就活のエントリーシート(ES)や履歴書は自分をアピールするための重要な書類だと思うばかりに、作成時にはさまざまな悩みが出てくるものです。「自分の長所・短所が分からない」「短所ってどのように書けば、アピールできるの?」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、長所・短所をうまく伝えるES・履歴書の書き方/面接での伝え方を解説します。長所・短所の例文も多数ご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
<目次>
●企業が「長所・短所」をESや面接で聞く理由
・自己分析ができているか
・人柄と社風が合うか
・入社後に活躍できるか
●長所と短所が見つからない場合の見つけ方
・過去の自分を振り返って見つける
・周りの人に聞いてみる
・診断結果から見つける
●「長所・短所」のES・面接での書き方/伝え方:基本構成
・結論から伝える
・長所・短所に関する具体的なエピソードを説明する
・入社後どう生かすか説明する
●「長所・短所」をES・面接で伝えるときに注意したいポイント
・長所と短所は1つずつに絞る
・長所に置き換えられる短所を選ぶ
・仕事で生かせるものを選ぶ
・長所と短所が矛盾しないように書く
・職種における致命的な短所を選ばない
●【例文8選】「長所・短所」のES・面接での伝え方をNG例と一緒に解説
・長所:行動力がある
・長所:改善力がある
・長所:コミュニケーション力がある
・長所:妥協しない
・短所:注意力が散漫
・短所:せっかち
・短所:人見知り
・短所:緊張しやすい
●ES・面接で使える「長所・短所」の言い換え一覧<100選>
・人との接し方に関わる長所・短所
・意思決定に関わる長所・短所
・行動に関わる長所・短所
・性格に関わる長所・短所
●まとめ
企業が「長所・短所」をESや面接で聞く理由
「なぜ、自己PRや志望動機だけでなく、長所・短所もESと履歴書に書く必要があるのだろう?」と疑問に思う人もいるでしょう。採用担当者は、応募者の長所・短所から、3つのポイントを確認しています。
・自己分析ができているか
・人柄と社風が合うか
・入社後に活躍できるか
自己分析ができているか
採用担当者は、長所・短所を見ることで、応募者が自己分析ができているのかを判断しています。応募者が自分自身を客観視して「自分の強みは何で、克服すべき点はどこなのか」を明確に説明できるかどうかを見極めているのです。自己分析ができる人は、仕事をする上でも、得意な分野を伸ばして自分の強みとして売り込んだり、自分に不足している部分を周囲に手助けしてもらったりできます。
取引先や顧客との間で自分の立ち位置を把握し、やるべき仕事に集中するためにも、自己分析は欠かせません。
人柄と社風が合うか
採用担当者は、長所・短所から、就活生の人柄が自社の社風や業界に合うのかを見極めています。
例えば、チームワークを大切にする社風だった場合、「協調性が欠けている」と短所に書かれていた場合は、社風に合わないと捉え、評価されない可能性があります。社風と人柄が合わない人材を採用してしまうと早期離職につながる可能性があるため、採用担当者は慎重にならざるを得ません。
短所・長所を通して、応募者の性格を知ることで、「現職の社員とうまくやっていけるか」「会社の文化や価値観になじめるか」などを確かめているのです。
入社後に活躍できるか
長所・短所を通して、入社後に活躍できる人材かを判断しています。応募者の長所はどのように業務で生かされるか、短所は成長や改善につなげられる可能性があるのかを見極めています。
魅力的な長所を持っていたとしても、現場で生かせなければ就活では評価されません。また、業務に支障の出る短所であれば、適性がないと思われてしまいます。
また、職種によって向き不向きがあることも少なくありません。採用担当者は、志望者の長所・短所を聞いて、その仕事で活躍できる能力を持っているかどうかを判断しています。
長所と短所が見つからない場合の見つけ方
自分の長所と短所が何か分からないと感じる方もいるでしょう。ここでは、長所と短所を見つける方法をご紹介します。
過去の自分を振り返って見つける
過去の自分を振り返り自己分析し、何が自分の長所・短所なのか見つけてみましょう。ここでは、自分史とモチベーショングラフを用いて、長所・短所を見つける方法をご紹介します。
1. 自分史
