「法学部生に人気の就職先を知りたい」「進路について悩んでいる」という法学部の就活生もいるでしょう。
そこでこちらの記事では、法学部生に向けて、人気の就職先や業界・職種をご紹介します。就活を進める上でのポイントも詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次> ●法学部生の強み|就職に有利といわれる理由 ・論理的思考力が身に付くから ・読解力が身に付くから ・法律の知識が豊富だから ・文書や資料作成に長けているから ●法学部生の就職人気ランキング【上位20位】 ●法学部生に人気の就職先・年収【業界編】人気の理由も解説 ・法曹界(裁判官・検察官・弁護士) ・公務員(国家・地方)|平均年収:地方430万5888円・国家484万8180円 ・金融業界|平均年収393万4000円 ・総合商社・専門商社|平均年収319万6000円 ・メーカー|平均年収306万円 ・医薬品業界|平均年収298万円 ・不動産業界|平均年収340万8000円 ・建設業界|平均年収349万4000円 ・通信・IT業界|平均年収381万2000円 ・コンサル業界|平均年収396万6000円 ・人材業界|平均年収285万7000円 ●法学部生に人気の就職先【職種編】 ・法務職 ・人事労務職 ・総務職 ・コンサルタント ・営業職 ・弁護士 ・裁判官 ・検察官 ・社会保険労務士 ・司法書士 ・行政書士 ●法学部生の就職に役立つ資格 ・司法試験 ・社会保険労務士 ・司法書士 ・行政書士 ・中小企業診断士 ・宅地建物取引士 ・ビジネス実務法務検定 ・個人情報保護士 ・ビジネスコンプライアンス検定 ●法学部の就活のポイント|企業・職種の選び方編 ・自己分析・業界研究・企業分析を通して就活の軸を定める ・学んだ内容を生かせる業界・職種を選ぶ ・法学部生が重視する就活の軸ランキング ●法学部の就活のポイント|選考対策編 ・早期から情報収集をし、早期選考を受ける ・業務独占資格を取得する場合は、試験と就活が連動することに注意する ・Webテスト対策に力を入れる ・エントリーシート(ES)や履歴書を余裕を持って準備しておく ・面接対策|よく聞かれる法学部特有の質問&回答例 ●まとめ
法学部生の強み|就職に有利といわれる理由
法学部生が就職に有利といわれる理由については、以下の4点が挙げられます。
- 論理的思考能力が身に付くから
- 読解力が身に付くから
- 法律の知識が豊富だから
- 文書や資料作成に長けているから
それぞれについて解説していきます。
論理的思考力が身に付くから
法学部では、法律に関するルールや原則などの基礎をもとに自分の意見を整理し、他者の意見も取り入れつつ再構築する「ロジカルシンキング」を学びます。
学生は、他人と議論しながら答えを探る授業に参加することで、こうした自分で論理的に思考する力が自然と身に付くのです。この考え方は法曹界のみならず、どの仕事でも共通します。
読解力が身に付くから
法学部では多くの判例集や論文、六法全書などを読み込みます。これらは専門用語や複雑な表現が多く含まれています。学生はこうした複雑な文章を読み解いているため、日々読解力が養われているのです。日々の文章読解で身に付けた読解力は、仕事におけるコミュニケーションでも役立ちます。
法律の知識が豊富だから
法学部では、「憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法」の基本六法を学びます。基本六法はさまざまな法律の基礎となるものです。基礎を身に付けた上で、その他の法律についても学びます。
こうして学んだ法律は、さまざまな仕事や生活の中でも生かせるでしょう。
文書や資料作成に長(た)けているから
法学部では、数多くの法律や事例を読み解き解釈して、自身の言葉で論じる力が求められます。入試でも論述方式が多く採用されており、ロジカルシンキングを用いた論理的な記述が重視されます。こうした能力は、仕事で書類を読み解いたり作成したりする際にも役立つものです。
法学部のカリキュラムでも、レポートや卒論作成、法律文書、契約書など重要文書に関わることもあるため、その作成過程で文書や資料の作成技術が向上するでしょう。
法学部生の就職人気ランキング【上位20位】
法学部生に人気の企業をご紹介します(※1)。
(※1)……ワンキャリア2026年卒会員のお気に入りランキングより集計
1位:三菱商事
1位には三菱商事がランクインしました。
事業内容 三菱商事は、世界約90の国・地域に広がる当社の拠点と約1,800の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開しています。 地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.(Smart-Life Creation)、電力ソリューションの8営業グループにコーポレートスタッフ部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、パートナーと共に、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。 ※出典:ONE CAREER 企業一覧 三菱商事
選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。
2位:資生堂
2位には資生堂がランクインしました。
