ビジネスマナーとは、仕事で関わる相手への敬意や気遣いをベースにした一連の言動です。社会に出て働く上で、ビジネスマナーはとても重要です。
そこで今回は業務シーン別の正しいビジネスマナーや、外資系企業に特有の国際マナーを紹介します。
<目次>
●ビジネスマナーとは
・ビジネスマナーの意味と重要性
・ビジネスマナーが関係構築に与える影響
・ビジネスマナーの基本ルール
●就活におけるビジネスマナーの必要性
・企業との面接時に求められるビジネスマナー
・ビジネスマナーが評価される理由
●ビジネスマナーの基本
・ビジネスマナーの基礎知識
・ビジネスマナーで求められる言葉遣い
・ビジネスシーンでの振る舞い方
●【場面別】ビジネスマナーのポイント
・対面におけるビジネスマナー
・電話対応におけるビジネスマナー
・メール対応におけるビジネスマナー
●ビジネスマナーの練習方法
・ビジネスマナーを習得するための対策
・ビジネスマナーを身につけるための実践テクニック
●ビジネスマナーのポイントを学ぶ事例
・成功したビジネスパーソンのマナー術
・失敗例から学ぶビジネスマナーの重要性
●ビジネスマナー一覧
●【外資系志望者向け】ビジネスマナーと国際ビジネス
・異文化間のビジネスマナーの違い
・国際ビジネスにおけるビジネスマナーの必要性
●ビジネスマナーを生かした企業との関係構築方法
・ビジネスマナーを生かした円滑なコミュニケーション術
●この記事のまとめ
ビジネスマナーとは
ビジネスマナーとは仕事をするうえでベースとなる一般常識です。社会人にはいうまでもない暗黙のルールでも、これから社会に出る就活生は知らない知識も多々あります。
ビジネスマナーの意味や重要性、基本ルールをチェックしましょう。
ビジネスマナーの意味と重要性
ビジネスマナーとは社会人が仕事で関わる同僚や取引先の人たちを不快にさせないために取る行為を表します。
ビジネスマナーには、あいさつや報告・連絡・相談、整理整頓など社会人として身につけておくべき一般常識がほとんどです。基本さえ守れば誰でも及第点を達成できるからこそ、日頃から心がけたい社会人としての基礎です。
社会に出ると、年代やバックグラウンドがさまざまな上司や同僚、取引先と仕事をします。また、業務中はもちろん、プライベートでも会社の肩書がついて回ります。
マナーを守れないと、個人の印象が悪化するほか、会社の評判まで落としかねません。
そのため、ビジネスマナーはとても重要とされています。
ビジネスマナーが関係構築に与える影響
ビジネスマナーが関係構築に与える影響は多大で、きちんとできれば良好な関係の構築に役立つ反面、マナーが悪いと信頼関係を失う場合があります。
もちろん上司や同僚、取引先との関係にも影響を与えます。ビジネスシーンで関わる人たちとは友人や家族のような深い話はしないことが通常です。
一定の距離感を保ったコミュニケーションになるため、ビジネスマナーが極めて重要になります。マナーが問題ないだけで職場の人たちから信頼され、安心して仕事を任せられるでしょう。
一方で、礼儀や思いやりがない不誠実な態度をとると、信頼を失うこともあります。ビジネスマナーというと抽象的で何を示しているか分かりにくいですが、最低限注意したいのは相手に不快感を抱かせないことです。
ビジネスマナーの基本ルール
一緒に働く人たちに不快感を抱かせず、良好な関係を構築するために、最低限の基本マナーを知っておきましょう。
ここでは、覚えておきたいビジネスマナーの基本ルールについて説明します。
元気よくあいさつをする
あいさつは、誰にでも自分から快活に行うべきだといわれます。また、相手に聞こえるよう、声量やトーンにも気を配り、何かをしながらの「ながらあいさつ」は避けましょう。
時間は厳守する
時間厳守も社会人の絶対的なルールで、出社時間や会議への遅刻は厳禁です。時間に余裕をもった行動を心がけ、万が一遅れそうであれば、必ず連絡を入れるようにしましょう。
ほうれんそう(報告・連絡・相談)を怠らない
組織の一員で働くのであれば、密なほうれんそう(報告・連絡・相談)は必須です。上司や部下、チームのメンバー間でお互いの状況を把握することは、ミスを防ぐうえで非常に重要です。