まずは、「自分史」を作成しましょう。 自分史とは、自分の人生を振り返り、現在までの体験を年表のように書き表したものです。就活の自己分析によく用いられるだけでなく、実際に自分史をもとに面接を行う企業もあります。
自分史における重要な要素は以下です。
・出来事が起きた時期と内容 ・その出来事を選んだ理由 ・その出来事を通して当時感じたこと ・その出来事によって学んだこと
出来事の内容のみを並べるのではなく、その出来事で感じたことや学んだことも書くことが重要です。実際の自分史の記入例をご紹介します。
当時のキャラクター・立ち位置 | 出来事・エピソード | 当時感じたこと・考えていたこと | 経験から学んだこと | |
幼少期(小学校入学以前) | ・幼稚園ではしっかり者だが家では甘えん坊 | ・玄関の靴並べや新聞を取ってくるといったお手伝いをした | ・お手伝いをすることで、母や父が喜んでくれるのがうれしかった | ・誰かが喜ぶことをすると、自分もうれしい気持ちになる |
小学生 | ・クラスのまとめ役 | ・小学5年生のときに学級委員を務め、クラスで行うイベントの企画をまとめた | ・クラスメイトの意見をまとめて考えることにやりがいを感じた | ・クラスをまとめるためには、多くのクラスメイトの意見を聞くことが大切 |
中学時代 | ・学校ではサッカー部に所属。周囲を俯瞰(ふかん)して見るタイプ | ・中2の夏休みに、ボランティアとして、地域のクリーン活動に参加した | ・友達に誘われての参加だったため、最初は少し面倒に感じたが、歩道などがきれいになっていくともっと頑張ろうという気持ちになった | ・学校と家以外の活動に参加することで、自分の視野が広がった |
高校時代 | ・勉強そっちのけで部活にはまっていたサッカー少年 | ・サッカー部で県大会出場を目指して練習に励んだ | ・日々の練習はつらかったが、同じ目標に向かって部活のメンバーと一緒に努力をするのは楽しかった |
・高い目標を掲げて努力をするとモチベーションが上がる
・掲げていた目標には届かなくても、努力したことで得られるものは大きい
|
大学時代 | ・周囲からよく相談を受けるタイプ | ・コンビニエンスストアのアルバイトで、指定されたたばこをすぐに出せるように銘柄をインターネットで調べて覚えた | ・指定されたたばこをスピーディに出せると、お客さまが満足した顔をしてくれる | ・少しの工夫で人の満足を引き出せる |
以上のように、自分史を作ることで自身がどのような人間かが分かり、自分の長所・短所を見つけられるでしょう。
自分史のテンプレートやさらに深く分析するための方法を以下の記事にまとめていますので、気になる方はぜひご覧ください。
▼自分史の書き方をさらに知りたい方はこちらから ・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文
2. モチベーショングラフ
次に、自分史と合わせて「モチベーショングラフ」を使うことでさらに自己理解を深め、強みを見つけやすくなります。
モチベーショングラフは、これまでの人生の振り返りについてグラフを使って表現する方法です。自分の今までを振り返るため自分史と呼ばれることもあります。 過去の経験を洗い出すことで、アピールポイントとなる自分の強みを抽出できます。
続いて、モチベーショングラフのやり方をご紹介します。 まず、以下のように縦軸に「心の充実度(モチベーションの高さ)」横軸に「年齢」を設定します。
次に自分のこれまでの人生を振り返り、モチベーションの高低を曲線グラフで描きます。自分に大きな影響を与えた出来事を思い出しながら描くのがポイントです。グラフが描けたら、特にモチベーションに大きく変化があった時期に何があったのかを思い出し、そのイベントを記入します。
最後に、そのときに自分が考えていたことや、今振り返ってみて当時どのようなことが原因でモチベーションの起伏があったのかを深掘りしていきます。モチベーショングラフを描くことで、自分の行動特性や思考特性を知り、そこから長所・短所を抽出することが可能です。
▼自己分析のやり方をさらに知りたい方はこちらから ・自己分析に役立つモチベーショングラフの書き方【テンプレート付き】
周りの人に聞いてみる
家族や友人など周りの人に協力してもらうことで、長所や短所を見つけることも可能です。自己分析だけでなく他己分析を行うことで、自己理解がより深まるでしょう。
