東京ディズニーリゾートの運営をするオリエンタルランド(OLC)。
ホスピタリティあふれる接客やエンターテインメント性のある仕事にひかれ、入社を希望する学生も少なくありません。
この記事では、オリエンタルランドの総合職に絞って選考対策の具体的なポイントをまとめてお伝えします。選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次>
●オリエンタルランドの特徴
●オリエンタルランドの選考のポイント
●オリエンタルランドの本選考フロー
・1. チャレンジシート(ES)
・2. 履歴書
・3. Webテスト
・4. グループディスカッション
・5. 1次面接
・6. ジョブ
・7. 最終面接
●おわりに
▼オリエンタルランドのビジネスについて、詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください
オリエンタルランドの特徴:事業を拡大する組織で、多様なキャリア形成が期待できる
舞浜の総合デベロッパーとして事業を展開!なかでもホテル事業は拡大中
オリエンタルランドが手がける事業は東京ディズニーリゾートの運営だけではありません。舞浜の総合デベロッパーとして、さまざまなビジネスを展開しています。具体的には、パーク間をつなぐディズニーリゾートラインの管理や、イクスピアリをはじめとした商業施設の開発などです。なかでも特に事業拡大が著しいのが「ホテル事業」。連結売上高の構成比率がテーマパーク事業に次いで多いビジネスです。客室単価が5万円と高額にも関わらず稼働率が低いホテルでも85%を超え、盛況な状態は続いています。オリエンタルランドの選考のポイント:ビジネス的な視点でオリエンタルランドの事業を把握しておこう
オリエンタルランドの選考を通過するためには、事業全体を把握しビジネスの側面を理解しておく必要があります。具体的には、テーマパークの運営をメインで行いつつも、ディズニーとライセンス契約を結んだ日系企業である、ということです。東京ディズニーリゾートへの興味や関心があるだけでは、内定をもらうのは簡単ではありません。実際に過去のESでは「OLCが展開している『ビジネス』の面白さを教えてください」といった説明が設けられていました。内定者懇親会でも「ディズニーが好きというだけでは受からない。現在は採用をするうえでその人の能力やビジネスとしてOLCを考えられる人材を求めている」と人事社員が話していたそうです。オリエンタルランドの事業内容を過去から現在に至るまで、幅広く理解しておきましょう。オリエンタルランドの本選考フロー
オリエンタルランドの選考フローは以下のように進みます。1. チャレンジシート(エントリーシートの役割。以下ES)
2. 履歴書
3. Webテスト
4. グループディスカッション
5. 1次面接
6. ジョブ
7. 最終面接
ここからは、選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. チャレンジシート(ES):チャレンジシートの充実が、選考通過の鍵
2020年卒のオリエンタルランドの本選考では、ESに以下の設問が課されました。(1)国内・海外含め多くの企業がある中で、なぜオリエンタルランドの「総合職」を志望したのか教えてください(500字以内)
(2)リーダーシップを発揮した経験の中で一番苦労したエピソードを教えてください(必ずしも組織長である必要はありません)
└エピソードに出てくる組織の中での、あなたの役割を教えてください。(20文字以内)
└取り組んだ時期を教えてください。(20文字以内) ※西暦などでなく、大学(高校など)◯◯生から現在まで
└エピソードに関わっていた人数を教えてください。(5文字以内)
└エピソードの詳細を教えてください(400文字以内)
(3)オリエンタルランドが展開している「ビジネス」の面白さを教えてください(300字以内)
(4)「現時点で」興味がある企業名とその理由を教えてください(弊社を除く)※最低1社、最大3社ご記入ください(50字以内)
(5)上記設問以外で、自由にご記入ください。※記入は任意となります(500字以内)
※出典:オリエンタルランド|総合職2020年卒のES
ESの位置付け:選考の第一関門!後の選考でも使われるため入念に対策しよう
オリエンタルランドの選考は「チャレンジシート」という名のエントリーシートを提出します。多くの学生から応募が集まることもあり、チャレンジシートの段階で高い倍率で絞られるそうです。内定者が「チャレンジシートの内容は、全面接官が細部まで見ている印象」と話すほど、後の選考でも重要な役割を果たす可能性があります。有利に選考をすすめるためにも、チャレンジシートを充実させ入念に対策するのが重要です。
