大学生は社会人とのツテが少なく、大学のキャリアセンターを使ったOB・OG訪問も難しい、サークルや学部の先輩をたどっても行きたい企業に務めている先輩がいない……。OB・OG訪問したいけど、普通の方法では手が打てない……!
そんな状況で、過去の就活猛者たちはどのようなやり方でOB・OG訪問を進めたのか、ご紹介します!
<目次>
●1人目:イベントでもらった名刺から芋づる式にコネクションを作った方法
●2人目:OB・OG訪問相手の探し方を徹底分析した先輩
●質問を用意し事前にメール送付するなど、社会人1年目レベルの事前準備を徹底する
・踏み込んだ企業分析を質問に反映する
・OB・OGの所属やバックグラウンドを事前チェックする
・質問リストを事前に送付する
●編集後記:OB・OG訪問は、ビジネススキルを身に付ける修行の場
1人目:イベントでもらった名刺から芋づる式にコネクションを作った方法
OB・OGの知り合いがいない時には、就活イベントで社員とのコネクションを作りましょう。例えば企業説明会にて名刺をもらい、後日あらためてOB・OG訪問をすることもできます。
そういった場で名刺をもらう学生は少ないので、快諾してくれるでしょう。1人OB訪問ができれば、その後はその社員から他の社員を芋づる式に紹介してもらえます。
大手総合商社に内定したあるMARCHの学生は、その企業だけでOB・OG訪問を30人以上行っていたそうです。その学生は企業の採用選考で「君の名前はいろんな社員から聞くよ」と社員から言われるほど注目されており、結果的に無事内定も取得できたと話していました。
※引用「【学歴フィルターをぶち壊せ!】MARCH生ならではの「理不尽あるある」とそれを乗り越えるための極意」
2人目:OB・OG訪問相手の探し方を徹底分析した先輩
会ったこともない大人と、たった1時間程度で打ち解けるのは難しいことです。社員が常に会話をリードしてくれるすてきな方であれば万々歳ですが、自分でコントロールできた方がベターです。
この前提を加味すると、社員訪問は相手選びが重要であることが分かってきます。会話の質は、自分と相手との関係性に左右されるからです。
では、訪問の相手はどこから見つけてくるのが良いのか?
社員のツテ探しの方法はさまざまですが、相手との打ち解けやすさでいうと、以下のような順序になると思います。
この優先順位で上から数人、同じ企業に訪問することができたら十分でしょう。
知っている先輩 > 信頼のおける人からの紹介 ≧ 部活やサークルの名簿 > 中高の名簿 > 大学の就活支援課 ≧ 企業HPから申し込める訪問 > 社員訪問のマッチングアプリ > SNS
※引用:「OB・OG訪問は当たりくじの多い箱から引け」
OB・OG訪問は数よりも質。
良い情報を得るためには、純粋に会話を楽しめるかどうかという点にあり、それは学生の意識だけでなく社員との関係性に大きく左右されます。
知っている人と話す方がぶっちゃけた話も聞き出しやすいので、このような優先順位でOB・OG訪問してみるといいかもしれません。
そうしてOB・OG訪問の場を設定できたなら、準備にも気合を入れましょう。続いて、現役商社マンであるタロタカシさんの記事をご紹介します。
質問を用意し志望動機を事前にメール送付するなど、社会人1年目レベルの事前準備を徹底する
踏み込んだ企業分析を質問に反映する
上述の筋の良い質問を行う就活生はOB訪問ごとにしっかりとした事前準備を行っています。
就活生向けの情報源である、企業の採用HPや説明会で得た情報だけでなく、他の公開情報もふまえて多角的に分析することがポイントです。具体的には、以下を参考にすると良いでしょう。
■ アニュアルレポート(ステークホルダー※向け)
例:三菱商事「統合報告書 2019」
■ 決算説明資料(ステークホルダー向け)
例:伊藤忠商事「決算公表資料(短信等) 2017年度」
※……利害関係者。具体的に消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など。