他己分析の手法に、ジョハリの窓があります。ジョハリの窓とは、「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の情報を分けて分析する手法です。「他者は自分をどう捉えているのか」という気付きを通して、自己理解を深めます。自分も含めて4〜8人のグループを作り、実施しましょう。
▼ジョハリの窓のやり方をさらに知りたい方はこちらから ・ジョハリの窓とは?診断を就活に生かせる自己分析のやり方を解説
▼他己分析のやり方をさらに知りたい方はこちらから ・【厳選質問例あり】他己分析のやり方・ツールを紹介!客観的に長所や短所を知る方法
診断結果から見つける
自己分析ツールを用いることで、長所・短所を見つけることも可能です。診断結果から、アピールポイントに関する過去のエピソードを抽出できます。
今回は、代表的な診断ツールである、ストレングスファインダーとビッグファイブ尺度、エニアグラムの3つについてご紹介します。
1. ストレングスファインダー
ストレングスファインダーとは、ウェブサイトで質問に答えることで、自分の才能(強みの源)が分かる性格診断ツールです。34種類ある特徴の中からトップ5の強みをレポート形式で知られます。また、診断基準もシンプルなため、選考でアピールすべきポイントを絞りやすいことが特徴です。
ストレングスファインダーの診断方法は以下の通りです。
1. 『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』(2023年、日経BP 日本経済新聞出版)を購入する。 2. 本のカバー裏側にあるIDを記入して受験する。
さらに、ストレングスファインダーでより良い自己分析を行うポイントは、 診断結果の中から納得感を持てる強みを抽出することです。そこから、過去の経験でその強みが発揮されたエピソードを複数抽出しておくことで、自己PRを書く際に役立てることができるでしょう。
2. ビッグファイブ尺度
ビッグファイブ尺度とは、5つの要素の組み合わせから、その人の性格や適職を導く性格診断ツールです。診断結果は、「外向性・好奇心・協調性・情緒安定性・勤勉性」の5要素でスコア化されます。こちらも診断基準がシンプルなため、選考でのアピールポイントを絞りやすいことが特徴です。
ビッグファイブ尺度の診断方法は以下の通りです。
1. ウェブ上にある無料診断ツールを受検する 2. オンラインカウンセリング(有料)を受験する
3. エニアグラム
エニアグラムとは、人間の人格特性を9つのタイプに分類する理論のことです。エニアグラム診断では自分がどのタイプに属するかを知れて、自己分析に役立ちます。特に、自分に向いていること・向いていないことが分かり、企業選びの軸ができるとともに自分の価値観を発見できるというメリットがあります。
エニアグラムの診断方法は以下の通りです。
1. ウェブ上にある無料診断ツールを受検する 2. 以下の記事から自身で診断する
以下の記事で、エニアグラムの性格タイプ診断ができるとともに、性格タイプごとに向いている業界・職種をご紹介しています。また、無料診断ツールについても詳しくまとめているので、ぜひご覧ください。
▼エニアグラム診断をさらに知りたい方はこちらから ・エニアグラム全9タイプの適職とそれぞれの職業を解説!自己分析に役立てよう
「長所・短所」のES・面接での書き方/伝え方:基本構成
ESや履歴書に長所や短所を書く場合は、フレームワークを活用すると、スムーズに作成できます。長所・短所は、以下の順に沿って書きましょう。
結論から伝える
長所・短所を書くときは、結論から書くことを心がけましょう。だらだらと前置きを長く書いてしまうと、伝えたいことが伝わりません。結論から書くことで、書類を確認する採用担当者に要点が伝わります。多忙な採用担当者であっても、アピールポイントが理解できるようになるでしょう。
例えば、冒頭に「私の長所は、人一倍責任感が強いことです」と簡潔に記載し、要点をしっかりと読み手に伝えてみてください。
長所・短所に関する具体的なエピソードを説明する
結論を述べたあとは、それを裏付ける具体的なエピソードを書きます。エピソードを盛り込むことで、内容の信ぴょう性が高まります。エピソードは具体的かつ仕事に関連する出来事を記載することで、採用担当者に良いイメージを持ってもらいやすくなるでしょう。
例えば、飲食店でアルバイトをした経験があれば、接客や調理のときに意識していたことを盛り込みます。さらに、上司やお客さまから褒められたエピソードなどを伝えると、採用担当者もあなたを採用した後のイメージが沸きやすくなります。アルバイトの経験がない場合は、プライベートや部活動での体験を伝えると良いでしょう。
