こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は、外資系投資銀行(投資銀行部門)のサマーインターンに行くために「いつ、何をすればよいか?」について、徹底解説します。
外資系投資銀行の内定者、インターン参加者が在籍するワンキャリ編集部が総まとめを行いましたので、ぜひご一読ください。また、各社の選考フローの詳細や得点ボーダーなどを記述した「選考対策ページ」を用意しています。記事の末尾にリンクがあるので、ぜひ参考にしてください。
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(※)記事中に記載してある各企業のGDテーマやテスト形式は、外資系投資銀行(IBD)のインターン選考参加者および参加者へのヒアリングから得た最新の情報をもとに作成いたしました。
外コンと並び、外銀のインターンに参加価値がある3つの理由
日系・外資系問わず、多くの企業がサマーインターンを実施しますが、その中でも、外銀のサマーインターンへ参加する価値があるといわれる理由は主に以下の3つです。
(1)インターン参加という実績が、他社の選考で有利に働く
(2)優秀で魅力的な学生と繋がることができる
(3)本選考に直結することが多い
特に(1)については、日系証券の投資銀行部門(IBD)をはじめとする同業界はもちろん、商社を含む日系大手の本選考においても、「外コン・外銀枠」として優位に働きます。
参考:(後編)ゴールドマン・サックスを選ぶ理由が僕には見当たらなかった
トップティア企業の実施時期、エントリー締切はいつか?
外銀の代表格である、バルジ・ブラケット(※1)と呼ばれる欧米の主要な投資銀行について、IBD部門のサマーインターン実施実績は以下の通りです。
<夏インターンを実施した外資系投資銀行>
・モルガン・スタンレー(米)
・シティグループ(米)
・J.P.モルガン(米)
・ソシエテ ジェネラル(仏)
<夏インターンを実施していない外資系投資銀行>
・バンクオブアメリカ・メリルリンチ(米)
・UBSグループ(瑞)
・ゴールドマン・サックス(米)
・バークレイズ(英)
・ドイツ銀行グループ(独)
・クレディ・スイス証券(瑞)(※2017年卒の情報)
なお、エントリー締切や開催の時期は例年、以下の通りです。
・エントリー(ES提出)主な時期:6月下旬〜7月上旬
・開催時期:8月中旬〜9月上旬
年によって変動するため、常に今年度の情報には目を配っておきましょう。
(※1)バルジ・ブラケット……常にリーグ・テーブル(業績を基にした投資銀行ランキング)の上位を独占し、世界経済に大きな影響を与える欧米の一流投資銀行群を指す
外銀の選考はどんなフロー?
外銀の選考フローは、多くの場合以下のように進みます。
エントリーシート(以下、ES)→Webテスト→面接 (orグループディスカッション)→インターン参加
ES・Webテストの後は面接が1回だけの場合が多く、インターン参加までの道のりは決して長くありません。対策をすることで、よりインターン参加へと近づくので、本記事を参考にして入念に対策を行いましょう。
各フローの特徴や実施時期は以下の通りです。
エントリーシート(ES):6月末〜
ESだけで落とされてしまうことは少ないですが、その内容は面接にも関わるため、しっかりと準備してから記入しましょう。
また、多くの企業が過去に英語を用いた設問を課しています。
2020年卒のJ.P.モルガン(投資銀行部門)では英語で書く設問が課されていたようです。
ESを書く際には「端的かつ論理的・構造的に明確な文章を書く」ことを心掛け、読む側の負担を減らす工夫をしましょう。
ある学生によると、「投資銀行のESは若手バンカーが深夜の疲れた時間に気晴らしに読むことが多い。そこで論理的に滅茶苦茶だったり、端的に内容が書かれてないと読む気がうせてしまう」と社員から聞いたと話していることからも、その重要さが伺えます。
Webテスト:6月末〜
昨年サマーインターンを実施した外資系投資銀行については、以下の種類のWebテストを課しています。
・モルガン・スタンレー:TG-WEB(計数・非言語・言語・適性)
・シティグループ:玉手箱(言語、非言語、性格)
・J.P.モルガン:企業オリジナル(言語、非言語。形式は玉手箱に酷似)
・ソシエテ ジェネラル:企業オリジナル(英語、言語、非言語、政治経済、マナー問題)