依頼を受けた仕事は「あれ、どうなった?」と依頼人に聞かれる前に、自分から報告する癖をつけましょう。
話し方や聞き方に配慮する
コミュニケーションも、マナーの1つです。話し手に分かりやすく伝えるために、結論ファーストを意識してみてください。聞く際の注意点は、聞きもらしや確認不足がないようメモをとりながら聞くことです。
また、理解したと相手に伝えるために、伝達内容は復唱するといいでしょう。
整理整頓は常に意識する
机の上は整理・整頓して、いつ仕事の依頼を受けても問題ない体制を整えることも大切です。キャビネットや文房具スペースなどの共有スペースも、きれいに使用することもビジネスマナーの1つと言えます。
就活におけるビジネスマナーの必要性
就活では、エントリーシート(ES)の送り方や面接時の入退室、受け答えの仕方を面接官からチェックされるため、ビジネスマナーの重要性を認識させられる機会になるでしょう。
仕事の能力が未知数の学生の場合、ビジネスマナーで評価を落とさないことが重要です。面接時に求められるビジネスマナーや就活でマナーが評価される理由を解説します。
企業との面接時に求められるビジネスマナー
面接は、応募書類からは読み取れない応募者の人となりや、コミュニケーション力を測る場面です。何を話すかということばかり意識して、マナーをおろそかにしないようにしましょう。
面接で意識したいビジネスマナーは、以下のとおりです。
入室時 |
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面接中 |
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退室時 |
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ビジネスマナーが評価される理由
面接でビジネスマナーが評価されるのは、仕事以前にビジネスパーソンに必要な一般常識があるかを確認するためです。
新人の場合、入社したての頃は覚えることばかりで、チームや部署に貢献できなくても仕方ありません。しかし、電話対応や来客対応でさまざまな人と関わる機会はあります。
一般常識がなく、取引先を怒らせてしまっては会社に損害を与えてしまうでしょう。年次を問わずビジネスマナーは重要なものであるため、早い段階から習得していきましょう。
ビジネスマナーの基本
社会に出て組織で働くのであれば、ビジネスマナーは極めて重要です。一口にマナーといっても、数や種類は膨大です。いきなりすべてを頭にたたき込むのではなく、基礎知識だけ理解して、その他は実務を通して学びましょう。
最低限理解したい、ビジネスマナーの基礎知識を紹介します。
ビジネスマナーの基礎知識
個々のマナーを紹介する前に、大前提としてビジネスパーソンがもつべき心構えを理解しましょう。ビジネスマナーとは、端的にいえば、お互いに気持ちよく仕事をこなすための思いやりです。
チームで業務をこなすには、円滑な関係の構築および活発なコミュニケーションが必須で、ビジネスマナーはその土台となるインフラです。1人の大人として、組織人としてすべての会社員が身につけるべきベーシックな知識なのです。
ビジネスマナーで求められる言葉遣い
就活生がつまずきやすいポイントは言葉の使い方(言葉遣い)です。
とくに敬語の正しい使い方ができず、上司や取引先から指摘を受けるケースが多々あります。
まず尊敬語と謙譲語、丁寧語の3つの意味や違いを押さえましょう。
定義 |
具体例 |
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尊敬語 |
相手や行為者に敬意を示した表現 |
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謙譲語 |
相手への敬意を表すため、自分自身を下げる表現 |
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丁寧語 |