入社後どう生かすか説明する
最後に、自分の長所と短所をどのように仕事に生かしていくのかを書いてまとめます。ここで、自分の短所を改善する意思があることを伝えると、高く評価されやすいでしょう。
「大人数でのコミュニケーションが苦手」という短所をあげた場合、「一人ずつとの対話を大切にしながら、接客の業務を行っていきます」と、苦手なことをカバーする意思があることを伝えましょう。ESや履歴書を作成するときは、どのように長所を業務に生かしつつ短所を改善していくのか、明確かつ論理的に伝えていくのがポイントです。
「長所・短所」をES・面接で伝えるときに注意したいポイント
ESや履歴書で長所と短所を書くときには、どこに気をつければ良いのでしょうか。以下の5つのコツを見ていきましょう。
長所と短所は1つずつに絞る
長所と短所を書くときは、長所を1つ、短所を1つに絞りましょう。複数の項目を記載すると、インパクトが薄くなり、結果的に何を伝えたいのかが分からなくなるためです。さらに、自分の人物像が採用担当者に伝わりにくくなってしまいます。
複数の長所を書くと伝えたい長所がブレてしまい、高評価が得られない可能性があります。
長所に置き換えられる短所を選ぶ
短所を選ぶ場合は、長所に置き換えられる項目を選びましょう。自分の弱みを長所に置き換えることで、強みとしてアピールできます。
例えば、1つの物事に集中し過ぎる面を短所に挙げた場合、「短所をカバーするために、日頃から周囲の人の動きを意識しながら、連携を取るよう心がけている」と伝えることも可能です。また、「2〜3個の物事を並行できるように意識している」など短所を克服するために努力していることを伝えるのも効果があります。
▼関連記事はこちら
・【面接対策】短所に関する質問の意図と正しい回答とは?例やエピソードを交えて解説!
仕事で生かせるものを選ぶ
長所を選ぶときには、仕事に生かせる項目を選ぶことが大切です。仕事に生かせる長所であれば、採用担当者にアピールしやすいためです。
例えば、「コミュニケーション力に長(た)けている」という長所を書く場合、複数人で協力する仕事や、傾聴力が必要とされる仕事に向いていることを伝えられます。
企業や職種によって求める人物像やスキルは異なるため、求める人物像にマッチした長所を選びましょう。ワンキャリアでは、企業や職種ごとに合格の秘訣(ひけつ)を紹介しています。ここではトヨタ自動車の例をご紹介します。
トヨタ自動車のインターン・本選考対策のポイント ・トヨタへの圧倒的な志望度を示すこと ・チームで成果を出せる人材だと示すこと ・課題意識と問題解決能力の高さを示し続けること ※出典:トヨタ自動車|2025年卒 技術職の合格の秘訣
トヨタ自動車の選考を受ける場合は、上記と合致する長所を表すエピソードを選ぶようにしましょう。
以下から、企業・職種ごとの合格の秘訣を検索できます。こちらをぜひ参考にして、アピールできる長所を選びましょう。
▼企業ごとの合格の秘訣をさらに知りたい方はこちらから
・ONE CAREER 企業一覧
長所と短所が矛盾しないように書く
長所と短所を書くときには、内容に矛盾が起こらないよう、注意しましょう。長所と短所が矛盾していると、効果的な自己アピールが行えません。
例えば、長所に「コミュニケーション力に長けている」と書き、短所に「人見知りしやすい」と書くと、採用担当者から見た人物像にズレが生じ、あなたがどのような人柄なのかが分かりません。ESや履歴書の作成時は、長所と短所をセットで考えて、相反する項目を取り上げないようにしましょう。
職種における致命的な短所を選ばない
社会人としての素質や人として最低限のモラルを逸脱するような短所は避けましょう。「社会人としての資質がない」と判断され、仕事をする上で支障があるのではないかと心配されるからです。
避けたい短所(例)
・人見知り
・時間やルールを守れない
・ストレス耐性がない
・嘘(うそ)をつく
【例文8選】「長所・短所」のES・面接での伝え方をNG例と一緒に解説
ESや履歴書に長所・短所を書くときには、例文を参考にすると書きやすくなります。また、書き方のポイントを把握すると、納得できる内容が書けるでしょう。
長所:行動力がある
長所に「行動力がある」を選んだ場合、以下のような例文を参考にしてください。
【例文】