設問(1):「事業内容」と「企業理念への共感」を示そう
設問(1)ではオリエンタルランドの「事業内容」や「企業理念への共感」を示す必要があります。「東京ディズニーリゾートの運営だけを行っている組織」といった程度の理解では、人事を納得させるほどの志望理由は示せない可能性があるからです。実際に内定者も「OLCをディズニーの企業だと思ってエントリーしている学生はマッチしていなかった」と話していました。総合デベロッパーとしての一面をもつ点や「『夢・感動・喜び・やすらぎ』を提供する」といった企業理念も理解しておきましょう。自分のエピソードと絡めた志望動機を書けば説得力が生まれるはずです。
設問(2):「リーダーシップ性」と「課題解決能力」をアピールしよう
設問(2)ではリーダーシップ性や課題解決経験の有無が問われています。200名前後のキャストのマネジメントを任される場合のあるオリエンタルランドでは、どちらの能力も欠かせません。過去の経験に基づき、多くの人を巻き込み現状を改善する力をアピールしましょう。面接でも深掘りされる可能性があるため「エピソードの背景と結果」「得られた学び」について端的に伝えられる文章の作成を心がけるのが大切です。
設問(3):「数値的な魅力」と「歴史的な魅力」を分析して反映させよう
設問(3)はオリエンタルランドの展開する事業を「ビジネス的な視点で捉えられるか」が試されていると考えられます。回答する際は「数値的な魅力」と「歴史的な魅力」の2つの面で考えるのがおすすめです。数値的な魅力では来場者数や利益率が指標の1つです。歴史的な魅力ではテーマパークの輸入や舞浜のリゾート地化といったエピソードが挙げられます。企業ホームページや書籍から、ビジネス的な視点でオリエンタルランドを分析しチャレンジシートに反映させましょう。
設問(4):志望理由と一貫性のある内容の回答を心がけよう
設問(4)に回答する際のポイントは設問(1)で書いた「オリエンタルランドの総合職を志望する理由」と一貫した内容にする必要があります。他業界も併願した学生が内定辞退をするリスクを減らすために、志望動機の信頼性を確かめている可能性があるからです。設問(1)の回答内容と照らし合わせながら、就活の軸が矛盾しないように気をつけましょう。設問(5):選考へ影響する可能性もあり! 油断せず自分を魅力的にアピールしよう
設問(5)は自由記入欄ですが入社意欲の高さをアピールするのが重要です。人事もしっかりと目を通し選考にも影響を与える可能性があります。実際に自由記入欄に記載した内容について面接で問われた内定者もいるようです。記入は任意ですが油断せず、人事の印象に残るような自己PRを書きましょう。
2. 履歴書:チャレンジシートの内容と一貫性をもたせよう
オリエンタルランドではチャレンジシートとは別に履歴書の提出が求められます。過去には次のような項目が用意されていました。(1)学歴 小学校から現在までの学歴について
(2)職歴 アルバイトと長期インターンシップを含む就業経験とその内容について
(3)免許・資格
(4)家族について
(5)大学での活動について
└所属ゼミ・研究室名(50文字以内)
└専攻・研究内容等(100文字以内)
└所属部活・サークル名(100文字以内)
└その他、取り組んでいる活動(100文字以内)
└趣味・特技(100文字以内)
(6)自己PR(200文字以内)
(7)顔写真
※出典:オリエンタルランド|総合職2020年卒のその他(履歴書)
エントリーシート(履歴書)は選考においての重要度は低いと考えられます。履歴書とは別にチャレンジシートの提出も求められるからです。チャレンジシートの回答内容と矛盾しないように配慮しつつ、面接官が質問する際の資料になるといった認識を忘れずに書きましょう。
3. Webテストの選考基準:ボーダーは高くないが油断せずに対策しよう
オリエンタルランドのWebテストはテストセンターとGROW360の2種類です。テストセンターの形式はSPIで出題科目は「言語」「計数」「性格検査」の3つ。GROW360はスマートフォンで受験するサービスで「コンピテンシー自己評価」「コンピテンシー他社評価」「性格診断」の3つの分野について回答します。どちらも所要時間は1時間程度で、チャレンジシートの内容をふまえて1次選考結果として通知されます。具体的な出題内容は次のとおりです。(1)テストセンターSPI
・言語
└語彙(ごい)の意味、文章読解など
・計数
└数表の読み取り、推論など
・性格検査
※他社での受験結果の使い回しも可能。
