ボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニー(ベイン)と並び、圧倒的な存在感を誇る外資系戦略コンサル、マッキンゼー・アンド・カンパニー(マッキンゼー)の選考対策についてお伝えします!
選考前の最終確認にぜひご一読ください。
<目次>
●マッキンゼー・アンド・カンパニーの特徴
●マッキンゼー・アンド・カンパニーの選考全体のポイント
●マッキンゼー・アンド・カンパニーの選考フロー
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. 1次面接
・4. 最終面接
●おわりに
マッキンゼー・アンド・カンパニーの特徴
「グローバル体制」を体現する、世界屈指のコンサルティングファーム
マッキンゼーは、ポリシーとして「One Firm(※1)」を掲げています。
一般的に、外資系企業は、あくまでグローバル企業の日本支社的な立ち位置であることも多いといわれていますが、2024年卒の内定者が社員に聞いた話によると、「One Firm」という合言葉を持つマッキンゼーでは、世界的な人材やノウハウの共有が盛んに行われていることが特徴とのことです(選考対策ページより)。
このようなグローバル企業であるマッキンゼーの魅力を(1)国際的な働き方ができる環境(2)競争優位性の2点から紹介します。
(※1)……マッキンゼーが掲げるポリシーの1つで、「地域・専門の垣根を超えて、世界中のマッキンゼー社員が1つのチームとして知識や経験、人材を共有し合うこと」を意味する
(1)国際的な働き方ができる環境
同社は、日本オフィスで採用された社員でも、海外オフィスで働く機会が多く用意されています。具体的には、英語の基準が一定以上に達していると、海外オフィスへの移籍が申請できるとのことです。
内定者が社員に聞いた話によると、実際に、入社1年目でドイツに移籍した社員、3年目でロンドンに移籍した社員もいたそうです。また、同内定者によると日本オフィスにいても、東京オフィスのパートナーは半数ほどが外国人であるため、英語オンリーのプロジェクトも多数あるそうです。
このように国際色の強い環境のマッキンゼーは、「多様な価値観を吸収しながら仕事がしたい」「いつか海外に羽ばたきたい」と考える学生にはおすすめの企業です。
(2)良質な海外市場分析による競争優位性の高さ
マッキンゼーは、海外マーケットへの知見が深く、クライアントが求める情報を豊富に提供できます。
あるパートナーは「ヨーロッパ企業によるアジア企業の買収案件では、世界各国から召集したメンバーでチームを組んで分析を行い、異なる文化圏にある企業の統合施策を行った。このような国境をまたいだ協力体制は、マッキンゼーだからこそできる支援だ」と語っています(※2)。
「グローバルに情報を持ち、分析できる」というグローバルファームならではの利点を生かすことができるのは、マッキンゼーの魅力の1つだといえるでしょう。
(※2)参考:マッキンゼー・アンド・カンパニー「コンサルタントとして働くこと 山田唯人」
マッキンゼー・アンド・カンパニーの選考全体のポイント
問題解決に不可欠なリーダーシップを示そう
マッキンゼーでは入社時の選考でもリーダーシップがあるかを重視されます。
24卒の内定者いわく、選考では、最終面接の人物面接で必ず「リーダーシップを発揮した経験」について問われたそうです(選考対策ページより)。
実際に選考を通過した内定者のエピソードの構成例を示しますので、参考にしてください。
【取り組んだことの概要】
・サークル活動
・部活動
などチームでの経験
【取り組む上で発生した問題の例】
・メンバーのコミット不足
・参加者や顧客などの集客力のなさ
・活動が理解されないことで、リソースが集まらない
【問題に対して周りを巻き込んだ施策を講じた話の例】
・メンバーの参加率を向上させるために、一人一人とコミュニケーションをとることにした
・全員と目標を共有し、地道に協力を呼び掛けた
など
【施策の効果の例】
・練習参加率が10%向上した
【具体例エピソードの例】
サークル活動において上級生の練習参加人数が少なく、下級生を指導するための人手が足りないという課題が発生していた。そこでメンバー全員と話す機会を作るために、週に1度ミーティングを開き、サークルに関する不満なども聞きながら課題を全員で共有することで、各自が当事者意識を持ってくれるように取り組んだ。
成長幅の大きさを示せるか
マッキンゼーの選考では「グローバルリーダーに成長できる人材であるか」が重視されているようです。
実際、マッキンゼーの元採用マネジャーも「選考では採用時の能力よりも、成長したときの可能性の大きさを見ている。成長スピードの速い人は面接官の言葉からすぐに学びを得て、次の質問に生かすことができる人だ」と語ります(※3)。
また、24卒の選考経験者も、説明会で「地頭がいいことよりも、面接官からのフィードバックを受けて、柔軟に自身の回答を更新できることが大切。ゲーム選考でも、最初から上手にできている人だけでなく、試行錯誤しながらPDCAを回し、最終的なアウトプットを高められた人を評価している。これができる人こそが、入社後に成長できる人だ」と言われたそうです(選考対策ページより)。
以上のことから、面接官のフィードバックを柔軟に受け入れられる姿勢を示し、選考を突破しましょう。
(※3)参考:伊賀泰代『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』(ダイヤモンド社、2012年)
▼選考におけるポイントやクチコミを詳しく見たい方はこちら!