私の長所は、行動力です。全く経験がないことであっても主体的に行動して、目標達成を目指せます。
学生時代、私は文化祭の実行委員会を経験し、ステージ上のプログラムを組む役割を担いました。ステージで発表する団体は、例年、音楽やダンス系と決まっていましたが、私は新しいことに挑戦したいと考えていたため、複数の部活やサークルに直接、企画を持ち込んで参加を呼びかけました。結果的に、これまでステージを経験したことのない書道部なども発表に参加し、多くの方から反響がありました。
貴社でも、行動力を生かして、自分から率先して仕事に取り組みたいと思います。初めて参加するプロジェクトでも結果を残せるようアイデアを出しながら業務にあたっていく所存です。
【NG例】
私の長所は、行動力があることです。行動力があるため、物事に挑戦する力があり、一見、難しそうと思えることでも、チャレンジできます。大学時代は、新しいSNSが先輩の間で流行し、同学年では私が真っ先にそのブームに飛びつきました。また、Instagramに新しい機能が追加されたときにも、すぐに挑戦し、投稿を行いました。何にでも臆せず挑戦する力があるため、新しい物事をはじめるチャレンジ精神と、度胸があります。
上記のNG例では、行動力があることはアピールできていますが、計画性を持たずに、ただ新しいものに飛びついているという印象を与えてしまいます。なぜその行動をしたのかという目的や、行動から学んだ点が見られないため、改善の余地があるといえます。
長所:改善力がある
長所に「改善力がある」を選んだ場合は、原因を分析する力や、問題解決力があることなどをアピールするのがポイントです。以下の例文を参考にしてください。
【例文】
私の長所は、改善力があることです。改善点を見つけたときには、時間や労力を惜しまない性格です。
学生時代、アルバイト先のガソリンスタンドで、日々業務の改善に努めていました。従業員によってサービスの質に差があり、度々クレームが入るという課題がありました。
そこで、職場の従業員が共有できるマニュアルを作成し、上司に提案して解決を図りました。上司はマニュアルを採用してくれました。その結果、全員の従業員がマニュアルに沿ったサービスを行い、クレームが減少しました。
貴社に入社後も、改善点を見つけ次第、実行に移す努力をして、積極的に取り組んでいきます。
【NG例】
私の長所は、改善力があることです。他人のミスや足りない部分を見つけると、放っておけない性格です。ファミリーレストランのアルバイトでは、来客があっても動かない同僚にイライラして、指摘して改善へと向かわせていました。同僚と大ゲンカしたこともありましたが、今では良い思い出です。
上記のNG例では、「他人のミスや足りない部分を見つける」「同僚にイライラ」といったように、ネガティブに捉えられる要素を記載しています。組織で働く上で、協調性がないと取られやすい要素は、採用担当者に採用を再考する必要があると思わせてしまいます。自分の書いた文章を客観的に判断し、他人が見て違和感のない事柄を選びましょう。
長所:コミュニケーション力がある
長所に「コミュニケーション力がある」を選んだ場合、以下のような例文を参考にしてください。円滑な人間関係を築くだけではなく、保つこともアピールできる長所だといえます。
【例文】
私の長所は誰に対しても、円滑なコミュニケーションが図れることです。
アルバイト先の飲食店では、10代から50代まで幅広い層の方々と働いていました。個性的なメンバーがいたため、意見がぶつかり合うこともありました。
そこで、私が従業員同士の間に入り、場を和ませたり、意見をまとめたりしました。途中からはリーダーを任されるようになり、業務に関わる全員が納得する方法を模索するために、一人一人との対話をし続けました。この経験より、私のコミュニケーション力は、業務の進行にも大きく影響を与えることを実感しています。
持ち前のコミュニケーション力を生かし、貴社ではまとめ役として、チームの結束を図る役割を担いたいと思っています。
【NG例】
私の長所は、コミュニケーション力があることです。初対面の人ともすぐに話せるため、大学時代はさまざまなサークルに誘われました。3つのサークルを掛け持ちしたため、忙しいこともありましたが、充実した時間を過ごせました。貴社の営業職に就けましたら、コミュニケーション力を生かして、人に好かれるよう努力していきたいと思います。