■アナリストレポート(投資家向け)
・Yahoo!ファイナンス:ヤフー(Yahoo! JAPAN)プレミアム会員になると閲覧可能 ※会費は月1,188円
例:三菱商事
・SBI証券:口座を持つことで無料で閲覧可能 ※「評価レポート」の欄から確認可能
例:三井物産
例えば私が、三菱商事の金属資源部門の事業投資担当の方にOB訪問をした際には、以下の質問をしていました。
「私は1つの案件を自ら作り、完結するところまで一貫してできるような働き方をしたいと考えています。事業投資を行う際、投資案件は投資担当の方が自ら入手されるのでしょうか? あるいは分業制で社内の営業担当の方が顧客から入手してくるのでしょうか?」
「ニュースリリースで見る限り、大半は出資比率が20%以下のマイナー出資でした。事業投資先の出資比率が100%ではない場合、他株主との折衝・交渉という仕事も出てくると思います。交渉はどのようなプレーヤーとどういった論点で交渉を行うのでしょうか?」
OB・OGの所属やバックグラウンドを事前チェックする
総合商社は事業領域の幅があり、領域ごとにカルチャーが大きく異なります。そのため、的確な質問を行うためには、OBの方が「どの企業か」以上に「どの部署でどんな仕事をされている方か」が重要です。
弊社を例にとると、とある部署の投資を担当するチームと、化学品を扱う部署の物流担当するチームでは、同じ年次の社員でも仕事の時間軸や対峙(たいじ)する現場の感覚も大きく異なっています。
OBの方のバックグラウンドに合わせて、的確な質問を行うためにも、気軽に聞けそうなOBであれば、LINEやFacebookなどで事前に連絡をとり確認させてもらうとよいでしょう。
質問リストを事前に送付する
結局は仕事も段取りが大切なので、事前に質問リストをメールで送付してくるような段取りの良い学生は「期待できるな」という印象を持ちます。
OB・OG訪問1週間前に質問リストをメールで送付する学生がいたのには、驚きました。当然、こちらも準備する余裕があり、結果深い話までたどり着くOB訪問の時間となりました。
それに、「事前準備をきちんと行う学生」 = 「志望度が強い学生」としていると捉え応援したくなるのが商社の社員ではないでしょうか。
ここまで当たり前と思えた方は素晴らしいですが、意外と徹底できていない方は多かったのではないでしょうか。なお、今回挙げた3点は、社会人1年目の段階で求められるレベルの仕事の進め方ともいえます。事前の質問リストのメール送付等、そのレベルで段取りをして目的を明確にし、OB・OG訪問に臨むようにすることが、あなたの印象を格段に良くすることは間違いないのです。
※引用:「【現役商社マンが指南】50名にOB訪問をされたから分かる、総合商社OB訪問で好印象を得る質問の特徴」
編集後記:OB・OG訪問は、ビジネススキルを身に付ける修行の場
「OB・OG訪問が大事」といわれるのはなぜか、お分かりになったのではないでしょうか。
・自分でOB・OG訪問する社員を開拓できる能力
・OB・OG訪問の事前準備がきちんとできる能力
就活でこの2つのスキルが身に付けば、内定後の社会人のスタートも切りやすくなります。OB・OG訪問も修業の場だと思って、頑張ってください!
▼OB・OG訪問のここがわからない!? では、お答えします!!
・OB訪問の質問・メールを『元人事』が解説!事前準備のやり方と企業別の事例まとめ
▼社会人とのメールはこちらを参考に!
・【就活メールの例文/件名】OB訪問・内定時のお礼、面接日程変更/辞退、説明会キャンセルなど
▼OB訪問前は以下の記事も参考にしてください!
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・OB・OG訪問の質問で「深い内容」を聞く方法と例&質問リスト50選
・OB訪問の質問・メールのコツを「元人事」が解説!高評価を得る事前準備のやり方と企業別の事例まとめ
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