事業内容 私たち資生堂グループは、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」というミッションの実現を目指し、世界中の120の国と地域でビジネスを展開しています。 100年先もお客さまとともに輝き続け、選ばれ続ける企業になるため、お客さまにとってより価値のあるものを提供し続け、一生寄り添うことのできるパートナーになることを目指しています。 ※出典:ONE CAREER 企業一覧 資生堂
選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。
・資生堂|2025年卒Brand Marketingの合格の秘訣
3位:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ
3位には博報堂/博報堂DYメディアパートナーズがランクインしました。
事業内容 【博報堂】 高いクリエイティビティを持つプロフェッショナルがチームを編成し、広告領域のみならず、経営・事業から社会イシューまで、あらゆる領域でクライアントの皆様の国内外における課題解決をお手伝いしています。今後、さらにクリエイティビティの力で生活や社会、事業構造の変革に寄与するような新たな価値を提供していきます。 【博報堂DYメディアパートナーズ】 メディアビジネス、コンテンツビジネス、その他デジタル領域などのプランニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジを主要な機能とし、広告主、媒体社、コンテンツホルダーに対し、最適な課題解決力を提供します。メディアを広義に捉え、「メディア効果をデザインする」メディア・コンテンツビジネスを目指しています。 ※出典:ONE CAREER 企業一覧 博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ
選考のポイントや内定者の感想についてはこちらをご覧ください。
・博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ|2025年卒総合職の合格の秘訣
4位~20位
4位以下の企業は以下をご覧ください。
- 4位:アクセンチュア
- 5位:KPMGコンサルティング
- 6位:野村総合研究所
- 7位:江崎グリコ
- 8位:ソニーグループ
- 9位:デロイト トーマツ コンサルティング
- 10位:日清食品
- 11位:アビームコンサルティング
- 12位:丸紅
- 13位:パナソニックグループ
- 14位:味の素
- 15位:EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- 16位:アサヒビール
- 17位:サントリーホールディングス
- 18位:PwCコンサルティング合同会社
- 19位:ボストン コンサルティング グループ
- 20位:伊藤忠商事
▼企業ごとの合格の秘訣(ひけつ)をさらに知りたい方はこちら ・ONE CAREER 企業一覧
法学部生に人気の就職先・年収【業界編】人気の理由も解説
法学を学んだ後のキャリアとして、人気なのはどのようなところでしょうか。ここでは法学部生に人気の業界と年収について解説していきます。
なお、以下で示した年収は、各章に参照元が記載されているものを除いて「厚生労働省 | 令和5年賃金構造基本統計調査 | 産業別」を参照しています。
法曹界(裁判官・検察官・弁護士)
裁判官・検察官・弁護士といった法律関係の仕事を一括りに「法曹界」といいます。他の業界と異なる点は、法律の知識を仕事に直接生かせることです。
法曹になるためには、「司法試験」に合格しなければなりません。その後、1年間の「司法修習」という実務研究を受け、最後に「司法修習生考試」に合格することで法曹になれます。
平均年収の高さやキャリアの多様性も人気の理由です。
公務員(国家・地方)|平均年収:地方430万5888円・国家484万8180円(※2)
公務員は国や地方自治体に勤務し、社会の土台作りを仕事とします。職種は、各省庁の職員や自衛隊、教員、消防士、警察官などさまざまです。公務員は、安定性や休日・福利厚生の充実、社会貢献といった多くの魅力があるため、人気の職業となっています。
公務員試験では法律に関する問題が出題されるため、法学部のカリキュラムに公務員試験の対策が組み込まれています。
(※2)出典:総務省「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要 P.6」
金融業界|平均年収393万4000円
金融業界といえば銀行をイメージしますが、その他証券会社や保険会社、クレジット会社や信販会社など、お金に関する商品を扱う業界全般が当てはまります。金利や融資、契約書や稟議書(りんぎしょ)などの文書作成では、法学部で学んだ法律や文章作成能力が活きてくるでしょう。
メガバンクから地方銀行、証券会社など規模にもよりますが、安定性や福利厚生の良さ、業界の知名度なども人気の理由です。
ここで、金融業界の志望動機例をご紹介します。
<三菱UFJ銀行>
「当行を志望した理由を、200字以内で書いてください」
業界トップの収益と顧客基盤、高い資金流動性を生かし、海外戦略や異業種提携など、大規模かつ新たなビジネスに挑戦し続けられる環境だと考えたからです。株式の取引と日本経済新聞の購読を通じて、脱炭素やDX、ベンチャー支援などにおける、日本の国際的な遅れを感じています。このような課題意識に加え、変革の過渡期にある銀行業による新たな価値提供とは何かを考え、挑戦し、実現できる環境こそが貴行であると考えています。