【合格の秘訣】企業の概要・選考での評価ポイント
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの選考フロー
24卒のマッキンゼーの選考フローは以下のように進みます。
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 1次面接
4. 最終面接
それでは選考ごとに見ていきましょう。
1. エントリーシート(ES):通過率は高いが、油断せずに取り組もう。
マッキンゼーの24卒のエントリーシート(ES)の質問は以下の通りです。
・マッキンゼーのコンサルタントを志望する理由(200字以内)
※出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー│ビジネスアナリスト2024年卒本選考のES
内定者いわく、周囲の通過率や結果通知が早かったことから、あまり絞り込みはされていないように感じたとのことです。しかし、ここで落ちる可能性がないとは言い切れないため、油断せずに取り組みましょう。
具体的には、以下のような対策ができますので参考にしてください。
<ESを書く際に押さえたいポイント>
【構造化】
「研究では◯◯を行った。研究の背景には◯◯があり、より詳細には◯◯といったことを行った」
【結論ファースト】
「学生時代力を入れたことは、◯◯である。その中で行った施策は大きく◯◯個ある。まず1つ目は、◯◯。次に2つ目は◯◯」
【定量的な記述】
「売上は前年比◯◯倍の◯◯円になった」
【キーワードの強調】
「自分の強みは『チャレンジ精神』である」
など
<ESを提出する前にチェックすること>
・企業サイトなどをチェックし、企業の仕事内容や社風と合っている内容か
・文末の口調は統一されているか
・省略できる無駄な文がないか
・熟語にできる無駄な語がないか
・誤字脱字はないか
・伝えたいことが伝わる文章になっているか
など
▼マッキンゼー・アンド・カンパニーのES・志望動機について詳しく知りたい方はこちら!
【ES・体験談】選考通過者の事例と対策法
【志望動機・選考の感想】
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
▼ES作成に関するおすすめの記事はこちら
・【エントリーシート(ES)完全対策版】下準備(自己分析)から書く際のコツ・書き方、頻出質問への回答例、業界ごとの特性まで全て解説!
・【ES・面接対策】受かる自己PR例文集とNG例!作成方法から評価ポイントまで徹底解説!
2. Webテスト:SHL形式からオンラインゲーム型の独自試験に
24卒は自宅受験のWebテストで、形式は企業オリジナル。所要時間は1時間程度でした。
内容は、以下の2種類のゲームです。
・ある環境下での生態系を作るゲーム
└ルール:植物などの被捕食種には蓄積カロリー、捕食種には蓄積カロリーと消費カロリーの数値と、特定の捕食と被捕食関係が設定されている。蓄積カロリーと消費カロリーのバランスをとり、永続する生態系を作ることが目標。
・ある植物を外来種から守るパズルゲーム
└ルール:マスの中央にある植物を守るため、マスの端から近づいてくる外来種に対して、障害物や外来種の天敵をマスに設置して進行を防いだり、ダメージを与えたりするのが趣旨。3回戦まで行われ、各回で特定のターンまで植物を守り切るのが目標。※出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー│ビジネスアナリスト2024年卒本選考のWebテスト
2022年卒から引き続き、24卒でも「Imbellus」というテストが採用されました。
これは簡単な計算が必要なオンラインゲームで、Imbellusという米国のベンチャー企業が提供しているものだとのことです。
具体的には、
・ある環境下での生態系を作るゲーム:無数の情報を処理することが求められる
・ある植物を外来種から守るゲーム:何回もPDCAを回す中でより効率のいい方法を模索することが求められる
といった2種類のゲームで構成されています。
このWebテストの対策に関して、24卒の内定者は「採用サイトにあるゲーム選考の攻略法を読み込んだり、体験談を参考にしたりして、対策を立てて臨むとよいだろう」と語っています。
今後の選考でも同様のWebテストが行われる可能性は十分あるため、事前に頭に入れておくといいでしょう。
3. 1次面接:通過難易度の高いケース面接。対策は必須
1次面接は、学生1人:社員1人のオンラインでのケース面接で、所要時間は30分程度。テーマは「ある老舗自動車メーカーの新製品の売り上げ向上策」で、以下のような質問が課されました(選考対策ページより)。