です・ます調の丁寧な表現 |
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その他、社会人が上司や同僚と接するうえで意識したい言葉遣いは以下です。
- 一人称は「わたし」や「わたくし」
- 取引先の社名を表す表現は「御社(口頭)」「貴社(文章)」
- 同意の際は「かしこまりました」(「了解です」「分かりました」はNG)
- 謝罪の際は「申し訳ありません」(「ごめんなさい」「すみません」はNG)
- ねぎらいの言葉をかける際は「お疲れさまでした」(「ご苦労さま」はNG)
ビジネスシーンでの振る舞い方
言葉遣い以外にも、行動で相手を不快にさせないことも大切です。ビジネスシーンでの振る舞い方では以下に注意しましょう。
・あくびをする
・声が小さい
・返事をしない
・人の名前を覚えようとしない
・相手のほうを向かない
・個人的な感情で不公平な態度をとる
・うその報告をする
上記はいずれも、相手を不快な気持ちにさせる言動です。指導を受けた際に面白くない気持ちから、ふてくされた態度をとらないことも大切です。反抗的な態度は怒りを増幅させ、職場の人間関係まで、影響を与えかねません。
個人的な好き嫌いで相手に対する態度を変えるのも、ビジネスシーンでは不適切な言動にあたります。
【場面別】ビジネスマナーのポイント
ビジネスマナーの基礎を押さえた後は、より具体的なテクニックの話に入りましょう。対面・電話対応・メール対応という主要な3つの場面におけるマナーを紹介します。
対面におけるビジネスマナー
新型コロナウイルスの影響がひと段落ついたこともあり、対面で同僚や取引先とコミュニケーションをとるケースが増えてきました。オフィスシーンや商談で不可欠な対面マナーについて紹介します。
クッション言葉(枕詞)
対面におけるビジネスマナーで意識したいのは、クッション言葉です。伝達相手が近くにいても「今お時間よろしいでしょうか?」「1点ご相談よろしいでしょうか?」と確認してから本題へと入ります。
上司や同僚が立て込んでいる状況では、話を聞いてもらえない可能性もあります。後にしてほしいといわれたら大人しく引き下がり、メールでの報告に切り替えるか、手が空くまで待ちましょう。
名刺交換
初期段階で押さえるべき対面のマナーが名刺交換です。ビジネスシーンでは初対面の相手との間では、はじめに名刺を交換するしきたりがあります。名刺の出し方と、受け取り方のビジネスマナーを押さえておきましょう。
【自分の名刺を渡す手順】
- 名刺入れを取り出し、手にもつ
- 立った状態で相手と向き合う
- 「株式会社◯◯の××(氏名)です」と告げ、相手が読める状態で名刺を両手で差し出す
【相手の名刺を受け取る手順】
- 「頂戴します」といい、両手で受け取る
- 「◯◯様ですね」と名前を復唱する
- 「ありがとうございます」「よろしくお願いします」とあいさつをする
- 名刺を胸の位置にキープしたまま、座席に戻る(その場で名刺入れにしまわない)
基本的に、名刺交換は訪問した側が先に行うのがマナーです。いつ交換の機会があるか分からないため、新人のうちは名刺入れを必ず持参してください。
訪問時は早く行きすぎない
取引先や営業先に赴く際の遅刻はもってのほかですが、早く着きすぎるのも避けましょう。アポイントをとって時間を確定したうえでの訪問ならば、訪問先はスケジュール通りの到着を想定しています。
到着の目安は、約束した時間の5〜10分前です。また、冬場に羽織るコートは建物に入る前に脱いでおきましょう。
電話対応におけるビジネスマナー
電話は直接会わずにコミュニケーションがとれる便利なツールである反面、顔が見えないことによる意思疎通の難しさもあります。
電話応対におけるビジネスマナーを、架電時・受電時・受け答えに分けて紹介します。
電話をかける際のビジネスマナー
- 事前に要件を頭の中で整理してメモに残す
- 始業直後や終業直前、昼休みの時間帯は避ける
- 屋外からかける際は通信状態のよい場所で行う
- 周囲が静かな場所でかける