外資系戦略コンサルに比べて筆記試験の難易度は高くないため、参考書による対策など、基本的な対策で十分な企業が多いです。
特に玉手箱を課す企業は多いため、以下の記事などでぜひ対策してください。
・【Webテスト対策:玉手箱】問題例・出題企業とおすすめ問題集面接:7月上旬〜
外資系投資銀行の面接はグループ面接が基本的です。学生4人に対して社員1人で、時間は全体で30分ほどの場合が多いです。
日本語と英語両方での面接を課す企業もあります。主な質問は以下の通りです。
<日本語>
・志望動機
・なぜIBDなのか
・投資銀行の基本的な知識について
・大学で頑張っていること
・自己紹介
・逆質問
など
<英語>
・自己紹介
・学校での研究内容
など
出典:J.P.モルガン|投資銀行部門2020年卒インターンの面接
外銀のインターン参加前に特に差が出るのが「なぜ投資銀行部門のインターンに参加したいのか」という動機です。
外資系投資銀行は、投資銀行部門(IBD)が有名ですが、それ以外にもマーケット部門やリサーチ部門など、さまざまな部門があります。夏の時点ではそれらの部門との違いが分かっていない就活生も多く、面接官が納得する回答ができず、それが原因で落ちてしまうことが多々あります。
面接では「なぜ投資銀行部門に応募したのか」という質問は聞かれる確率が高いため、以下の記事などを参考にして応募理由を考えましょう。
・【外銀入門】15分で分かる外資系投資銀行!受ける前に知っておきたい「部門の違い」グループディスカッション(GD):7月上旬〜
インターン選考にGDがあることはまれで、面接とセットで簡易的に短時間で行うことが大半です。昨年度の夏インターン選考では、J.P.モルガン、シティグループなどで実施されました。以下が実際に出題されたお題の一例です。
<GDのお題例>
・ある大学の入学者を増やすためにはどうしたらいいか
・その場で時事ネタを使ったもの
出典:J.P.モルガン|投資銀行部門2020年卒インターンのGD
GDで最も重要なのは「議論を進める積極性」と「円滑に議論を行う協調性」です。
この「積極性」と「協調性」の2つの視点は、「リーダーに必要な条件は何か」などといった抽象的なテーマであったり、「回転寿司(すし)チェーンの売上をアップさせるには」といったケース問題のようなテーマであっても、常に求められます。
詳しくは以下の記事などに書いてありますので、GDに不慣れな場合は参考にしてください。
・グループディスカッション対策完全版!テーマ例と議論の進め方・役割の選び方・グループディスカッション(GD)の評価ポイント:コミュ力・協調性・リーダーシップ徹底解剖
外コンにはない外銀選考の特徴
サマーインターンの参加実績が他企業の選考で優位に働く業界の代表である、外資系コンサルと外資系投資銀行。多くのトップ学生が志望するこの2つの業界のインターン参加には、選考突破には相応の対策が求められます。しかしながら、その対策方法は異なります。本記事では、主に外資系投資銀行の選考で見られる特徴について詳しくお伝えしていきます。
外コンの選考:能力重視。特別な選考に慣れる対策が必須
筆記試験やケース面接などが行われ、能力が重要視されます。書籍の読み込みや、実践での慣れなどの対策が必須です。詳しくはこちらの記事をお読みください。
・外資系コンサルのサマーインターンに行きたいならこう動け!夏に内定するための戦略と選考対策外銀の選考:人柄重視。志望度をアピールするための深い理解を
現場社員による面接が評価の大部分を占める人物本位の選考です。Webテストや英語での自己紹介ができる程度の対策は必須ですが、一番大切なことは、短時間で自分の魅力を伝えるための深い対策です。
明確な指標が見えない中で、練り上げた志望動機を提示することが他の学生と差を付けるための1つの鍵。面接官に「この子をインターンに呼ぼう」と納得してもらうため、以下の2点に注意して対策を進めましょう。
・外銀の志望部門について、最低限の業務と職種を理解すること
・志望部門にマッチした自己アピールポイントと、それを裏付ける経験を整理すること
以下の記事は主に本選考について解説していますが、インターン選考との共通点も多いので、より外銀の選考について詳しく知りたい場合は参考にしてください。
・外銀IBD:年明け内定ゲットの「完全ロードマップ」〜外資系投資銀行の本選考はこう動け!〜・外資系投資銀行に行きたい!でもスーパーデイの攻略法は分かってる?【外資就活総まとめvol.4】
では、具体的にいつ、どんな対策をすれば外銀の夏インターンに参加できるのか?