<質問内容>
テーマ「ある老舗自動車メーカーの新製品の売り上げ向上策」
└面接官から詳しい現状の共有
└ボトルネックを網羅的・構造的に述べよ
└ボトルネックに対してどのようにアプローチするか
└他社比較(表の読み取り)
└生産方法を変えた場合、売上がどれだけ伸びるか(計算問題)
など※出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー│ビジネスアナリスト2024年卒本選考の1次面接
マッキンゼーのケース面接は、最初に個人ワークの時間が与えられることはなく、面接官との対話を進めていく中で提案を考える形式です。
全体的に学生のレベルは高いため、ケース面接の対策は必須であるといえるでしょう。具体的には、以下のような対策ができますので参考にしてください。
常に対話の「1往復先」を考える意識をしよう
マッキンゼーのケース面接は、上述の通り、面接官との対話を進めていく中で提案を考える形式であるため、面接官との対話を「1往復以上」先読みする意識を持つことが重要です。
「この質問の意図は何なのか」「この先にはどのようなことを聞こうとしているのか」といった一歩先の視点を持つことで、逆算的に面接官の求めている答えを探るようにしましょう。
例えば、売上が落ちているクライアントへの提案の中で、「海外であればどういう地域に進出すべきか」という質問があったとします。この後には海外売上の推定を含め、売上に焦点が当たるであろうことを想定すれば「売上を拡大することが今回の目的なので、その点で言えば、人口も多く◯◯も多い◯◯がいいと考えられます」といったように、目的を見据えた回答ができます。
施策を複数提示したときには、スタンスを取って1つを選ぼう
マッキンゼーのケース面接では、最後の打ち手を複数挙げることが求められます。そこで重要になるのが、その中から有力だと思う施策を自分なりに1つ選択することです。
論点を構造化し、問題点と施策を列挙するだけでは、自分らしさはアピールできません。
そのため、「これらの施策の中では、◯◯の案が◯◯という観点で一番いいと思っています」といった形で、スタンスを取った回答をするようにしましょう。
4. 最終面接:鬼門となる最終面接。人物面接の対策も必須
最終面接は、学生1人:社員1人のオンラインでの個人面接が2回行われました。所要時間はどちらも1時間程度で、以下のような質問が課されました。
<1人目>
■人物面接
└困難な状況でリーダーシップを発揮した経験
■ケース面接
└テーマ「東南アジアにおける携帯電話の契約数を増加させ得る方法」
<2人目>
■人物面接
└意見の相違があるチームでリーダーシップを発揮した経験
■ケース面接
└テーマ「東南アジアの不動産デベロッパーにおける売り上げ向上策」
など※出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー│ビジネスアナリスト2024年卒本選考の最終面接
内定者の話によると、周囲の通過率から、この面接が一番の鬼門で、通過率が低いように感じたそうです(選考対策ページより)。
同社の最終面接では、パートナーとのケース面接と人物面接をセットにした面接が2回行われます。
ケース面接は1次面接と同様ですが、人物面接ではリーダーシップを発揮した経験について聞かれたとのこと。これらの質問が聞かれた際には、結論ファーストで分かりやすく回答するのはもちろんのこと、個性の強さもアピールできるといいでしょう。
▼マッキンゼー・アンド・カンパニーの選考ステップやイベントについて詳しく知りたい方はこちら!
【選考ステップ】各選考の詳細と解説
マッキンゼー・アンド・カンパニーが参加予定のイベント一覧
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
おわりに
いかがでしたか。皆さんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
マッキンゼーの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ】各選考の詳細と解説
【クチコミ】インターン/説明会/選考の感想
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
▼コンサルに関するおすすめの記事はこちら
・【業界研究:総合コンサル】アクセンチュア、デロイト、PwC、アビーム、KPMGの事業・社風、戦略コンサルとの違いを徹底比較!
・【業界研究:戦略コンサル】BIG3(マッキンゼー・BCG・ベイン)の特徴や社風を徹底比較!
(Photo:Pressmaster/Shutterstock.com)