- はじめに所属先や名前を名乗った後、相手方の部署と氏名を告げる
電話を受ける際のビジネスマナー
- 3コール以内に出る。万が一3コールを過ぎたときは「お待たせしました」と一言入れる
- 電話に出たら、会社名と部署名を告げる
- 「もしもし」とはいわない
- 聞き取りにくい場合は、連絡先を確認したうえで「こちらからかけ直します」と告げる
- 先に電話を切らない(電話はかけたほうが切る)
受け答え全般
- はっきりした口調で話す
- メモをとりながら話す
- 日時や電話番号、担当者名などの重要な情報は復唱する
- あいまいな対応はしない
最後の「あいまいな対応はしない」とは、聞き取れていないにもかかわらず、「分かりました」「はい」などと返事をしないことです。相手の声がよく聞こえないときは、「恐れ入りますが、電話が遠いようでございます。もう一度お願いできますか」と確認しましょう。
最初は電話に出るのが怖いと感じる人もいるようですが、練習を繰り返して克服して行きましょう。
メール対応におけるビジネスマナー
コロナ禍でリモートワークが普及した昨今、初対面の相手にメールをする機会は多くあります。顔が見えない分、基本的なマナーを理解していないと失礼な印象を与え、不信感や不安を抱かせる場合があります。
メール対応における基本的なビジネスマナーは、次のとおりです。
TO・CC・BCCを使い分ける
To:ビジネスメールの宛先は直接コンタクトをとる相手に使用
CC・BCC:情報共有をしたい相手使用
メールの送信と関係者への共有を一度に行えるため、機密情報や個人情報に該当しない限り、ビジネスシーンでは後者による対応が基本です。
BCCの特徴は送信相手(TOで送る人)が、共有した相手を把握できない点にあります。送付先には知られたくないが、情報を送りたい相手がいるときに使う方法です。
件名で端的に要件を伝える
ビジネスメールでは件名の書き方にも工夫が必要で、本文を読まなくても要件が分かるタイトル付けが推奨されています。例えば、「号外」「請求書の送付」「選考結果」などです。
ビジネスパーソンは1日に大量のメールが届くため、送付側には一目で分かる工夫が求められます。即対応が必要な重要度の高い案内は、シンプルかつ要件が伝わる件名をつけましょう。
本文は長く書かない
ビジネスメールでは読み手への配慮から、長々と書かず、要点と結論をしぼって伝えるべきだとされます。要領を得ない長文のメールは相手に意図が伝わりにくいうえ、作成に時間がかかる悪例です。
本文の下には署名を付する
無駄な要素は削ぎ落し、いち早く内容を理解できるよう、結論ファーストの構成を心がけます。要点および結論を、冒頭に据える文章の組み立てに慣れましょう。
メールでは、「ご確認よろしくお願いいたします」「今後とも引き続きお願いいたします」という文章の後に、署名の記載が推奨されています。
署名で書く情報は以下のとおりです。
・会社名
・氏名
・住所
・電話番号
・住所
・電話(FAX)番号
・メールアドレス
会社ごとに、独自のテンプレートが設けられていることが一般的です。1から作ろうとせず、上司や周りの同僚に質問して、フォーマットを拝借しましょう。
ビジネスマナーの練習方法
ビジネスマナーは基本的に、一朝一夕で身につくものではありません。新人研修で業務に必要な知識はひととおり習得できるとはいえ、実践を通して自然な作法にまで昇華できます。ビジネスマナーを習得する際の対策や、実践テクニックを解説します。
ビジネスマナーを習得するための対策
ビジネスマナーは座学のみで何とかしようとせず、実践を通じて学ぶことを心がけてください。新人研修では、ロールプレイング形式のカリキュラムが組まれるケースが一般的です。
「受けさせられている」と思うと学んだ内容が定着しにくいため、今後の社会人生活で必要な行為だと理解し、主体的な態度で臨みましょう。
就活の前にマナーを習得したい学生はビジネスマナーについての書籍を読んだり、ビジネススクールに通ったり、動画配信サイトでアップされたビジネスマナーに関する動画を見たりすることも有効です。