上記のNG例では、「コミュニケーション力があること」が「人に好かれること」に主題が変わってしまっています。「断りきれず」は、短所ともなり、交渉力が乏しいと捉えられる可能性があるため、伝え方には工夫が必要です。
長所:妥協しない
長所に「妥協しない」を選んだ場合は、ただ妥協しないという点を伝えるよりも、忍耐力がある、やり遂げる力があるといったポジティブな言葉を盛り込んでいくのがコツです。以下のような例文を参考にしてください。
【例文】
私の長所は、取り組んだことを最後までやり遂げることです。
学生時代、バレーボール部に所属していましたが、他校に勝てない状況が続いていました。
そこで、部員全員と話し合いを行い、勝つための方法を探しました。部員の意識を変えるだけではなく練習量も増やしたことで、一時的にチームの雰囲気は険悪になってしまいました。時折、口ゲンカになる場面もありましたが、冷静に対応することを心がけました。最終的に、部員全員が納得した上で練習を行い、他校に勝てる力をつけました。
貴社では培った経験を生かし、さまざまな問題を解決しながら成功を収めたいと思っています。
【NG例】
私の長所は、妥協しない力があることです。相手が間違っていると判断できる場合は、自分の意見が通るまで交渉を続けるという、粘り強さがあります。
大学時代は、アルバイト先の飲食店で、店長とは接客の考え方が異なることで、指摘を受けることがありました。店長の意見よりも、お客さまのことを考えた行動が正しいと思うため、意見を曲げずに積極的に議論を重ねました。入社したときには、この経験をもとに、信念を持って粘り強く対話を重ねることを大切にして業務にあたりたいと思っています。
上記のNG例では、妥協しない力が「自分の間違いを指摘されても曲げない」という、頑固さにつながってしまっています。成果を達成するために、粘り強さを発揮したなどのエピソードに変更したほうが良いでしょう。
短所:注意力が散漫
短所に「注意力が散漫」を選んだ場合は、以下のような例文を参考にしてください。短所を説明するときはアピールできる長所に変えて、採用担当者に伝えるのがポイントです。
【例文】
私の短所は、注意力が散漫なところです。
同じ作業であってもミスをしてしまうことがあり、周囲に迷惑をかけることがありました。状況を改善するために、周囲の方々からアドバイスをもらいました。間違いが起こりやすい項目を書き出して目立つところに掲示する、決まった作業はチェックリストを作成するなど、具体的なアドバイスをもらい、実践したところ、ミスの頻度が減りました。
貴社に入社できましたら、同じ失敗を繰り返さないよう、周囲のアドバイスを素直に受けたり自分で改善点を考えたりしながら、業務に取り組んでいく所存です。
【NG例】
私には、注意力が散漫だという短所があります。1つのことに集中できず、細かいミスを起こしやすいところがあります。プレッシャーを与えられると特に気が散りやすいため、大学時代もアルバイトを転々としてきました。入社後は、社会人として心を入れ替え、注意力をつけていきたいと思います。
上記のNG例では、注意力が散漫だという欠点に対して、具体的な解決策が書かれていません。また、「アルバイトを転々としてきた」という正直なエピソードを添えていますが、仕事もすぐに辞めてしまうのではという悪いイメージにつながってしまうため、あえて書く内容ではありません。
短所:せっかち
短所で「せっかち」を選んだ場合は、即断即決できることや、臨機応変に行動できるとポジティブな意味合いに言い換えられます。または、「せっかちだから慎重に行動している」といった改善につながる事柄を付け加えられると良いでしょう。以下のような例文を参考にしてください。
【例文】
私の短所はせっかちな部分があることです。
物事に取りかかる場合に、急いでしまうことが多くあります。そのため、周囲を焦らせ、ペースを乱してしまいます。
以前、友人からせっかちでケアレスミスが多いと指摘されたのをきっかけに、文書を作成するときや細かい手続きをするときには、間違いが起こらないように必ず再確認することを心がけています。また、友人の指摘をきっかけに相手の意見を取り入れて行動することの大切さも学びました。
入社後は、自分の欠点を認識しながら、周囲の方々と協力することを忘れずに、業務を遂行したいと考えています。
【NG例】
私の短所は、せっかちであることです。人から聞いた内容を早合点してしまい、失敗してしまうことがあります。以前、大学の文化祭で、フランクフルトの模擬店を行ったときに、10本と70本を聞き間違え、大量に注文してしまったことがあります。友人や家族の助けがあり、結果的に全て販売できました。ミスをしても、人に助けてもらいやすい性格をしていることが救いです。入社した後も、協力してくれる人を味方につけながら業務を行いたいと思います。