※出典:三菱UFJ銀行|2023年卒 総合職の本選考の体験談
総合商社・専門商社|平均年収319万6000円
総合商社は、さまざまな商品を扱い国内外で事業を展開する企業です。「カップラーメンからロケットまで」といわれるほど、あらゆるものを取り扱っています。商品の多様さと、グローバルな働き方も人気の理由です。
ただし、何を取り扱うかは所属の部署によって異なるため、担当したい商品の希望がある場合は、専門商社を選択すると良いでしょう。専門商社は、食料や燃料など1つの商品や業界に特化しています。
ここで、総合商社の志望動機例をご紹介します。
<三菱商事>
「あなたが三菱商事で手掛けてみたいビジネスや、三菱商事で働く中で獲得したい経験・スキルについて、教えてください」
私は貴社において、経済価値と社会価値を両立させたビジネスや機能の構築=「ことづくり」を経営人材として主導していきたいと考える。私は大学の授業を通じて実感した総合商社・貴社の有する公共性の高さに強い魅力を感じている。貴社の社員として実際のビジネスの現場に入り込み、私が今までの人生で培ってきた「利害関係を調節し組織を前に進める力」を発揮することで、自社・事業パートナー・社会の生活者のそれぞれに、持続的に価値を届けられる人材に成長したい。
※出典:三菱商事|2023年卒 総合職の本選考の体験談
商社は国外でも取引を行うため、国内外の法律知識が必要です。法律を守り幅広い分野で活躍するにあたっては、法学部の知識を生かせるでしょう。
メーカー|平均年収306万円
メーカーとは、製品を企画、製造する仕事です。製造業とも呼ばれます。「素材メーカー・部品メーカー・加工メーカー」の3つの分野に区別できます。業務内容は、製造・営業・生産管理・研究開発・資材調達などさまざまです。
こうした過程を経て身近な製品が私たちの手に届くまで、製造・販売・宣伝などさまざまな工程で多くの法律が関わります。
ここで、メーカーの志望動機例をご紹介します。
<住友化学>
「志望動機をご記入ください(全角250文字以内)」
私は貴社の社会貢献意識の高さと安定した基盤から貴社を志望します。化学は汎用性が高く、すべての産業の根幹を支えており、社会への影響力が大きいため「化学が変われば社会も変わる」と考えます。中でも貴社はあらゆる事業において社会貢献を据えている上、各事業が安定的な基盤を構築し、総合的なバランスを維持しています。激動の国際社会で一部の資源供給が滞ったとしても、他事業で補完できる状態を実現しています。グローバル展開と次世代技術開発にも注力しており、貴社こそ常に社会のニーズに応えられると考えます。
※出典:住友化学|2023年卒 事務系の本選考の体験談
日本国内においてメーカーは規模が大きいため、経営も安定しています。こうした雇用の安定性や製品づくりのやりがいも魅力です。
医薬品業界|平均年収298万円(※3)
医薬品業界は、「医療用医薬品」と「一般用医薬品」などの開発・製造・販売をする業界です。医薬品業界は人々の健康と暮らしを支えています。高齢化やコロナウイルスの影響でより需要が高まっており、今後も発展が期待されるでしょう。
法学部生はMR(医学情報担当者)や安全性情報管理の他、法務でも活躍が期待されます。また、法学部で学んだ厳格な法的規制に対する専門的知識を活用できるでしょう(※3)。
今後の発展性、社会貢献と福利厚生の良さ、平均年収が高めであることも人気の理由です。
(※3)参考:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「医薬品製造」
不動産業界|平均年収340万8000円
不動産業界では、土地や建物の取引や管理を行います。業務は営業・企画開発・管理などに分類されます。資格は特別必要としませんが、不動産関連の法律(宅地建物取引業法)が関連するため、法律の知識がある法学部生は就職に有利といえるでしょう。
住宅やオフィスなどは生きていく上で必要不可欠です。そのため、需要が減ることはほぼないでしょう。人々のライフプランに携われることも魅力の1つといえます。
法学部では「宅地建物取引士」の対策講座が開かれていることもあるため、不動産業界を目指す方は活用しましょう。
建設業界|平均年収349万4000円
建設業界は、土地や建物などの建設に携わる仕事です。設計・建設・流通・管理などに分類されます。設計から施工、完了後の管理に渡るところまで、非常に多くの法律が関連してくるため、法律の知識が不可欠です。契約の取り決めやトラブル対応も、法学部で学んだ知識を生かせます。
建設業界の市場規模は、大阪万博やリニア新幹線に関連していることもあり、大きなプラスとなる見込みです。安定した需要と成長が人気の理由となっています。
通信・IT業界|平均年収381万2000円
IT業界とは、情報技術を活用してソフトウエアとハードウエアを開発・管理する業種です。コンピューターシステムの設計やネットワークの構築・管理などが主な仕事となっています。身近にあるスマホアプリ開発やインターネットのセキュリティ強化なども仕事の1つです。
インターネットやスマホ・パソコンの普及などで、需要は増加し続けています。スキルをつけられる仕事であるため、今後のキャリアアップや独立など、さまざまな働き方を視野に入れられる点も魅力です。
コンサル業界|平均年収388万9000円