(2)GROW360・コンピテンシー自己評価
└価値観や経験則を問う設問に段階評価で回答する選択形式の検査
・コンピテンシー他者評価
└上記の検査を5人の他者に依頼する
・性格検査
└表示される単語をジャンル別に分類する検査(SPIなどとは異なり、意図的な回答操作ができない仕組みになっている)
※コンピテンシー他者評価に関しては、学生の友人などに実施を依頼するため、当人が受験するわけではない。検査に関する詳細はGROW360公式HPにて確認できる。
※出典:オリエンタルランド|総合職2020年卒のWebテスト
内定者の話によると、オリエンタルランドのテストセンターのボーダーは高くないそうです。とはいえ、選考で落とされている学生も一定数います。油断せず参考書を繰り返し解いて対策しましょう。
GROW360については対策ができません。受験者が回答結果を意図的に操作できない仕様になっているからです。友人に回答を依頼する項目もあるため、期日には余裕をもって取り組むのをおすすめします。
4. グループディスカッション:協調性を示しながら質の高い発言を意識しよう
1次選考に通過するとグループ選考に案内されます。30分程度のグループディスカッションと5分程度の個人面接です。
グループディスカッションのテーマは「オリエンタルランドの第4のステージについて話し合ってください」でした。議題にそって7名~9名程度の学生が1グループとなってディスカッションを行います。選考を通過するためのポイントは「協調しながら質の高い発言をする」ことです。オリエンタルランドでは多くのキャストを束ねる業務を任されることもあり、マネジメント能力が重視される可能性があります。
自分だけでなく他者の意見もくみ取りながら、的確なコメントができるように心がけましょう。もしグループディスカッションで上手にアピールできなかった場合は、個人面接が挽回のチャンスとなります。グループディスカッションの反省点に関する質問が多いようです。話し合いの結果を振り返り、得た学びを端的に答えられるように準備しておくことをおすすめします。
5. 1次面接:見栄を張らずありのままの自分を表現しよう
1次面接は社員2人に対し学生1人で行う個人面接です。事前に10分程度のアンケート記入があり、事後に45分程度の社員座談会があります。過去には次のような質問がされました。・自己紹介
・生い立ち(小学校から現在まで、例:幼少時にどういう子だと言われていたか)
・大学時代に打ち込んだ事の構成比率(例:サークル40%、研究40%、バイト20%)
・大学時代にもっとも打ち込んだ〇〇について、なぜそれに取り組んだの?
・〇〇について、大変だったことは何?
・その困難を乗り越える上で工夫したことは何?
・その経験を通して、自分自身はどう変わったと思う?
・その経験で得た学びは何?
・(回答したアンケートを見ながら)他社の選考状況について
・オリエンタルランドを志望する理由は?
・オリエンタルランドでしたいことは?
・それは他社ではできないの?
・最後に伝えておきたいことがあればどうぞ
など
※出典:オリエンタルランド|総合職2020年卒の1次面接
1次面接を通過するためには、見栄を張らず「自分らしさ」を表現するのが大切です。普段どおりの自分で正直な気持ちを言葉にしましょう。マネジメント能力をアピールするのも重要です。前述したとおり、キャストを管轄する際は人を上手に束ねる力が欠かせません。学生時代の経験に基づき、周囲を巻き込んで成し遂げる力を示すのがベストです。
6. ジョブ:最終選考前の最後の関門! 協調しながら最後まで粘ろう
1次面接に通過すると「ジョブ」と呼ばれる課題解決型のグループ選考に案内されます。5名~6名程度でチームとなり、与えられたテーマについて話し合うワークです。1日かけて行うこともあり、選考での重要度も高い可能性が考えられます。最終面接前の最後の関門といっても過言ではありません。人事から高評価を得るために入念な対策を心がけてください。過去には次のような流れで選考が行われたそうです。テーマ(架空の設定)オリエンタルランドの新卒採用応募者数は、年々減少傾向にある。その原因として、人事部ではオリエンタルランドの魅力が伝わりきっていない、採用マーケットの実情を把握しきれていない、という2点を考えている。この設定を踏まえて以下の2つのワークに取り組み、アウトプットは模造紙に手書きで記入する。
ワーク(1):新卒採用広報メッセージ作成オリエンタルランドの新卒採用に当たって、広報メッセージを考えてください。その際、以下の3つのテーマに基づいて3つのメッセージを考えてください。
・数字を使ってオリエンタルランドを伝える魅力メッセージ