ビジネスマナーを身につけるための実践テクニック
学んだビジネスマナーをいち早く自分のものにするためのコツは、他者をまねることです。身近な上司や先輩の取引先との接し方や電話対応を観察し、振る舞いを模倣してみましょう。
研修は一度きりですが、一緒に働く同僚はいつでも模範となる存在です。仕事ができて人当たりもよく、信頼できると感じる人が近くにいれば、このうえない教材です。
ビジネスマナーを身に着けている先輩を観察し、実践に生かしてみましょう。
ビジネスマナーのポイントを学ぶ事例
ビジネスマナーを身につけるには、先人たちの事例から学ぶことが大切です。よい例と悪い例の両方を知って、お手本にするにはどうすればよいか考えましょう。
ここでは、成功したビジネスパーソンのマナー術と、失敗例を紹介します。
成功したビジネスパーソンのマナー術
第一線で活躍して、同僚や取引先からも慕われているビジネスパーソンに共通するマナーは次のとおりです。
・小さいことでも報告する
・体調不良の際は思い切って会社を休む
新人の頃にありがちな失敗が、報告・連絡・相談の頻度が低いことです。上司が忙しそうで話しかけにくいと、後回しにしたくなるかもしれません。しかし、ビジネスシーンでは刻一刻と状況は移り変わるため、後で言おうと思ったまま、機会を逸する場合もあります。
仕事で得た情報を誰にも報告せず、自分だけが知っている状態にしておくのは危険です。責任を問われるのが自分になるため、情報共有とリスク分散の観点から、小さいことでも逐一報告しましょう。
また、体調不良の際は無理して頑張ろうとせず、休暇の取得を優先させるのが賢明です。余計に病状が悪化してしまうだけでなく、菌やウイルスを同僚に移しては大変です。
優秀なビジネスパーソンは休むときや休み、メリハリをつけて働いています。
失敗例から学ぶビジネスマナーの重要性
ビジネスマナーが重要だと言われても、実際に働いていない学生のうちはピンとこないかもしれません。失敗例を知り、マナーが原因でトラブルに発展したケースがあるとわかれば、気持ちが引き締まるでしょう。
新人が起こしやすいビジネスマナーの失敗例を、列挙しました。ミスが原因で職場の人間関係が悪化したり、取引先を激怒させたりという事態を招いた事例もあるため、知識として確認しましょう。
・エレベーターで上司より先に降りてしまった
・名刺の裏に相手の特徴を書いていた
・飲み会で出された料理を先に食べてしまった
・無礼講を真に受け、酒の勢いで上司に暴言を吐いてしまった
エレベーターや居酒屋、タクシーでは上座/下座の区別に注意が必要です。基本的に上司やお客さんは入り口や搭乗口から遠い場所に案内し、新人が入り口付近で注文やエレベーターのボタン操作を行います。
名刺の裏に特徴を書く行為は、一見問題ないように思えるかもしれません。しかし、この事例では自分の名刺に書き込みがあると気付いた取引先から、「名刺は人の顔と同じ。他人の顔に落書きをする行為だ」と怒られてしまったそうです。
ビジネスマナーをどの程度重視するかは、人それぞれです。何気なくした行為で取引先を激怒させる可能性もあるため、マナーがよいとされる行動をとるよう心がけましょう。
ビジネスマナー一覧
主要なビジネスシーンごとに、ビジネスマナーを一覧形式で紹介します。今まで紹介したマナーと重複する内容もありますが、今一度おさらいしましょう。
場面共通 |
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身だしなみ |
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通常業務 |
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電話対応 |
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メール |
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ビジネス文書 |