コンサル業界とは、経営や会計、人事やITなどさまざまな領域で課題を抱えている企業に対し、経営戦略や業務プロセスなどを提供することで課題解決を支援する業界です。課題解決にあたっては、法学部で身に付けた法律の知識や読解力、論理的思考力が役に立ちます。
コンサル業界を経験すると多様な業界の知識が増えて経験を積めるため、スキルを身に付けて今後のキャリアアップにつなげられるでしょう。
ここで、コンサル業界の志望動機例をご紹介します。
<アクセンチュア> 「志望理由」 私には二つの就職軸がある。一軸目は、【実社会や企業の課題を解決し、新たな価値の創出に貢献すること】だ。私は生産効率が低く競争力が衰えつつある現代社会を救いたいと考えている。貴社の強みである「IT」を生かし、常に数字にコミットメントして課題の抽出から解決まで一気通貫することで、クライアントの挑戦を支えたい。二軸目は、【顧客の信頼を得て自身のやりがいを感じること】である。貴社は社員や職場の多様性と包括性を重視し、個々の才能を最大限に生かせる環境を提供している。入社後は、自身の視野の広さと主体性および協調性を駆使したリーダーシップという二つの強みを生かし、才能のあるメンバーと互いを高め合って確実に成果を出すことで、顧客の信頼を獲得したい。そして、コミュニケーション力や技術的な知識を養い、より大きなプロジェクトに関与できる貴社で社会の発展に寄与したいと考え、志望する。 ※出典:アクセンチュア|2025年卒ビジネスコンサルタント職本選考のES
人材業界|平均年収285万7000円
人材業界とは、企業と求職者をつなげる仕事です。主に人材紹介や人材派遣、求人広告、人事コンサルティングがあります。少子化が進む日本では、人材確保が困難になりつつあるといわれています。このため、人材紹介や派遣への需要は拡大していくと考えられるでしょう。
転職に限らず、学生も人材紹介を利用して就職する機会が増えており、身近な存在になっています。人材業界は社会貢献でき、自らも成長できるやりがいある業界です。
▼業界について詳しく知りたい方はこちら ・【業界研究のやり方:36業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較 ・【業界一覧】業種・職種との違いと、就活での志望業界の見つけ方
法学部生に人気の就職先【職種編】
続いて、法学部生に人気の就職先を職種の視点で見ていきましょう。
法務職
法務職とは、会社の活動に関わる全ての法律関係を把握し、適切に対応する職種です。業務内容は、大きく契約・取引や組織法務、コンプライアンス法務、紛争対応法務に分類されます。
法務職は高度な法律知識に加え、迅速な対応力が求められる仕事です。また、法制度は日々改正されていくことから、常に知識のアップデートができる人に向いているといえるでしょう。
人事労務職
人事労務職は、企業や組織において人材管理と労務管理を担当する職種です。給与や福利厚生、各種保険の申請、労務トラブル、就業規則作成など、幅広い管理業務を通して従業員をサポートします。
人事労務では、法律や税金に関する知識が必要不可欠です。法律の知識や迅速な対応力の他、社内の従業員はもちろん社外の税理士など、他者との円滑なコミュニケーション能力も求められます。
総務職
総務職は、企業や組織の運営を円滑に行うためにさまざまな業務を担当する職種です。会議や社内イベントの企画運営、備品の発注管理、来客・電話対応など幅広い仕事を担当します。企業によっては総務が法務や経理、人事などを兼任する場合もあります。
総務職は組織全体を支える部署です。そのため、幅広い知識とさまざまな場面で対応できるマルチタスク能力が求められます。
コンサルタント
コンサルタントとは、企業や個人に対して専門的な知識や助言を提供し、サポートする職種です。コンサルタントは大きく「外資系」「経営」「IT」「建設」に分類され、業種によって求められる資質は異なります。経営面や契約に携わることも多いため、安全に企業をサポートできるよう法学部の知識は不可欠です。
コンサルタントの仕事を通じて、マネジメント能力やクライアントのやり取りなどさまざまなことを経験できます。それらで身に付けた技術はどの仕事でも生かせるでしょう。
経験をもとに自身でコンサルティングファームを立ち上げる人もいれば、特化型のコンサルタントになるなど、キャリアも多様です。
営業職
営業職も人気の職種です。営業は顧客ニーズをヒアリングして自社商品やサービスを提案し、購入してもらう仕事です。自社の製品を購入してもらうには、論理的思考力と説明能力が求められます。これらは法学部生の得意分野であるため、営業職として活躍できるでしょう。
弁護士
弁護士は、法律が関係するさまざまな問題について相談を受けて解決する仕事です。弁護士というと、刑事事件の裁判で弁護するイメージがありますが、それだけではありません。「貸したお金が返ってこない」「相続問題を解決したい」など、法律に関係するさまざまな問題が起きた際に弁護士は活躍します。
基本的に弁護士は、弁護士事務所に所属します。しかし現在では、企業自体に所属し従業員として企業の法律問題にアドバイスをする「インハウスローヤー」という働き方も増えています。
弁護士は法曹三者の中でも唯一、直接の依頼者が存在する職種です。そのため、法律に従うだけではなく、依頼者の思いをくみ取ることも大事な要素です。
裁判官
裁判官は、訴えられた裁判について憲法や法律にもとづき、中立の立場で判決を下す公務員です。裁判官は法廷で証拠を審査し、証人や被告人、原告の主張を考慮し判断します。