・オリエンタルランドの歴史を伝える魅力メッセージ
・総合的なオリエンタルランドの魅力を伝えるメッセージワーク
ワーク(2):新卒採用イベント企画立案①で考えた魅力を効果的に伝えるための新卒採用イベントを企画立案してください。その際、決められた予算と決められた広報期間の中で企画し、戦略や目的などを明確化するようにしてください。
<与えられる資料>
・会社概要
・IR
・社員インタビュー記事
・採用マーケットに関するレポート(出典はリクルート)など
<タイムテーブル>
09:45 集合
10:00 自己紹介およびテーマ発表
10:30 ワーク(1)開始(途中でプロジェクトマネジャー社員への報告を別室で1回行う)
12:00 中間発表(グループマネジャー社員への報告を行う)
12:15 昼休憩(昼食支給)
13:00 ワーク(2)開始(途中でプロジェクトマネジャー社員への報告を別室で1回行う)
16:30 全体発表(参加者全員の前で行う)
17:30 社員からのフィードバックおよび座談会
18:00
解散
※出典:オリエンタルランド|総合職2020年卒のジョブ
ジョブ選考を通過するポイントは「仲間と協調しながらチームをまとめ、最後まで粘り続けること」です。
議論された内容を整理しつつリーダーシップを示せるように心がけましょう。前述したとおり多くのキャストをマネジメントする統率力が、オリエンタルランドの社員には求められます。選考中の話し合いにおいても仲間の意見に耳を傾けつつ、全員が一丸となって課題解決に挑めるような連携力のあるチームづくりができるのが理想です。実際の就業時間に近い約7時間の選考でも、終了まで集中力を切らさず頑張り続けるのが重要です。
グループワークをスムーズに進めるためには、以下の順番で進行するのをおすすめします。
(1)定義づけ(それぞれの言葉や議論する範囲を定める)
(2)現状分析(理想的な状態と現状の差分を洗い出す)
(3)意思決定(最終的に取り組むべき問題を決定する)
(4)提案資料の作成
(5)最終発表(プレゼンテーションと質疑応答)
上記の流れで行えば、論理的でかつ円滑な話し合いが期待できます。ただし、最後のプレゼンテーションでも気を抜いてはいけません。逆質問も想定しながら入念な準備をチームのメンバーと行うのが、選考通過の秘訣(ひけつ)といえます。
7. 最終面接:最後まで油断せず入社意欲の高さを示そう
最終面接は社員2人に対して学生1人で行う個人面接です。前後に人事社員のフォローアップ面談が行われ、雑談やアドバイスが受けられる場合もあります。少しでも内定の確率を上げるために、しっかりとアピールしましょう。過去には次のような質問がされました。・なぜその大学/学部を選んだの?
・(履歴書/チャレンジシートの内容を踏まえて)学生時代の経験について深掘り
└なぜ〇〇をやろうと思ったの?
└大変だったエピソードは?
・小さい頃はどんな子だった?
・オリエンタルランドはいつごろ受けようと思った?
・オリエンタルランドを知ったきっかけは?
・自分の好きなところと改善すべきと思うことは?
・(併願企業について)なぜこの企業とOLCを併願しているのか
・なぜOLCを志望するのか
・OLCで成し遂げたいことは?
└他の企業ではできないの?
└なぜそれを成し遂げたいの?
・これまでの選考で「〇〇な人」と評価されているが、どう思うか
・終日グループワーク選考で、よかった点/反省点を教えて
・反省点について、改善するとしたらどういう行動をする?
・最後に一言
※出典:オリエンタルランド|総合職2020年卒の最終面接
最終面接は入社意欲の高さを確認する意味合いが強く、内定者によると倍率も高くないと言われています。とはいえ、落とされてしまう可能性もゼロではありません。
過去の選考と同様に過去の経験や就活の軸から「オリエンタルランドの総合職を志望する理由」を明確にするのが大切です。業界理解や企業理念への共感も示しつつ、オリエンタルランドで実現したいことを分かりやすく伝えましょう。結果的に入社意欲が伝わり、面接官からも高評価をもらえることでしょう。
おわりに
ここまで、オリエンタルランドの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。オリエンタルランドの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています。
選考ステップをみる
クチコミをみる
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
(Photo:MateusandOlivia/Shutterstock.com)