、それに合った企業を選ぶ
就活の軸を明確にすることは、学歴フィルターを乗り越えるうえで非常に重要です。
就活の軸とは、自分が妥協できない条件や、求めるキャリアの方向性など、自分の将来を左右する重要なポイントです。これには、業界の特性・企業文化・キャリアパス・仕事の内容・ワークライフバランス・給与条件などが該当します。
明確な軸を持つことで、自分に合った企業を見極めやすくなります。例えば、社会貢献を重視するなら、CSR(企業の社会的責任)活動に積極的な企業を選ぶことが重要です。また、専門技術を極めたい場合は、研修制度や技術開発に力を入れている企業を選ぶとよいでしょう。
学歴以上の価値を評価してもらうためには、自分の軸に合った企業を徹底的に研究し、エントリーシートや面接で志望理由や将来のビジョンを明確に伝えることが重要です。これにより、学歴が不利に働く状況を逆手にとり、個人の資質や能力を前面に出して評価を勝ち取ることができます。
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難易度の高い資格を取得する
学歴フィルターを乗り越える有効な手段の1つに、難易度の高い資格の取得があります。特に業界認知度が高い資格を持っていることは、学歴以外での自己の能力を証明する強力な方法です。
例えば、金融業界であれば公認会計士や金融アナリスト(CFA)の資格が、IT業界であれば情報処理技術者試験の上位資格やシスコ認定ネットワークアソシエート(CCNA)などが該当します。これらの資格は、試験の難易度が高く、準備に相当な時間と努力を要するため、資格を取得すること自体が高いモチベーションと学習能力を示しています。
資格を取得することは、就職活動において自己PRの材料となるだけでなく、実際の業務で即戦力となる専門スキルを身につける意味でも非常に価値があります。また、資格が求められる業界では、特定の資格を持つことで選考が有利に働くことが多く、学歴フィルターの壁を乗り越える手助けとなるでしょう。
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専門性の高いスキルを身につける
学歴フィルターを乗り越えるためには、専門性の高いスキルを身につけることも有効です。専門スキルを持つことは、学歴以上の評価を受けるための鍵となり得るため、特定の分野での深い知識や技能は大きな強みです。
たとえば、データサイエンスの分野では、統計学・機械学習・データマイニングの知識が求められます。これらのスキルを学び、実践的なプロジェクトやインターンシップを通じて経験を積むことで、就職市場における自己の価値を大きく向上させることができます。
専門スキルを身につけることは、就職活動だけでなく、キャリア全体を通じて競争力を保つためにも重要です。これにより、学歴に依存することなく、実力で評価を勝ち取ることができるでしょう。
インターンに参加する
インターンへの参加は、学歴フィルターを乗り越えるための効果的な手段の1つです。
インターンは、単なる実務経験だけでなく、企業の文化を体験し、業界の実情を理解する貴重な機会でもあります。また、実際の業務に参加することで、理論だけでは得られない価値あるスキルや知識を身に付けられることもメリットです。
さらに、インターン中に優れたパフォーマンスを示せれば、本選考の一次選考免除やリクルーターのサポートなど、多くの優遇措置が期待できます。
インターンシップに積極的に参加し、その場での学びを最大限に活用することで、自身の実力を企業にアピールする絶好のチャンスを得られます。
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OB・OG訪問する
学歴フィルターを乗り越えるもう1つの方法は、OB・OG訪問を行うことです。これは、先輩たちから企業の内部情報や採用過程の詳細を直接聞き出す絶好の機会です。
訪問を通じて、自身の適性や志望業界に関する具体的なアドバイスを得ることができるうえ、OB・OGと良好な関係を築くことで選考を有利に進められる場合もあるでしょう。
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企業のイベントでもらった名刺から芋づる式にコネクションを作る
自分と同じ大学出身大学のOB・OGがいない時には、就職活動イベントで企業社員とのコネクションを作りましょう。例えば企業の説明会で名刺をもらい、後日あらためてOB・OG訪問もできます。