ここからは具体的にいつ、どんな対策をすれば外銀の夏インターンに参加できるのかについて、お伝えしていきます。今回は5月から7月まで時期を区切って、すべきことをお伝えします。
5月下旬:Webテスト対策のスタート + 選考フローを理解する
まずはWebテストの対策をスタートさせましょう。傾向として、スピーディに問題を処理していくタイプが多いため、簡単な問題でも1問30秒〜1分で処理していくことが求められます。以下の書籍での対策・練習は必須でしょう。
玉手箱
・必勝・就職試験! 【玉手箱・C-GAB対策用】8割が落とされる「Webテスト」完全突破法【1】【2020年度版】
TG-WEB
・必勝・就職試験! 【TG-WEB・ヒューマネージ社のテストセンター対策用】8割が落とされる「Webテスト」完全突破法[2]【2021年度版】
加えて、本記事やONE CAREERにある各企業ページの「職種別の選考対策」のページや体験談を通じて、「各企業、各部門がどういった選考をやっているのか?」も把握しておきましょう。
6月上旬:Webテスト対策は行いつつ、部門ごとの業務理解を深める
引き続き、Webテストの対策は入念に行った上で、エントリーシート(ES)や面接の対策に向けて、職種や業務の理解を進めましょう。
外銀の職場環境は多忙かつ競争的でハードなため、夏インターンといえど「真っ当な志望動機かどうか」は選考における重大な評価基準の1つです。
外銀は部門ごとに業務が大きく異なるため、それに応じて「求められる人材」や「面接で見られるポイント」「質問内容」も異なります。部門別の業務理解は、以下のワンキャリ編集部がまとめた記事や、おすすめする書籍を参考に行うとよいでしょう。
▼書籍はこちら
・図解入門業界研究 最新証券業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第4版]
6月中旬:志望部門が求める人物像を理解し、それにフィットしたエントリーシート(ES)のベースを作成
5月後半から、Web上の情報や企業説明会を通じて集めた情報を参考に、志望部門が求める人物像を理解した上で、自分の強みをどうアピールすればよいか明確化しましょう。
特に、志望部門の業務特性に起因する「部門ごとの求める人物像」について理解しておく必要があります。例えば、国内の顧客を相手にすることが多い投資銀行部門と、海外のビジネスパーソンを相手にすることも多いマーケット部門では求められる英語力が異なります。
そして、6月後半のES提出(日本語/英語)を見据え、各企業のESの土台となる文章の作成を行いましょう。ESの詳しい書き方は以下の記事を参考にしてください。
・エントリーシートは中身じゃない!普通の学生も必ず通るエントリーシートの作法・エントリーシートで落ちた理由?内定レベルの志望動機と自己PRの書き方&例文集
6月下旬:エントリーシート(ES)提出・Webテスト+ 面接・GD対策
6月後半から7月上旬まではES締切・Webテスト受験ラッシュです。6月前半に準備したESの土台を元に、各社のESについて日本語/英語の回答を作成しましょう。
面接対策は、基本的な面接対策 + 外銀向けの面接対策(英語と逆質問)に分かれます。
1. 基本的な面接対策
グループ面接が多く、短時間で自己アピールすることが求められます。とにかくしゃべりすぎず端的に結論から話す練習はしておきましょう。基本的な面接の対策は以下の記事を参照してください。
・【面接前日に確認!】思わぬ質問からの失敗を防ぐ5つの準備・対策法・面接官をイライラさせる?!NGな自己PR例文と対策
・観点はたった2つ!面接で深みを与える「就活の軸」の作り方・見つけ方
2. 外銀用の特殊な対策
一般の面接に比べて外銀の面接で特に求められるのは「頭の回転の速さ」と「英語力」です。
「頭の回転の速さ」は、(1)質問に対して間髪入れずに答えること、(2)簡単な暗算の計算の速さなどでアピールできます。
(1)素早く答える
外銀でよくある質問を想定し、答えを持っておくとよいでしょう。例えば、以下のような質問がなされます。
・学生時代頑張ったことは?
・投資銀行を目指す理由
・自分の強みと弱み
・投資銀行に自分が向いている理由
(2)計算スピードをアピール
簡単な暗算として、例えば、以下のような問題が面接中に急に問われます。計算の仕方で簡単に答えられる問題が多いので、以下のような解法は頭に入れておきましょう。
また、日頃から簡単な計算を頭の中で意識してすることによって対応できるようになるため、面接前には少し計算の練習をしてみるといいでしょう。
・7の6乗は? (7^2≒50なので、7^6≒50^3と考えると早い)
・16と17、倍数が100に近いのはどっち? (最も100に近いのは16なら96,17なら102のため17。)
・42×38は? (=(40+2)×(40-2)のため、1600-4=1596とすぐに出せる)
・1から10まで足し合わせるといくつ? (1と10、2と9など、「11」のペアが5つあるので、11×5=55と出せる)
また、「英語力」に関しては以下のオーソドックスな質問がされることが多いです。全て答えられるように、文面に起こしておくなど対策をしておきましょう。
・自己紹介
・学生時代頑張ったこと
・投資銀行の志望理由
7月:面接・GD対策から、選考本番へ
ここからは、順次面接・GDが始まりますので、うまくいった選考、うまくいかなかった選考を振り返り、同じ失敗を繰り返さないように反省を生かしましょう。
参加することが大きな実りにつながる外資系金融のサマーインターン。その参加権を得るためには、深い対策が必要です。できる対策を早め早めに行いましょう。良いスタートダッシュを切れることを祈っています。
各社の選考詳細は以下の選考対策ページからご覧ください。
モルガン・スタンレー
シティグループ
J.P.モルガン
ソシエテ ジェネラル
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J.P.モルガン
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【外銀の部門について】
・【外銀入門】15分で分かる外資系投資銀行!受ける前に知っておきたい「部門の違い」
【職種解説】
・IBD:英語のいらない外資?外銀IBD部門の実態
・マーケット:実力主義、高収入、グローバル!三拍子そろった外銀マーケット部門の内実とは?
・リサーチ部門:外銀の頭脳?謎多き外銀リサーチ部門の業務を解説
・アセマネ業界:隠れ優良業界!?資産運用業界(アセットマネジメント)を解説:事業内容や年収、選考のポイントとは
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