裁判官の給与は法律で定められており、階級によって異なります。また、裁判官は在任中に俸給が減額されることはありません(※4)。
(※4)参考:最高裁判所「裁判官」
検察官
検察官は法律を専門とした公務員で、検事とも呼ばれます。犯罪が起きた際、被疑者を起訴するか警察と決める「捜査」と、集めた証拠の提出や証人尋問を行って意見を述べる「裁判」の2つに分けられます。
検察官は法律を使う仕事であるため、法学部での学びが直結する仕事です。社会の安全を守ることや、起訴・不起訴を決めるまでの過程もやりがいといえます。
検察官の給料も、裁判官と同じように「検察官の俸給等に関する法律(※5)」の規定に従い、階級によって異なります。
(※5)出典:e-GOV「検察官の俸給等に関する法律」
社会保険労務士
労働や社会保険に関する書類作成や毎月の給与計算、会社のルールとなる就業規則の作成を行います。日々の仕事上で起こる労務相談なども社会保険労務士の仕事です。また、受けた相談に関する書類の作成や行政への提出もワンストップで実施します。
法律にのっとった行政機関への申請書手続きや帳簿作成などに関しては、社会保険労務士しか行えない独占業務です。
司法書士
司法書士は、裁判所や法務局などに提出する書類を作成する法律事務の専門家です。不動産や会社の登記申請代理、相続や労働トラブルなど、仕事は多岐にわたります。「ネット通販で注文した商品が届かない」「知人に貸したお金が返ってこない」といったような日常的なトラブルにも対応します。
今後高齢化社会へ突入する日本では、成年後見制度や相続登記といった仕事が増加するため、司法書士の需要も増えていくでしょう。
行政書士
行政書士は国家資格を持つ専門家です。クライアントから依頼を受けて省庁や市役所などの官公署へ提出する書類を作成し、手続きを代理します。遺言書などの権利義務に関する書類、事実証明書類、契約書、行政不服申立て手続き代理など、法的な手続きもサポートします。
書類作成に法的知識が必要なため、行政書士の活躍の場も拡大し、国民から大きく期待されている仕事です。
▼職種について詳しく知りたい方はこちら ・【代表的な職種一覧】業種との違いや種類ごとの適性・志望動機をご紹介
法学部生の就職に役立つ資格
法学部生が就職する際は、以下の資格を取得しておくと役立つでしょう。
司法試験
司法試験とは、裁判官・検察官・弁護士になる際に必要な試験です。法科大学院課程の修了者や司法試験予備校の合格者が試験を受けられます。
国家資格の中でも最難関といわれている資格です。令和5年司法試験は3,928人が受験し、合格者は1,781人で合格率は約45.3%でした(※6)。
(※6)出典:九州大学「令和5年司法試験法科大学院別合格者数等」
社会保険労務士
社会保険労務士は国家資格です。毎年8月に試験が実施され、10月頃に合否が出ます。合格すると社会保険労務士試験合格者です。
実際に社会保険労務士として働くためには、実務経験を2年以上積んだ上で、全国社会保険労務士会連合会の社労士名簿への登録が必要です。2年以上の実務経験が難しければ、「事務指定講習(※7)」を受講し修了すれば登録できます。
(※7)参考:全国社会保険労務士会連合会「講習のご案内」
司法書士
司法書士は国家資格です。年齢、学歴関係なく誰でも受験できます。試験は7月に行われ、筆記試験合格者のみ10月に口述試験が行われます。合格率は5%程度であるため(※8)、難関試験といえるでしょう。
試験内容は、憲法や商法といった法律の知識や不動産登記、商業登記に関する知識などが問われます。司法書士になるには、試験合格後に日本司法書士会連合会などが開催する各種研修を受けて、日本司法書士連合会への登録が必要です。
(※8)参考:法務省「令和5年度司法書士試験の最終結果について」
行政書士
行政書士は国家資格で、年齢や学歴に関係なく、誰でも受験が可能です。試験は毎年11月に行われます。
試験は、択一式と記述式が組み合わさった「行政書士の業務に関し必要な法令等」と択一式の「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」の合計60問で構成されます。合格率は10%程度です(※9)。
(※9)参考:法務省「令和5年度行政書士試験/都道府県別試験結果一覧」
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営改善や成長を支援するための国家資格です。経営状況の診断や経営戦略の立案、業務プロセス改善、人材育成支援など、幅広い分野でアドバイスを提供しています。
第1次試験合格後に第2次試験の筆記・口述試験を受けて、実務補習・実務従事を行うことで登録できます。1次試験後に指定機関で養成課程を受けることでも、登録は可能です。
宅地建物取引士
宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引における専門家を指す国家資格です。
不動産、建設、金融といった業種では不動産の取引が多く、宅建の資格を取得すれば不動産取引に関する説明や契約書作成ができるので有利に働きます。また行政と社会との規律を定めた法律も学ぶため、法律知識を習得できます。
必要な勉強時間は300〜500時間程度といわれており、初心者かつ独学の場合は4〜5カ月程度、資格予備校に通う場合は3カ月程度の期間が必要になるでしょう。
宅地建物取引士(宅建)の合格率はおおよそ15%前後となっており、取得がやや難しい資格です(※10)。