上記のNG例では、「せっかちである」という欠点を克服しようとする姿勢が見えません。単にせっかちが原因で頻繁にミスをする性質があると思われ、悪い印象につながってしまう可能性があります。自分の短所を知った上で、どのように行動すべきかを書くと良いでしょう。
短所:人見知り
短所に「人見知り」を選んだ場合は、「打ち解ければ仲良くなりやすい」ことや、人見知りを克服するために行ったエピソードを記載すると良いでしょう。以下のような例文を参考にしてください。
【例文】
私の短所は、人見知りをするところです。
初対面の方と話す場合は必ず緊張してしまい、うまく言いたいことが伝えられないことがあります。
しかし、友人に思い切って悩みを相談し、一緒に解決方法を考えてもらってからは気持ちが楽になり、誰とでも話せるようになりました。今では知り合いが増え、交友関係が広がっています。
貴社では、積極的に社員の方とコミュニケーションを図り、円滑に業務を進めていく所存です。
【NG例】
私の短所は、人見知りで初対面の人とうまく話せないことです。特に、自分と違う年齢層の人と関わるような場面では、大きなストレスを感じることがあります。貴社の研究職というポジションでは、自分の業務を集中して行えると伺いました。入社後は、長所である集中力を生かして、研究にまい進していく所存です。
上記のNG例では、「人とうまく話せない」「大きなストレスを感じる」など、自分の欠点を詳細に解説しただけで、改善のポイントが記載されていません。短所を開き直った態度で書くのは避け、短所があるからどう改善していくのかにうまくつなげて、採用担当者が納得する着地点を見つけましょう。
短所:緊張しやすい
短所に「緊張しやすい」を選んだ場合は、克服するために実践したエピソードを加えると良いでしょう。または、「常に最悪の結果を予期してしまうため、事前に準備している」など、ポジティブな言い換えをするのも効果的です。以下のような例文を参考にしてください。
【例文】
私の短所は緊張しやすいところです。
どの場面であっても緊張してしまい、口数が少なくなってしまいます。特に、面接などでは緊張しやすく、うまく話せている自信がありません。緊張しやすい短所を直すために、さまざまな人と接するように心がけています。また、説明会にただ参加するだけではなく、積極的に質問や会話をするように行動しています。
入社後も緊張しやすい性格を改善できるように、社員や取引先の方々との会話を大事にしたいと思っています。
【NG例】
私の短所は、すぐに緊張してしまうことです。特に、人の前に立って話すような場面が苦手で、大きな声が出なくなってしまうことがあります。真面目で引っ込み思案な性格です。そのため、裏方のような仕事が向いていると感じています。貴社の事務職に応募したのも、このためです。入社後は、自分の向いている仕事に専念し、人と話す作業がないポジションで力を発揮したいと思います。
上記のNG例では、「すぐに緊張する」「引っ込み思案」など、自分の欠点を説明し、企業にそれを受け入れてほしいと伝えているように捉えられてしまいます。短所は、ポジティブな言い換えをするか、改善するために気をつけていることなどを盛り込みましょう。
ES・面接で使える「長所・短所」の言い換え一覧<100選>
ここからは、長所と短所をどのように言い換えることができるのか、具体例をご紹介します。
人との接し方に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
緊張しやすい | 物事を慎重に捉える |
負けず嫌い | 競争意識がある |
協調性がない | 主体性がある |
おせっかい | 他人への興味関心が強い |
理屈っぽい | 論理的に考える |
人の目が気になる | 細かいことに気づく |
目立ちたがり | 積極性がある |
でしゃばり | コミュニケーション力が高い |
八方美人 | 他人に配慮できる |
仕切りたがり | リーダーシップがある |
自己主張が強い | 意見を表明できる |
言葉がきつい | はっきりと意思表示できる |
他人に厳しい | 公正に評価できる |
口下手 | 人の話をよく聞く |
だまされやすい | 素直、純粋 |
ずうずうしい | 積極性がある |