そういった場で名刺をもらう学生は少ないので、OB・OG訪問さえも快諾してくれるでしょう。1人OB・OG訪問ができればその後は、その企業社員から他の社員を芋づる式に紹介してもらえます。
大手総合商社に内定したあるMARCH学生は、その企業だけでOB・OG訪問を30人以上行っていたそうです。その学生は企業の採用選考で「君の名前はいろんな社員から聞くよ」と社員から言われるほど注目されており、結果的に無事内定も獲得できたと話していました。
説明会などに参加可能か、企業へ直接打診してみる
説明会が予約できないときは、企業へ直接連絡してみる方法もあります。
前日に電話で空きがないか確認したり、説明会当日に会場へ行って参加できないか聞いてみたりと、企業へ直前に問い合わせをしてみましょう。直前に説明会をキャンセルする学生は必ず発生し、席に余裕があることが多いため、急きょ参加できることもあるからです。
上記の行動は企業にとって非常識で失礼な行動に見えるかもしれませんが、企業側の説明会1回あたりのコストは固定であり、1人でも多くの学生にアプローチしたいと考えているので、承諾してくれることも多いはずです。また、「そこまでして説明会や採用選考に参加したいのであれば熱意はあるだろう」と企業の採用担当者が判断する可能性もあり、企業への志望度の高さを示す良い機会とも言えるでしょう。
もちろん、企業の採用担当者から断られたら、素直に引き下がることも大切です。
高学歴大学の学生から、企業の採用・選考情報を集める
先ほどお伝えしたような高学歴学生向け限定イベントなどから生じる情報格差を乗り越えるために、高学歴大学の学生から情報収集することもおすすめです。
高学歴大学の学生に差をつけられないようにするためにも、企業の限定セミナーで彼らが得た情報を集めておきましょう。説明会や選考で一緒のチームになった学生とは、積極的に連絡先を交換し仲良くなり、お互いに就職活動の情報を共有し合う関係を構築しておきましょう。
「自分からは企業の情報を提供できないかも」と消極的にならず、「就職活動疲れたし、久しぶりにリフレッシュしようよ!」「◯◯さんに就職活動の悩みを聞いてほしい!」といった形で誘うと良いでしょう。
知名度の低い企業にも注目する
学歴フィルターを乗り越えるために、大手や有名企業だけでなく、知名度が低い企業にも目を向けることが大切です。多くの学生が注目しない中小企業やニッチな分野で活躍している企業は、往々にして新しい才能を求めており、学歴よりも実力や潜在能力を重視する傾向があるためです。
知名度が低い企業は、特定の技術やサービスで高い専門性を持っていることが多く、市場内での競争力を保つために独自の強みを持っています。例えば、特許技術を持つ製造業、地域社会に密着したサービスを展開する企業などがこれに該当します。
さらに、知名度が低い企業では、入社後の成長機会が豊富にあり、早い段階から重要なプロジェクトに携わるチャンスを得られることもあります。
なお、知名度の低い企業を検討する場合は、企業のWebサイトや業界レポートなどを通じて、企業文化や成長計画について学び、自分のキャリア目標と企業の目指す方向が合致するかどうかを見極めることが成功への鍵です。
就活エージェントを利用する
就活エージェントの利用も、学歴フィルターを克服する効果的な手段の1つです。
エージェントは学生のスキルや経験に基づき、最適な企業を推薦してくれます。また、履歴書の添削や面接対策など、就活の各段階で専門的なサポートをしてくれるため、学歴に捉われず、能力を前面に押し出したアピールがしやすくなります。
まとめ
本記事では、学歴フィルターとは何か、実態やある企業の特徴を実例とともに解説しました。また、学歴フィルターを乗り越える方法についても詳しく紹介したので、ぜひ参考にしてください。
学歴フィルターを乗り越える方法まとめ ・学歴以外の実績を作る ・選考対策を入念に行う ・就活の軸を明確にし、それに合った企業を選ぶ ・難易度の高い資格を取得する ・専門性の高いスキルを身につける ・インターンに参加する ・OB・OG訪問する ・企業のイベントでもらった名刺から芋づる式にコネクションを作る ・説明会などに参加可能か、企業へ直接打診してみる ・高学歴大学の学生から、企業の採用・選考情報を集める ・知名度の低い企業にも注目する ・就活エージェントを利用する
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