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訪問時 |
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名刺交換 |
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【外資系志望者向け】ビジネスマナーと国際ビジネス
外資系企業を志望する就活生は、海外のビジネスマナーを押さえる必要があります。日本のマナーと180度異なるケースもあり、両者は別物と捉えたほうが賢明です。海外のビジネスマナーについて詳しく解説します。
異文化間のビジネスマナーの違い
国が違えば労働環境や文化が異なり、ビジネスマナーにも相違が生じます。日本と関わりが深い米国は個人主義や成果主義が基本的な考え方です。協調性やチームワークに重きを置くわが国とは、根本的にビジネスへのスタンスが違います。
米国でもチームで働く力やマナーが求められる場合もありますが、日本のように顕著ではありません。
とくに礼儀や暗黙のルールを重視しない傾向があり、具体的には以下の特徴を有します。
・名刺交換を儀礼の1種だと考えない
・メールやビジネス文書で定型文は使わない
・礼儀を示すためのお辞儀がない
※参考:社会人の教科書「日本と海外のビジネスマナーの違い30選」
日本において名刺交換は、新人研修で必ず学ぶビジネスマナーの基礎です。一方、外国では握手をして敵対心がないと分かれば、礼儀作法を意識した名刺交換をせずともよいと考えられています。
また、日本ではメールで敬称やあいさつの文言に気を配らないと失礼にあたるとされますが、海外ではいきなり本題に入るケースも多いようです。アイコンタクトを重視するアメリカでは、お辞儀は目が合いにくくなる行為のため、悪い印象を与える場合もあります。
国際ビジネスにおけるビジネスマナーの必要性
国内では当たり前のビジネスマナーでも、海外では気にしないパターンが多々あります。それどころか、日本と同じマナーで外国人に対応すると、失礼にあたる場合も珍しくありません。腕組み1つとっても、海外には敵対の意思表示とみなす文化もあるようです。
また、母国が異なる者同士のコミュニケーションでは、身ぶり手ぶりが重要な意味をもちます。国際ビジネスで働きたいと希望する場合は、その国ならではのボディランゲージやルールを知り、異文化への理解を深めることが重要です。
ビジネスマナーを生かした企業との関係構築方法
ビジネスマナーは抜け落ちがあると信用の低下につながる反面、うまくできれば良好な関係の構築を支援します。ここでは「対話」に着目して、マナーを生かした円滑なコミュニケーション術を解説します。
ビジネスマナーを生かした円滑なコミュニケーション術
「聞き上手はコミュニケーション上手」といわれるように、会話では相手の話を丁寧に聞けると好ましいとされます。しかし、相手の話に何のリアクションもせず、ただ聞いているだけではよい聞き手にはなれません。
相手に気持ちよく話させ、円滑なコミュニケーションにつながるポイントは次のとおりです。
・相づちやうなずきをする
・オウム返しをする
・質問する
会話の聞き手には、話を聞いている意思表示となる能動的なアクションが求められます。相手の話を否定しないのはもちろん、弾む会話には「共感」が重要なポイントです。
一方的に話すことがないよう、相づちやうなずきを取り入れ、適宜オウム返しも交えましょう。質問は、相手の話に興味があると示すサインです。疑問点が生じたときは遠慮せず積極的に質問を投げかけてください。
この記事のまとめ
ビジネスマナーはさまざまな役職・年代の人が一緒に働く会社で、同僚や上司に不快感を与えないために必要です。仕事の能力がわからない就活生や新人の場合、とりわけマナーが大切です。
いち早く一人前のビジネスマナーを身につけたいなら、上司や先輩の「模倣」が効果的です。就活生は本記事で紹介した面接時のマナーを覚え、本番で気持ちの良い接し方ができるようになりましょう。
(Photo:milatas/Shutterstock.com)