(※10)参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(過去10年間)」
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定試験は、日本商工会議所が主催する民間資格です。年齢、学歴関係なく受験できます。法務に限らず、営業や販売、総務や人事など幅広いビジネスシーンで必要な法律の知識を習得可能です。
実務に直結する重要なところを網羅的に学べるため、さまざまな職種やビジネスシーンで役立つ資格です。
個人情報保護士
個人情報保護士は、個人情報の適切な管理と保護に関する知識を証明できる民間資格です。合格することで、情報漏えいや不正使用がないようルールや対策を学べるため、個人情報法に沿った安全確保や保護対策などを実施できると認定されます。
試験は年4回あり、年齢、学歴関係なく誰でも受験が可能です。出題はマークシート形式で、70%以上の正答率で合格です(※11)。マイナンバーが導入されたことから、マイナンバー法に関する知識も求められます。
(※11)参考:個人情報保護士認定試験「事件内容・試験日程」
ビジネスコンプライアンス検定
ビジネスコンプライアンス検定は、コンプライアンスの知識への深い理解と活用能力を証明できる検定です。ビジネスシーンで必要なコンプライアンスや法務知識をアピールできるため、就職や社内でのキャリアアップなどで有利になります。
試験は年に2回、年齢や学歴関係なく受験ができます。受験方法はリモートWebテストによる在宅受験形式です。合格率は50%程度です(※12)。
(※12)参考:ビジネス能力認定サーティファイ「ビジネスコンプライアンス検定 試験内容・学習について」
▼就活でおすすめの資格について詳しく知りたい方はこちら ・就活で有利な資格10選!業界別・文理別のおすすめとESの書き方
法学部の就活のポイント|企業・職種の選び方編
法学部生が就活を進める上でのポイントをいくつかご紹介します。まずは、企業や職種の選び方についてです。
自己分析・業界研究・企業分析を通して就活の軸を定める
志望企業や職種を選ぶ上で、就活の軸を定めることが重要です。
就活の軸とは、企業を選ぶ際の基準や優先事項のことです。具体的には、ミッション、仕事内容、将来のキャリアプラン、働き方などから自分が特に大切にしたい価値観や条件を指します。就活の軸を持つことで企業選びがスムーズになることに加え、明確な志望動機の説明に役立つため、納得のいく就活をするために重要です。
就活の軸を作るためには、自己分析や企業・業界研究の他、軸の例を参考にすることが効果的です。
▼自己分析について詳しく知りたい方はこちら ・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説 ・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文 ・【モチベーショングラフの書き方】自己分析が捗るテンプレートも紹介 ・マインドマップを使った自己分析!書き方や無料のツール・アプリを紹介 ・エニアグラム全9タイプの適職とそれぞれの職業を解説!自己分析に役立てよう ・ジョハリの窓とは?診断を就活に生かせる自己分析のやり方を解説 ・【2024年最新版】就活の自己分析におすすめな本10選|活用法も紹介 ・他己分析のやり方とは?厳選ツールと質問リストで長所と短所を発見
インターンシップに参加する
インターンシップとは「社会に出る前の職場体験」です。企業で仕事をしている人の話を大学生が直接聞いたり、実際の仕事を体験したりすることで、業種・業界・職種の違い、社員の雰囲気、企業風土などを知ることができます。
企業を内側から見てみることで、企業研究だけでは分からなかった社内の雰囲気や人間関係をつかめます。インターンシップであらかじめ希望する企業を体験しておけば、自分に合う企業かどうかを判断できます。
▼インターンシップについて詳しく知りたい方はこちら ・インターンとは?種類や目的、面接・志望動機のポイントなど解説! ・内定につながるサマーインターン一覧:約30社のインターン情報を完全公開!
企業説明会に参加する
企業説明会への参加も有効です。
説明会の中で、企業に対して魅力的に感じた場面を振り返ってみましょう。「どこが魅力的か」「なぜ魅力的か」を深掘りすることで、就活の軸が明確になります。
OB・OG訪問する
OB・OG訪問とは、実際に企業で働く方に対して、会社や仕事についての話を伺うことです。OB・OG訪問は、大学の先輩や知り合いに紹介してもらったり、就活イベントを活用して社員と接点を持ったりすることで機会を作れます。
社風やキャリアに関して社員のリアルな声を聞き、共感できるかどうかを見極めましょう。
▼OB・OG訪問について詳しく知りたい方はこちら ・OB・OG訪問とは?やり方から内定者が使うアプリまで完全解説 ・【こんなOB・OG訪問は落ちる】学生が知らない、失礼にあたるマナー11例を社会人のホンネ付きで再現してみた ・OB・OG訪問の質問リスト【厳選50選】 深い内容を聞くコツ・前日に送るメール例
学んだ内容を生かせる業界・職種を選ぶ
学んだ内容を生かせる業界や職種を選ぶことも重要です。
企業や職種によって求める人物像やスキルは異なるため、求める人物像にマッチした志望動機や就活の軸を選びましょう。就活の軸が企業と合わないと、「ミスマッチが起きる」「すぐに離職するかもしれない」とネガティブに捉えられる可能性があります。