無神経 | 誰に対しても公平 |
お人よし | 思いやりがある |
おしゃべり | コミュニケーション力が高い |
打たれ弱い | 物事を真摯(しんし)に受け止める |
怒りっぽい | 情熱的な性格 |
融通が利かない | 芯がある |
話すのが苦手 | 言葉を吟味する |
自己中心的 | メンタルが安定している |
ケチ | 堅実 |
お調子者 | ムードメーカー |
人見知り | 観察力がある |
空気が読めない | 自分の意見を持っている |
意思決定に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
視野が狭い | 集中力がある |
面倒くさがり | 効率を重視する |
おおざっぱ | 細かいことに捉われない |
慎重すぎる | 物事に丁寧に取り組む |
完璧主義 | 質の高い仕事ができる |
固定観念にとらわれる | 伝統を重んじる |
意志が弱い | 他者の意見を尊重する |
流されやすい | 空気が読める |
臆病 | 慎重に判断する |
心配性 | 細やかな気配りができる |
ネガティブ思考 | 物事を深く分析する |
単純 | 物事を素直に受け取る |
決断力がない | さまざまな可能性を考えられる |
批判的 | 分析力がある |
無関心 | 周りに流されない |
短絡的 | 決断力がある |
マイナス思考 | 危機管理能力がある |
優柔不断 | 柔軟性がある |
行動に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
せっかち | 行動力がある |
計画性がない | 臨機応変に行動できる |
凝り性 | 1つのことに集中する |
引っ込み思案 | リスク管理能力がある |
影響を受けやすい | 柔軟な意思決定 |
そそっかしい | 好奇心が旺盛 |
決断が遅い | 深く考え慎重に判断する |
不器用 | ひたむきに集中できる |
器用貧乏 | 要領がいい |
あきらめが悪い | 困難に立ち向かえる |
あきらめが早い | 柔軟な判断力 |
自分勝手 | 周りの意見に左右されない |
気性が荒い | 情熱的 |
執念深い | 最後までやり遂げる力がある |
生意気 | 自己主張できる |
なれなれしい | 社交性がある |
しつこい | 忍耐力がある |
無鉄砲 | チャレンジ精神がある |
いい加減 | おおらか |
腰が重い | 注意深い |
忍耐力がない | 切り替えが早い |
ずる賢い | 頭の回転が早い |
後先を考えない | 探究心がある |
能天気 | 前向き |
愛想が悪い | 媚(こび)を売らない |
マイペース | 落ち着いた行動ができる |
おっちょこちょい | 自覚しているからこそ注意深い |
性格に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
ナーバス | 物事を慎重に考える |
内気 | 謙虚 |
短気 | 裏表がない性格 |
ミーハー | 流行に敏感 |
冷たい | 冷静な判断力がある |
注意力散漫 | 同時に多くのことを考えられる |
繊細 | 感受性が豊か |
鈍感 | 細かいことを気にしない |
楽観的 | 何事にも前向き |
消極的 | 慎重に判断できる |
悲観的 | 注意深く軽率な行動をしない |
真面目すぎる | 責任感がある |
自信がない | 成長意欲が高い |
落ち込みやすい | 思慮深い |
自分に甘い | 自己肯定感がある |
落ち着きがない | 活発である |
責任感がない | 型にはまらない |
熱しやすく冷めやすい | 気持ちの切り替えが早い |
ナルシスト | 自己肯定感がある |
無難 | 安定感がある |
根暗 | 深い思考力がある |
緊張感がない | 肩の力が抜けている |
気が弱い | 思いやりがある |
飽きっぽい | 好奇心旺盛 |
プレッシャーに弱い | 責任感がある |
頑固 | 信念がある |
プライドが高い | 上昇志向が強い |
まとめ
ESや履歴書に長所や短所を書く場合は、採用担当者にうまく伝わるように工夫する必要があります。「長所と短所は1つずつに絞る」「長所に置き換えられる短所を選ぶ」などの、うまく伝えるコツを踏まえながら自己分析を行い、アピールポイントを見つけましょう。
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