ワンキャリアでは、企業や職種ごとに合格の秘訣をご紹介しています。ここではトヨタ自動車の例をご紹介します。
トヨタ自動車のインターン・本選考対策のポイント ・トヨタへの圧倒的な志望度を示すこと ・チームで成果を出せる人材だと示すこと ・課題意識と問題解決能力の高さを示し続けること ※出典:トヨタ自動車|2025年卒技術職の合格の秘訣
トヨタ自動車の選考を受ける場合は、上記と合致する軸を表すエピソードを選ぶようにしましょう。
以下から、企業・職種ごとの合格の秘訣を検索できます。こちらをぜひ参考にして、アピールできる長所を選びましょう。
▼企業ごとの合格の秘訣をさらに知りたい方はこちらから ・ONE CAREER 企業一覧
法学部生が重視する就活の軸ランキング
ここで、法学部生が重視する就活の軸ランキングをご紹介します(※13)。ぜひ参考にしてください。
- 1位:ワークライフバランス重視
- 2位:給与水準や昇給率の高さ
- 3位:若手でも挑戦しやすい環境
- 4位:企業経営や事業が安定している
- 5位:キャリアアップ・スキルアップしやすい
- 6位:希望のエリアで働ける
- 7位:経済的支援の充実
- 8位:研修・育成制度の充実
- 9位:いろいろな職種・事業を経験できる
- 10位:働く時間を調整しやすい
- 11位:女性が活躍しやすい
- 12位:働く時間を調整しやすい
- 13位:海外で働く機会
- 14位:海外の人と関わる機会
- 15位:働く場所を調整しやすい
- 16位:専門性やスキルを生かせる
- 17位:年次によらないフェアな競争環境
- 18位:地元で働ける
- 19位:Uターン就職できる
(※13)……ワンキャリア2026年卒会員のデータより集計
▼就活の軸について詳しく知りたい方はこちら ・就活の軸【例一覧100選】面接/ESでの答え方と業界・職種別の例文
法学部の就活のポイント|選考対策編
法学部は就活に有利といわれていますが、選考対策は必須です。
法学部の就活のポイントは以下の5つです。
- 早期から情報収集をし、早期選考を受ける
- 業務独占資格を取得する場合は、試験と就活が連動することに注意する
- Webテスト対策に力を入れる
- ESや履歴書を余裕を持って準備しておく
- 面接対策|よく聞かれる経済学部特有の質問&回答例
それぞれ解説します。
早期から情報収集をし、早期選考を受ける
早期から情報収集をして早めに選考を受けましょう。
法学部生に人気の金融やコンサル業界は、大学3年の10月頃から早めに選考が行われるケースが多いです。そのため、志望業界のスケジュールを把握しておらず選考開始に遅れてしまうと、選考期間が終わったり周囲の就活生より準備不足になったりするかもしれません。
他にも、早期選考を受けると以下のメリットを実感できます。
- 良い企業を見極める目を養える
- 選考経験が積める
- 内定者のインターンシップに参加できる
合同説明会への参加などを行えば、大学のOB・OGや他の就活生と交流して情報収集もできます。このように、早めに情報収集を行い早期選考を受けることで、志望する企業からいち早く内定を獲得できるでしょう。
業務独占資格を取得する場合は、試験と就活が連動することに注意する
公認会計士や行政書士などの業務独占資格の取得には、まず試験への合格が必要です。事務所の規模などにもよりますが、この資格を保有していることが条件の職業に就くためには、試験合格後に就職活動をしなければいけないケースもあるため注意しましょう。
資格取得の計画を立てる際は、試験の合格と将来の就職活動を同時に考慮する必要があります。
Webテスト対策に力を入れる
基礎数学力や論理的思考が求められることから、Webテスト対策は重要です。
効率的なWebテスト対策のポイントは以下の通りです。
- 出題傾向を理解する
- 苦手分野を把握して重点的に対策する
早めにWebテスト対策をはじめて企業ごとの出題傾向を理解し、苦手を克服することで、効率的に対策できるでしょう。
もちろん、多くの企業では面接やESの内容も重視するため、ある程度Webテストの勉強をしたら、面接練習やES対策にも取り組みましょう。
▼Webテストについて詳しく知りたい方はこちら ・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧 ・【2024年版】Webテスト24種類の見分け方!形式別のURL一覧と業界別の傾向
エントリーシート(ES)や履歴書を余裕を持って準備しておく
法学部の就活で成功するためには、余裕を持ってESや履歴書を準備することが重要です。余裕を持ってESや履歴書を準備し、求められた期日に提出することで、採用担当者に好印象を与えられます。
もちろん、内容が悪ければ書類選考で落とされてしまうため注意しましょう。余裕を持って書類を作成しつつ、何度も見直して自分の強みを最大限アピールできる内容のESや履歴書にブラッシュアップすることが重要です。
▼ES・履歴書について詳しく知りたい方はこちら ・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策 ・【就活の履歴書】学歴・志望動機の書き方と封筒・写真などの準備方法
面接対策|よく聞かれる法学部特有の質問&回答例
法学部の就活で成功するためには、面接対策も重要です。
法学部特有の質問と回答例をまとめたので、参考にしてください。
なぜ法学部を選んだのですか?
企業が、学部や学科を選んだ理由について質問するのは、以下の理由が考えられます。
- 目標を立てて行動できる人かを確認している
- 勉強に対する意欲を確認している
「物事を考えて行動できる人か」「目標に向かって努力のできる人か」を確かめる質問であるため、法学部を志望した明確な理由と、どのような努力をしてきたかアピールしましょう。
【例文】 論理的思考力を身に付けられると考え、法学部に強みをもつ◯◯大学法学部に進学しました。事案ごとに法律の解釈が変化するので、相手を納得させる論理的思考力だけでなく、柔軟な思考力も鍛えられたと感じています。 ※出典:常陽銀行|2022年卒総合職本選考のES
なぜ◯◯の資格取得をしようと思ったのですか?
企業が資格取得の意図について質問するのは、以下の理由が考えられます。
- 取得に明確な目的があったか?
- 資格取得までどのような努力をしてきたか?
「自身で目標を立てて達成まで努力できる人材なのか?」をチェックする質問であるため、資格取得の背景や具体的に業務でどのように活用するかまで説明できると好印象を与えられます。
【例文】 私は宅地建物取引士の資格勉強に力を注ぎました。法学部に入学し、法律について勉強を重ねるうちに、日常生活でも生かすことのできる、さらに専門的な知識を身につけたいと思うようになり、この資格の取得を目指しました。勉強に取り組む中で一番苦労したことは「モチベーションの維持」でした。しかし、毎日どれだけ勉強したかを記録し、成果を目に見える形にしたことで達成感・やりがいをより強く感じるようになり毎日の勉強を習慣づけることができました。また、勉強量を可視化したことで「昨日はあまり進めれなかったから今日は少し範囲を広げよう」というように日々の勉強量のペースメーカーにもなり、計画的に学習を進めることができました。そして半年間かけて勉強を続けた結果、宅地建物取引士の試験に合格することができました。 私はこの経験を通じてどのようなことにおいても考え方や工夫一つで困難は乗り越えられると言うことを学びました。 ※出典:大垣共立銀行|2025年卒総合職(オープンコース)インターンシップ選考のES
法学部で学んだことで弊社で生かせることは何ですか?
「大学で学んだことをどのように生かせるか?」を質問する背景には、以下の理由が考えられます。
- 自分の強みを理解できているか?
- この企業を志望した明確な理由は?
法学部では幅広いことを学べるため、さまざまな他の業界や企業で知識を生かせます。数多く学んできたことの中から、自分の強みと企業を選んだ明確な理由を聞くことで、会社との相性を図っています。
【例文】 私は法学部に在籍し、複雑な法体系を論理的に学んできた。特にゼミで学んでいる◯◯は、文化的、宗教的な背景から、国・地域・民族などによって異なる法律や法体系を比較する学問である。日本には研究者が多くないため、もっぱら海外の文献をもとに学習を深めている。文献は毎回の授業でゼミ生同士が発表する。複雑な事実を論理的に解釈し、それを他者と共有するために私が心掛けていることは2つある。1つ目は「良好な雰囲気を生み出すこと」である。ゼミ内の雰囲気が息苦しいと質疑応答が活性化しないため、先輩や同期の発表に明朗快活にリアクションし、調和のとれた楽しい空間作りを醸成している。2つ目は「相手に伝わるコミュニケーション」である。発表者以外は文献を理解していない状態で授業が始まるため、「伝える」より「伝わる」ことを目指して発表している。貴社に入社後も、課題に対してチーム一丸で論理的思考を作用させたいと考えている。 ※出典:電通総研(旧:電通国際情報サービス)|2025年卒総合職社員本選考のES
法学部の中での専門領域は?
企業が専門領域について質問する理由として、以下が考えられます。
- 何に興味を持ったのか?
- 学んできたことをどのように生かせるか?
まずは、学んできたことについて簡潔に説明し「その専門領域を選択した理由」「学んできたことを企業にどのように生かせるか」について、アピールしましょう。
【例文】 法学部の◯◯法分野での学習に取り組み、日々の成果を振り返ります。まず、構成要件や法的責任の要件について理解を深めるため、教科書や講義で学んだ基本的な概念を熟読しました。これにより、◯◯行為やその責任に関する法的論点についての理解が深まりました。その後、判例解析を通じて、理論だけでなく実務における適用例を学びました。複雑な法理を具体的な事例に適用することで、法律の現場での実践的な視点を身に付けることができました。また、判例の背景や問題点、判決の理由と結果を分析することで、法的論点をより詳細に理解しました。さらに、教科書や講義ノートをもとにして、章ごとに要約やまとめを作成しました。自分の言葉で教材を再解釈することで、理解度を確認し、抜け漏れや理解不足を補うことができました。また、グループディスカッションや授業内での議論を通じて、他の学生や教員からの意見を積極的に取り入れ、自己の考えを洗練させる努力をしました。これらの取り組みを通じて、刑法分野における知識と理解を着実に深めることができました。今後も、より高度な法的論点に挑戦し、専門性をさらに高めていきたいと考えています。 ※出典:清水建設|2025年卒グローバル職インターンシップ選考のES
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まとめ
こちらの記事では、法学部生に向けて、人気の就職先や業界・職種をご紹介しました。就活を進める上でのポイントも参考にして、就活を上手に進めていきましょう。
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